「肩を回すとゴリゴリ鳴る」「腕を上げ下げするとコキッと音がして、そのとき肩も痛い」と気になっていませんか。
肩の「ゴリゴリ」「コキコキ」「パキッ」といった音だけで、肩の病気や重症度を判断することはできません。肩関節だけでなく、肩甲骨が胸郭の上を動く際にも、音や擦れるような感覚が生じることがあります。
先に結論
肩の音で重要なのは、「音がするか」より、「痛み・引っかかり・動かしにくさ・筋力低下を伴うか」です。
痛みがなく普段どおり肩を使えている場合には、音だけを理由に治療が必要とは限りません。一方、動かすたびに音と痛みが出る、途中で引っかかる、肩が硬くなってきた、腕に力が入りにくい場合は、整形外科で状態を確認します。
肩のゴリゴリ音は受診した方がいい?受診目安を先に確認する →
肩を動かした際の音には、「ゴリゴリ」「コリコリ」「コキッ」「パキッ」などさまざまな表現があります。
肩周辺では、肩関節だけでなく、腱や筋肉などの軟部組織、肩甲骨など複数の構造が連動して動きます。そのため、動作に伴って音が聞こえること自体は珍しくありません。
「ゴリゴリ音=軟骨が削れている」とは限りません
音の種類や大きさだけで、軟骨がすり減っている、腱板が切れているなどと判断することはできません。痛み、可動域、筋力、外傷歴などを合わせて考えます。
次のような状態であれば、音だけを理由に治療が必要とは限りません。
一方で、以前は音だけだったのに新しく痛みや引っかかりが出てきた場合には、現在の状態を確認する意味があります。
音と一緒に痛みがある場合は、「どんな音がするか」よりも、どこが痛むか・どの動作で痛むか・何が以前よりできなくなったかを確認します。
「肩がゴリゴリ鳴る」と感じていても、実際には肩関節の奥ではなく、肩甲骨の内側や背中側で音や擦れる感覚を感じている場合があります。
肩甲骨は腕の動きに合わせて胸郭の上を動きます。この肩甲骨と胸郭の間で音や摩擦感が生じることを、肩甲胸郭部のcrepitusと呼ぶことがあります。
肩甲骨側も「音だけ」か「痛みあり」かを分けます
肩甲骨周辺のcrepitusは、痛みがなくてもみられることがあります。一方、肩甲骨内側の痛みや圧痛を伴い、腕を上げるたびに明確な音や擦れる感覚が出る場合には、肩甲骨の動きや周囲の組織も確認します。
肩甲骨の内側そのものが痛む方は、筋肉だけでなく頚椎・神経・肩関節など別の原因を確認する場合もあります。
「どの角度で鳴るのか」「もっと回したら音が消えるのか」と、痛みを我慢して何度も肩を回す必要はありません。
無理に「ゴリッ」と鳴らそうとしない
反対の手で肩を押しながら強く回す、重いダンベルを持って音や筋力を確認するといった自己テストは避けてください。「どの動作で」「どの場所に」音や痛みが出るかを覚えておけば、診察時の参考になります。
痛みがなく、肩を普段どおり使えており、日常生活にも支障がない場合は経過をみられることがあります。
一方、次のような変化がある場合は整形外科で状態を確認することをご検討ください。
転倒、衝突、スポーツ、重い物を持った瞬間などに「ゴキッ」「ブチッ」とした音や感覚があり、その直後から強く痛む場合は、普段から鳴る関節音とは分けて考えます。
骨折・脱臼や腱などの外傷について評価が必要になる場合があります。
通常の外来予約を待たず、速やかな評価を考えたい症状
痛みや動かしにくさを伴う肩の音は、病名が分からなくても相談できます
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、肩の痛みを一般整形外科の保険診療で診察しています。「腱板なのか、関節なのか、肩甲骨周辺なのか分からない」という段階で病名を決める必要はありません。音が出る動作、痛む場所、可動域や筋力などを確認し、必要な検査・治療を医師が判断します。
西新宿本院の整形外科保険診療を予約する 横浜駅前院の整形外科保険診療を予約する診察では「ゴリゴリという音がする」という情報だけで病名を決めません。音や痛みが出る場所・動作、肩の可動域、筋力、外傷歴などを組み合わせて確認します。
肩の前・外側・上部・肩甲骨周辺など、本人がどこに音や違和感を感じているかを確認します。
また、腕を上げる、下ろす、回すなど、必要な範囲で症状が出る動作を確認します。
肩をどこまで動かせるか、明らかな筋力低下がないか、肩が抜けそうな不安定感がないかなどを確認します。肩甲骨側に症状がある場合には、肩甲骨の動きや左右差なども診察の対象になります。
外傷後の骨折・脱臼や、骨・関節の状態などを確認する必要がある場合には、症状や診察所見に応じてX線検査を検討します。
画像上に変化がみられた場合でも、その所見だけで現在の音や痛みの原因とは判断しません。症状や身体診察と合わせて評価します。
腱板や滑液包など、X線では詳しく確認しにくい比較的表層の軟部組織を評価する必要がある場合には、超音波(エコー)検査を検討することがあります。
肩関節内部などをさらに詳しく確認する必要があると医師が判断した場合には、MRIなどに対応できる医療機関への紹介を検討します。SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。
肩から音がするからといって、音そのものを必ず治療するわけではありません。
痛みや可動域制限、筋力低下などがある場合には、その原因や症状の程度に応じて、痛みを誘発する活動の調整、薬物療法などを検討します。
リハビリテーションも全員に必要なわけではありません。適応がある場合には、肩関節の動きや筋力、肩甲骨の動き、仕事・スポーツ時の身体の使い方などを確認しながら進めます。
SBC整形外科クリニックのリハビリテーションについて見る →
音だけで軟骨の状態を判断することはできません。肩関節や周囲の組織、肩甲骨の動きなどでも音が生じることがあります。痛みや可動域制限などがある場合は、必要に応じて診察や画像検査で状態を確認します。
音だけで、痛み・引っかかり・動かしにくさ・筋力低下がなく、普段の生活に支障がない場合には経過をみられることもあります。ただし、新たに痛みや機能低下が出てきた場合は整形外科で相談できます。
音を鳴らすこと自体を目的に、痛みが出るところまで強く動かす必要はありません。特に痛みや引っかかりを伴う場合には、繰り返し症状を誘発することは避けてください。
腱板障害では肩の痛みや筋力低下などがみられることがありますが、「ゴリゴリ鳴る」という症状だけで腱板損傷とは判断できません。痛む場所、肩の動き、筋力などを確認し、必要に応じて画像検査を検討します。
肩甲骨と胸郭の間で音や擦れる感覚が生じる場合があります。音だけなら必ずしも異常とは限りませんが、肩甲骨内側の痛みや圧痛、動作時に繰り返す明確な音などを伴う場合は状態を確認します。
「音はするけれど、これって病院へ行くほど?」という段階でも、痛みや動かしにくさが気になる場合は整形外科で相談できます。 音の表現だけでなく、「どこで鳴るか」「どこが痛むか」「何ができなくなったか」を伝えることが診察の手掛かりになります。
SBCメディカルグループ 整形外科部門統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本成長学会
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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。肩の音だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査や治療は、症状や診察所見などに応じて医師が判断します。