「テストステロンが多い男の子は身長が伸びやすい?」「声変わりが始まったら、もう背は伸びない?」
成長期のテストステロンは、筋肉や骨格の発達だけでなく、身長の伸びにも関わるホルモンです。
しかし、テストステロンが多いほど、最終身長が高くなるわけではありません。
身長の伸びには、成長ホルモンやエストロゲン、骨端線の成熟状態などが関係します。この記事では、テストステロンが身長に与える影響と、思春期に骨が成長する仕組みを解説します。
まず知っておきたい結論
テストステロンは身長の伸びを支える一方、骨の成熟にも関わっています。
今後どのくらい身長が伸びるかを考える際は、成長曲線・年間成長速度・骨年齢・思春期の進み具合をあわせて確認することが重要です。
テストステロンは、主に精巣から分泌される男性ホルモンの一種です。男の子では思春期に分泌量が増加し、身体が子どもから大人へと変化していきます。
テストステロンには、筋肉や骨格の発達を支え、思春期の身長の伸びに関わる働きがあります。
主な働きは次のとおりです。
ただし、最終的な身長はテストステロンだけで決まるものではありません。遺伝的な要素や成長ホルモンの働き、思春期の開始時期なども関係しています。
思春期には、性ホルモンの変化に伴って成長ホルモンやIGF-1(インスリン様成長因子1)の働きも変化します。
成長ホルモンは、IGF-1などを介して骨端線の軟骨細胞の増殖や成熟を支える重要なホルモンです。
テストステロンなどの性ホルモンも、この成長過程に関わります。思春期に身長が急激に伸びる「成長スパート」は、こうしたホルモンの働きが変化する時期に起こります。
ここがポイント
テストステロンは身長の伸びを支える働きと骨の成熟に関わる働きの両方を持っています。そのため、ホルモンの量だけで最終身長を予測することはできません。
子どもの骨の両端付近には、骨端線(成長板)と呼ばれる軟骨組織があります。
骨端線では軟骨細胞が増殖し、その軟骨が骨へと置き換わっていくことで、骨が長く成長します。
骨端線の成熟と閉鎖に重要な役割を果たしているのが、エストロゲンという性ホルモンです。
エストロゲンは女性ホルモンとして知られていますが、男の子の体内にも存在します。
男子では、テストステロンの一部がエストロゲンに変換され、骨の成熟に関わっています。
思春期の骨の変化
性ホルモンの働きが変化する
↓
身長の伸びが加速し、骨の成熟も進む
↓
最終的に骨端線が閉鎖する
つまり、思春期には身長の伸びが加速する一方で、骨の成熟も進んでいきます。
骨端線が閉鎖すると、骨が長くなる成長は基本的に終了します。
テストステロンが増えると、すぐ身長が止まる?
そうではありません。骨端線の成熟には、性ホルモンの作用や思春期の進行などが関係します。テストステロンの量だけで、身長が止まる時期を判断することはできません。
骨端線の状態は、レントゲン画像などで確認できます。成長が進むにつれて骨端線の軟骨は徐々に骨に置き換わり、最終的には閉鎖します。
骨端線が開いている状態
骨が長く成長するための軟骨組織が残っています。ただし、今後どのくらい伸びるかには個人差があります。
骨端線が閉じている状態
軟骨が骨へと置き換わり、その骨が長くなる成長は基本的に終了しています。
骨端線が残っていることと、あと何cm伸びるかは別の問題です。
残りの成長を考えるには、骨端線の状態だけでなく、骨年齢や成長曲線、思春期の進行状況を組み合わせて評価することが大切です。
男の子では思春期にテストステロンが増加すると、精巣や陰茎の発育、体毛の変化、声変わりなどが進みます。
そのため、声変わりを「成長期が終わるサイン」と考える方もいますが、声変わりが始まったからといって、すぐに身長の伸びが止まるわけではありません。
一般に、男子では精巣の発育が思春期開始の早い段階でみられ、その後に身長の伸びが加速し、声変わりなどの変化が進みます。
ただし、思春期の進み方には個人差があります。声変わりが始まった時点でも身長が伸びる子はいますし、すでに成長速度が落ち着いている子もいます。
また、女子も思春期にはエストロゲンの働きで成長が加速し、その後、骨の成熟に伴って身長の伸びが緩やかになります。
声変わりだけでは判断できません
大切なのは、声変わりや初経などの一つの変化だけで残りの成長を決めつけないことです。年間成長速度や骨年齢なども確認しましょう。
「テストステロンが増えているから身長が止まりそう」と心配するより、まずはお子さま自身の成長の経過を確認しましょう。
成長曲線は、年齢ごとの身長や体重の変化を記録するグラフです。現在の身長が平均より高いか低いかだけでなく、これまでどのようなペースで成長してきたかを確認できます。
例えば、同じ身長160cmの中学生でも、毎年安定して伸びている子と、成長スパート後に伸びが急に緩やかになった子では、成長段階が異なる可能性があります。
年間成長速度とは、約1年間で何cm身長が伸びたかを示すものです。
例えば、次のように計算します。
昨年の身長:150cm
今年の身長:156cm
1年間の伸び
6cm/年
