「手の甲の骨折は治ってきたと言われたのに、まだ強く握れない」
「固定が外れたあとも、ペットボトルのふたを開けにくい」
「握力が戻らないけれど、もっと握る練習をした方がいい?」
手の甲には、手首と指をつなぐ中手骨(ちゅうしゅこつ)という5本の骨があります。中手骨骨折では、骨折部の治癒が進んでいても、固定後の関節のこわばり、痛みや腫れ、手を十分使えなかった期間の影響などによって、以前のように握れないことがあります。
ただし、握力が戻らない原因を「筋力が落ちただけ」と決めつけるのは適切ではありません。指の動きや向き、骨折部の状態、痛み・腫れ、現在どこまで負荷をかけてよいかも合わせて考える必要があります。
先に結論|「骨が治ってきた」と「握る機能が戻った」は同じではありません
中手骨骨折後は、骨折部の治癒が進んでも、指の関節可動域、痛み・腫れ、腱や周囲組織の動き、握る力などが回復途中のことがあります。
骨折部が安定し、医師から動かしてよいと説明されている場合は、許可された範囲で手指の動きや機能を段階的に戻していきます。
一方、普段手を使ったときに指が不自然に重なる、痛み・腫れが悪化している、手の機能がなかなか改善しない場合は、握力トレーニングだけで進めず再評価を検討します。
この記事でわかること
物を握るときは、中手骨だけでなく、指の関節・腱・筋肉などが連動して働きます。
そのため、骨折部の治癒が進んだことと、手全体の機能が骨折前まで戻ったことは同じではありません。
固定などで指を十分に動かせない期間があると、関節の曲げ伸ばしできる範囲が狭くなり、指先を手のひらまで十分に曲げ込めないことがあります。握るための形を作れなければ、力も出しにくくなります。
骨折後の痛みや腫れが残っていると、無意識に手をかばい、力を十分に入れにくくなることがあります。
治療中に手の使用量が減ることで、握る力や手の細かな機能が低下している場合があります。固定が外れた直後から、骨折前と同じ力を出せるとは限りません。
指を曲げ伸ばしする腱は中手骨の近くを走っています。外傷・固定・手術などの影響で腱や周囲組織の滑らかな動きが十分に戻っていない場合、力を入れているのに指を十分曲げられないことがあります。
固定が外れた=握力も回復済み、ではありません
固定を外せる段階でも、関節可動域・痛み・腫れ・手の力・細かな作業能力などは回復途中の場合があります。骨折部を保護する段階から、許可された範囲で手の機能を戻していく段階へ移っていきます。
指そのものの骨折後に「特定の指が曲がらない・伸びない」という方は、 指の骨折後、固定が外れたのに曲げにくい場合の考え方 も参考にしてください。
一方、骨折とは関係なく握力低下・物を落とす・しびれなどが出ている方は、 握力が落ちた・手に力が入りにくいときの受診目安 をご覧ください。
中手骨骨折後に握る力が低下すること自体はあります。
ただし、次のような状態では、強い握力トレーニングだけで進めず、現在の骨折部や手の機能を確認してください。
通常の経過観察を待たず、速やかな医療対応を考えたい症状
まだ骨折と診断されておらず、手の甲をけがした直後の方は、 手の甲をぶつけて腫れた|骨折か打撲か見分けられる? をご覧ください。
「握れない=筋力だけの問題」と決めず、指の動き・向き・痛み・腫れ・生活での使いやすさまで確認することが重要です。
骨折後の握りにくさを、もう一度整形外科で相談したい方へ
「骨は治ってきていると言われたのに握れない」「どこまで力を入れてよいか分からない」という場合は、骨折部だけでなく現在の手の機能を確認することが重要です。
SBC整形外科クリニックでは、西新宿本院・横浜駅前院で一般整形外科の保険診療を行っています。他院で治療を受けた方も、お持ちの画像や治療資料を持参のうえ受診についてご相談ください。
東京|西新宿本院の整形外科保険診療を予約する 神奈川|横浜駅前院の整形外科保険診療を予約する※現在の主治医から固定・運動・負荷・再診先について具体的な指示を受けている場合は、その内容を優先してください。
中手骨骨折後は、指を動かしてよい時期と、強い握力を使ったり重い物を持ったりしてよい時期が同じとは限りません。
骨折部が安定している場合には、関節や腱のこわばりを抑える目的で、治療内容に応じて比較的早い段階から手指を動かすことがあります。
しかし、「指を動かしてよい」=「強く握ってよい」「重い物を持ってよい」ではありません。
こうした条件によって、手を動かす範囲や負荷を増やすタイミングは異なります。
握力が弱いからと、強いハンドグリップ運動を自己判断で始めない
強く握る運動が適切かどうかは、骨折部へどの程度の負荷をかけられる段階かによって異なります。固定が外れたことだけを理由に負荷を急に増やさず、現在受けている指示を確認してください。
骨折部を守る段階と、手の力・機能を戻していく段階は分けて考えます。
中手骨骨折後に握力が低下していても、すべての方が通院リハビリを必要とするわけではありません。
固定解除後から指の動きや手の使いやすさが少しずつ改善し、日常生活への支障も減っている場合は、現在受けている指示の範囲で手を使いながら経過を見ることがあります。
一方、握りにくさや可動域制限が残り、仕事・家事などに支障がある場合は、現在の骨折部と手の機能を確認したうえでリハビリテーションの必要性を検討します。
