「仰向けで寝ると身長が伸びる?」「横向きやうつ伏せで寝ると背が伸びにくい?」「寝相が悪いと成長ホルモンが出なくなる?」
子どもの身長が気になると、食事や運動だけでなく、夜の睡眠や寝る姿勢にも気を配りたくなるものです。
結論からいうと、仰向け・横向き・うつ伏せなど、特定の寝方によって子どもの最終身長が高くなるという医学的な根拠はありません。
まず知っておきたい結論
身長のために寝る姿勢を無理に変える必要はありません。
学童期以降では、横向きや丸まった姿勢で寝ること自体が、骨の成長を妨げるとは確認されていません。大切なのは、十分な睡眠時間・規則正しい生活リズム・眠りやすい環境を整えることです。
ただし、睡眠時間を十分に確保すれば、必ず希望する身長まで伸びるわけでもありません。
この記事では、仰向け・横向き・うつ伏せの違いや寝返り、枕・マットレスの影響、成長ホルモンと睡眠の関係について解説します。
さらに、成長期に必要な睡眠時間や、十分に眠っていても身長が伸びにくい場合の確認方法も紹介します。
「仰向けが一番身長が伸びる」「横向きは背骨が曲がるからよくない」などの話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、寝る姿勢だけで骨が長くなったり、最終身長が高くなったりするという効果は確立されていません。
| 寝方 | 身長への影響 |
|---|---|
| 仰向け | 最終身長が高くなるという根拠はありません。 |
| 横向き | 横向きで寝ること自体が骨の成長を止めるとは確認されていません。 |
| うつ伏せ | 身長を伸ばす効果は確認されていません。1歳未満の乳児では安全面の注意が必要です。 |
| 丸まって寝る | その姿勢だけで骨が伸びなくなるという根拠はありません。 |
仰向けは、首や背中などに無理がかからず、楽に眠れる方もいる寝姿勢です。
しかし、仰向けで眠ることによって、成長ホルモンが特別に増えたり、骨端線が通常より長く伸びたりするという根拠はありません。
身長を伸ばすために、仰向けの姿勢を一晩中維持させる必要はありません。
横向きで寝る癖があるお子さまも少なくありません。
横向きでは背骨が曲がって見えることがありますが、それだけで骨そのものが短くなったり、成長が止まったりするわけではありません。
痛みや呼吸の問題がなく、本人が自然に眠れている場合は、身長のためだけに寝方を矯正する必要はありません。
学童期以降の子どもについて、うつ伏せで寝ること自体が最終身長を低くするとは確認されていません。
ただし、首を大きくひねった姿勢で痛みが出る場合などは、枕や寝具、寝る姿勢を見直しましょう。
また、乳児のうつ伏せ寝は、身長とは別の安全上の問題があります。
寒いときや横向きで寝るときに、膝を曲げて身体を丸めるお子さまもいます。
しかし、丸まった姿勢で寝たからといって、骨が伸びるための空間がなくなり、成長が止まるという仕組みではありません。
子どもの骨が長くなるのは、骨端線(成長板)における軟骨細胞の増殖・成熟などによるものです。
身長のために寝姿勢を固定する必要はありません
仰向け・横向き・丸まった姿勢のどれかを選んでも、最終身長が高くなるとはいえません。 お子さまが無理なく眠れる姿勢を大切にしましょう。
ここまでの「身長を伸ばす寝方は決まっていない」という説明とは別に、1歳未満の乳児には、睡眠中の安全に関する重要な注意があります。
こども家庭庁では、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症リスクを低くするため、医学的な理由で別の指示がある場合を除き、1歳になるまでは仰向けに寝かせることを勧めています。
SIDSは、それまで健康に見えた乳児が、予兆なく亡くなる原因不明の病気です。
仰向けに寝かせることは、身長を高くするためではなく、睡眠中の安全のための対策です。
1歳未満の乳児は安全な睡眠環境を優先
寝かせる際は原則として仰向けにし、硬めで平らな寝具を使用しましょう。
顔の周囲に柔らかい枕・クッション・ぬいぐるみ・掛け布団などを置かないことも重要です。乳児の寝姿勢を固定する器具の使用は避けましょう。
「寝返りを何度も打っている」「夜中に布団から出ている」など、寝相の悪さが気になることもあるでしょう。
しかし、寝返りは睡眠中に自然に起こる身体の動きです。
寝返りには、身体の同じ部分が長時間圧迫され続けることを避けるなどの役割があります。
そのため、寝返りをすること自体が、睡眠や身長に悪いわけではありません。
身長を伸ばす目的で、ベルトやクッションなどを使い、一つの寝姿勢に固定する必要はありません。
寝姿勢を無理に固定することよりも、本人が安心して眠れる環境を整えることが重要です。
寝相が悪いことだけで睡眠障害とは判断できませんが、睡眠中の呼吸や日中の様子は確認しておきたいポイントです。
