「骨端線は手から閉じる?」「膝の骨端線が閉じたら、もう身長は伸びない?」「男子と女子では閉じる年齢が違う?」
お子様の身長が今後どれくらい伸びるのか考えるとき、骨端線が閉じる順番や年齢は気になるポイントではないでしょうか。
骨端線は、成長期に骨が長くなるための軟骨組織です。成長とともに徐々に閉じていきますが、全身の骨端線が同時に閉じるわけではありません。
骨端線には部位ごとに閉じる順番の傾向があります。ただし、すべての人に共通する固定の順番はありません。
先に結論|骨端線はどこから閉じる?
MRI研究では、足の方から手首へ向かって閉鎖する傾向が報告されています。
01 閉じる順番
かかと → 足首付近 → 膝付近 → 手首付近
02 男子と女子の違い
一般的に女子の方が骨格の成熟が早く進みます。
03 残りの身長
骨端線の一部が残っていても、具体的にあと何cm伸びるかは判断できません。
この記事では、958人を対象としたMRI研究をもとに、骨端線が閉じる順番、男子・女子の年齢差、骨年齢の確認方法、残りの身長を考えるポイントを解説します。
「うちの子は、あと何cm伸びる?」
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骨端線(こったんせん)とは、成長期の骨にある軟骨性の組織です。医学的には成長板・成長軟骨板とも呼ばれます。
主に腕や脚の長い骨の端付近にあり、軟骨細胞が増殖・成熟し、骨へ置き換わることで骨が長くなります。
特に、太ももの大腿骨やすねの脛骨が長くなることは、身長の伸びに大きく関係しています。
骨端線が閉じるとは、骨の成熟が進み、成長軟骨板が骨組織へ置き換わって癒合することです。
骨端線が開いている状態
成長軟骨板が存在し、その部分で骨が長くなる成長が起こります。
骨端線が完全に閉じた状態
その骨端線から骨が長くなる成長は終了します。
骨端線の閉鎖は骨の成長が進んだ結果ですが、全身の骨端線が同じ時期に閉じるわけではありません。
この違いが、「手の骨端線は閉じているのに、膝の骨端線はどうなのか」といった疑問につながります。
「手の骨端線から閉じる」「膝の骨端線が最後に閉じる」など、さまざまな情報を見かけるかもしれません。
実際には、骨端線が閉じる時期は部位によって異なります。
骨端線の閉鎖順序については、健康な男女958人を対象にしたMRI研究で、具体的な傾向が報告されています。
2021年に学術誌『Acta Paediatrica』に掲載された研究では、14〜21.5歳の健康な男女958人を対象に、手首・膝・足首などの骨端線をMRIで評価しています。
調査された5つの部位では、次の順番で閉鎖が進む傾向がみられました。
MRI研究|5部位の骨端線閉鎖順序
早く閉じる部位から順に
01|かかと
踵骨(しょうこつ)
↓
02|足首付近
脛骨遠位端
↓
03|膝付近・すね側
脛骨近位端
↓
04|膝付近・太もも側
大腿骨遠位端
↓
05|手首付近
橈骨遠位端
出典:Kvistら、958人を対象としたMRI研究(2021年)。調査した5部位での傾向です。
この研究では「かかと → 足首 → 膝 → 手首」の方向に閉じる傾向が確認されました。
ただし、この結果は研究で調査した5部位についてのものです。指・肩・骨盤などを含め、全身の骨端線が必ずこの順番で閉じるという意味ではありません。
参考研究|Kvistら:骨端線5部位の閉鎖順序を調べたMRI研究 →
手には指骨・中手骨・橈骨など、多くの骨があります。
それぞれ骨の成熟する時期が異なるため、指の骨端線が閉じていても、手首に近い骨端線が残っていることがあります。
手のレントゲン画像から骨年齢を評価する際は、複数の骨の成熟度を参考にします。
指の骨端線だけを見て、全身の成長が終了したと判断することはできません。
膝の周囲には、大腿骨遠位端と脛骨近位端の骨端線があります。
これらは脚の長さの成長に大きく関係する部分です。
大腿骨遠位端
太ももの骨のうち、膝に近い部分にある骨端線です。
脛骨近位端
すねの骨のうち、膝に近い部分にある骨端線です。
それぞれが完全に閉鎖すると、その部分から骨が長くなる成長は終了します。
ただし、膝の一部の骨端線が閉じたという情報だけで、身長全体の伸びが完全に止まったと断定することはできません。
