「骨端線とは何?」「骨端線があると身長は伸びる?」「成長ホルモンや思春期とはどう関係する?」と気になる方も多いでしょう。
結論|骨端線は、子どもの骨が長く伸びるために働く「成長板」です
一般に「骨端線」と呼ばれる部分は、医学的には成長板(growth plate/physis)と呼ばれる軟骨性の組織です。成長板では軟骨細胞が増殖・成熟し、その軟骨が骨へ置き換わることで、腕や脚などの長い骨が長さ方向へ成長します。
ただし、「骨端線がある=あと何cm伸びる」「骨端線を増やす・開いたままにすれば身長が高くなる」という意味ではありません。
骨端線とは?
成長期の骨にある軟骨性の成長板。骨の長さ方向の成長に重要です。
成長ホルモンとの関係は?
GH・IGF-1は成長板の軟骨細胞と長軸方向の骨成長に関係しますが、「骨端線を増やす」ホルモンではありません。
骨端線が残っていれば、あと何cm伸びる?
骨端線の有無だけでは分かりません。骨年齢・成長速度・成長曲線・思春期なども確認します。
骨端線から分かること
・成長板が残っているか
・骨格成熟を考えるための材料
・骨年齢評価の一部
骨端線だけでは分からないこと
・あと何cm伸びるかという確定値
・GH治療が必要かどうか
・低身長の原因や病気の有無
「骨端線」という名前から細い線そのものを想像しやすいですが、実際には幅をもつ軟骨性の組織です。
医学的には成長板(growth plate/physis)と呼ばれ、代表的には腕や脚などの長い骨の端に近い、骨端部と骨幹端の間に存在します。
骨端線の基本
・成長期の骨にみられる軟骨性組織
・長い骨の長さ方向の成長に重要
・レントゲンでは透けて見える帯状・線状部分として確認される
・骨ごとに存在し、成熟・閉鎖する時期は部位によって異なる
骨端線がどこにあるか、手のレントゲンでどう見えるか、骨年齢をどう確認するかについては、「骨端線はどこにある?手・膝などの場所とレントゲン・骨年齢の調べ方」で詳しく解説しています。
この1889では「骨端線がどう働いて骨が伸びるか」を中心に解説します。場所・レントゲン・骨年齢は1947、閉じる年齢・順番は1140へ分けています。
長い骨が縦に伸びるときに中心的な役割を担うのが、成長板に並ぶ軟骨細胞です。
成長板には成熟段階の異なる軟骨細胞が規則的に並んでいます。軟骨細胞は増殖し、成熟・肥大して細胞外基質を形成します。その後、その軟骨組織へ血管が侵入し、骨組織へ置き換わっていきます。
このしくみを軟骨内骨化といい、成長板でこの過程が続くことで骨の長さが増していきます。
STEP 1
軟骨細胞が増殖する
STEP 2
軟骨細胞が成熟・肥大する
STEP 3
軟骨が骨組織へ置き換わる
「骨芽細胞が骨端線を作って骨を伸ばす」だけでは説明できません
骨芽細胞や破骨細胞は骨形成・リモデリングに重要ですが、長さ方向の成長では成長板の軟骨細胞の増殖・成熟と軟骨内骨化が中心的な役割を担います。
つまり骨端線は、単なる「骨と骨のすき間」ではなく、骨の長さを増やすための細胞増殖と成熟が起こる組織です。
成長ホルモン(GH)とIGF-1は、子どもの長軸方向の骨成長に重要なホルモンです。
GHには成長板への直接作用に加え、肝臓や成長板などでIGF-1の産生に関わる作用があります。IGF-1も成長板の軟骨細胞の増殖・分化・成熟などに関係します。
一方で、「成長ホルモンが骨端線そのものを増やす」「GHを多く分泌させれば成長板を長期間開いたままにできる」という関係ではありません。
「GHを増やせば身長が高くなる」とは限りません
睡眠・運動・食事などでGH分泌が一時的に変化することがありますが、その変化と最終身長は同じ意味ではありません。GHを一時的に多く分泌させることから、将来身長を予測することはできません。
成長ホルモン不足については、成長ホルモン不足と子どもの身長についての記事をご覧ください。