次のような症状がある場合は、小児科や耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。
これらの症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群などが関係している可能性もあります。
睡眠に問題がある場合は、寝る向きや枕の高さだけで解決しようとせず、必要に応じて医学的な評価を受けましょう。
寝相だけで睡眠の質は判断できません
寝返りの多さだけで成長ホルモンの分泌量は分かりません。 呼吸の状態や日中の眠気、学校生活への影響なども確認しましょう。
睡眠は、子どもの心身の健康や成長にとって大切な生活習慣です。
成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、IGF-1などを介して骨や身体の成長に関わります。
成長ホルモンは1日中一定量が分泌されるわけではなく、時間とともに分泌量が変化します。
特に、睡眠開始後の深いノンレム睡眠と成長ホルモンの分泌には関連があることが知られています。
ただし、成長ホルモンは睡眠中だけに分泌されるわけではなく、寝姿勢を変えれば分泌量が増えるというものでもありません。
「成長ホルモンは夜22時から深夜2時のゴールデンタイムに分泌される」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、成長ホルモンの分泌は時計の時刻だけで決まるものではありません。
22時までに寝ないと成長ホルモンが出ない、身長が伸びなくなるというわけではありません。
大切なのは、毎日必要な睡眠時間を確保し、就寝・起床のリズムを整えることです。
十分な睡眠は健康な成長を支えますが、睡眠時間と身長の伸びは単純な比例関係ではありません。
睡眠を1時間増やしたから身長が何cm高くなる、という効果は確立されていません。
身長には遺伝や体質、栄養、ホルモン、思春期の進行、骨の成熟状態などが関係しています。
成長ホルモンと睡眠について
睡眠は成長ホルモンと関係しますが、寝る向きや睡眠時間だけで最終身長が決まるわけではありません。
成長期に必要な睡眠時間は、年齢によって異なります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、次の睡眠時間が参考として示されています。
| 年齢・学年 | 睡眠時間の目安 |
|---|---|
| 3〜5歳 | 10〜13時間 |
| 小学生 | 9〜12時間 |
| 中学生・高校生 | 8〜10時間 |
出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」。必要な睡眠時間には個人差があります。
小学生では9〜12時間を参考に、睡眠時間を確保することが推奨されています。
例えば、朝7時に起きる場合、9時間眠るには22時ごろ、10時間なら21時ごろに眠る必要があります。
実際には布団に入ってから眠るまでに時間がかかるため、就寝準備には余裕を持たせましょう。
中学生・高校生では8〜10時間が目安です。
思春期には生活リズムが夜型になりやすく、部活動や勉強、スマートフォンの使用などによって、睡眠時間が短くなることがあります。
睡眠時間を確保するために、起床時刻から逆算して就寝時刻を考えましょう。
朝7時に起きる中学生・高校生の場合
実際の就寝時刻は、寝つくまでの時間も考慮して調整しましょう。
休日に長く眠ることで、平日の睡眠不足を補おうとすることもあるでしょう。
しかし、休日に起床時刻が大きく遅くなると、睡眠・覚醒リズムが後ろにずれ、週明けの朝に起きにくくなる場合があります。
休日の寝だめだけに頼らず、平日から十分な睡眠時間を確保できるよう、生活スケジュールを見直しましょう。
睡眠で重視したいこと
特定の時刻に眠ることよりも、必要な睡眠時間を継続して確保することが大切です。起床時刻と生活リズムも意識しましょう。
寝る向きによって身長が伸びるわけではありませんが、生活リズムや睡眠環境を整えることは、成長期の健康のために役立ちます。
睡眠リズムを整えるためには、寝る時刻だけでなく、起きる時刻も重要です。
学校がある日と休日で生活リズムが大きく変わらないようにしましょう。
朝の光は体内時計を整えるための手がかりになります。
起きたらカーテンを開ける、登校時に屋外の光を浴びるなど、毎日の習慣に取り入れましょう。
寝る直前までスマートフォンやゲームを続けると、就寝時刻が遅くなったり、眠りにつきにくくなったりする場合があります。
寝る前は画面を見る時間を減らし、落ち着いて過ごせる環境を整えましょう。
寝室が明るすぎる、暑すぎる、寒すぎる、騒音が気になるといった環境では、眠りにくくなる場合があります。
