「足の内側に硬い骨の出っ張りがある」「靴が当たると痛い」「部活や体育のあと、土踏まずの少し上が痛くなる」。
子ども・10代などでこのような症状がある場合、足の舟状骨の内側にある外脛骨(がいけいこつ)が痛みに関係していることがあります。外脛骨の周辺に痛みが出ている状態を有痛性外脛骨と呼びます。
先に結論
足の内側に外脛骨があるだけでは病気ではなく、治療が必要とも限りません。
一方、骨の出っ張りを押すと痛い、靴が当たる、走る・ジャンプすると同じ場所が痛む場合は、有痛性外脛骨を原因の一つとして確認します。
「骨が出ている=手術」ではありません
治療は、運動量や靴の調整、必要に応じた装具・固定・リハビリテーションなどの保存的治療から検討することが基本です。
足の内側・土踏まずの少し上に硬い出っ張りがある
→ 舟状骨・外脛骨周辺を確認
出っ張りを押す・靴が当たると痛い
→ 有痛性外脛骨でみられる症状の一つ
走る・ジャンプ・部活動で痛みが強くなる
→ 外脛骨周辺への反復負荷を確認
転倒・捻挫後から突然強く痛くなった
→ 外脛骨だけでなく骨折などの外傷も確認
受診するか迷ったら「骨の大きさ」より「痛みと生活への影響」で考えます
出っ張りが目立っていても痛くなければ経過を見ることがあります。一方、部活を休んでも繰り返し痛い、靴が当たるたびに痛む、歩行や体育に支障が出ている場合は整形外科で状態を確認する目安になります。
「成長期だから様子を見ていい?」と迷っている方は、 整形外科を受診する目安を先に確認する →
この記事で分かること
外脛骨は、足の内側にある舟状骨の近くにみられる副骨の一つです。
けがによって突然できる骨ではなく、骨が発達する過程でみられる解剖学的なバリエーションです。
外脛骨そのものは珍しいものではなく、多くの場合は症状を起こしません。別の理由でレントゲンを撮影し、偶然見つかることもあります。
そのため、「外脛骨があること」と「外脛骨が現在の痛みの原因であること」は分けて考える必要があります。
「有痛性外脛骨」は外脛骨周辺に症状が出ている状態
骨の突出部に圧痛があり、靴の圧迫や歩行・運動で同じ場所に痛みが出るかなどを確認します。外脛骨が画像に写っているだけで、有痛性外脛骨とは判断しません。
有痛性外脛骨では、土踏まずより少し上にある足の内側の骨性隆起周辺に痛みが出ます。
みられることがある症状には、
「骨の出っ張りがある」だけでは診断できません
外脛骨があっても無症状の方はいます。突出部と圧痛の場所が一致するか、どの動作で痛むか、周囲の骨や腱に別の問題がないかを合わせて判断します。
外脛骨は子どもだけにみられるものではなく、大人になっても残っている方がいます。
一方、痛みなどの症状は成長期から思春期に目立つことがあります。
学校体育や部活動などで運動量が増え、走る・ジャンプする・切り返す動作を繰り返すことも、症状が出るきっかけの一つになります。
外脛骨はレントゲン上の形態から、一般にType I・II・IIIに分類されます。
なかでもType IIは、外脛骨と舟状骨の間に軟骨性の結合部があり、症候性になりやすいタイプとされています。
この結合部へ加わる反復ストレスなどが、痛みに関係すると考えられています。
Type IIがある=必ず痛む、という意味ではありません。
外脛骨の形態は判断材料の一つであり、現在の圧痛や症状と一致しているかが重要です。
外脛骨周辺には、足の内側のアーチを支える働きに関係する後脛骨筋腱が付着・走行しています。
運動時にこの腱から加わる張力も症状に関係する要素の一つですが、後脛骨筋腱だけが痛みの原因というわけではありません。
外脛骨の突出が大きい場合、通学靴やスパイクなどが繰り返し当たり、周囲の皮膚・軟部組織が刺激されることがあります。
「裸足ならあまり痛くないのに、特定の靴を履くと痛い」という場合は、靴による圧迫も確認します。
それまで症状がなかった外脛骨でも、足をひねったことなどをきっかけに痛みが出る場合があります。
ただし、転倒・捻挫後に突然強い痛みが出た場合は、「外脛骨があるから」と決めつけず、骨折などの外傷も含めて確認します。
外脛骨と扁平足が同じ方にみられることはあります。
しかし、「外脛骨があるから扁平足になる」「扁平足だから外脛骨が必ず痛くなる」と単純な因果関係で説明することはできません。
診察では必要に応じて、突出部の状態だけでなく、立ったときの足のアーチやかかとの向きなども確認します。
外脛骨と扁平足は、それぞれの状態を確認して治療方針を考えることが重要です。扁平足があるという理由だけで、有痛性外脛骨の治療内容が決まるわけではありません。
足の内側が痛いからといって、すべてが有痛性外脛骨とは限りません。
舟状骨などの疲労骨折
スポーツによる反復負荷で骨へストレスが蓄積し、疲労骨折を起こすことがあります。運動すると骨の限られた場所が強く痛む場合などは鑑別します。
転倒・捻挫などによる骨折
明確な外傷の直後から強く痛み、急な腫れや荷重時痛がある場合は、骨折など外傷性の病変について確認します。
後脛骨筋腱など周囲の腱の痛み
内くるぶしの後方から土踏まず側へ続く痛みでは、後脛骨筋腱など周囲の軟部組織も確認します。
靴による皮膚・軟部組織の痛み
突出した部分へ靴が繰り返し当たり、骨そのものではなく皮膚や周囲組織が痛んでいる場合もあります。
子ども・スポーツ選手の足の慢性的な痛みを広く確認したい方は、 足の慢性障害 も参考にしてください。
