成長ホルモンの分泌ピークはいつ?1日の分泌リズムと睡眠の関係 | SBC整形外科クリニック

成長ホルモンの分泌ピークはいつ?1日の分泌リズムと睡眠の関係

「成長ホルモンは1日のうち何時に多く出る?」「寝てから3時間がピークって本当?」と疑問に思う方もいるでしょう。

成長ホルモンは、決まった時刻に1回だけ分泌されるホルモンではありません。1日を通して分泌量が増減する「パルス状」の分泌を繰り返しています。

そのなかでも睡眠に伴う大きな分泌があり、特に入眠後早期の深いノンレム睡眠(徐波睡眠)と時間的に関連することが知られています。

成長ホルモンの分泌ピークを理解する3つのポイント

成長ホルモンは1日中、パルス状に分泌されています。

睡眠に伴う大きな分泌は、入眠後早期にみられます。

「必ず入眠3時間後」「夜○時」と全員共通の時間に固定することはできません。

つまり、成長ホルモンのピークは 「時計の何時か」だけではなく、睡眠開始後の分泌リズムとして考える ことが重要です。

成長ホルモンは1日の中でどう分泌される?

成長ホルモンは脳の下垂体から分泌されるホルモンです。 血液中の濃度が1日中一定なのではなく、分泌量が一時的に大きく増えるタイミングと、少ないタイミングを繰り返します。

このような分泌の仕方を「パルス状分泌」と呼びます。 そのため、成長ホルモンには「1日1回、この時刻だけに分泌される」という単純なピーク時間はありません。

成長ホルモンの1日の分泌イメージ

日中にもパルス状に分泌
入眠
入眠後早期に
大きな分泌パルスがみられる
その後も分泌の波を繰り返す

※実際の分泌パターンには個人差があります。

成長ホルモンの分泌パターンは、年齢や性別、思春期の進行状況などによっても異なります。 「何時に出るか」だけでなく、1日の中で複数回分泌されるホルモンと理解しておきましょう。

睡眠中の成長ホルモンの大きな分泌はいつ?

成長ホルモンの分泌と睡眠には密接な関係があります。

睡眠に伴う大きな成長ホルモンの分泌は、一般に睡眠を開始した後の早い時間帯にみられ、特に最初の深いノンレム睡眠(徐波睡眠)との時間的な関連が知られています。

睡眠と成長ホルモンの関係

入眠
入眠後早期の
深いノンレム睡眠
成長ホルモンの
大きな分泌と時間的に関連

ただし、深い睡眠と成長ホルモンの関係は複雑であり、「深い睡眠を増やせば、その分だけ成長ホルモンが増える」と単純に考えることはできません。

また、成長ホルモンは睡眠中だけに分泌されるわけではなく、起きている時間帯にも分泌されています。

「寝てから3時間が成長ホルモンのピーク」は本当?

「寝てから3時間が成長ホルモンのピーク」と説明されることがあります。

睡眠の前半には深いノンレム睡眠が多く現れやすく、成長ホルモンの大きな分泌も入眠後早期にみられるため、「眠り始めの数時間が重要」と表現されることがあります。

「必ず入眠3時間後」と固定するのは正確ではありません

より正確には、入眠後早期の最初の深いノンレム睡眠と、大きな成長ホルモン分泌が時間的に関連すると考えます。

睡眠周期や深い睡眠が現れるタイミングには個人差があるため、「入眠から○時間後」という数字だけにこだわる必要はありません。

「22時〜2時がピーク」という説は?

成長ホルモンの分泌が「22時〜2時」という時計の時刻に固定されているわけではありません。

実際に睡眠と覚醒の時間帯をずらした研究でも、成長ホルモンの睡眠に伴う分泌は睡眠時刻に合わせて変化することが報告されています。

成長ホルモンの分泌量は年齢によっても変わる?

「成長ホルモンのピーク」には、1日の中でのピークだけでなく、年齢による分泌量の変化という意味もあります。

成長ホルモンの分泌は成長段階によって変化し、思春期には分泌が増える傾向があります。その後、成人期以降は加齢とともに分泌量が低下していきます。

1日の分泌ピーク
睡眠開始後などにみられる分泌の波の話

年齢による分泌の変化
成長期・思春期・成人期など、ライフステージによる違いの話

この2つは別の話です。「何歳がピークか」と「1日の何時に多いか」を混同しないようにしましょう。

成長ホルモンをたくさん出せば身長は高くなる?

