「骨端線は手や足から順番に閉じるの?」「膝の骨端線が閉じたら、もう身長は伸びない?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、骨端線が閉じる順番に、全身共通の明確な決まりはありません。骨によって成熟する時期が異なり、性別や思春期が始まる時期、ホルモンの状態などによっても個人差があります。
そのため、特定の部位だけを見て「あと何cm伸びる」「もう身長は伸びない」と判断することはできません。残りの成長余地を確認するには、手のレントゲンによる骨年齢の評価と、これまでの身長記録をまとめた成長曲線を総合的に確認することが重要です。
この記事のポイント
目次
骨端線とは、主に腕や脚にある長い骨の端付近に存在する、軟骨でできた成長部分です。「成長軟骨板」や「成長板」と呼ばれることもあります。
成長期には、骨端線にある軟骨細胞が増え、次第に骨へ置き換わることで骨が長くなります。太ももの大腿骨や、すねの脛骨などが縦方向に成長することによって、身長も伸びていきます。
思春期が進んで骨が成熟すると、骨端線の軟骨部分は徐々に骨へ置き換わります。最終的に骨端線が閉鎖すると、その骨が長くなる方向への成長は原則として終了します。
身長が伸びる仕組みや成長が続く時期については、身長はいつまで伸びる?最終身長や伸ばすためのポイントでも詳しく解説しています。
骨端線が閉じる時期には一定の傾向がありますが、全身に共通する一つの順番があるわけではありません。
手や足、膝、肘、肩、骨盤など、それぞれの骨端線は異なる時期に成熟します。同じ手の中でも、指の骨と手首付近の骨では成熟するタイミングが異なります。
骨端線の成熟には、次のような要素が影響します。
そのため、「手の骨端線が閉じたら、次は膝が閉じる」「足から胴体へ必ず順番に閉じる」といった説明が、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
例えば、指の骨端線が閉じ始めていても、手首付近には成長軟骨が残っていることがあります。一方で、一部の骨端線が確認できても、骨全体の成熟が進み、身長の伸びが少なくなっている場合もあります。
大切なのは「どの骨から閉じたか」だけではなく、複数の骨が全体としてどの程度成熟しているかを確認することです。この骨格の成熟度を年齢として表したものが「骨年齢」です。骨年齢については、低身長と骨年齢の関わりもご覧ください。
骨端線が閉じる年齢には大きな個人差があるため、実年齢だけで判断することはできません。
一般的には、思春期の進行とともに骨の成熟が進み、10代後半までに多くの骨端線が閉鎖へ向かいます。女子は男子より思春期が早く始まる傾向があるため、骨の成熟も早く進む傾向があります。
ただし、同じ年齢でも、骨年齢が実年齢より進んでいるお子さんと遅れているお子さんでは、残されている成長期間が異なります。
実年齢と骨年齢は異なります
実年齢が同じでも、骨の成熟度は一人ひとり異なります。「○歳だから骨端線が閉じている」と年齢だけで決めつけず、レントゲンや成長曲線をもとに評価することが重要です。
年齢別の身長の伸び方については、身長は何歳まで伸びる?年齢別の身長の伸び方も参考にしてください。
骨端線が開いていることは、骨が成長できる可能性が残っていることを示す一つの判断材料です。
ただし、骨端線が見えることと、今後大きく身長が伸びることは同じではありません。
身長の伸びには、骨端線の状態だけでなく、現在の骨年齢、これまでの成長速度、思春期の進行度、ホルモンや栄養の状態なども関係します。
骨端線がわずかに残っていても、骨の成熟がかなり進んでいれば、残りの身長の伸びが限定的な場合があります。反対に、実年齢に対して骨年齢が遅れている場合は、同年代のお子さんより成長期間が長く残されている可能性があります。
ご両親の身長から予測身長の目安を確認したい方は、ターゲットハイトの計算式と低身長の受診目安をご覧ください。ただし、計算結果はあくまで統計上の目安であり、骨年齢を反映したものではありません。
骨端線や骨の成熟度は、レントゲン撮影によって確認できます。小児の骨年齢を評価する場合は、一般的に手や手首のレントゲンを使用します。
