「脳に問題があると子どもの身長が伸びなくなる?」「成長ホルモンは脳から出ると聞いたけれど、うちの子は大丈夫?」と心配になる保護者の方もいるでしょう。
結論|脳のすべての病気が身長に影響するわけではありませんが、視床下部や下垂体など、成長ホルモンの分泌に関係する部分の異常によって身長の伸びが低下することはあります。
ただし、身長が低いだけで「脳の問題」「成長ホルモン不足」と判断することはできません。まず確認したいのは、現在の身長だけではなくこれまでの成長曲線と年間成長速度です。
30秒でわかるポイント
あります。ただし、「身長が低い=脳に病気がある」という意味ではありません。
子どもの成長に関係するのは、脳の中でも特に視床下部や下垂体など、ホルモン分泌を調整している部分です。
視床下部からの調節を受けて下垂体から分泌される成長ホルモンが病的に不足すると、子どもの身長の伸びる速度が低下することがあります。
身長が低いだけで、脳・下垂体の病気を疑うわけではありません
低身長には、遺伝や体質によるもののほか、ホルモン、染色体・遺伝子、骨・軟骨、慢性疾患、栄養状態、SGAなど、さまざまな原因があります。
低身長の原因全般については、「子どもの身長が伸びない原因は?低身長の基準・受診目安」をご覧ください。
成長ホルモンは、脳の底部にある下垂体から分泌されるホルモンです。
成長期には、成長ホルモンが肝臓や骨などへ作用し、IGF-1などを介して骨の成長に関わります。
成長ホルモンと身長の関係
視床下部がホルモン分泌を調節
↓
下垂体から成長ホルモンを分泌
↓
IGF-1などを介して骨の成長に関与
そのため、成長ホルモンの分泌が病的に不足すると、年間の身長の伸びが低下することがあります。
ただし、子どもの最終身長を決めるのは成長ホルモンだけではありません。
遺伝的要因、甲状腺ホルモン、性ホルモン、栄養状態、慢性疾患、思春期の進み方など、複数の要因が関係します。
成長ホルモン不足そのものについて詳しく知りたい方は、「成長ホルモンが少ないと低身長になる?」をご覧ください。
下垂体や視床下部、その周辺が障害されることで、成長ホルモンを含む下垂体ホルモンの分泌に影響する場合があります。
一方、成長ホルモン分泌不全の中には、詳しく調べても明確な原因が特定されない場合もあります。
「低身長だから脳腫瘍では?」と考える必要はありません。
重要なのは、身長の低さだけではなく、これまでの成長経過やほかの症状を合わせて評価することです。
身長だけを見て脳や下垂体の病気を判断することはできません。
特に重要なのは、それまでの成長パターンから変化しているかを見ることです。
小児科・小児内分泌科への相談を検討したい例
特に、頭痛や視覚症状などの神経症状を伴う場合は、身長だけを経過観察せず、医療機関での評価を受けることが重要です。
いいえ。−2SD以下という数値だけで、成長ホルモン不足と診断することはできません。
日本小児内分泌学会では、同じ年齢・性別の子どもの約95%が−2SD〜+2SDの範囲に入り、−2SD以下の子どもは100人のうち2〜3人程度としています。
そのため、−2SDは低身長を考える重要な目安の一つです。
しかし、病気の有無や原因を判断するときは、現在の身長だけでなく、成長曲線、年間成長速度、家族歴、思春期の進み方、診察所見、必要に応じた検査などを組み合わせます。
−2SDより高くても評価が必要な場合があります
現在の身長が標準範囲でも、以前より年間成長速度が低下したり、成長曲線上の位置が継続して下がっている場合には、「−2SDではないから大丈夫」と現在の身長だけで判断しません。
子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?年間成長速度を確認する
身長は平均範囲なのに成長曲線が下がってきた場合の見方を確認する
身長が低いという理由だけで、すぐにMRIを撮影したり成長ホルモン治療を始めたりするわけではありません。
まず、過去の身長・体重の記録、年間成長速度、出生歴、家族歴、既往歴、思春期の進み方などを確認します。
そのうえで、疑われる原因に応じて血液検査や手のレントゲンによる骨年齢評価などが行われます。
成長ホルモン分泌不全が疑われる場合には、専門医の判断で成長ホルモン分泌刺激試験など、さらに詳しい検査が検討されます。
成長ホルモンは、一日中同じ濃度で分泌されているホルモンではありません。
時間によって血液中の濃度が大きく変化するため、通常の採血で一度だけGH値が低かったとしても、それだけで成長ホルモン分泌不全とは診断できません。
IGF-1などの検査値も評価の参考になりますが、栄養状態などの影響を受けるため、単独で確定診断するものではありません。
GHの検査について詳しく知りたい方は、「成長ホルモンの平均値は?子どものGHは採血1回で分かる?」をご覧ください。
MRIでは、下垂体・視床下部やその周囲の構造を詳しく確認できます。
ただし、身長が低い子ども全員にMRIを行うわけではありません。
成長経過、診察、内分泌検査の結果、神経症状や既往歴などを踏まえ、下垂体・視床下部の異常が疑われる場合に専門医が必要性を判断します。
低身長 → すぐMRI、ではありません
まず成長曲線と成長速度から成長障害が疑われるかを評価し、診察や検査結果に応じて必要な検査を選びます。
必ずしもそうではありません。
治療は、身長の伸びが低下している原因によって異なります。