季節に合わせて室温を調整し、本人が快適に眠れる環境を整えることが大切です。
「枕なしで寝ると身長が伸びる」「低い枕の方が骨が伸びる」「硬いマットレスなら身長が高くなる」といった効果は確立されていません。
枕やマットレスは、身長を伸ばすことよりも、首や背中に無理がかからず、自然に寝返りができ、本人が快適に眠れることを重視して選びましょう。
日中に適度に身体を動かすことは、夜の睡眠にも役立ちます。
一方、就寝直前の激しい運動や、大量の食事は眠りにくさにつながる場合があります。
夕食や入浴、就寝準備の時間を調整し、寝る前に落ち着いて過ごせる時間をつくりましょう。
睡眠習慣で大切なのは
特別な寝姿勢を探すことではなく、必要な睡眠時間と、規則正しい生活リズムを確保することです。
「朝測った身長が、夜に測った身長より高かった」という経験があるかもしれません。
身長は、測定する時間帯によってわずかに変化することがあります。
日中は、立つ・歩く・座るといった活動によって、背骨の椎間板などに負荷がかかります。
夜間に横になって休むことで、その負荷が減るため、朝の方が身長を高く測定できる場合があります。
ただし、朝に身長が高く測れることと、骨が長く成長して最終身長が高くなることは別です。
子どもの成長記録を比較するときには、測定する条件をできるだけそろえましょう。
靴を脱ぎ、姿勢を整え、可能であれば近い時間帯に測定すると、過去の記録と比較しやすくなります。
1日ごとの小さな身長差よりも、数か月から1年間の身長の推移を確認することが重要です。
「毎日十分に寝ているのに身長が伸びない」「食事や運動にも気をつけている」「周りの子と身長差が広がっている気がする」
このような場合、寝る姿勢を変えるだけでは、身長の伸びが少ない理由は分かりません。
身長には、遺伝や栄養状態、ホルモン、思春期の進行、骨の成熟状態など、複数の要素が関係しています。
成長曲線とは、年齢ごとの身長や体重の推移を記録し、同年代の基準と比較するためのグラフです。
母子健康手帳や学校の健康診断結果などから、過去の身長を確認できます。
大切なのは、同級生の平均身長より高いか低いかだけではありません。
お子さま自身の成長曲線が、以前からの成長ペースに沿っているかどうかを確認しましょう。
年間成長速度とは、約1年間で身長が何cm伸びたかを示す指標です。
年間成長速度の計算例
1年前の身長:145.0cm
現在の身長:151.0cm
1年間の伸び
6.0cm/年
ただし、年間6cm伸びているから必ず順調、年間2cmしか伸びていないから必ず病気というわけではありません。
年齢や思春期の進行状況、過去数年間の伸び方などを参考に判断する必要があります。
将来身長について考える場合は、現在の身長や成長速度に加え、骨の成熟状態も参考になります。
子どもの骨には、骨端線(こったんせん)と呼ばれる軟骨性の組織があります。
骨端線は「成長板」とも呼ばれ、軟骨細胞が増殖・成熟して骨へ置き換わることで、腕や脚などの骨が長さ方向に成長します。
思春期が進むと骨の成熟も進み、骨端線は徐々に閉鎖していきます。
骨端線が完全に閉鎖すると、その骨が長さ方向に伸びる成長は基本的に終了します。
骨年齢とは、骨がどの程度成熟しているかを示す指標です。
骨年齢は、一般的には手のレントゲン画像などから評価します。
ただし、骨年齢だけで将来の最終身長を確定したり、病気による低身長を判断したりすることはできません。
睡眠時間や寝方だけでは分からないこと
成長曲線・年間成長速度・骨年齢などを組み合わせることで、今後の身長を考えるための情報が得られます。
子どもの身長が気になる場合、相談の目的は大きく分けて2つあります。
一つは、成長の遅れや病気が心配な場合。もう一つは、将来どのくらい身長が伸びるか知りたい場合です。
次のような場合は、小児科や小児内分泌科などで、医学的な評価を受けることを検討しましょう。
低身長には遺伝や体質によるものもありますが、ホルモンの病気や栄養状態、慢性疾患などが関係する場合もあります。
病気による成長障害が疑われる場合は、将来身長の予測よりも、原因を調べるための医学的な評価を優先しましょう。
一方、「病気が心配というよりも、将来身長の目安を知りたい」「現在の骨の成熟状態を確認したい」という方もいるでしょう。
そのような場合には、成長曲線や骨年齢などの情報から、将来身長の目安を予測する方法があります。
相談先の考え方
成長障害の病気が心配:小児科・小児内分泌科などで診断・検査を相談
将来身長の目安を知りたい:成長曲線や骨年齢を参考に身長予測を検討
「寝る姿勢や睡眠時間を見直しているけれど、うちの子はあと何cm伸びる?」「成長スパートはまだ来る?」「現在の骨年齢を知りたい」
そのような方には、当院の身長予測シミュレーションという選択肢があります。
