「運動をすると子どもの身長は伸びる?」「バスケットボールや水泳をさせた方がいい?」「運動不足だと背が伸びにくくなる?」と気になる保護者の方もいるでしょう。
結論|運動は子どもの健康に重要ですが、「運動をすれば最終身長が高くなる」とは医学的に確立されていません。
バスケットボール、水泳、縄跳びなど特定の運動をすれば、その分だけ骨が長くなるわけでもありません。実際に身長の伸びが気になる場合は、運動量よりも成長曲線と年間成長速度を確認することが重要です。
30秒でわかるポイント
✓ 運動には心肺機能・筋力・骨の健康などへのメリットがあります
✓ 運動後に成長ホルモンが増えても、その分だけ最終身長が高くなるわけではありません
✓ 「どんな運動をしたか」より、これまでの身長の伸び方を確認することが重要です
運動をすることで、子どもの最終身長が高くなると医学的に確立されているわけではありません。
一方、子どもが日常的に身体を動かすことには、心肺機能、筋力、骨の健康など、さまざまなメリットがあります。
つまり、「身長に直接効くとはいえないから運動は必要ない」ということでもありません。
運動は健康的な成長を支える生活習慣の一つですが、「身長を高くする方法」として行うものではないと考えるのが適切です。
「健康のために運動は大切」=「運動した分だけ身長が高くなる」ではありません。
子どもの身長が伸びるうえで重要なのが、成長期の骨に存在する骨端線(成長板)です。
骨端線では軟骨細胞が増殖・成熟し、その後骨へ置き換わっていくことで、長い骨が長軸方向へ成長します。
この成長には、遺伝的要因、成長ホルモン・IGF-1、甲状腺ホルモン、性ホルモン、栄養状態、思春期の進行など、複数の要因が関係します。
運動による適切な力学的負荷は骨の健康に役立ちますが、「ジャンプなどで骨端線を刺激すれば、その刺激の分だけ骨が長くなり、最終身長が高くなる」という仕組みではありません。
骨を丈夫にすることと、骨をより長くして最終身長を高くすることは別です。
運動によって、成長ホルモンの分泌が一時的に増加することがあります。
しかし、運動後に成長ホルモンが一時的に増えることと、数年間にわたる骨の成長によって最終身長が高くなることは同じではありません。
運動後の成長ホルモン増加 ≠ 最終身長の増加
「成長ホルモンをたくさん出すために運動すれば、その分だけ背が高くなる」と考えることはできません。
同じ理由から、「運動で食欲が増える」「血行がよくなる」「よく眠れる」といった変化を、そのまま「身長が伸びる効果」と説明することも適切ではありません。
成長ホルモンについて詳しく知りたい方は、「成長ホルモンの分泌ピークはいつ?1日の分泌リズムと睡眠の関係」をご覧ください。
特定のスポーツを行うことで、子どもの最終身長が高くなるという十分な医学的根拠はありません。
「バスケットボールやバレーボールをすると背が高くなる」といわれることがありますが、こうした競技では高身長が競技上有利なため、もともと背の高い人が競技を続けたり、高いレベルで選抜されたりする影響も考える必要があります。
水泳、ランニング、縄跳びなどについても、「この運動をすれば骨が長くなり、将来の身長が高くなる」という方法として確立されているわけではありません。
身長だけを理由にスポーツを選ぶ必要はありません
年齢や体力に合い、お子様本人が楽しみながら継続できる身体活動を選びましょう。
「身長を伸ばすために必要な運動時間」は定められていません。
一方、健康のための身体活動については国際的な目安があります。
WHOは5〜17歳の子ども・青少年について、1週間を通して平均1日60分以上の中〜高強度身体活動を行うことを推奨しています。
| 身体活動 | 週平均で1日60分以上の中〜高強度身体活動 |
|---|---|
| 中心となる活動 | 主に有酸素性の身体活動 |
| 筋肉・骨への活動 | 筋肉や骨を強くする高強度の活動を週3日以上 |
※健康上の利益を目的とした推奨です。「1日60分運動すれば身長が高くなる」という基準ではありません。
身体活動には、スポーツだけでなく、外遊び、体育、徒歩、自転車なども含まれます。
すでに日常生活やスポーツで十分に身体を動かしている場合には、身長を伸ばす目的だけでさらに運動を追加する必要はありません。
運動量が多い、激しい運動をした、長時間走ったという理由だけで、子どもの身長が止まると一概にはいえません。
