「生理が始まったら、もう身長は伸びないの?」「初潮を迎えた後、あと何cmくらい伸びる?」と不安に感じるお子様や保護者の方もいるでしょう。
結論からいうと、初潮を迎えた直後に身長の伸びが完全に止まるわけではありません。
ただし、多くの女の子は身長が大きく伸びる時期を過ぎた頃に初潮を迎えるため、初潮後はそれまでよりも成長速度が緩やかになる傾向があります。
残されている成長期間や身長の伸びには大きな個人差があり、初潮を迎えた年齢だけでは判断できません。これまでの成長曲線、1年間の身長の伸び、骨年齢、骨端線の状態、思春期の進行度などを総合的に確認することが重要です。
この記事のポイント
初潮は、女の子の思春期が進んでいることを示す変化の一つです。初潮を迎えたからといって、その日から身長がまったく伸びなくなるわけではありません。
実際に、初潮後も一定期間にわたって身長が伸びることが報告されています。
2024年に公表された海外の追跡研究では、健康な女の子が初潮後4年間で伸びた身長は平均6.6cmで、特に初潮後1年間の伸びが大きかったと報告されました。別の研究では、初潮後の伸長量が平均約8.0cmと報告されています。
平均値だけで個人の伸びは予測できません
これらは海外の集団を対象とした研究結果です。初潮後の伸びには大きな個人差があり、日本人のお子様が「必ず6~8cm伸びる」という意味ではありません。初潮を迎えた年齢、初潮時の身長、思春期の進行度、骨年齢などによって結果は異なります。
初潮後の伸びを正確に知りたい場合は、平均値ではなく、お子様自身の成長記録や骨の成熟状態を確認する必要があります。
思春期に入ると、女の子の身長は一時的に大きく伸びます。この時期を「成長スパート」と呼びます。
一般的には、乳房の発育が始まった後に成長速度が高まり、その後、陰毛の発生や初潮へと進みます。
初潮は、身長が最も大きく伸びる時期の後に起こることが多いため、初潮後は成長速度が徐々に低下します。
ただし、思春期が始まる時期や進む速さには個人差があります。初潮を迎えた年齢だけで、残りの成長量を決めることはできません。
思春期になると、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が増えていきます。
エストロゲンは、乳房や子宮などの発達に関わるほか、思春期前半の身長の伸びにも関係します。一方で、骨の成熟を進め、最終的には骨端線を閉鎖へ向かわせる働きもあります。
そのため、エストロゲンを単純に「増やせば身長が伸びるホルモン」と考えるのは適切ではありません。
初潮を迎える頃にはエストロゲンの影響で骨の成熟も進んでいることが多く、骨端線が徐々に閉鎖へ向かうため、身長の伸びが緩やかになります。
身長が伸びるときは、腕や脚などの長い骨の両端にある「骨端線」という軟骨組織が関係します。
骨端線では軟骨細胞が増え、それが骨へ置き換わることで骨が長くなり、身長が伸びます。
骨の成熟が進むと骨端線は徐々に狭くなり、最終的に閉鎖します。骨端線が完全に閉鎖した後は、食事、運動、ストレッチ、サプリメントや成長ホルモン治療によって骨の長さを伸ばすことはできません。
「初潮後はあと5cm」「生理が始まったら残り2~3cm」といった情報を目にすることがありますが、すべての女の子に共通する数字ではありません。
初潮後の身長の伸びには、主に次の要因が関係します。
| 確認する要素 | 身長との関係 |
|---|---|
| 初潮を迎えた年齢 | 初潮の時期が早い場合は、その後の成長期間が比較的長く残っていることがあります。ただし、思春期そのものが早く進んでいる場合は、骨の成熟も早く進む可能性があります。 |
| 初潮前後の成長速度 | 現在も一定の速度で伸びているか、急に伸びが低下しているかを確認します。 |
| 骨年齢 | 実際の年齢より骨の成熟が進んでいるか、遅れているかを確認する手掛かりになります。 |
| 骨端線の状態 | 骨端線がどの程度残っているかによって、骨が長くなる余地があるかを確認します。 |
| 遺伝的な要因 | ご両親の身長は、将来の身長を考える際の参考になりますが、最終身長を確定するものではありません。 |
| 栄養・病気・服薬 | 栄養不足や慢性疾患、一部の薬などが成長に影響する場合があります。 |
インターネット上の平均値だけで判断せず、お子様自身の成長記録を確認しましょう。
成長曲線は、年齢ごとの身長と体重の推移を線でつないだものです。
現在の身長が平均より高いか低いかだけでなく、これまで一定の曲線に沿って伸びてきたかを確認できます。
母子手帳、学校の健康手帳、健康診断の記録などを用意し、過去の身長と体重を記入してみましょう。
身長が同性・同年齢の標準から-2SD以下にある場合や、以前の成長曲線から下向きに外れてきた場合は、医療機関への相談を検討します。
現在の身長については、当院の子どもの低身長チェックも参考としてご利用いただけます。
初潮後の成長を確認するときは、現在の身長だけでなく、半年から1年間で何cm伸びたかを確認します。
