「アルギニンにはどんな効果がある?」
「成長ホルモンを増やして身長を伸ばす?」
「筋肉・脂肪燃焼・免疫にもいいって本当?」
アルギニンについて調べると、「成長ホルモン」「身長」「筋肉」「脂肪燃焼」「免疫」など、さまざまな効果が紹介されています。
ただし、アルギニンが身体の中で担っている役割と、食品やサプリメントから多く摂ることで得られる効果は分けて考える必要があります。
先に結論|アルギニンは身体に必要なアミノ酸ですが、多く摂るほど効果が高まるわけではありません
身体の中での役割は?
たんぱく質の材料になるほか、一酸化窒素(NO)の産生やアンモニアの処理などに関わります。
成長ホルモンを増やす?
医療では成長ホルモン分泌刺激試験に使われますが、食品・サプリメントとして摂ることとは条件が異なります。
身長を伸ばす?
アルギニンを多く摂ることで、健康な子どもの本来の成長以上に最終身長が高くなるとは示されていません。
アルギニンの「効果」を先に整理
◎ 身体をつくるたんぱく質の材料
アルギニンはアミノ酸のひとつとして、身体のたんぱく質を構成します。
◎ NO産生・アンモニア処理などに関与
一酸化窒素の産生や尿素回路など、複数の代謝に関わります。
△ 「サプリでGHが増えて身長が伸びる」
一般的な経口アルギニンサプリメントによる身長増加効果は示されていません。
△ 「飲めば筋肉が増える・脂肪が燃える」
アルギニン単独を追加すれば、健康な子どもにそのような効果が得られると一律には言えません。
△ 「飲めば免疫力が上がる」
免疫に関わる代謝には関与しますが、健康な子どものサプリメント効果として単純化できません。
アルギニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸のひとつです。
身体の中でも合成されますが、発達段階や身体の状態によって必要性が変化することから、一般に条件付き必須アミノ酸などと説明されます。
「子どもの身体ではアルギニンを作れない」わけではありません
子どもの体内でもアルギニンは合成されます。「子どもは体内で作れないので、必ず大量に食品やサプリから補う必要がある」という説明は適切ではありません。
「必要なアミノ酸」=「多く摂るほどよい」ではありません
身体に必要な物質であることと、通常の食事に加えて大量に摂取すれば健康効果や成長効果が高まることは別です。
アルギニンは、身体の中で複数の代謝に関わっています。
① たんぱく質をつくる材料になる
アルギニンはアミノ酸のひとつとして、身体を構成するたんぱく質の材料に利用されます。
② アンモニアの処理に関わる
アミノ酸などの代謝で生じるアンモニアを尿素へ変えて処理する「尿素回路」に関わります。
③ 一酸化窒素(NO)の材料になる
アルギニンは一酸化窒素を産生する際の基質として利用されます。一酸化窒素は血管の機能などに関わります。
④ その他の代謝にも関わる
クレアチンやポリアミンなど、身体で利用される複数の物質の産生・代謝にも関係しています。
アルギニンと成長ホルモンの関係は、特に誤解されやすいポイントです。
アルギニンは医療機関で、成長ホルモンを分泌する能力を評価する成長ホルモン分泌刺激試験に使用されることがあります。
ただし、医療の検査では一定量のアルギニンを静脈内へ投与します。
食品や一般的なサプリメントとして口から摂ることとは、量・投与経路・目的が異なります。
「アルギニンサプリ=GHを増やす方法」とは考えません
日本小児内分泌学会は、アルギニンを一般的なサプリメントとして服用しても、成長ホルモン分泌が促進するとは考えられないとしています。
さらに、仮に一時的に成長ホルモン分泌を刺激できたとしても、それだけで子どもの成長速度や成人時の最終身長が高くなるとは限りません。
医療の負荷試験との違いについて詳しく知りたい方は、 アルギニンで成長ホルモンは増える?負荷試験とサプリの違い をご覧ください。
アルギニンを多く摂ることで、健康な子どもの本来の成長以上に成人時の最終身長が高くなるとは示されていません。
日本小児内分泌学会は、「身長を伸ばす効果」をうたうサプリメントについて、健康な子どもの本来の成長以上に身長を伸ばすことが科学的に証明された成分は存在しないという見解を示しています。
「アルギニンを増やせば、その分だけ身長が伸びる」ではありません
アルギニンは身体で利用されるアミノ酸ですが、「身長を伸ばす成分」として量を増やす必要はありません。
現行の旧記事では、「脂肪代謝を促進する」「筋肉の分解を抑え、強い身体をつくる」と説明していました。
しかし、健康な子どもへの効果としてこのように断定するのは適切ではありません。
筋肉
アルギニンはたんぱく質を構成するアミノ酸ですが、アルギニンだけを増やせば筋肉量や筋力が増えるというものではありません。食事全体、運動、休養、発達段階などを合わせて考えます。
脂肪燃焼
アルギニンは複数の代謝経路に関わりますが、健康な子どもの脂肪を減らす目的で積極的に摂取することは勧められません。
成長期では「脂肪燃焼」より必要なエネルギーを不足させないことも重要です
身長を伸ばす目的で食事量を減らしたり、脂肪燃焼を目的としたサプリメントを使用したりする必要はありません。
アルギニンは免疫系を含むさまざまな生理機能に関わる代謝で利用されます。
ただし、健康な子どもが通常の食事に加えてアルギニンを摂れば、免疫力が上がったり疲労が早く回復したりすると一律に説明することはできません。
免疫
アルギニンは免疫機能に関係する代謝にも関わりますが、「サプリメントで追加すれば免疫力が上がる」という意味ではありません。
疲労回復