成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断され、治療適応がある場合には、成長ホルモン製剤による治療が検討されます。
一方、甲状腺の病気や脳・下垂体周辺の病気など、別の原因がある場合には、その原因に応じた診療が必要です。
「10歳を過ぎると治療効果が少ない」という一律の基準はありません
治療への反応には、原因となる病気、治療開始時の年齢や身長、骨の成熟、思春期の進行、治療期間など複数の要因が関係します。年齢だけで治療の適応や効果を判断することはできません。
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療そのものについては、専門医による診断・適応判断が必要です。
お子様の身長が低かったり、最近あまり伸びていなかったりすると、「成長ホルモンが出ていないのでは」「脳に病気があるのでは」と不安になるかもしれません。
実際には、まずこれまでどのようなペースで身長が伸びてきたのかを確認することが重要です。
母子健康手帳や学校の身体測定記録などから、過去の身長を確認してみましょう。
確認したい情報
| 現在の状況 | まず検討したいこと |
|---|---|
| 成長速度の明らかな低下、−2SD以下、成長曲線の下方偏位がある | 小児科・小児内分泌科などで原因を評価 |
| 頭痛、視覚症状、思春期の異常などを伴う | 医療機関での評価を優先 |
| 病気の精査ではなく、この先どのくらい伸びるかを知りたい | 成長記録や骨の成熟状態を用いた身長予測を検討 |
病気が疑われる場合は、身長予測より専門医での評価を優先してください
身長予測シミュレーションは、脳・下垂体疾患や成長ホルモン分泌不全を診断する検査ではありません。
脳・下垂体疾患を診断することと、現在の成長状態から将来身長の目安を確認することは目的が異なります。
病気による成長障害の精査が目的ではなく、「現在の成長状態から、この先どのくらい身長が伸びそうか知りたい」という場合には、これまでの成長記録や骨の成熟状態などを参考にする方法があります。
「うちの子はあとどのくらい伸びる?」を確認したい方へ
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳のお子様を対象に、成長記録やご両親の身長、手のレントゲンによる骨の成熟状態などを参考に、将来身長の目安を予測する「身長予測シミュレーション」を行っています。
対象:6歳(小学1年生)〜18歳
料金:15,270円(税込)
想定所要時間:約30分
予約:完全予約制
※身長予測シミュレーションは、将来の最終身長を保証するものではありません。また、脳・下垂体疾患や成長ホルモン分泌不全性低身長症を確定診断するための検査ではありません。病的な成長障害が疑われる場合は、小児科・小児内分泌科など専門医療機関での評価を優先してください。
身長予測は何歳からできる?子どもの将来身長を調べるタイミングを詳しく見る
いいえ。低身長には遺伝や体質を含めさまざまな原因があり、身長が低いという一点だけで脳・下垂体の病気を判断することはできません。成長曲線や年間成長速度、ほかの症状などを組み合わせて評価します。
違います。−2SDは低身長を確認する目安の一つですが、成長ホルモン不足の診断基準そのものではありません。
通常の採血1回だけでは判断できません。成長ホルモンは時間によって血液中の濃度が大きく変化するため、成長経過、IGF-1などの検査、必要に応じた成長ホルモン分泌刺激試験などを組み合わせて評価します。
すべてのお子様にMRIが必要なわけではありません。成長経過、診察、内分泌検査、神経症状や既往歴などから下垂体・視床下部の異常が疑われる場合に、専門医が必要性を判断します。
「10歳」という年齢だけで治療効果を判断することはできません。原因となる病気、骨の成熟、思春期の進行、治療開始時の成長状態、治療期間など複数の要因が関係します。
視床下部や下垂体などに病気や障害があると、成長ホルモンなどの分泌に影響し、身長の伸びが低下することがあります。
しかし、低身長の原因をすべて「脳の問題」や「成長ホルモン不足」と考えることは適切ではありません。
また、−2SD以下だからGH不足、通常の採血1回でGHが低いから分泌不全、10歳を過ぎたら治療できない、といった単純な判断もできません。
まず確認したいのは、これまでの成長曲線と年間成長速度です。
身長の伸びる速度が明らかに低下している、成長曲線が継続して下方向へずれている、頭痛や視覚症状などを伴っている場合には、小児科・小児内分泌科などで原因を評価することが重要です。
あわせて読みたい
| 所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 西新宿大京ビル7階 |
|---|---|
| アクセス | 西新宿駅 徒歩2分/新宿駅 徒歩7分/都庁前駅 徒歩7分 |
| 診療時間 | 9:15〜18:00 最終受付:平日・土曜17:00/日曜・祝日16:00 |
| 予約 | 平日予約優先制/土日祝完全予約制 |
| 電話 | 0120-962-992 |
| 所在地 | 〒220-0004 神奈川県横浜市西区北幸1-4-1 横浜天理ビル11階 |
|---|---|
| アクセス | 横浜駅 徒歩3分/横浜駅西口ジョイナス地下街直結 |
| 診療時間 | 全日9:15〜18:00/最終受付17:00 |
| 予約 | 平日予約優先制/土日祝完全予約制 |
| 電話 | 0120-003-943 |