「小学生の身長は1年で何cm伸びれば正常?」「去年は6cm伸びたのに今年は3cmしか伸びていない」「中学生になってから、身長がほとんど変わらない」
お子さまの身長について、同級生との身長差だけでなく、1年間の伸び方が気になる保護者の方もいるでしょう。
結論からいうと、思春期前の学童期では、年間5〜6cm前後が身長の伸びの一般的な目安です。
まず知っておきたい結論
子どもの身長は「年間何cm」だけで正常・異常を判断できません。
小学生では年間5〜6cm前後が参考になりますが、思春期には一時的に伸びが大きくなり、その後は徐々に少なくなります。年齢・思春期の段階・過去2〜3年間の成長記録を合わせて確認することが重要です。
例えば、思春期前の子どもが前年まで6cm程度伸びていたのに、今年は3cmしか伸びていない場合には、成長の経過を確認する必要があります。
一方、思春期後半で骨の成熟が進んでいる場合には、年間の伸びが2〜3cm程度になることもあります。
この記事では、小学生・中学生の年間成長速度、男女別平均身長、1年間で2cm・3cmしか伸びない場合の考え方、医療機関への相談目安を解説します。
子どもの身長が伸びる速さは、年齢や成長段階によって変わります。
乳幼児期は身長の伸びが大きく、学童期には比較的安定します。その後、思春期の成長スパートで再び伸びが大きくなり、骨の成熟とともに徐々に少なくなります。
思春期前の学童期では、身長は一般に年間5〜6cm前後のペースで伸びます。
ただし、すべての小学生が毎年同じように伸びるわけではありません。年齢や体質、成長段階によって違いがあります。
特に小学校高学年では、すでに思春期が始まっている子どもと、まだ始まっていない子どもがいるため、同じ学年でも伸び方に差が生じます。
中学生では、思春期の成長スパートによって身長の伸びが大きくなる場合があります。
成長スパートとは、思春期に身長の伸びる速度が一時的に増加する時期のことです。
一般的に女子の方が男子より早く始まる傾向がありますが、開始時期や伸び幅には個人差があります。
例えば、同じ中学2年生でも、成長スパートの最中にいる子どもと、すでにピークを過ぎた子どもでは、年間成長速度が大きく異なる場合があります。
思春期の後半になると骨の成熟が進み、年間の身長の伸びは徐々に小さくなります。
骨端線(成長板)が完全に閉鎖すると、その骨が長さ方向に伸びる成長は基本的に終了します。
ただし、高校生になったから必ず身長が止まるというものではありません。思春期の開始が比較的遅い場合など、年齢だけでは判断できないこともあります。
成長段階ごとの考え方
思春期前の学童期
年間5〜6cm前後が一般的な参考値
思春期・成長スパート
身長の伸びが一時的に大きくなる時期
思春期後半
骨の成熟に伴い、身長の伸びが徐々に小さくなる時期
同じ学年でも成長段階は異なります。年間の伸びを比較するときは、思春期の進行状況も確認しましょう。
年間の身長の伸びとあわせて、同年代の平均身長を知りたい方もいるでしょう。
文部科学省が2026年2月13日に公表した「令和7年度(2025年度)学校保健統計」による、6〜17歳の男女別平均身長は次のとおりです。
| 年齢 | 男子平均 | 女子平均 |
|---|---|---|
| 6歳 | 116.6cm | 115.6cm |
| 7歳 | 122.7cm | 121.6cm |
| 8歳 | 128.3cm | 127.5cm |
| 9歳 | 134.0cm | 133.8cm |
| 10歳 | 139.5cm | 140.9cm |
| 11歳 | 146.1cm | 147.4cm |
| 12歳 | 153.8cm | 152.4cm |
| 13歳 | 161.1cm | 155.0cm |
| 14歳 | 166.1cm | 156.4cm |
| 15歳 | 168.6cm | 157.0cm |
| 16歳 | 169.9cm | 157.5cm |
| 17歳 | 170.6cm | 157.9cm |
出典:文部科学省「令和7年度学校保健統計」。年齢は2025年4月1日時点の満年齢です。
この表を見ると、男子の平均身長は6歳で116.6cm、7歳で122.7cmです。