前年までと比べて伸びが急に少なくなった場合は、思春期の進行による変化なのか、ほかの要因が関係しているのかを評価します。
毎月測定すると、測定時刻や姿勢による誤差が目立つことがあります。数カ月から1年単位の推移を確認することが大切です。
医療機関では、手のレントゲン画像などを用いて、骨の成熟度を示す「骨年齢」を確認します。
実際の年齢と骨年齢は必ずしも同じではありません。骨年齢が実年齢より進んでいる場合は、残されている成長期間が短い可能性があります。
一方、骨年齢が若く骨端線が残っていれば、初潮後でも成長する余地が残っている可能性があります。
ただし、骨年齢やレントゲン画像だけで最終身長を正確に確定することはできません。成長曲線や思春期の進行度などとあわせて判断します。
女の子の思春期は、一般的に乳房の発育から始まり、その後、陰毛の発生、初潮の順に進みます。
乳房の発育が始まった時期、初潮を迎えた時期、初潮後の経過期間などを確認することで、思春期がどの段階にあるかを評価する手掛かりになります。
思春期が通常より早く始まると、一時的に身長が大きく伸びることがあります。しかし、骨年齢も早く進み、骨端線が早い時期に閉鎖へ向かうことで、最終身長が低くなる場合があります。
日本小児内分泌学会では、思春期早発症について「低年齢で急速に体が成熟するため、一時的に身長が伸びた後、小柄のまま身長が止まることがある」と説明しています。
思春期が早い可能性がある主な目安
上記の年齢に該当しただけで、思春期早発症と確定するわけではありません。身長の伸び、骨年齢、ホルモン検査などを含めて医師が診断します。
思春期の変化が早い場合は、様子を見続けるのではなく、小児科や小児内分泌を扱う医療機関へ早めにご相談ください。
生活習慣を整えたからといって、骨端線の状態や遺伝的な範囲を超えて必ず身長が高くなるわけではありません。
しかし、成長期に必要な睡眠や栄養が不足すると、お子様が本来持っている成長の可能性を妨げることがあります。
成長ホルモンは睡眠中、特に深い睡眠に入った際に多く分泌されます。
就寝時刻だけにこだわるのではなく、毎日の睡眠時間を確保し、起床時刻を大きく乱さないようにしましょう。
思春期は体重や体形が変化しやすく、見た目を気にして食事を極端に減らしてしまうことがあります。
成長期にエネルギーや栄養素が不足すると、身長や体重の増加だけでなく、月経、骨の健康、体調にも影響する可能性があります。
体重を減らす必要がある場合も、お子様だけの判断で食事を抜いたり、主食を極端に制限したりするのは避けてください。
身長を伸ばす特別な食品があるわけではありません。成長期には、体をつくるための十分なエネルギーと、さまざまな栄養素が必要です。
| 栄養素 | 主な役割 | 食品例 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 骨や筋肉など、体をつくる材料になる | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
| カルシウム | 骨の材料になる | 牛乳、ヨーグルト、小魚、豆腐 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収を助ける | 魚、卵、きのこ類 |
| 鉄 | 血液をつくり、酸素を運ぶ | 赤身肉、魚、貝類、大豆製品 |
| 亜鉛 | 細胞分裂やタンパク質合成などに関わる | 肉、魚介類、卵、乳製品 |
初潮後は月経によって鉄が失われるため、食事量が少ない方や月経量が多い方では鉄不足にも注意が必要です。疲れやすさ、息切れ、立ちくらみなどが続く場合は医療機関へ相談してください。
適度な運動は、骨や筋肉の健康、体力、食欲、睡眠リズムを整えるために役立ちます。
バスケットボールやバレーボールなど、特定の競技をすれば身長が伸びるわけではありません。本人が無理なく続けられる運動を選びましょう。
運動量に対して食事や休養が不足すると、体重減少、月経不順、疲労、けがなどにつながる場合があります。
大豆製品、カボチャ、キャベツ、特定の油などを食べることで、女性ホルモンの働きが高まり、初潮後の身長が伸びるという十分な医学的根拠はありません。
大豆製品や野菜、適量の油は、バランスのよい食事を構成する食品として取り入れることができます。しかし、女性ホルモンを増やす目的で特定の食品だけを大量に食べる必要はありません。
また、「成長期向け」「身長をサポートする」と表示されたサプリメントを飲むだけで、骨を長くしたり、最終身長を高くしたりすることはできません。
生活習慣の役割
食事、睡眠、運動は、骨端線を閉じた後に身長を伸ばす方法ではありません。成長期に必要な栄養や休養を不足させず、お子様が本来持っている成長の可能性を妨げないために重要です。
初潮を迎えたことだけを理由に、必ず医療機関を受診する必要はありません。
一方、次のような場合は、成長曲線や骨の成熟状態を一度確認することをご検討ください。
医療機関への相談を検討したいサイン