成長速度は年齢や思春期の段階によって変わります。そのため、1年間の伸びだけではなく、過去数年間の変化を比較することが重要です。
関連記事:去年7cm伸びたのに今年3cmしか伸びていない場合は? →
骨年齢とは、骨の発育・成熟の程度を評価した年齢のことです。実際の年齢(暦年齢)と骨年齢は、必ずしも一致しません。
例えば、同じ14歳でも、骨の成熟が進んでいる子と、ゆっくり進んでいる子がいます。
手のレントゲン画像などから骨の成熟状態を確認することで、今後の身長を考える際の手がかりが得られます。
今後の身長を考えるための3つの情報
成長曲線でこれまでの伸びを確認し、年間成長速度と骨年齢をあわせて評価します。
身長の伸びには個人差がありますが、成長の変化によっては、ホルモンやその他の病気が関係していることもあります。
特に成長曲線が継続して下向きにずれている場合や、思春期の変化が非常に早い場合には、小児科や小児内分泌科などでの相談が役立ちます。
思春期が早く始まると、一時的には身長が大きく伸びても、骨の成熟が早く進み、結果として成人身長が低くなることがあります。
ただし、思春期の変化が早いことだけで、思春期早発症と決まるわけではありません。年齢、成長曲線、身体の発達、必要な検査などをもとに医学的に判断します。
病気が疑われる場合の相談先
成長障害や思春期早発症が疑われる場合は、小児科・小児内分泌科などでの医学的な評価を優先しましょう。
「成長期がどのくらい残っているのか知りたい」「今の身長から、大人になったとき何cmくらいになるのか気になる」
そのような方に向けて、SBC整形外科クリニックでは身長予測シミュレーションを行っています。
これまでの成長記録やご両親の身長、手のレントゲンで確認する骨の成熟状態などを参考に、お子さまの将来身長の目安を予測します。
お子さまの成長記録と骨の成熟状態を確認し、今後の身長について考えるための検査です。
身長予測シミュレーションの概要
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
料金(税込)
15,270円
想定所要時間
約30分
予約
完全予約制
主な確認内容は、成長記録や成長曲線、レントゲンによる骨年齢・骨端線の評価などです。公式の診療案内では、採血・栄養指導も含まれています。
母子手帳や学校の健康診断の記録など、年齢ごとの身長がわかるものをご用意いただくと、これまでの成長を確認しやすくなります。
予測身長は現在得られる情報をもとにした目安であり、将来の身長を確定するものではありません。
お子さまの将来身長を知りたい方へ
成長曲線と骨の成熟状態から、今後の身長の目安を確認してみませんか。
西新宿本院の予約ページへ移動します。「身長予測シミュレーション」をお選びください。
横浜での受診をご希望の方は、横浜駅前院の予約ページをご利用ください。
「有料の検査を受けるか迷っている」「子どもの成長について、まず相談してみたい」という方には、平日限定の小児低身長無料カウンセリングもあります。
無料カウンセリングでは、お子さまの成長についてのお悩みを伺い、今後の相談や検査についてご案内します。レントゲンや採血は行いません。
保護者の方から寄せられることが多い疑問をまとめました。
テストステロンは思春期の成長に関わりますが、分泌量が多いほど最終身長が高くなるとは限りません。遺伝、成長ホルモン、骨年齢、思春期の進み方なども関係します。
声変わりだけでは残りの成長量は判断できません。声変わり後も伸びる子はいますが、年間成長速度や骨年齢、骨端線などをあわせて確認する必要があります。
十分な睡眠、バランスのよい食事、適度な運動は健康な成長を支える基本です。ただし、生活習慣によってテストステロンの分泌時期を意図的に遅らせたり、最終身長を高くしたりできると証明されているわけではありません。
骨端線が残っていることは成長余地を考える手がかりになります。ただし、残り何cm伸びるかは骨端線だけでは判断できません。骨の成熟度とこれまでの成長記録をあわせて評価します。
成長期のテストステロンは、筋肉や骨格の発達、思春期の身長の伸びに関わる重要なホルモンです。
お子さまの今後の身長が気になる場合は、現在の身長だけで判断せず、これまでの成長記録と骨の成熟状態に注目しましょう。
お子さまの身長や成長について、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
東北大学医学部医学科卒業。整形外科領域の診療に携わり、小児低身長に関する診療にも取り組んでいます。
沼倉 裕堅医師のプロフィールを見る →東京都新宿区西新宿にあるSBC整形外科クリニック西新宿本院では、お子さまの将来身長を考えるための身長予測シミュレーションや、小児低身長に関するカウンセリングを行っています。
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横浜駅前院でも、身長予測シミュレーションや小児低身長に関するカウンセリングをご案内しています。
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