リハビリを検討するときは、握力の数値だけではなく次のような点を確認します。
リハビリ=握力トレーニングだけではありません
十分に握れない原因が関節の硬さや痛み、指の動きにある場合、握力だけを鍛えても十分な改善につながらないことがあります。現在どこに機能制限があるかを確認し、許容される負荷の範囲で回復を目指します。
西新宿本院でのリハビリ受診について詳しく知りたい方は、 西新宿でリハビリに通える整形外科|骨折・捻挫後の相談 もご覧ください。
「握力が弱い」という数値だけではなく、どの中手骨を骨折したか、これまでの治療内容、指の動き方、現在の生活上の支障などを合わせて確認します。
骨折部の治癒経過や骨の位置などについて再確認が必要な場合は、現在の症状・診察所見・これまでの画像などを踏まえてX線撮影を検討することがあります。
他院で中手骨骨折の治療を受けた方は、お持ちであれば紹介状、レントゲン・CT・MRIなどの画像データ、画像診断報告書、固定・手術・運動制限についての資料などをご持参ください。
以前の画像だけで判断するのではなく、現在の痛み・腫れ・指の動き・手の使いやすさなどと合わせて必要な診察や検査を検討します。
他院のレントゲン画像・CD・検査結果を持参するときのポイント →
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では院内でMRI・CT撮影を行っていません。さらに詳しい画像検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
骨折後の状態が安定し、一般整形外科での経過確認やリハビリが可能な場合には、自宅や職場から通いやすい整形外科へ相談できることがあります。
一方で、次のような場合は現在治療している医療機関での継続診療が重要です。
治療途中の方は、自己判断で通院先や運動内容を変更せず、現在の主治医から受けている指示を優先してください。
骨折部の治癒が進んでも、関節のこわばり、痛み・腫れ、手を十分使えなかった影響などによって、以前のように握れないことがあります。骨の治癒と手の機能回復は必ずしも同じ速さで進みません。
骨折部へどの程度の負荷をかけてよいかによって異なります。固定が外れたことだけを理由に、強いハンドグリップ運動を始めることは避けてください。現在受けている負荷・運動の指示を確認してください。
中手骨骨折後に、普段の動作で指が不自然に重なる・交差すると感じる場合は、骨の向きや回旋などについて確認が必要なことがあります。確認のために痛みを我慢して何度も強く握らず、気づいた状態を整形外科で伝えてください。
すべての方が通院リハビリを必要とするわけではありません。指の動き、握る機能、痛み・腫れ、仕事や日常生活への支障、骨折の治療内容などを確認し、必要性を判断します。
握力には年齢・性別・利き手・体格などによる個人差があるため、一律の数値だけでは判断できません。骨折前と比べた手の使いやすさや左右差、痛み、可動域、仕事・日常生活で必要な動作なども合わせて評価します。
中手骨骨折後は、骨折部の治癒が進んでいても、関節のこわばり、痛み・腫れ、手を十分使えなかった影響などによって握りにくさが残ることがあります。
大切なのは「握力が何kgあるか」だけではありません。指が十分動くか、痛みなく物を持てるか、指の動き方に問題がないか、仕事や日常生活で必要な動作ができるかも確認します。
「骨は治ってきたのに、なぜ握れないのだろう」と感じる場合は、握力だけの問題と考えず、指の動きや骨折後の手全体の機能を確認することが大切です。
受傷直後で、まだ中手骨骨折か分からない方
中手骨ではなく、指そのものの曲げ伸ばしが難しい方
骨折歴とは関係なく握力低下・しびれなどがある方
西新宿本院でのリハビリ受診方法を知りたい方
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
沼倉 裕堅医師のプロフィールを見る →中手骨骨折の治療後に「握れない」「手を使いにくい」「どこまで負荷をかけてよいか分からない」と感じる場合は、一般整形外科の受診についてご相談ください。診察結果に応じてリハビリテーションの必要性も検討します。
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横浜駅前院でも、ケガ・骨折などを含む一般整形外科の保険診療と、診察結果に応じた理学療法士によるリハビリテーションに対応しています。
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※臨時休診・受付時間変更やリハビリテーションの予約状況などが変更になる場合があります。来院前に各院の公式ページ・予約画面で最新情報をご確認ください。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断やリハビリ開始時期を示すものではありません。中手骨骨折後の固定期間・運動開始時期・許容される負荷は、骨折部位、骨折型、骨の安定性、治療方法、手術の有無、治療経過などによって異なります。現在治療中の方は、担当医から受けている具体的な指示を優先してください。手指が青白い・冷たい、新しく強いしびれや感覚低下、急な力の入りにくさ、明らかな新しい変形などがある場合は、通常外来の予約を待たず速やかな医療対応をご検討ください。