「肩に力が入らず、腕を上げても下がってしまう」「反対の腕で持ち上げれば上がるのに、自分の力では保てない」「重い物を持とうとしても肩に力が入らない」と感じていませんか。
肩の力の入りにくさ・腕を持ち上げにくい・上げた腕を保持できないといった症状では、肩腱板損傷が関係していることがあります。
先に結論
「痛くて腕が上がらない」と「力が入らず腕を保てない」は、確認するポイントが異なります
腱板を傷めると、肩の痛みだけではなく、腕を上げるときの筋力低下や、上げた腕を保持しにくい症状がみられることがあります。
ただし、腕に力が入らない原因は腱板損傷だけではありません。頚椎から出る神経の障害、外傷、肩関節周囲の病気などでも筋力低下が起こるため、症状だけで病名を決めず整形外科で確認することが重要です。
突然、片腕に力が入らなくなった場合は注意してください
肩の病気ではなく、脳や神経の病気による筋力低下の場合もあります。
このような場合は通常の整形外科外来を待たず、救急医療を優先してください。
腱板とは、肩関節の深い位置にある筋肉・腱の集まりで、上腕骨を安定させながら肩を動かす働きをしています。
腱板が傷ついたり断裂したりすると、肩の安定性や腕を上げる働きに影響し、痛みだけではなく腕を上げるときに力が入りにくいと感じることがあります。
例えば、
といった症状がみられることがあります。
整形外科では、腱板損傷が疑われる場合に、腕を持ち上げた状態から保持できるかなどを確認する診察があります。
SBC整形外科クリニックの肩腱板損傷ページでも、腕を横へ上げた状態を保てない、わずかな抵抗で腕が下がってしまう場合に腱板損傷を疑うドロップアームサインについて解説しています。
ただし、これはあくまで診断の参考となる所見の一つです。自宅で何度も腕を上げ下げして確認したり、「腕が落ちたから腱板断裂」と自己診断したりする必要はありません。
肩を上げられないときは、「何が原因で上げられないのか」を確認することが重要です。
痛くて上げられない
腕を動かす力はあっても、痛みが強いため途中で動作を止めてしまう状態です。五十肩、腱板損傷、石灰沈着性腱板炎、外傷など、さまざまな原因でみられます。
力が入らず上げられない・保持できない
強い痛みだけでは説明しにくい筋力低下があり、腕を持ち上げにくい、持ち上げても保持できない状態です。腱板損傷だけでなく、神経への影響なども確認します。
実際には「痛みもあるし、力も入りにくい」というケースもあります。
そのため、受診時には単に「腕が上がらない」だけではなく、「痛くて止まるのか」「力が抜ける感じなのか」「他の人に持ち上げてもらえば動くのか」などを医師へ伝えると診察の参考になります。
「肩に力が入らない」という症状だけで、腱板損傷と判断することはできません。
頚椎・神経の問題
頚椎症性神経根症などでは、首から腕へ向かう神経が刺激・圧迫され、肩から腕の痛み・しびれだけでなく、上肢の筋力低下がみられることがあります。
首を動かすと腕まで痛む、指にしびれがある、握力も落ちている場合などは、肩関節だけでなく頚椎・神経も確認します。
五十肩・肩関節周囲炎
痛みや関節の硬さによって腕を動かしにくくなることがあります。一般に、腱板断裂では五十肩ほど強い関節拘縮がみられないケースもありますが、症状だけで完全に区別することはできません。
骨折・脱臼などの外傷
転倒して肩を打った直後から腕が上がらない場合は、上腕骨近位部骨折、肩関節脱臼、鎖骨骨折などの外傷も確認する必要があります。
その他の神経障害
大きな外傷などをきっかけに、腕神経叢など肩から腕へつながる神経が損傷すると、肩を持ち上げる力そのものが低下する場合があります。
首から腕・手にしびれや力の入りにくさがある方は、 頚椎症性神経根症 もご覧ください。
転倒後から急に腕が上がらなくなった方は、 転んで肩を打った・腕が上がらない も参考にしてください。
肩や腕の筋力低下が続いている場合は、単なる肩こりと決めつけず整形外科で相談できます。
特に次のような場合は、受診を検討してください。
「痛い」よりも「力が入らない」が気になる方へ
SBC整形外科クリニック西新宿本院は西新宿駅から徒歩2分です。
