骨端線を骨折すると身長は止まる?子どもの成長への影響・後遺症を解説 | SBC整形外科クリニック

骨端線を骨折するとどうなる?子どもの身長への影響と後遺症・受診目安

「子どもが転んで手首を骨折した」

「骨端線を傷つけたと言われたけれど、この先も身長は伸びる?」

「骨折は治ったけれど、あとから左右差が出ないか心配」

成長期の子どもの骨には、大人にはみられない「骨端線(こったんせん)」があります。

骨端線は骨が長く成長するために重要な部分なので、骨折や強い外力によって傷つくと、

「この骨はもう伸びないのでは?」

と不安になる保護者の方もいるでしょう。

しかし、骨端線を骨折したからといって、必ず骨の成長が止まるわけではありません。

転倒して手を痛めた子どもと心配する保護者

子どもの骨折は、腫れや変形が目立たず「捻挫かな?」と思うような状態でも起こることがあります。

先に結論
骨端線を骨折しても、「全身の身長がそこで止まる」わけではありません。
問題になる可能性があるのは、主に骨端線を損傷した骨そのものの成長です。多くの骨端線骨折は適切な治療によって問題なく治りますが、一部では骨の伸びが止まったり、左右差や変形が生じたりすることがあります。

そのため大切なのは、「骨端線を骨折した=もう伸びない」と考えることではなく、どの骨を、どの程度傷つけたのかを確認し、必要な期間の経過観察を続けることです。

今の状況に近い方を確認してください
今、転倒やスポーツで手足を痛めている
強い痛み・腫れ・特定の場所を押したときの痛み・手足を使わない・体重をかけにくいなどがあれば、骨折かどうか自己判断せず整形外科へ相談しましょう。
以前、骨端線を骨折して治療を受けた
けがをした側だけ短く見える、骨が曲がって見える、関節の動きや歩き方に左右差があるなどの変化があれば、骨折を診てもらった整形外科などへ相談してください。

骨端線とは?子どもの骨が伸びるための「成長部分」

骨端線とは、成長期の子どもの長い骨の端付近にある軟骨でできた部分です。

「成長軟骨板」「成長板」と呼ばれることもあります。

成長期には、この部分で軟骨がつくられ、それが少しずつ骨へ置き換わることで、腕や脚などの骨が縦方向へ長くなっていきます。

成長期の子どもの手のレントゲン画像にみられる骨端線

成長期の子どもの手のX線画像。骨の端付近に骨端線が確認できます。

骨端線は成長にとって重要である一方、成熟した骨とは性質が異なります。

転倒・転落・スポーツなどで強い力が加わると、骨端線を含む骨折が起こることがあります。

「骨端線はいつ閉じる?」が気になる方
骨端線が閉じる時期・確認方法について詳しく見る →

骨端線を骨折すると身長は止まる?

答え
骨端線を骨折しても、子どもの身長全体が突然伸びなくなるわけではありません。

問題になる可能性があるのは、骨端線を傷つけた骨の長さや形です。

骨端線が正常に働かなくなる「成長停止」が起こった場合、その骨だけ成長が遅くなったり、途中で伸びにくくなったりすることがあります。

骨端線全体の成長が止まった場合
けがをした側の骨が反対側より短くなり、左右の長さに差が生じる可能性があります。
骨端線の一部だけ成長が止まった場合
一方だけが成長しにくくなり、骨が徐々に曲がって成長する場合があります。

脚の骨では左右差につながることがあります

大腿骨や脛骨など、脚の長さに大きく関係する骨の骨端線に成長障害が起こると、左右の脚の長さや角度に差が生じる可能性があります。

一方で、骨端線を骨折した子ども全員にこのような後遺症が起こるわけではありません。

将来への影響は1つの情報だけでは決まりません
どの骨を傷つけたか、骨折の形、骨のずれ、年齢、残っている成長期間などをあわせて考えます。

骨端線損傷ではどんな症状が出る?