手には多数の小さな骨があり、それぞれが段階的に成熟していきます。複数の骨の形や大きさ、骨端部との結合状態などを確認し、基準となる画像と比較することで骨年齢を評価します。
レントゲンでは、次のような情報を総合的に確認します。
骨年齢の評価方法については、医学論文「Bone age: assessment methods and clinical applications」でも、手・手関節の画像を用いる代表的な評価方法が解説されています。
骨年齢は、残りの成長余地や最終身長を予測するうえで重要な情報です。ただし、予測には一定の誤差があり、将来の身長を確約するものではありません。
より適切に評価するためには、レントゲンだけでなく、これまでの身長記録から作成した成長曲線、ご両親の身長、思春期の進行状況なども確認します。
お子さんの身長について、次のような変化がある場合は、骨端線の開閉だけで自己判断せず、医療機関への相談をご検討ください。
現在の身長が平均範囲に入っていても、成長速度が急に低下している場合には確認が必要なことがあります。反対に、身長が低めでも、成長曲線に沿って安定して伸びている場合もあります。
身長の評価では、現在の身長だけでなく、これまでどのようなペースで伸びてきたかが重要です。
日本小児内分泌学会では、身長が気になる場合は成長曲線を作成し、成長の推移を確認することを推奨しています。詳しくは、日本小児内分泌学会「低身長」をご確認ください。
現在の身長が低身長の目安に該当するか確認したい方は、SBC整形外科クリニックの子どもの低身長チェックもご利用いただけます。
SBC整形外科クリニックでは、手のレントゲンによる骨年齢の評価と成長曲線などをもとに、お子さんの最終身長を予測する「身長予測シミュレーション」を行っています。
単に骨端線が開いているかを見るだけでなく、実年齢と骨年齢の差や、これまでの成長の推移を確認し、今後の成長について医師が説明します。
身長予測シミュレーション
問診・成長曲線・手のレントゲンをもとに、
お子さんの骨年齢と最終身長を予測します。
対象年齢:6歳(小学1年生)~18歳
料金:15,270円(税込)/完全予約制
※予測結果は将来の身長を保証するものではありません。
受診時には、母子手帳や学校の健康手帳など、過去の身長が分かる資料をご持参ください。検査や診療の流れについては、小児低身長のご予約から診療までの流れをご確認ください。
なお、成長ホルモン分泌不全性低身長症などが疑われる場合には、レントゲンだけでなく、採血や成長ホルモン分泌刺激試験などが必要になることがあります。詳しくは、日本内分泌学会「成長ホルモン分泌不全性低身長症」をご覧ください。
骨の部位ごとに成熟する時期は異なりますが、全身に共通する固定的な閉鎖順序はありません。手の中でも指と手首では閉じる時期が異なり、性別や思春期の進み方によっても順番や時期が変わります。
膝周辺の骨端線は脚の長さや身長の伸びに大きく関係しますが、膝だけを見て全身の成長終了を断定することはできません。手の骨年齢や成長曲線、思春期の進行状況などを含めて評価します。
成長できる可能性が残っていると考えられますが、どの程度伸びるかは骨年齢や成長速度などによって異なります。骨端線が見えているだけで、具体的な伸び幅を判断することはできません。
見た目や最近の身長の変化だけで、骨端線の状態を正確に判断することはできません。確認にはレントゲン撮影と医師による評価が必要です。
自然に閉鎖した骨端線を、食品やサプリメント、ストレッチなどによって再び開く確立された方法はありません。身長について不安がある場合は、成長期のうちに骨年齢や成長曲線を確認することが重要です。
骨端線が閉じる順番には、全身に共通する明確な決まりはありません。骨の部位や性別、思春期の進み方などによって、閉じる時期や順番は異なります。
また、骨端線が開いているからといって、必ず大きく身長が伸びるとは限りません。残りの成長余地を知るには、手のレントゲンによる骨年齢の評価と、これまでの成長曲線を組み合わせて確認する必要があります。
「あとどのくらい成長する可能性があるのか知りたい」「最近、身長の伸びが少なくなった」と感じる場合は、骨端線が閉じ切る前に一度ご相談ください。
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