成長ホルモンは子どもの骨や身体の成長に重要ですが、健康な子どもで成長ホルモンの分泌量を意図的に増やせば、その分だけ最終身長が高くなるというものではありません。

身長には、遺伝、栄養状態、甲状腺ホルモンや性ホルモン、思春期の時期、骨の成熟状態など、複数の要因が関係しています。

子どもの健やかな成長を支えるためには、特定の方法で成長ホルモンを増やそうとするのではなく、基本的な生活習慣を整えることが大切です。

  • 年齢に応じた睡眠時間を確保する
  • 偏りの少ない食事をとる
  • 年齢や体力に応じて身体を動かす
  • 夜更かしを習慣化せず、生活リズムを整える

十分寝ているのに身長の伸びが気になるときは?

十分に睡眠をとっていても、身長の伸びが気になる場合があります。

その場合、「成長ホルモンが出る時間に寝ていないから」と自己判断するのではなく、現在の身長、成長曲線、年間の成長速度などを確認することが重要です。

一度相談を検討したい目安

  • 身長が−2SDを下回っている
  • 成長曲線が徐々に下方向へ外れている
  • 以前より年間の身長の伸びが低下している

成長ホルモン分泌不全性低身長症などが身長の伸びに関係する場合もありますが、低身長の原因はさまざまです。 また、低身長だからといって、すべての子どもに成長ホルモン治療が必要なわけではありません。

成長ホルモンの分泌ピークについてのよくある質問

Q. 成長ホルモンが一番多く出るのは何時ですか?
A. 全員に共通する「○時」という時計の時刻で決めることはできません。成長ホルモンは1日を通してパルス状に分泌され、睡眠に伴う大きな分泌は入眠後早期にみられます。
Q. 寝てから3時間が成長ホルモンのピークですか?
A. 必ず入眠3時間後にピークになるわけではありません。睡眠に伴う大きな分泌は、入眠後早期の最初の深いノンレム睡眠と時間的に関連しています。
Q. 成長ホルモンは寝ているときだけ出ますか?
A. いいえ。成長ホルモンは日中も含めて1日を通してパルス状に分泌されています。そのなかで、睡眠開始後に大きな分泌がみられることがあります。
Q. 22時までに寝ないと成長ホルモンは出ませんか?
A. いいえ。成長ホルモンの分泌が22時という時計の時刻に固定されているわけではありません。ただし、夜更かしによって必要な睡眠時間が不足しないようにすることは大切です。
Q. 成長ホルモンを多く分泌させれば身長は高くなりますか?
A. 健康な子どもで成長ホルモンの分泌を意図的に増やせば、その分だけ最終身長が高くなるという単純な関係ではありません。身長には遺伝、栄養、ホルモン、思春期の時期、骨の成熟など複数の要因が関係します。

まとめ|成長ホルモンは1日を通してパルス状に分泌される

成長ホルモンは決まった時刻だけに出るのではなく、1日を通してパルス状に分泌されています。

そのなかでも、睡眠に伴う大きな分泌は入眠後早期にみられ、最初の深いノンレム睡眠との時間的な関連が知られています。

この記事で覚えておきたい3つのポイント

  • 成長ホルモンは1日中パルス状に分泌される
  • 睡眠に伴う大きな分泌は入眠後早期の深いノンレム睡眠と関連する
  • 「必ず3時間後」「必ず夜○時」と固定することはできない

身長の伸びが気になる場合は、成長ホルモンが分泌される「時間」だけを気にするのではなく、 成長曲線や年間の成長速度を含めて、お子様の成長全体を確認することが大切です。

参考情報

  • Endotext「Normal Physiology of Growth Hormone in Normal Adults」
  • Journal of Pediatrics「Physiology of growth hormone secretion during sleep」
  • Science「Human growth hormone release: relation to slow-wave sleep and sleep-waking cycles」
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

お子様の身長が気になる場合はご相談ください

睡眠時間だけでなく、成長曲線や骨の成熟状態なども確認したい場合は、SBC整形外科クリニックの小児低身長診療をご利用いただけます。

「治療が必要かはまだわからない」「まず現在の成長について相談したい」という段階でもご相談いただけます。

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監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本四肢再建・創外固定学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院