疲労が続く場合はアルギニンサプリだけで解決しようとせず、睡眠、食事、運動量、体調などを確認しましょう。
「成長期だからアルギニンだけを意識して大量に摂る」という必要はありません。
アルギニンは肉・魚・大豆製品・種実類など、たんぱく質を含むさまざまな食品に含まれています。
成長期に優先したいのは「アルギニン単独」ではなく食事全体
十分なエネルギー
たんぱく質
脂質・炭水化物
ビタミン・ミネラル
さまざまな食品を組み合わせた食事
「1日何g必要?」という摂取量については、 アルギニンの1日の必要摂取量は?子どもに5〜7g必要って本当? をご覧ください。
食事への具体的な取り入れ方については、 子供のアルギニンはどう摂る?食事・サプリの考え方 をご覧ください。
「アルギニンを摂っているのに身長が伸びない」「もっと摂った方がいい?」と心配な場合は、摂取量を増やす前に実際のお子様の成長経過を確認します。
現在の身長
年齢・性別に対してどの位置にいるか確認します。
一定期間の成長速度
半年〜1年間などでどの程度身長が伸びているか確認します。
成長曲線の推移
過去の身長記録をつなぎ、その子自身の成長軌道から継続して下方向へずれていないか確認します。
1年間の身長の伸びについて詳しく知りたい方は、 子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?小学生・中学生の成長速度と受診目安 をご覧ください。
身長の伸び方がおかしい場合は「アルギニン不足」と決めつけない
成長曲線が継続して下がる、以前より身長の伸びが明らかに低下している、体重や体調にも変化がある場合は、特定の栄養素だけで原因を考えず、小児科・小児内分泌科などで医学的な評価をご検討ください。
アルギニンをどのくらい摂っているかだけでは、お子様がこの先あと何cm伸びるのかを判断することはできません。
身長の伸び方がおかしい・病気が心配
小児科・小児内分泌科などで、低身長や成長障害について医学的な評価を受けることが適しています。
「大人になったら何cmくらい?」という目安を知りたい
これまでの成長記録や骨の成熟状態などから、将来身長の目安を予測する方法があります。
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳のお子様を対象に、身長予測シミュレーションを行っています。
これまでの成長記録、現在の身長、ご両親の身長、手のレントゲンで確認する骨の成熟状態などを参考に、将来身長の目安を予測します。
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
料金
15,270円(税込)
想定所要時間
約30分
予約
完全予約制
※6歳〜18歳はSBC整形外科クリニックの身長予測シミュレーションの対象年齢です。医学的な低身長評価に共通する年齢基準ではありません。身長予測は成人時の身長を保証するものではなく、病的低身長の確定診断を目的とする検査とも異なります。
持ち物や受診時の流れについては、 小児低身長診療を初めて受ける方へ|持ち物・予約・診察・検査の流れ をご覧ください。
「アルギニンを増やす?」より、お子様自身の成長を確認したい方へ
アルギニンの摂取量だけでは、この先の身長は分かりません。
成長記録や骨の成熟状態などから将来身長の目安を確認したい方は、身長予測シミュレーションをご検討ください。
※予測結果は将来の成人身長を保証するものではありません。
アルギニンを多く摂ることで、健康な子どもの本来の成長以上に成人時の最終身長が高くなるという根拠はありません。
医療で行う成長ホルモン分泌刺激試験と、食品・サプリメントからアルギニンを摂ることは条件が異なります。一般的なアルギニンサプリメントを服用すれば成長ホルモン分泌が増えるとは考えられていません。
アルギニンはたんぱく質を構成するアミノ酸ですが、アルギニンだけを増やせば筋肉量や筋力が増えるというものではありません。
アルギニンは複数の代謝経路に関わりますが、健康な子どもの脂肪を減らす目的でアルギニンを積極的に摂取することは勧められません。
アルギニンは免疫に関係する代謝にも関わりますが、健康な子どもがアルギニンサプリメントを追加すれば免疫力が上がると一律に説明することはできません。
アルギニンはたんぱく質を構成するアミノ酸のひとつ
一酸化窒素産生や尿素回路など複数の代謝に関わる
身体で役割があることと、追加摂取で効果が高まることは別
アルギニンサプリでGHを増やし最終身長を高くできるとは言えない
筋肉増強・脂肪燃焼・免疫力アップを健康な子どもへの効果として断定しない
身長が気になる場合はアルギニンではなく成長曲線・成長速度を確認する
日本小児内分泌学会「『身長を伸ばす効果がある』と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」
The amino acid arginine: A comprehensive review
住所
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 西新宿大京ビル7階
アクセス
西新宿駅徒歩2分/新宿駅・都庁前駅徒歩7分
診療時間
9:15〜18:00
最終受付
平日・土曜17:00/日曜・祝日16:00
電話
0120-962-992
住所
〒220-0004 神奈川県横浜市西区北幸1-4-1 横浜天理ビル11階
アクセス
横浜駅徒歩3分/横浜駅西口ジョイナス地下街直結
診療時間
9:15〜18:00
最終受付
17:00
電話
0120-003-943