思春期になると性ホルモンが増え、GH・IGF-1系の働きも変化します。思春期にはGHのパルス分泌やIGF-1が増える傾向があり、性ホルモンとともに成長スパートに関係します。
同時に、性ホルモンは骨成熟も進めます。そのため、「思春期前半は伸ばす、後半は閉じる」という完全に分離した二段階ではなく、身長の加速と骨成熟が重なりながら進んでいくと考える方が正確です。
身長の伸び
GH・IGF-1・性ホルモンなどが関係し、思春期には成長速度が加速します。
骨の成熟
同時に骨年齢・成長板の成熟も進み、最終的な閉鎖へ近づきます。
成長板の成熟・最終的な閉鎖には、エストロゲン作用が重要です。
これは女の子だけの話ではありません。男の子でも、テストステロンの一部がアロマターゼによってエストロゲンへ変換され、成長板の成熟・閉鎖に関係します。
ただし、成長板の閉鎖は性ホルモンだけで突然起きるわけではありません。成長板そのものにも加齢・成熟に伴う変化があり、エストロゲンはその成熟過程を促進する重要な因子の一つと考えられています。
成長板が成熟して完全に骨化・閉鎖すると、その成長板から長さ方向へ骨が伸びることはなくなります。
ただし、全身の成長板が同じ日に一斉に閉じるわけではありません。部位によって成熟・閉鎖する時期は異なります。
初潮・声変わり=骨端線閉鎖、ではありません
初潮や声変わりは思春期の進行を知る情報ですが、その時点ですべての成長板が閉じるわけではありません。初潮後・声変わり後にも身長が伸びることがあります。
また、現在の医学では、健康な子どもの成長板を食品・サプリメント・ジャンプ運動・ストレッチなどによって増やしたり、意図的に開いたままにしたりする方法は確立されていません。
自然に成熟・閉鎖した成長板を、生活習慣によって再び開く方法も確立されていません。
骨端線が閉じる順番・年齢については、「骨端線はどこから閉じる?閉じる順番・年齢と身長の伸びを解説」をご覧ください。
「今の子どもの伸び方が気になる」方は、成長曲線の確認ポイントへ
初潮後の成長については、「生理が始まると身長は止まる?初潮後は何cm伸びるか・成長余地の調べ方」も参考にしてください。
骨端線が開いているかどうかだけでは、残りの成長量を具体的なcm数で判断できません。
成長板が完全には閉鎖していないことは、その骨の成熟状態を考える材料になりますが、「開いている」という二択情報だけでは、どの程度の成長が残っているかまでは分かりません。
残りの成長を考えるときに確認する情報
・骨年齢と骨格の成熟度
・これまでの成長曲線
・直近半年〜1年間の成長速度
・現在の身長
・思春期の進み方
・ご両親の身長など
将来身長予測は「確定値」ではありません
骨年齢を用いた成人身長予測にも誤差があります。予測方法やその後の成長パターンによって結果は変わるため、予測身長○cm=必ずその身長になる、という意味ではありません。
骨年齢は「骨端線が開いているか」だけではなく、手にある複数の骨の形・成熟度などを総合して評価します。
骨年齢・レントゲンの見方について詳しくは、骨端線の場所と骨年齢の記事をご覧ください。
「骨端線がまだ開いているか知りたい」と感じたときも、まず確認したいのはこれまで身長がどのようなペースで伸びてきたかです。
見る情報は役割が違います
現在の身長:今どの位置にいるか
成長曲線:これまでどの軌道で伸びてきたか
骨年齢:骨格成熟がどこまで進んでいるか
−2SD以下は低身長の一つの目安ですが、病気や成長ホルモン不足の診断ではありません。また、現在−2SDより上でも、成長曲線が継続して下方向へずれている場合には成長状態を確認する意味があります。
年間の伸びについては、「子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?小学生・中学生の成長速度と受診目安」をご覧ください。