最近の身長の伸び方や骨年齢などをあわせて確認することが重要です。
足首に近い脛骨やかかとの踵骨にも、成長に関係する部分があります。
前述のMRI研究では、これらの部位は膝や手首よりも早く閉じる傾向が示されました。
そのため、足首やかかとの骨端線が成熟しているからといって、ほかの部位もすべて閉じているとは限りません。
骨端線は「どこが閉じたか」だけでは判断できない
骨の部位ごとに成熟時期は異なります。
残りの身長を考えるためには、骨年齢・成長曲線・年間成長速度も確認することが大切です。
骨端線が閉じる年齢は、骨の部位や性別、思春期の進行によって異なります。
一般的に女子の方が男子より思春期の開始が早く、骨格も早く成熟する傾向があります。
958人を対象としたMRI研究では、女子の骨端線は男子より平均的に約2年早く閉じる傾向が報告されました。
研究で報告された骨端線閉鎖の男女差
約2年
女子の方が男子より骨格の成熟が早い傾向
ただし、すべての女子が男子より必ず2年早く閉じるという意味ではありません。
同じ13歳や15歳でも、思春期の始まった時期や骨格の成熟度によって違いがあります。
同研究では、手首に近い橈骨遠位端の骨端線が完全に閉鎖していた割合として、次の結果が報告されています。
17歳女子|橈骨遠位端の完全閉鎖割合
75%
19歳男子|橈骨遠位端の完全閉鎖割合
90%
これは研究参加者の手首付近の骨端線の結果です。身長の成長を終えた人の割合を表した数字ではありません。
「男子は何歳、女子は何歳で必ず閉じる」という一律の年齢はありません。
思春期には、性ホルモンの働きによって身長が大きく伸びる時期があります。
一方で、思春期が進むにつれて骨格の成熟も進行し、骨端線は次第に閉鎖へ向かいます。
思春期の始まり
身長の伸びる速度が増加する時期があります。
思春期の進行
骨格の成熟が進み、成長速度にも変化が現れます。
骨端線の完全閉鎖
その部分の骨が長くなる成長は終了します。
今後の成長を考えるときは、実年齢だけでなく骨年齢や思春期の状態を確認することが重要です。
骨端線が開いていることは、骨がさらに成長する可能性を考える材料になります。
しかし、骨端線が一部残っているだけで、残りの身長の伸び幅が決まるわけではありません。
骨端線が開いている = あと5cm・10cm伸びるではありません。
残りの成長を考えるには、骨年齢や身長の伸び方なども重要です。
01|骨年齢
骨格がどの程度成熟しているかを確認します。
02|成長曲線
これまでの身長がどのような経過をたどってきたかを確認します。
03|年間成長速度
最近1年間に身長が何cm伸びたかを確認します。
04|思春期の進行
乳房発育、初潮、声変わりなどの変化を参考にします。
05|ご両親の身長
遺伝的な身長の目安を考える参考にします。
例えば、同じ年齢のお子様でも、骨年齢や最近の成長速度が異なれば今後の成長の見通しも変わることがあります。
「どこの骨端線が閉じたか」よりも、「お子様の骨格が全体としてどれくらい成熟しているか」を確認することが大切です。
骨端線や骨格の成熟状態を確認する方法の一つが、手のレントゲン画像を用いた骨年齢の評価です。
骨年齢とは、実際の年齢とは別に、骨格の成熟状態を年齢として表したものです。
成長期には骨端部と骨幹部の間に成長軟骨板が存在し、骨の成熟が進むにつれて癒合していきます。
ただし、レントゲン画像に線が見えるかどうかだけで、今後の伸びを正確に予測できるわけではありません。
手や指には多くの骨があり、その成熟状態を年齢ごとの基準と比較することで、骨年齢を評価できます。
同じ年齢でも骨格の成熟には個人差があるため、今後の成長について考える際の重要な判断材料になります。
骨年齢を評価する際には、手のX線画像などを用います。
SBC整形外科クリニックでは、骨年齢や成長記録などを参考に、将来身長の目安を確認する身長予測シミュレーションを案内しています。
骨端線がどの程度残っているのか気になる方や、今後の身長の目安を知りたい方は、骨年齢を確認する方法があります。
骨端線が閉じているかどうか気になる理由は、お子様によって異なります。
現在の身長が低いことを心配している場合もあれば、初潮や声変わりのあとにどれくらい伸びるのか知りたい場合もあります。