差は6.1cmですが、「すべての6歳男子が1年間で6.1cm伸びた」という意味ではありません。
学校保健統計の平均身長は、それぞれの年齢集団を調査した結果であり、同じ子どもを1年間追跡した数値ではないためです。
本人の年間成長速度を調べましょう
全国平均を比較するのではなく、現在の身長と1年前の身長を使って、実際の伸びを計算することが大切です。
年間成長速度とは、約1年間に身長が何cm伸びたかを示す指標です。
現在と1年前の身長が分かっていれば、簡単な引き算で確認できます。
年間成長速度の計算例
2025年4月:128.4cm
2026年4月:133.7cm
1年間の身長の伸び
5.3cm/年
133.7cm − 128.4cm = 5.3cm
この場合は、1年間で身長が5.3cm伸びたことになります。
学校の健康診断などでは、前回と今回の測定間隔がちょうど12か月ではないことがあります。
例えば、10か月間で身長が4.5cm伸びた場合、年間の成長速度に換算すると次のようになります。
測定間隔が12か月でない場合の計算
年間成長速度(cm/年)
= 身長の増加量 ÷ 測定間隔(月) × 12
例:10か月で4.5cm伸びた場合
4.5 ÷ 10 × 12 = 5.4cm/年
ただし、これは測定期間中の伸び方を1年間に換算した参考値です。
測定期間が短い場合は、測定誤差や成長のばらつきによる影響が大きくなるため、短期間の数値だけで成長の状態を判断しないようにしましょう。
過去の身長は、次のような資料で確認できます。
可能であれば、同じ測定器・同じ時間帯・同じ姿勢など、できるだけ近い条件で測った記録を比較しましょう。
まず確認したい3つの数字
現在・1年前・2年前の身長を並べると、今年だけの変化なのか、以前から伸びが少ないのかを確認しやすくなります。
子どもの身長は、毎年まったく同じ速度で伸びるわけではありません。
ただし、思春期前の子どもで年間の伸びが以前より明らかに小さくなった場合は、成長の経過を確認することが重要です。
8歳→9歳:5.8cm
9歳→10歳:5.6cm
10歳→11歳:5.5cm
このように、年ごとの伸びに多少の違いがあっても、比較的安定したペースで成長している場合があります。
8歳→9歳:5.9cm
9歳→10歳:5.6cm
10歳→11歳:3.2cm
この場合は、以前の年間成長速度と比べて、伸びが小さくなっています。
これだけで病気とはいえませんが、正しい測定ができているか、成長曲線上の位置に変化がないか、思春期の進み方はどうかを確認することが大切です。
「今年は3cmだった」という数字だけでなく、「以前は5〜6cm伸びていた」という経過が重要です。
「小学生なのに年間3cmしか伸びていない」「中学生で1年間に2cmしか身長が伸びなかった」といった場合、病気ではないか気になるかもしれません。
ただし、同じ2cm・3cmでも、思春期前なのか、成長スパートを過ぎた後なのかによって意味が変わります。
思春期前の学童期であれば、年間3cmは一般的な目安の5〜6cmより小さい伸びです。
特に、前年までは5〜6cm伸びていたのに急に3cm程度になった場合や、同年代の成長曲線から下方向へずれている場合は、成長の評価を受けることを検討しましょう。
ただし、1年間で3cmという数値だけで、成長ホルモン分泌不全などの病気と判断することはできません。
思春期前の子どもで年間の伸びが2cm程度の場合は、成長速度がかなり小さい可能性があります。
まず測定間隔や身長測定の誤差を確認し、過去の身長記録を成長曲線に記入しましょう。
正しい記録でも思春期前に年間2cm程度の伸びしかない場合は、小児科・小児内分泌科などでの相談を検討してください。
中学生の場合は、思春期の進行状況が重要です。
すでに成長スパートを過ぎ、骨の成熟が進んでいる場合には、身長の伸びが徐々に少なくなります。
一方、まだ思春期の成長スパート前と考えられるのに伸びが少ない場合や、以前より明らかに成長速度が低下している場合は、原因を確認する必要があります。
半年間の身長の変化は、測定条件や誤差の影響を受ける場合があります。
また、子どもの身長は毎月まったく同じ量ずつ伸びるわけではありません。
