「子どもが足首をひねって、くるぶしが痛い」「歩けているけれど骨折していないか心配」「骨端線を傷めると身長が伸びなくなる?」
子どもの足首のけがでは、捻挫だけでなく、成長途中の骨にある骨端線(こったんせん)を傷める場合があります。
ただし、くるぶしが痛いからといって、必ず骨端線損傷が起きているわけではありません。
まず結論|子どものくるぶしの痛み
足首をひねった子どもでは、捻挫・骨折・骨端線損傷のいずれも考えられます。
骨端線損傷と捻挫は、どちらも痛み・腫れ・内出血が起こることがあり、見た目だけで区別するのは困難です。
歩ける場合でも骨折を完全には否定できません。 くるぶし周辺に強い痛みがある、足を引きずっている、腫れが続く場合などは整形外科にご相談ください。
先に確認|救急受診を優先したい症状
こうした場合は通常のクリニック予約を待たず、救急医療機関での評価を優先してください。重症の場合は119番を検討してください。
骨端線は身長の伸びにも関係する組織のため、「もし損傷していたら将来の成長に影響しないか」と心配になる保護者の方もいるでしょう。
この記事では、くるぶしの骨端線損傷と捻挫の違い、レントゲンで確認できること、受診目安、治療方法、身長への影響を整形外科の視点から解説します。
この記事でわかること
子どものくるぶし周辺に痛みがある場合、痛みが出たきっかけによって考えられる原因が異なります。
転倒・ジャンプの着地・スポーツ中の方向転換などで足首をひねった場合、捻挫や骨折などが疑われます。
足首をひねると、関節を支える靱帯などを損傷することがあります。これが足関節捻挫です。
一方、子どもには成長途中の骨に骨端線があるため、骨端線を含む骨折が起こる場合もあります。
ただし、すべての足首のけがが骨端線損傷になるわけではありません。捻挫の方が多い状況もあります。
家具や遊具、スポーツ用品などにくるぶしを強くぶつけた場合は、打撲だけでなく骨折することもあります。
足首をひねっていない場合でも、強い痛みや腫れがあるときは骨の損傷を否定できません。
明らかなけがのきっかけがない場合は、スポーツによる負担、腱や関節周辺の問題など、外傷以外の原因も考えられます。
特に、発熱を伴う関節の強い痛みや、急に足をつけなくなった場合は、感染症なども考慮して速やかな医療評価が必要です。
ひねったあとに痛い
捻挫・骨折・骨端線損傷などが考えられます。
直接ぶつけたあとに痛い
打撲や骨折などが考えられます。
けがをしていないのに痛い
外傷以外の原因も含めて確認します。発熱や強い腫れを伴う場合は早めの医療対応が必要です。
骨端線とは、成長期の骨の端にある、軟骨を主体とする成長板(せいちょうばん)のことです。
骨が長さ方向に成長する仕組みに関係しており、骨の成熟が進むと徐々に閉鎖します。
足首の内側にある内くるぶしは、主に脛骨(けいこつ)の一部です。外側の外くるぶしは、腓骨(ひこつ)の一部です。
成長期には、脛骨と腓骨の足首に近い部分にも骨端線があります。
足首をひねったり、強い力が加わったりしたときに、これらの骨端線を含む部分が損傷する場合があります。
はい。骨端線を通る骨折や、骨端線を含む周囲の骨折が起こることがあります。
骨端線を含む骨折を分類する方法として、Salter-Harris(ソルター・ハリス)分類があります。
損傷が骨端線のみに及ぶ場合や、骨端線と周囲の骨に及ぶ場合などがあり、骨折の型やずれの程度によって治療方針が異なります。
子どもの足首の痛みを、すべて骨端線損傷と考える必要はありません。
2016年に発表された研究では、足首の外側を傷め、レントゲンで明らかな骨折が確認されなかった子ども135人をMRIで評価したところ、腓骨遠位部のSalter-HarrisⅠ型骨折が確認されたのは4人(約3%)でした。
一方、靱帯損傷は108人(80%)に認められました。
この数字は対象条件が限定された研究結果ですが、外くるぶしの痛みをすぐに骨端線骨折と決めつけるのは適切でないことを示しています。
ただし、骨端線損傷の可能性が完全になくなるわけではなく、けがをした場所や症状に応じた評価が必要です。
捻挫と骨端線損傷は、主に損傷している組織が異なります。
しかし、どちらの場合にも痛み・腫れ・内出血などがみられるため、家庭で正確に区別することは困難です。
足関節捻挫と骨端線損傷の比較
足関節捻挫
主に損傷する場所:靱帯など
主な症状:痛み・腫れ・内出血・不安定感など
治療:保護・固定・運動制限・必要に応じたリハビリなど
骨端線損傷
主に損傷する場所:骨端線を含む骨の組織
主な症状:痛み・腫れ・内出血・荷重時痛など
治療:骨折の型・ずれの程度に応じた固定、整復、場合によっては手術など
歩けるという理由だけで、骨折や骨端線損傷を否定することはできません。
骨折の型やずれの程度などによっては、ある程度歩ける場合があります。
特に、足を引きずっている、歩くたびにくるぶし付近が痛む、腫れが増している場合は、歩けていても整形外科に相談しましょう。
あります。腫れの程度には個人差があり、骨折していても外見上の変化が目立たない場合があります。
一方、強い捻挫で大きく腫れることもあります。
腫れの大きさや青あざだけで病名を決めることはできません。