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳のお子さまを対象に、現在の身長、ご両親の身長、成長記録、骨年齢などを参考にした将来身長の予測を行っています。
成長曲線・年間成長速度
過去の身長記録を参考に、お子さま自身の成長の経過を確認します。
骨年齢・骨端線の成熟状態
手のレントゲン撮影などから、骨格の成熟状態を評価します。
将来身長の予測
現在の身長や成長記録、ご両親の身長、骨の成熟状態などを参考に、将来身長の目安を説明します。
身長予測シミュレーション
料金(税込)
15,270円
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
想定所要時間
約30分
予約
完全予約制
実施院
西新宿本院・横浜駅前院
母子健康手帳や学校の健康診断結果など、年齢ごとの身長が分かる記録をご持参いただくと、これまでの成長を確認しやすくなります。
公式の診療フローには予測結果説明後の採血・栄養指導も掲載されています。検査内容と実際の所要時間については、ご予約時にご確認ください。
身長予測シミュレーションは自由診療です。予測結果は将来身長の目安であり、最終身長を保証するものではありません。また、病的低身長の確定診断を目的とする検査とは異なります。
お子さまの将来身長を知りたい方へ
睡眠時間や寝方だけでは分からない、お子さま自身の成長曲線と骨年齢を確認してみませんか。
6〜18歳対象 / 15,270円(税込) / 完全予約制
「有料の身長予測を受けるか迷っている」「身長について、まずは話を聞いてみたい」という方には、小児低身長の無料カウンセリングもご案内しています。
小児低身長 無料カウンセリング
料金:無料
実施日:平日限定
お子さまの身長の悩みや、当院の身長予測シミュレーションなどの自由診療についてご相談いただけます。
小児低身長の無料カウンセリングを予約する →無料カウンセリングでは、レントゲン・採血などの検査は行いません。病的低身長の確定診断を目的とするものではありません。
仰向け・横向き・うつ伏せなど、特定の寝姿勢によって骨が長くなり、最終身長が高くなるという根拠はありません。学童期以降のお子さまでは、身長のためだけに一つの姿勢を維持する必要はありません。
横向きで寝ること自体が、身長の伸びを妨げるとは確認されていません。自然に眠れており、痛みや呼吸の問題がなければ、身長のために寝方を矯正する必要はありません。
学童期以降では、うつ伏せ寝だけで骨の成長が止まるとはいえません。ただし、1歳未満の乳児については、安全面から原則として仰向けに寝かせることが推奨されています。
寝返りは自然に起こる身体の動きです。寝返りが多いことだけで、成長ホルモンの分泌量や身長への影響は判断できません。大きないびきや呼吸の停止などがある場合は小児科などへ相談しましょう。
枕を使わなければ骨が長くなり、最終身長が高くなるという効果は確立されていません。首や肩に無理がかからず、本人が快適に眠れる寝具を選びましょう。
22時までに寝ないと成長ホルモンが分泌されない、ということはありません。成長ホルモンの分泌は特定の時計時刻だけで決まりません。年齢に合った睡眠時間を確保することが重要です。
厚生労働省の睡眠ガイド2023では、小学生は9〜12時間、中学生・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。必要な睡眠時間には個人差があります。
成長曲線や年間成長速度、骨年齢などを参考に将来身長の目安を予測する方法があります。当院では6歳(小学1年生)〜18歳のお子さまを対象に、身長予測シミュレーションを行っています。ただし、成長障害が疑われる場合は小児科・小児内分泌科などでの評価が優先されます。
仰向け・横向き・うつ伏せなど、特定の寝姿勢によって子どもの最終身長が高くなるという医学的な根拠はありません。
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SBCメディカルグループ 整形外科エリア統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
東北大学医学部医学科卒業。整形外科や救急科などでの診療経験を積み、現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、一般整形外科や小児低身長に関する診療に携わっています。
日本整形外科学会、日本小児内分泌学会、日本成長学会などに所属し、子どもの成長曲線・骨年齢・将来身長などに関する情報発信にも取り組んでいます。
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