骨端線損傷でも、一般的な骨折と同じように痛みや腫れなどがみられます。

例えば、

関節に近い場所を強く痛がる
触ると特定の場所を強く痛がる
腫れがある
手や腕をいつものように使わない
足に体重をかけたがらない
足を引きずる・歩き方がいつもと違う
明らかな変形がある

歩ける・動かせるなら骨折ではない?

いいえ。歩けることや関節を動かせることだけでは、骨折を否定できません。

子どもの骨折では、腫れが目立たない場合や、ある程度手足を動かせる場合もあります。

「歩けるから捻挫だろう」「指を動かせるから大丈夫」と決めつけず、痛みや使いにくさが続く場合には整形外科へ相談しましょう。

骨端線損傷はレントゲンで分かる?

骨折が疑われる場合は、けがをした状況や痛む場所などを確認し、必要に応じてX線(レントゲン)検査などを行います。

ただし、骨端線は軟骨を含む部分です。

知っておきたいこと
骨のずれが少ない一部の骨端線損傷では、受傷直後のX線で骨折がはっきり確認できない場合があります。

「レントゲンに写らない=何もしてもらえない」ではありません

骨端線損傷の判断では、X線画像だけを見るわけではありません。

医師は、

どのようにけがをしたか
どこを痛がっているか
どこを押すと強く痛むか
腫れ・変形・手足の使い方
X線画像などの検査結果

などをあわせて状態を確認します。

初回のX線で明らかな骨折が分からなくても、症状が続く場合には再診や経過をみた画像検査、必要に応じた追加検査などが検討されることがあります。

骨端線骨折のSalter-Harris(ソルター・ハリス)分類とは?

骨端線骨折を分類する代表的な方法の一つが、Salter-Harris分類です。

骨折線が骨端線・骨幹端・骨端のどこを通るかなどによって、主にⅠ~Ⅴ型へ分類します。

I型
骨折線が骨端線に沿って通るタイプ
II型
骨端線から骨幹端側へ骨折線が及ぶタイプ
III型
骨端線から骨端・関節面側へ及ぶタイプ
IV型
骨幹端から骨端線を越えて骨端まで及ぶタイプ
V型
強い圧迫によって骨端線が損傷するタイプ
分類名だけで将来は決まりません
「II型だから絶対大丈夫」「IV型だから必ず後遺症が出る」というようには判断できません。

Salter-Harris分類は治療方針や予後を考える重要な情報ですが、それだけではなく、

どの骨を傷つけたか
骨がどの程度ずれているか
関節面への影響
子どもの年齢
あとどの程度成長期間が残っているか

などを総合して判断します。

骨端線骨折の治療と経過観察

骨端線骨折の治療方法は一律ではありません。

骨折した場所・骨折の形・ずれの程度・年齢などによって治療方針が変わります。

ずれが少ない場合

骨の位置が大きくずれていない場合には、ギプスや固定具などで患部を固定し、骨の治癒を待つ保存療法が選択されることがあります。

治療中に骨の位置が変わっていないかなどを確認するため、定期的な受診が必要になる場合があります。

ずれが大きい・不安定な場合

骨が大きくずれている場合には、骨をできるだけ適切な位置へ戻す「整復」が検討されます。

骨折の状態によっては手術が必要になる場合もあります。

専門的な治療が必要かどうかは、骨折部位や画像所見などをもとに医師が判断します。

曲がって見える手足を、保護者の方が引っ張って元に戻そうとしないでください。
骨折や脱臼が疑われる場合は、できるだけ痛みの少ない位置で患部を支え、医療機関へ相談してください。

骨折が治った後も確認|成長障害はあとから分かる場合があります

骨折部の痛みがなくなり、骨がついたとしても、骨端線がその後も正常に成長しているかは別の問題です。

一部で成長停止が起こった場合、子どもが成長するにつれて左右差や変形が少しずつ分かってくることがあります。

けがをした側の腕・脚が短く見えてきた
手足が以前より曲がって見える
関節の動きに左右差がある
歩き方に左右差が出てきた
けがをした側だけ成長の仕方が違うように見える
骨がついた=必ず通院終了、ではありません
成長障害のリスクがある骨端線骨折では、骨折が治った後も成長経過を確認するために長期的なフォローが必要になる場合があります。