月経不順、強い月経痛、過多月経など、月経そのものに関する症状が中心の場合は、小児科や婦人科への相談も必要です。
身長の問題は、現在の数値だけでは判断できません。成長曲線、年間成長速度、骨年齢、思春期の進行度などを確認したうえで、必要な検査や経過観察を検討します。
SBC整形外科クリニック西新宿本院の小児低身長診療では、成長曲線、レントゲン検査、血液検査などを用いて、お子様の成長状態を確認します。
母子手帳や学校の健康手帳などをもとに、これまでの身長と体重を成長曲線へ記入します。
あわせて、出生時の状態、ご両親の身長、睡眠、食事、運動、既往歴、使用中の薬、乳房の発育や初潮の時期などを確認します。
手のレントゲン画像から、骨の成熟度である骨年齢や骨端線の状態を確認します。
初潮を迎えていても、骨端線が残っている場合は、成長する余地が残っている可能性があります。
必要に応じて、成長ホルモンの働きを反映するIGF-1、甲状腺機能、性腺刺激ホルモン、栄養状態などを確認します。
成長ホルモンは一日の中で分泌量が変動するため、通常の採血1回だけで成長ホルモン分泌不全を確定することはできません。必要な場合は、追加の検査や専門医療機関への相談が検討されます。
詳しい受診手順は、小児低身長のご予約から治療までの流れをご覧ください。
初潮を迎えたことだけで、成長ホルモン治療が必要、または治療できないと判断することはできません。
治療の適応は、現在の身長、成長速度、骨年齢、骨端線の状態、思春期の進行度、ホルモン検査、低身長の原因などから判断します。
骨端線の閉鎖が進んでいる場合は、治療を行っても期待できる身長の伸びが限られる可能性があります。まずは検査で現在の状態を確認することが重要です。
また、一般的な保険診療における成長ホルモン治療は、成長ホルモン分泌不全性低身長症やSGA性低身長症、ターナー症候群など、一定の診断基準を満たす場合に検討されます。
SBC整形外科クリニックで行う小児低身長の検査・治療は、原則として自費診療です。診察や検査結果を確認し、治療が適していると医師が判断した場合に選択肢をご案内します。
成長ホルモン治療によって、希望する身長まで必ず伸びることを保証するものではありません。
成長ホルモン治療に関する注意事項
治療の費用やリスクについては、小児低身長プランの費用・料金および小児低身長に関するよくある質問をご確認ください。
海外の近年の研究では、初潮後の伸長量が平均約6~8cmと報告されています。
ただし、初潮を迎えた年齢や骨年齢などによる個人差が大きく、日本人のお子様が必ず同じ程度伸びるという意味ではありません。
個別の成長余地を確認するには、成長曲線やレントゲンによる骨年齢・骨端線の評価が必要です。
初潮後も数年間にわたり緩やかに伸びる方はいますが、特に初潮後1年間の伸びが比較的大きく、その後は徐々に少なくなる傾向があります。
何年間伸びるかは一人ひとり異なり、初潮後の経過年数だけで判断することはできません。
初潮後は身長の伸びが緩やかになるため、数カ月単位では変化が分かりにくいことがあります。
過去半年から1年間の成長記録を確認し、以前より伸びが急に低下した場合や、成長曲線が横ばいになった場合は医療機関へご相談ください。
初潮を迎えた時期や骨の成熟度によっては、高校生の時期にも身長が伸びる場合があります。
ただし、年齢だけでは判断できません。骨端線が閉鎖している場合は、骨の長さによる身長の伸びは期待できません。
ストレッチで姿勢が整うと、本来の身長に近い姿勢で立ちやすくなることがあります。
しかし、ストレッチによって骨そのものが長くなったり、骨端線の閉鎖を遅らせたりすることが証明されているわけではありません。
大豆製品を食べることで初潮後の身長が伸びるという十分な医学的根拠はありません。
大豆製品はタンパク質などを摂取できる食品ですが、女性ホルモンを増やす目的で大量に摂取する必要はありません。
ご両親の身長から「目標身長」の目安を計算できますが、実際の最終身長を確定するものではありません。
遺伝だけでなく、思春期の時期、骨年齢、成長速度、栄養状態、病気なども関係します。
詳しくは、ターゲットハイト計算式と子どもの予測身長をご覧ください。
初潮を迎えた直後に身長の伸びが完全に止まるわけではありません。初潮後も身長が伸びる可能性はあります。
ただし、多くの女の子は成長スパートのピークを過ぎた頃に初潮を迎えるため、その後の身長の伸びは徐々に緩やかになります。
初潮後に何cm、何年間伸びるかは、初潮を迎えた年齢、成長曲線、骨年齢、骨端線、思春期の進行度などによって異なります。
特定の食品、サプリメント、ストレッチだけで身長を伸ばすことはできません。まずは過去の身長記録を確認し、成長曲線や1年間の伸びを見てみましょう。
身長の伸びが急に低下した場合や、初潮後に残されている成長余地を知りたい場合は、骨端線が閉鎖する前に医療機関へご相談ください。
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