「牛肉を食べると成長ホルモンが増える?」「肉をたくさん食べさせれば、子どもの身長も伸びる?」と気になっていませんか。
牛肉は、タンパク質や鉄、亜鉛などを摂取できる食品のひとつです。しかし、牛肉を食べることで成長ホルモンの分泌が特別に増え、その結果として身長が高くなることを示す確立した医学的根拠はありません。
先に結論
牛肉は成長期の栄養源にはなりますが、「食べれば成長ホルモンが増えて背が伸びる食品」ではありません
正常な身体の成長には、十分なエネルギーやタンパク質をはじめ、さまざまな栄養素が必要です。
牛肉もそのために利用できる食品のひとつですが、魚・卵・乳製品・大豆製品など、ほかの食品と組み合わせて食べることが基本です。
牛肉をたくさん食べるほど、成長ホルモンや最終身長が増えるという関係ではありません。
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現時点では、牛肉を食べることで成長ホルモンの分泌が特別に増えることを示す、確立した医学的根拠はありません。
成長ホルモン(GH)は、脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンです。
成長期には肝臓でIGF-1の産生を促したり、骨にある成長板へ作用したりすることで、骨が長くなる過程に関係しています。
ただし、
という単純な関係ではありません。
「成長に必要な栄養を含む食品」と「食べれば身長が伸びる食品」は別です
牛肉から摂取できる栄養素は身体の正常な成長に利用されます。しかし、特定の食品によって健康な子どもの最終身長を本来の成長以上に高くできる、という意味ではありません。
成長ホルモンがどこで作られ、どのように身長に関係するのか詳しく知りたい方は、 成長ホルモンはどこで作られる? をご覧ください。
牛肉を食べれば成長ホルモンが増えるわけではありませんが、牛肉は成長期の食事に利用できる食品のひとつです。
部位などによって栄養量は異なりますが、主にタンパク質や鉄、亜鉛などを摂取できます。
タンパク質
筋肉・臓器・皮膚など、身体を構成する材料となる重要な栄養素です。成長期にも不足しないよう摂取する必要があります。
鉄
ヘモグロビンなどの構成成分となり、全身へ酸素を運ぶ働きに関係します。
亜鉛
多くの酵素反応やタンパク質の合成などに関係し、正常な身体機能を維持するために必要なミネラルです。
ただし、これらをすべて牛肉から取る必要はありません。
魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品などにも、それぞれ異なる栄養素が含まれています。複数の食品を組み合わせて食べることが重要です。
タンパク質は、子どもの正常な成長に必要な栄養素です。
食事量が極端に少ない、強い偏食があるなど、エネルギーやタンパク質が不足している状態では、正常な成長に影響する可能性があります。
一方で、必要量を十分に摂取できている子どもが、さらに大量の肉やタンパク質を追加すれば、その量に比例して身長が高くなるわけではありません。
「牛肉を1日○g食べれば身長が伸びる」という量はありません
必要なエネルギーや栄養素は、年齢・性別・体格・活動量などによって異なります。特定の食品の量だけではなく、食事全体の不足や偏りがないかを確認しましょう。
成長期にはタンパク質だけでなく、活動や成長に必要なエネルギーを確保し、炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルなども含めて食事全体を考える必要があります。
また、「タンパク質は1回に一定量までしか吸収できないから、それ以上食べても無駄」と単純に考える必要もありません。1日の食事を無理なく整え、必要な栄養を継続的に摂取することを優先しましょう。
成長ホルモンと睡眠には関係がありますが、「成長ホルモンは寝ている間だけに出る」という説明は正確ではありません。
成長ホルモンは24時間の中で波のように増減しながら分泌されています。
その中でも、睡眠開始後にみられる深いノンレム睡眠と、比較的大きな成長ホルモン分泌が時間的に関連することが知られています。
入眠
↓
入眠後早期の深いノンレム睡眠
↓
大きな成長ホルモン分泌と時間的に関連
長く寝れば寝るほど、最終身長が高くなるわけではありません
十分な睡眠は子どもの健康を支える重要な生活習慣ですが、「睡眠時間を増やせばその分だけ成長ホルモンが増える」「よく寝れば思春期を遅らせられる」と単純に考えることはできません。
睡眠と成長ホルモンについて詳しく知りたい方は、 成長ホルモンは夜10時〜2時に分泌?睡眠のゴールデンタイムを解説 をご覧ください。
「身長を伸ばす食品」を一つ探すより、成長期に必要なエネルギーとさまざまな栄養素を、日々の食事から安定して摂取することを考えましょう。
例えば、
を組み合わせることで、一つの食品だけでは補いにくい栄養素も摂取しやすくなります。
特に確認したいケース
「肉も魚も食べているのに、なかなか身長が伸びない」と感じている場合、原因を牛肉やタンパク質の不足だけに絞ることはできません。
子どもの身長には、遺伝や体質、栄養状態、思春期の始まる時期、骨の成熟、ホルモンなど、さまざまな要因が関係します。
身長について考えるときに重要なのは、現在の身長だけではなく、これまでどのようなペースで伸びてきたかです。
同性・同年齢の標準身長に対して-2SD以下は、低身長を考えるひとつの目安です。
また、身長が標準範囲内でも、以前の成長曲線から徐々に下へ外れてきている場合には、年間の成長速度が低下していないか確認することが重要です。
年間の身長の伸びについて詳しく知りたい方は、 子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?小学生・中学生の成長速度と受診目安 をご覧ください。
「食事は気をつけているのに伸びが少ない」という方へ
「平均より低い気がする」「去年より伸びが少ない」「食事以外に確認した方がよいことがある?」という場合は、一度これまでの成長記録を整理してみましょう。
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※低身長の原因となる病気について医学的診断や保険診療が必要な場合には、小児科・小児内分泌科など専門医療機関での評価が必要になることがあります。
牛肉はタンパク質や鉄、亜鉛などを摂取できる食品であり、成長期の食事に取り入れることができます。
一方で、牛肉そのものに成長ホルモンを特別に増やす作用があり、食べるほど身長が高くなるとはいえません。
お子様の身長が気になる場合は、「牛肉を増やした方がよいか」だけで考えるのではなく、毎日の食事全体と実際の成長経過の両方を確認しましょう。
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