必要な経過観察の期間は、骨折した場所や状態、年齢などによって異なります。担当医から再診の指示がある場合は、痛みがなくなっていても自己判断で中断しないことが大切です。

子どもの骨折で早めに整形外科へ相談したい症状

骨端線を傷つけているかどうかを、家庭だけで見分けることは困難です。

転倒・転落・スポーツなどのあとに、次のような症状がある場合は整形外科への受診をご検討ください。

強い痛みが続いている
関節の近くが腫れている
特定の場所を押すと強く痛がる
手や腕をほとんど使わない
足に体重をかけられない・歩き方がおかしい
明らかな変形がある
救急医療機関への受診や119番を優先したいケース
傷口から骨が見えている
圧迫しても強い出血が止まらない
けがをした先の手指・足趾が白い、紫色、冷たい
手足の感覚がない、強いしびれがある
大きな変形があり安全に移動することが難しい

SBC整形外科クリニックで子どもの骨折・ケガを相談できます

SBC整形外科クリニックでは、一般整形外科で子どもの骨折・捻挫・打撲などのケガを診療しています。

「骨折なのか捻挫なのか分からない」

「歩けているけれど、ずっと同じ場所を痛がっている」

という段階からご相談いただけます。

受診時に確認・検討する内容

けがをした状況や現在の症状
いつ・どこで・どのようにけがをしたか、現在どこが痛むかなどを確認します。
痛み・腫れ・変形・手足の使い方など
症状や患部の状態を確認します。
必要に応じたX線撮影などの画像検査
骨折などが疑われる場合には、状態に応じて検査を検討します。
状態に応じた固定・処置・治療など
院内で対応できる範囲で治療を行います。
専門治療が必要な場合の医療機関紹介
小児整形外科での専門診療、入院や手術などが必要と判断した場合は、症状に適した医療機関への紹介を検討します。

※診察・画像検査・処置などの実際の順序は、症状や受傷状況、院内の診療状況などによって異なります。

SBC整形外科クリニックは小児整形外科の専門施設ではありません。
一般整形外科として診察・必要な検査・院内で可能な処置を行い、専門的な治療が必要な場合には適切な医療機関への紹介を検討します。

お子様の骨折・捻挫・ケガが心配な方へ

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骨端線骨折による成長障害と「低身長」は分けて考えます

骨端線という言葉から、「この骨折で最終身長まで低くなるのでは?」と心配になるかもしれません。

しかし、骨端線骨折による局所的な成長障害と、身体全体として身長の伸びが少ない低身長は分けて考える必要があります。

骨折した腕・脚の長さや形が心配
→ 骨折を診療した整形外科・小児整形外科などで経過を確認
骨折とは関係なく、以前から全体的に身長が伸びにくい
→ 成長曲線・年間の身長の伸びなどを確認
身長予測や低身長相談は、骨端線骨折後の経過観察の代わりにはなりません。
けがをした骨の成長については、まず骨折を診療している整形外科で確認してください。
骨折とは別に、子どもの身長全体が気になる方
小学生の身長の伸び・成長曲線について詳しく見る →
骨端線がいつまで残るのか気になる方
骨端線の閉鎖時期・骨年齢について詳しく見る →

骨端線の骨折についてよくある質問

質問を押すと回答が開きます。

▼ Q. 骨端線を骨折すると身長が止まりますか?

骨端線を骨折したからといって、子どもの身長全体が止まるわけではありません。問題になる可能性があるのは主に損傷した骨の成長です。多くは適切な治療によって問題なく治りますが、一部で骨の長さの左右差や変形が生じることがあります。

▼ Q. 骨端線を一度傷つけると、もう元に戻りませんか?

損傷したからといって、必ず骨端線の成長機能が失われるわけではありません。骨折した場所・程度・ずれ・年齢などによって経過は異なり、治療後も正常に成長するケースは多くあります。

▼ Q. 骨端線損傷はレントゲンですぐ分かりますか?