また、「長距離走をすると身長が伸びなくなる」「激しい運動をすると骨端線が傷つくため避ける」と、すべての子どもへ一律に説明することも適切ではありません。
一方、競技スポーツなどで運動量が多い場合には、けが、疲労、回復不足、食事不足などへの配慮が必要です。
運動量が増えるほど、身体が必要とするエネルギー量も増えます。
運動による消費に対して、食事から得られるエネルギーが十分ではない状態が続くことを低エネルギー利用可能性といい、健康や競技パフォーマンスにさまざまな影響を与える可能性があります。
運動量とあわせて確認したい変化
「たくさん運動しているから身長に良い」「運動しすぎだから身長が止まった」と決めつけず、食事、休養、体重、体調などを合わせて確認しましょう。
「もっと運動をさせれば身長が伸びるのでは?」と調べている場合、本当に知りたいのは「うちの子は順調に成長しているのか」「この先どのくらい伸びるのか」ということではないでしょうか。
その判断を、スポーツの種類や1日の運動時間だけで行うことはできません。
子どもの成長を確認するときは、次のような情報を組み合わせます。
運動不足のせいと自己判断せず、医学的評価を検討したい場合
身長が−2SD以下にある、成長曲線上の位置が継続して下がっている、以前より年間の成長速度が低下している、体重減少や体調不良もある場合などは、小児科・小児内分泌科などへの相談をご検討ください。
どのスポーツをしているか、何時間運動しているかだけでは、残っている成長の余地や将来身長を判断することはできません。
病気による成長障害の診断ではなく、「現在の成長状態から、この先どのくらい身長が伸びそうか知りたい」という場合には、これまでの成長記録や骨の成熟状態などを参考にする方法があります。
運動量ではなく「うちの子自身の成長」を確認したい方へ
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳のお子様を対象に、成長記録や手のレントゲンによる骨の成熟状態などを参考に、将来身長の目安を予測する「身長予測シミュレーション」を行っています。
対象:6歳(小学1年生)〜18歳
料金:15,270円(税込)
想定所要時間:約30分
予約:完全予約制
※身長予測シミュレーションは、将来の最終身長を保証するものではありません。また、病的な低身長の確定診断を目的とした検査とは異なります。病気による成長障害が疑われる場合は、小児科・小児内分泌科など専門医療機関での医学的評価をご検討ください。
身長予測は何歳からできる?子どもの将来身長を調べるタイミングを詳しく見る
運動をしていないことだけを理由に、身長が伸びないと判断することはできません。一方、日常的な身体活動は心肺機能、筋力、骨の健康などに重要です。実際の身長の伸びが気になる場合は、成長曲線や年間成長速度を確認してください。
バスケットボールを行うことで最終身長が高くなるとは確立されていません。高身長が競技上有利であることによる選抜の影響なども考える必要があります。
運動による適切な力学的負荷は骨の健康に役立ちますが、ジャンプによって骨端線を刺激すれば、その分だけ骨が長くなり最終身長が高くなるとは確認されていません。
最終身長を高くする目的で推奨される特定の運動時間帯はありません。学校生活や睡眠に無理がなく、本人が継続しやすい時間に身体を動かしましょう。
運動量が多いことだけを理由に身長が止まるとはいえません。ただし、運動量に対して食事や休養が不足している、意図せず体重が減っている、疲労やけがを繰り返している場合などには注意が必要です。
子どもが日常的に身体を動かすことは、心肺機能、筋力、骨の健康などに重要です。
一方、「運動で成長ホルモンを増やせば身長が伸びる」「ジャンプで骨端線を刺激すれば背が高くなる」「昼間に運動すれば身長が伸びる」といった単純な説明は適切ではありません。
また、バスケットボール、水泳、ランニングなど、特定のスポーツによって最終身長を高くできるとも確立されていません。
身長だけを目的に運動内容を変えるのではなく、お子様が年齢や体力に合わせて無理なく身体を動かせる環境を整えましょう。
実際に身長の伸びが気になる場合は、運動量ではなく、これまでの成長曲線と年間成長速度を確認することが重要です。
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