しかし、思春期前で正しく測定しても半年間ほとんど伸びていない場合や、成長曲線が継続して下がっている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
身長の伸びが小さい場合だけでなく、急に大きく伸びた場合にも、思春期との関係を考えることがあります。
思春期の成長スパートでは、年間10cm前後、あるいはそれ以上身長が伸びる場合もあります。
ただし、すべての子どもが年間10cm以上伸びるわけではありません。ピーク時の伸び幅には個人差があります。
また、成長スパートが始まる時期にも男女差や個人差があります。
身長が早い時期から大きく伸びていても、必ず最終身長が高くなるとは限りません。
思春期が比較的早く始まると、成長スパートも早く訪れる一方、骨の成熟も早く進む場合があります。
そのため、現在の身長だけでなく、思春期の進行状況や骨年齢などが今後の成長を考える手がかりになります。
女子で8歳未満に乳房の発育が始まる、男子で9歳未満に精巣の発育が始まるといった場合は、思春期早発症などの評価が必要になることがあります。
急に身長が伸びたからといって安心と決めつけず、年齢や身体の変化も合わせて確認しましょう。
関連記事:成長スパートはいつ?男子・女子の身長が伸びる時期 →
子どもの成長状態を考えるうえで、年間成長速度とともに重要なのが「成長曲線」です。
成長曲線とは、年齢と性別に応じた身長・体重の標準的な推移を示したグラフです。
SDとは「標準偏差」のことで、同性・同年齢の集団の中で、身長がどの程度の位置にあるかを考えるための指標です。
日本小児内分泌学会では、−2SD以下を低身長の一つの目安としています。
ただし、−2SD以下だから必ず病気というわけではなく、−2SDより上なら必ず問題がないというわけでもありません。
身長が毎年伸びていても、成長曲線上の位置が徐々に下がる場合があります。
これは、同年代の子どもたちと比べて、身長の伸びるペースが以前より小さくなっている可能性を示します。
一方、もともと小柄なお子さまでも、自分の成長曲線におおむね沿って伸びている場合があります。
平均身長でも成長曲線の確認が大切
現在の身長が平均範囲でも、成長曲線上の位置が継続して下がっている場合は、成長速度を確認しましょう。
「年間何cm以下なら必ず病院へ行くべき?」という疑問に、一つの数字だけで答えることはできません。
年齢や思春期の進行状況、現在の身長、過去の成長記録などを合わせて確認する必要があります。
次のような場合は、成長障害の有無を調べるために医療機関への相談を検討しましょう。
身長が伸びにくい背景には、体質や遺伝のほか、栄養状態、成長ホルモンなどのホルモンの病気、慢性的な疾患などが関係している場合があります。
病気による成長障害が疑われる場合は、小児科・小児内分泌科などで原因を調べることが優先されます。
一方、「病気が心配というより、うちの子はあと何cm伸びるのか知りたい」「現在の成長ペースから将来身長の目安を知りたい」という方もいるでしょう。
年間成長速度から分かるのは、これまでの身長の伸びです。
将来の身長を予測するためには、過去の成長記録に加え、骨年齢や骨端線の成熟状態などの情報も参考になります。
相談先を選ぶ目安
病気が原因か調べたい:小児科・小児内分泌科などで医学的な評価を受ける
あと何cm伸びるか知りたい:成長曲線や骨年齢などから将来身長の目安を確認する
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「今年は3cmしか伸びていないけれど、これから成長スパートが来る?」「中学生になってから伸びが少ないけれど、まだ伸びる?」
このような疑問を考えるときに参考になるのが、骨の成熟状態です。
子どもの骨には、骨端線(こったんせん)と呼ばれる軟骨性の組織があります。
骨端線は「成長板」とも呼ばれ、軟骨細胞が増殖・成熟して骨組織に置き換わることで、骨が長さ方向に成長します。
思春期が進むと骨の成熟も進み、骨端線は徐々に閉鎖していきます。
骨端線が完全に閉鎖すると、その骨が長さ方向に伸びる成長は基本的に終了します。
骨年齢とは、実際の年齢とは別に、骨格がどの程度成熟しているかを評価する指標です。
同じ13歳でも、骨の成熟が比較的ゆっくり進んでいる子どもと、成熟が進んでいる子どもでは、今後の身長の伸び方が異なる場合があります。