肩関節だけでなく、必要に応じて頚椎・神経への影響も含めて診察します。「腱板なのか分からない」という段階でもご相談ください。
肩に力が入らない症状を相談する →※Web予約では「整形外科保険診療」をお選びください。必要な検査・治療は診察後に医師が判断します。
整形外科では「腕が落ちるか」だけを見るのではなく、痛む場所、筋力、肩関節の動き、首や手の症状などを総合的に確認します。
腕をどこまで自力で上げられるか、上げた状態を保てるか、外から加えた抵抗に耐えられるかなどを確認します。
また、肩関節そのものの動きが硬くなっていないか、首を動かしたときに腕の症状が変化しないかなども確認します。
レントゲンでは骨折、脱臼、肩関節周辺の骨の状態などを確認できます。
一方で、腱板そのものはレントゲンでは十分に評価できません。レントゲンに大きな異常がなくても、肩の力の入りにくさが続く場合には軟部組織の評価を検討します。
超音波検査では、肩を動かしながら腱板などの軟部組織を確認できます。症状や診察所見に応じて、腱板の損傷・断裂などが疑われる場合に検討されます。
腱板損傷の範囲や肩関節内部を詳しく確認する必要がある場合には、MRI検査を検討します。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。MRIなどの詳しい画像検査が必要と判断した場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
治療は、腱板損傷の範囲、痛み、筋力低下の程度、年齢、生活・仕事への影響、外傷性かどうかなどを確認して決めます。
腱板損傷が確認されたからといって、すべての方がすぐに手術になるわけではありません。症状や状態に応じて、まず保存療法を行うケースがあります。
薬物療法・注射など
痛みや炎症の程度に応じて、消炎鎮痛薬などの薬物療法や注射療法を検討することがあります。
リハビリテーション
肩関節の可動域、損傷していない腱板の機能、肩甲骨・体幹の動きなどを確認し、肩への負担を減らしながら機能回復を目指します。
手術
損傷範囲が大きい、明らかな筋力低下がある、外傷による断裂、保存療法でも痛みや機能障害が改善しないなどの場合には、専門医で手術を検討することがあります。
リハビリは「断裂した腱を運動だけで元どおりにつなげる治療」ではありません。
損傷していない筋肉・腱板や肩甲骨などの働きを活かし、痛みの軽減や肩の機能改善を目指す治療です。
肩腱板損傷についてさらに詳しく知りたい方は、 肩腱板損傷の症状・検査・治療 をご覧ください。
リハビリについては、 SBC整形外科クリニックのリハビリテーション科 もご覧ください。
原因が分からない段階で、ダンベルやチューブなどを使って無理に肩を鍛えることはおすすめできません。
腱板損傷がある場合は、負荷のかけ方によって痛みが強くなることがあります。また、骨折・脱臼・神経障害など別の原因が隠れている場合もあります。
特に、以前できていた動作が急にできなくなった、左右で明らかに筋力が違う場合は、筋トレを始める前に原因を確認しましょう。
肩腱板損傷では、肩の痛みや夜間痛だけではなく、腕を持ち上げるときの力の入りにくさや、上げた腕を保持しにくい症状がみられることがあります。
一方、頚椎・神経の問題や外傷などでも同様の筋力低下が起こるため、「腕が落ちる=腱板断裂」と決めつけることはできません。
「肩が痛いというより力が入らない」「持ち上げた腕が下がってくる」「左右で明らかに肩の力が違う」という方は、無理に筋トレを続けず整形外科で原因を確認してみてください。
症状に合わせて確認したいページ
SBC整形外科クリニック西新宿本院では、肩の痛みだけでなく、「肩に力が入らない」「腕を上げにくい」といった症状も一般整形外科でご相談いただけます。
診察では肩関節の動きや筋力などを確認し、必要に応じてX線検査・超音波検査などを検討します。
MRIなどの詳しい画像検査や、手術を含めた専門的な治療が必要と判断した場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。