くるぶしの骨に近い場所が痛むのか、くるぶしの前方・下方などが痛むのかは、傷めた組織を考える手がかりになります。
ただし、痛む位置だけで骨端線損傷を診断することはできません。
医療機関では、けがをした状況、歩行状態、腫れ、圧痛の位置などを総合して判断します。
痛みを確認するために、ご家庭でくるぶしを何度も強く押す必要はありません。
足首を傷めた子どもが整形外科を受診した場合は、けがをした状況や症状を確認し、必要な検査を検討します。
骨折が疑われる場合には、X線(レントゲン)検査が判断材料の一つになります。
X線検査では、骨折線や骨のずれ、足関節の位置関係などを確認できます。
また、子どもの骨端線は成長途中の正常な構造として画像に写るため、年齢に応じた骨の特徴を踏まえて評価する必要があります。
必ずしもそうとは限りません。
骨端線は軟骨を含む構造であり、骨折の型によっては通常のX線で損傷が分かりにくい場合があります。
一方、レントゲンで明らかな骨折が見つからない足首のけがでは、靱帯損傷が原因となっていることも多くあります。
画像だけではなく、症状や診察所見を合わせて判断することが重要です。
骨折の型や関節面への影響などを詳しく確認する必要がある場合、CTやMRIなどの追加検査が検討されることがあります。
ただし、子どもの足首のけがに対して、全員にMRI・CTを行うわけではありません。
例えば、脛骨側の関節面に及ぶ骨端線骨折などでは、専門医による詳しい評価や治療が必要になる場合があります。
当院にはX線撮影設備がありますが、院内にCT・MRIはありません。必要に応じて、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
診察では、次のような情報が役立ちます。
これらの情報を保護者の方も整理しておくと、診察時に説明しやすくなります。
子どもが足首をひねったり、くるぶしをぶつけたりして痛みがある場合は、整形外科が受診先の候補です。
骨折か捻挫かをご家庭で判断してから受診する必要はありません。
「歩けるから軽い捻挫」と自己判断せず、症状が気になる場合は整形外科にご相談ください。
足首が明らかに変形している、足先の色や感覚に異常がある、深い傷がある、強い外力を受けた場合は、重い骨折や血流・神経への影響などが考えられます。
また、明らかなけががないのに発熱とともに足首が強く腫れ、歩けない場合も、通常の予約を待たず速やかな医療評価が必要です。
無理に歩かせて確認しない
「4歩歩けるか」を骨折の判断材料にする診察上の基準もありますが、痛みを我慢して自宅で歩かせる必要はありません。骨折が疑われる場合は患部への負担を避けましょう。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、足関節捻挫や骨折などの一般整形外科診療を行っています。
「捻挫か骨折か分からない」「成長期なので骨端線が心配」という段階でも、まずはお電話で受診についてご相談ください。
未成年のお子様の整形外科受診
当院の予約ページでは、未成年者は受診前の電話予約・親権者同伴をご案内しています。
症状によっては当院で対応できない場合もあるため、受診前にご連絡ください。緊急症状がある場合は救急医療機関を優先してください。
西新宿本院に電話で相談する|0120-962-992 横浜駅前院に電話で相談する|0120-003-943電話で「子どもの足首をひねった」「くるぶしが痛い」など、現在の症状をお伝えください。
くるぶしの痛みがある場合は、受診までの間に患部へ余計な負担をかけないことが大切です。
サッカーやバスケットボール、体育の授業などで足首を痛めた場合は、まず運動を中止しましょう。
走ったり、ジャンプしたり、痛みを我慢して歩き続けたりすることは避けてください。
受傷直後に冷却すると、痛みが和らぐ場合があります。
氷のうや保冷剤を使う場合は、タオルで包んで皮膚の状態を確認しながら短時間使用してください。凍傷を防ぐため、氷を直接当て続けないようにしましょう。
腫れがある場合は、無理のない姿勢で足を休ませ、必要に応じて少し高く保つ方法があります。
ただし、痛みが増すような姿勢を無理に続ける必要はありません。
骨折や骨端線損傷が疑われる場合、患部を強く揉んだり、痛む方向へ無理に動かしたりすることは避けてください。
明らかな変形がある場合は、自分で元の位置に戻そうとせず、救急医療機関での対応を優先しましょう。
行ってよいこと
運動の中止、患部の保護、無理のない安静、タオル越しの冷却など。
避けたいこと
痛みを我慢して歩かせる、激しい運動を続ける、強く揉む、無理に関節を動かすことなど。
骨端線損傷の治療方法は、どの骨を傷めたか、骨折の型、骨のずれの程度などによって異なります。
骨のずれが少ない場合には固定などによる保存的治療が行われることがあります。
一方、骨のずれが大きい場合や、関節面に及ぶ骨折などでは、整復や手術が必要になることもあります。
骨折の状態に応じて、ギプスや装具などで患部を保護・固定します。
固定する期間や足をついてよいかどうかは、損傷の種類などによって異なるため、担当医の指示に従ってください。