骨年齢は、一般的には手のレントゲン画像などから評価します。
ただし、骨年齢だけで将来身長を確定したり、成長障害の有無を断定したりすることはできません。
今後の身長を考えるためには
年間成長速度・成長曲線・骨年齢・思春期の進行状況などを組み合わせて考えることが重要です。
「今年はあまり身長が伸びなかったけれど、この先まだ伸びる可能性はある?」「成長スパートはもう終わった?」「大人になったら何cmくらいになる?」
このような疑問について、SBC整形外科クリニックでは6歳(小学1年生)〜18歳を対象とした身長予測シミュレーションを行っています。
現在の身長、ご両親の身長、これまでの成長記録、手のレントゲンによる骨年齢などを参考に、将来身長の目安を予測するメニューです。
成長曲線・年間成長速度
過去の身長記録をもとに、お子さま自身の成長ペースを確認します。
骨年齢・骨端線の成熟状態
手のレントゲン画像などを参考に、骨格の成熟状態を評価します。
将来身長の予測
現在の身長、成長曲線、ご両親の身長、骨の成熟状態などから、将来身長の目安を説明します。
身長予測シミュレーション
料金(税込)
15,270円
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
想定所要時間
約30分
予約
完全予約制
実施院
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母子健康手帳や学校の健康診断結果など、年齢ごとの身長が分かる記録をご持参いただくと、これまでの成長を確認しやすくなります。
公式の診療フローには、予測結果の説明後の採血・栄養指導についても案内されています。検査内容や実際の所要時間については、予約時にご確認ください。
身長予測シミュレーションは自由診療です。 将来身長の予測結果は目安であり、最終身長を保証するものではありません。また、成長ホルモン分泌不全などの病気を確定診断するための専門的な検査とは異なります。
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思春期前の学童期では、年間5〜6cm前後が一般的な目安です。ただし、年齢や成長段階によって異なり、一つの数字だけで正常・異常は判断できません。過去数年間の成長記録や成長曲線も確認しましょう。
年間3cmという数字だけで病気と判断することはできません。ただし、思春期前で年間3cm程度の伸びしかない場合や、以前より成長速度が低下している場合は、小児科などへの相談を検討しましょう。
あります。思春期の成長スパートでは年間10cm前後、あるいはそれ以上伸びる場合があります。ただし、伸び幅や成長スパートの時期には個人差があります。
初潮や声変わりの後も身長が伸びる場合はあります。ただし、思春期が進むと年間の伸びは徐々に小さくなります。初潮や声変わりだけで、残りの成長量を判断することはできません。
成長曲線・年間成長速度・骨年齢などを参考に、将来身長の目安を予測する方法があります。当院では6歳(小学1年生)〜18歳のお子さまを対象に、身長予測シミュレーションを行っています。
思春期前の学童期では、年間5〜6cm前後が身長の伸びの一般的な参考値です。
ただし、子どもの身長の伸び方は年齢や性別、思春期の進行状況によって異なります。
「今年は何cm伸びたか」という数字だけでなく、「お子さま自身の成長ペースが以前と比べてどう変わったか」を確認することが大切です。
成長障害の原因を調べる必要がある場合は、小児科・小児内分泌科などで医学的な評価を受けましょう。
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沼倉 裕堅 医師
東北大学医学部医学科卒業。救急科・整形外科などでの診療経験を積み、現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、一般整形外科や小児低身長に関する診療に携わっています。
子どもの成長曲線や骨年齢、将来身長などに関する情報発信にも取り組んでいます。
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