こんなときは成長状態を確認しましょう
・最近1年間の身長の伸びが少なくなった
・同年代と比べて身長がかなり低い
・成長曲線が以前より下がっている
・初潮や声変わり後の身長が気になる
・骨年齢や将来身長の目安を知りたい
成長障害などの病気が疑われる場合は、小児科・小児内分泌科などで医学的な評価を受けましょう。
一方、将来の身長がどのくらいになるかを知りたい場合は、骨年齢などを参考にした身長予測という選択肢があります。
「手の骨端線はまだ開いている?」「今後どのくらい身長が伸びる可能性がある?」
こうした疑問を持つ方に向けて、SBC整形外科クリニックでは身長予測シミュレーションを案内しています。
現在の身長、ご両親の身長、過去の成長記録、骨年齢などを参考に将来身長の目安を予測する自由診療メニューです。
SBC整形外科クリニック
身長予測シミュレーション
対象年齢
6〜18歳
料金(税込)
15,270円
所要時間:約30分
予約方法:完全予約制
成長記録の確認
過去の身長の記録をもとに、成長曲線や年間成長速度などを参考にします。
骨年齢の評価
手のレントゲン画像などから、骨格の成熟度を確認します。
将来身長の目安を説明
成長記録や骨年齢などをもとに、予測結果を説明します。
来院の際は、母子健康手帳や学校の健康診断結果など、年齢ごとの身長がわかる資料をご持参ください。
将来身長の予測は目安であり、実際の最終身長を確定するものではありません。
「骨年齢を調べた方がいいか迷っている」「成長ホルモンプランについて話を聞きたい」という方には、平日限定の小児低身長無料カウンセリングもあります。
身長予測シミュレーション
骨年齢や将来身長の目安を確認したい方
6〜18歳/15,270円(税込)
小児低身長無料カウンセリング
まずは身長について相談したい方
平日限定/無料
ご希望の相談内容にあわせて、予約メニューをお選びください。
全身共通の順番はありません。ただし、958人のMRI研究では、調査した5部位について、かかと・足首・膝・手首の順に閉鎖する傾向が報告されています。
膝の骨端線は脚の成長に重要ですが、膝の一部の状態だけで身長全体の成長が終了したとは判断できません。骨年齢や最近の成長速度なども参考にします。
女子の方が骨格の成熟が早く進む傾向がありますが、閉じる年齢は部位や個人によって異なります。実年齢だけでは判断できません。
骨端線が残っていることだけでは、具体的な成長量は判断できません。骨年齢、成長曲線、年間成長速度、思春期の状態などを参考にします。
外見だけで骨端線の状態を正確に判断することはできません。骨格の成熟は、必要に応じてレントゲン画像などで評価します。
自然に完全閉鎖した骨端線を、食事・サプリメント・ストレッチなどで再び開くことができると確立された方法はありません。
骨端線は部位によって閉鎖時期が異なり、MRI研究ではかかと・足首・膝・手首の順に閉じる傾向が報告されています。
また、女子の方が男子より骨格が早く成熟する傾向がありますが、閉鎖年齢には個人差があります。
「どこから閉じるか」だけでは、あと何cm伸びるかは判断できません。
将来身長を考えるときは、骨年齢・成長曲線・年間成長速度・思春期の進行などをあわせて確認することが大切です。
今後の身長の目安を知りたい方は、SBC整形外科クリニックの身長予測シミュレーションをご検討ください。
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参考文献・医学情報
医師紹介
沼倉 裕堅 医師
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
東北大学医学部医学科卒業。一般整形外科診療や小児の身長に関する相談、身長予測シミュレーションに携わっています。
沼倉 裕堅医師のプロフィールを見る →SBC整形外科クリニック西新宿本院では、骨年齢や成長記録などから将来身長の目安を予測する身長予測シミュレーションを実施しています。
西新宿駅から徒歩約2分、新宿駅から徒歩約7分。土日祝日も診療しています。
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