骨折した部分のずれが大きい場合や、関節面の位置を正確に整える必要がある場合などは、手術が検討されることがあります。
特に脛骨遠位部の骨端線骨折では、骨折の型やずれの程度によって専門的な治療が必要になる場合があります。
骨折や骨端線損傷の回復期間は、損傷の種類、固定方法、骨のずれの程度などによって異なります。
一定期間の固定を必要とする場合もあれば、比較的早く日常動作へ戻れる場合もあります。
「2週間経ったら運動してよい」などと一律には決められません。体育や部活動への復帰は、痛み・腫れ・関節の動き・骨の回復状態などを踏まえて判断します。
あります。骨端線を含む骨折では、骨が適切に回復しているかを確認するため、再診や画像検査などが必要になる場合があります。
特に成長障害のリスクがある骨折では、必要に応じて長期的な経過観察が行われることがあります。
骨端線は骨が長さ方向に成長するために重要な組織です。
そのため、骨端線を含む骨折の一部では、将来的に骨の成長に影響する可能性があります。
ただし、骨端線を傷めたからといって、必ず身長が止まるわけではありません。
骨折の型や位置、骨のずれの程度、骨端線の損傷範囲などによっては、骨端線の一部または全体で成長が障害されることがあります。
その結果、左右の脚の長さに差が生じたり、骨が曲がるように成長したりする場合があります。
ただし、このような問題が起こる可能性はすべての骨端線損傷で同じではありません。
外くるぶし側の腓骨と、内くるぶし側を含む脛骨では、骨端線骨折の特徴や治療上の注意点が異なります。
特に脛骨遠位部の骨端線骨折では、骨の成長に関する経過観察が重要になることがあります。
一方、腓骨遠位部の一部の損傷では成長障害が比較的少ないとされますが、すべての腓骨骨折が軽症という意味ではありません。
骨端線損傷の回復を目的に、成長ホルモンの分泌を増やすサプリメントなどを使用する方法は、標準的な治療として確立されていません。
十分な睡眠や栄養バランスの取れた食事は、子どもの健康に重要です。
しかし、睡眠や栄養だけで骨折した部分の位置を整えたり、損傷した骨端線を確実に回復させたりできるわけではありません。
骨端線損傷が疑われる場合は、自己判断でサプリメントを追加するのではなく、適切な診察・治療・必要に応じた経過観察を受けることが重要です。
歩ける場合でも骨折や骨端線損傷を完全には否定できません。くるぶし周辺の骨が強く痛む、足を引きずる、腫れが広がるなどの場合は整形外科へ相談してください。
必ずしもそうとは限りません。骨端線を含む一部の骨折は通常のX線で分かりにくい場合があります。一方、レントゲンで骨折が確認されない足首のけがでは、靱帯損傷が多くみられます。症状や診察所見と合わせて判断します。
骨端線が閉鎖する前の成長期に起こります。骨の成熟が進む時期には個人差があるため、年齢だけで骨端線の状態を正確に判断することはできません。
すべての骨端線損傷で成長障害が起こるわけではありません。ただし、骨折の型や損傷部位によっては骨の成長へ影響する場合があるため、適切な治療と必要に応じた経過観察が重要です。
腫れが少なくても骨折が隠れている場合があります。くるぶしの限られた場所が強く痛む、歩くと痛む、痛みが改善しないなどの場合は、整形外科への相談をご検討ください。
足首をひねった、ぶつけたなど、けがのあとに痛みがある場合は整形外科が受診先の候補です。変形や足先の血色・感覚の異常、強い外傷などがある場合は救急医療機関への受診を優先してください。
子どもの足首のけがでは、捻挫だけでなく、成長期の骨端線を含む骨折などが起こる場合があります。
ただし、くるぶしが痛いからといって必ず骨端線を傷めているわけではありません。
この記事の結論
「捻挫だろう」「成長期だから痛いだけ」と自己判断せず、けがをした状況・痛む場所・歩き方・腫れの変化を確認することが重要です。
骨折か捻挫か分からない段階でも、整形外科でご相談いただけます。
なお、骨端線損傷の治療と、身長予測シミュレーションなどの自由診療は目的が異なります。けがをした直後は、まず外傷の評価を優先しましょう。
歩けるけれど骨折が心配な方へ
直接ぶつけて痛み・腫れが出ている方へ
けがのあとに痛みが長引いている方へ
くるぶしではなく土踏まずの上あたりが痛い方へ
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
東北大学医学部医学科卒業。内科・救急科・整形外科などでの診療経験を経て、現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、骨折や捻挫などの一般整形外科診療に携わっています。
日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会所属。
医師紹介を見る →SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、足関節捻挫や骨折などの一般整形外科診療を行っています。
両院にX線撮影設備があり、けがをした状況や症状に応じて診察・必要な検査を検討します。
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