運動すると骨の限られた場所が痛み、疲労骨折が心配な方は、 疲労骨折の症状・診断・治療 をご覧ください。
幼児期の足のアーチが気になる方は、 幼児期扁平足 も参考にしてください。
足の内側に骨の出っ張りがあっても、痛みがなく日常生活や運動に支障がない場合は、必ずしも治療が必要とは限りません。
一方、次のような場合は整形外科への相談をご検討ください。
「成長期だから我慢する」必要はありません
外脛骨は発育に関連する骨ですが、痛みが続く場合は現在の運動負荷、靴との摩擦、外脛骨の形、ほかの骨・腱の病変などを確認できます。有痛性外脛骨か分からない状態でも受診できます。
転倒・捻挫後に急激に痛くなった場合は別です
外脛骨以外の骨折・脱臼や血流への影響などを確認する必要があります。強い症状では通常の様子見を続けず、早めの医療評価をご検討ください。
受診時に伝えるとよいこと
いつから痛いか、どの靴で痛むか、どの運動で悪化するか、練習を休むと改善するか、捻挫などのきっかけがあったかを伝えると原因を整理しやすくなります。
足の内側の出っ張りが痛み、歩行・体育・部活動に支障がある方へ
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、子ども・若年者を含む足の痛みを一般整形外科の保険診療でご相談いただけます。
「有痛性外脛骨なのか分からない」「成長期だから様子を見ていいのか迷っている」という段階でも、痛む場所や骨の状態、足の形などを確認し、必要な検査・治療を検討します。
西新宿本院|整形外科保険診療を予約する 横浜駅前院|整形外科保険診療を予約する※Web予約では「整形外科保険診療」をお選びください。必要な検査・治療は診察後に医師が判断します。
診断では、外脛骨の存在だけではなく、外脛骨の位置と実際の症状が一致しているかを確認します。
診察では、例えば次のような点を確認します。
外脛骨の有無や形を確認するには、足部のレントゲン検査が役立ちます。
外脛骨の形態や舟状骨との位置関係、ほかの骨性病変がないかなどを確認します。足部アライメントの評価が必要な場合には、荷重した状態で撮影することもあります。
レントゲンで外脛骨が見つかっても、痛みの原因とは限りません
外脛骨は無症状の方にもみられます。画像だけでなく、圧痛の場所や運動・靴との関係などを合わせて判断します。
診察とレントゲンだけでは痛みの原因が十分に分からない場合や、外脛骨と舟状骨の結合部、周辺の骨・腱などを詳しく評価する必要がある場合にはMRIを検討することがあります。
すべての有痛性外脛骨でMRIが必要になるわけではありません。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。より詳しい画像検査が必要と判断された場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
治療は、痛みの強さ、歩行やスポーツへの支障、靴との摩擦などを確認して決めます。
症状に応じて、
部活を「続ける・完全に休む」の二択で考える必要はありません
競技内容や痛みの程度によって必要な負荷調整は異なります。練習後にも痛みが残る、翌日まで悪化する、歩行でも痛い場合などは運動量を見直し、症状に合わせて復帰を考えます。
リハビリテーションについて詳しく知りたい方は、 SBC整形外科クリニックのリハビリテーション科 もご覧ください。
保存的治療を行っても痛みが続き、日常生活やスポーツ活動への支障が大きい場合には、手術治療が検討されることがあります。
外脛骨の切除や、後脛骨筋腱に対する処置を組み合わせる方法など複数の術式があり、外脛骨の形態や足部の状態に応じて判断されます。
有痛性外脛骨=手術ではありません。
手術は保存的治療でも症状が十分に改善しない場合などに検討する選択肢です。レントゲンに外脛骨が写っているという理由だけで行うものではありません。
外脛骨があっても痛みがない方はいます。有痛性外脛骨は、外脛骨周辺に圧痛や運動時痛などの症状が出ている状態です。
外脛骨自体は大人にもみられます。一方、症状は成長期から思春期に目立つことがあり、子ども・10代の足内側痛で確認する病態の一つです。
成長過程で舟状骨と癒合する場合もあれば、外脛骨として残る場合もあります。大人になって骨が残っていても、痛みがなければ問題にならないことがあります。
扁平足を伴う方はいますが、両者を単純な原因と結果として考えることはできません。外脛骨周辺の症状と足の形をそれぞれ評価します。
痛みの程度や競技内容によって異なります。練習するほど痛みが増える、運動後や翌日まで痛い、歩行でも痛くなっている場合は負荷を下げ、整形外科で状態を確認してください。
外脛骨があるという理由だけで切除する必要はありません。まず保存的治療を行い、それでも痛みや活動制限が続く場合に手術を含む専門治療を検討します。
足の内側に骨の出っ張りがあっても、痛みがなければ問題にならないことがあります。一方、押すと痛い、靴が当たる、体育・部活動・歩行で同じ場所に症状が出る場合は、有痛性外脛骨などを確認します。「成長期だから仕方ない」と我慢を続けず、活動に支障が出ている場合は整形外科へご相談ください。
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参考情報
足の内側の骨の出っ張りや、運動時の足部痛でお困りの方は、SBC整形外科クリニックの一般整形外科へご相談ください。