多くの骨折ではX線検査が診断に用いられますが、骨端線は軟骨を含むため、ずれが少ない一部の損傷では受傷直後のX線で明らかにならない場合があります。医師は受傷状況や痛む場所、診察所見などもあわせて判断し、必要に応じて再診や追加検査を検討します。

▼ Q. 歩ければ骨端線は折れていませんか?

歩けることだけでは骨折を否定できません。手足を動かせる、腫れが少ないといった場合でも骨折していることがあります。特定の場所を強く痛がる、足をかばう、痛みが続くなどの場合は整形外科へ相談してください。

▼ Q. Salter-Harris II型なら後遺症の心配はありませんか?

骨折型だけで後遺症の有無を断定することはできません。損傷した骨、ずれの程度、年齢、残された成長期間なども含めて判断します。担当医から経過観察を案内されている場合は、指示された受診を続けましょう。

▼ Q. 骨折が治ったら通院をやめてもいいですか?

骨端線骨折では、骨がついた後も成長状態の確認が必要になる場合があります。特に成長障害のリスクがある骨折では長期的に経過を見ることがあるため、自己判断で通院を中断せず担当医の指示に従ってください。

▼ Q. 骨端線損傷は何歳まで起こりますか?

骨端線が残っている成長期の子どもで起こります。骨端線が閉じる時期には個人差があるため、「○歳になれば骨端線損傷は起こらない」と年齢だけで一律に判断することはできません。

▼ Q. 子どもの骨折は小児科と整形外科のどちらですか?

転倒やスポーツなどによる骨折・捻挫・打撲といった骨や関節のけがは、基本的に整形外科が受診先です。専門的な小児整形外科診療や手術が必要な場合には、状態に応じて専門医療機関へ紹介されることがあります。

まとめ|骨端線骨折は「必ず身長が止まる」わけではありません

骨端線は、成長期の子どもの骨が長くなるために重要な部分です。

そのため骨端線を骨折すると将来への影響が心配になりますが、骨端線を傷つけたからといって必ず成長が止まるわけではありません。

「全身の身長」ではなく、主にけがをした骨の成長が問題になります
多くの骨端線骨折は適切な治療によって問題なく治ります
歩ける・動かせるだけでは骨折を否定できません
初回のX線では分かりにくい骨端線損傷もあります
骨折後は必要に応じて成長経過を確認することが重要です
今、お子様がけがをしている場合
「骨端線を傷つけているか」を自宅で見分けようとせず、痛み・腫れ・手足の使いにくさなどが続く場合は整形外科へ相談してください。

東京・新宿でお子様の骨折・ケガを相談したい方へ

SBC整形外科クリニック西新宿本院では、一般整形外科でお子様の骨折・捻挫・打撲などのケガを診療しています。

専門的な小児整形外科診療や手術などが必要と判断した場合は、状態に応じて適切な医療機関への紹介を検討します。

SBC整形外科クリニック西新宿本院
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通常の診療時間
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最終受付
平日・土曜日 17:00
日曜日・祝日 16:00
予約
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アクセス
横浜駅 徒歩3分
横浜駅西口ジョイナス地下街直結
南8番出口方面
雨の日も地上へ出ずに来院可能
通常の診療時間
全日 9:15~18:00
最終受付
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※臨時休診や受付時間変更がある場合があります。来院前に公式ページ・Web予約画面で最新情報をご確認ください。

本記事について
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。骨端線損傷の診断・治療・成長障害のリスク・必要な経過観察期間は、骨折した部位、骨折型、骨のずれ、年齢などによって異なります。実際のお子様のけがについては医師の診察を受けてください。SBC整形外科クリニックは小児整形外科の専門施設ではなく、一般整形外科として診察・必要な検査・院内で可能な処置を行い、専門診療や手術等が必要な場合には適切な医療機関への紹介を検討します。

監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本四肢再建・創外固定学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院