成長が遅い原因・病気の有無を調べたい場合
小児科・小児内分泌科などで医学的評価をご相談ください。骨端線の有無だけから、病的低身長や成長ホルモン不足を診断することはできません。
原因を調べたい
成長が遅い・病気が心配
→ 小児科・小児内分泌科などで医学的評価を優先します。
病気の診断ではなく、「今の骨の成熟度を確認したい」「この先の身長の目安を知りたい」という場合には、成長記録と骨年齢などを使った身長予測という選択肢があります。
「骨端線がある?」だけでなく、この先の身長の目安まで確認したい方へ
SBC整形外科クリニックの身長予測シミュレーション
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳を対象に、これまでの成長記録、現在の身長、ご両親の身長、手のレントゲンによる骨年齢・骨端線などを参考に、今後の身長の目安を算出する身長予測シミュレーションを行っています。
対象 6歳(小学1年生)〜18歳
料金 15,270円(税込)
公式ページ記載の想定所要時間 約30分
予約 完全予約制
年齢ごとの身長が分かる母子手帳や園・学校の健康記録などを持参し、成長曲線と手のレントゲンをもとに医師が予測結果を説明します。
※公式ページには想定所要時間「約30分」と記載されていますが、別途、予測結果説明後の採血・栄養指導を行う流れも掲載されています。実際の滞在時間は予約時にご確認ください。
※身長予測シミュレーションは病的低身長の確定診断を目的とする検査ではありません。骨端線が開いていることだけから治療適応を判断するものでもありません。骨年齢を用いた将来身長予測には誤差があり、予測結果は最終身長を保証するものではありません。
予約フォームで「身長予測シミュレーション」をお選びください
一般にはほぼ同じ意味で使われます。医学的には成長板(growth plate/physis)と呼ばれる軟骨性組織で、レントゲン上では線状に見えるため「骨端線」と呼ばれています。
成長板が完全には閉鎖していないことを示しますが、今後どの程度伸びるかは骨端線だけでは分かりません。骨年齢・成長速度・思春期なども確認します。
そのような関係ではありません。GH・IGF-1は成長板での骨成長に重要ですが、GH分泌を増やせば成長板の閉鎖を防げるというものではありません。
初潮・声変わりだけでは判断できません。どちらも思春期の途中にみられる変化で、その直後にすべての成長板が閉じるわけではありません。
自然に成熟・閉鎖した成長板を、食品・サプリメント・運動・ストレッチなどで再び開くと医学的に確立された方法はありません。
この記事の要点
1. 骨端線は成長期の骨にある軟骨性の成長板
2. 軟骨細胞の増殖・成熟と軟骨内骨化によって長い骨が伸びる
3. GH・IGF-1は骨成長に重要だが「骨端線を増やす」わけではない
4. 思春期では身長の加速と骨成熟が重なりながら進む
5. 男女とも成長板の成熟・閉鎖にはエストロゲン作用が重要
6. 骨端線だけで「あと何cm伸びるか」は判断できない
骨端線は、子どもの骨の成長に欠かせない組織です。しかし、「骨端線を増やす」「開いていれば治療で身長を伸ばせる」といった単純なものではありません。お子様の成長を考えるときは、骨端線だけでなく、成長曲線・成長速度・骨年齢・思春期の進み方を合わせて確認しましょう。
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※SBC整形外科クリニックの小児低身長に関する診療・検査・治療は自由診療です。身長予測シミュレーションは病的低身長の確定診断を目的とするものではありません。18歳未満の患者様は親権者の同伴が必要です。診療内容・対象年齢・料金・診療時間・予約枠などは変更となる場合があります。受診前に公式ページ・予約画面で最新情報をご確認ください。