「鎖骨骨折はもうついていると言われたのに、腕を上げるとまだ痛い」
「固定は外れたけれど、肩が以前のように上がらない」
「骨は治ったはずなのに、このまま動かしていて大丈夫?」
鎖骨骨折では、X線(レントゲン)などで骨癒合が確認されたあとも、肩の痛みや動かしにくさが残ることがあります。
「骨がついた」ことと、肩の可動域・筋力・日常生活での使いやすさまで骨折前の状態に戻ったことは同じではありません。一方で、痛みや腕の上げにくさをすべて「骨折後だから」と考えるのも適切ではありません。
先に結論|骨がついたあとも、肩の機能は回復途中のことがあります
鎖骨骨折の治療中は肩を動かす量が減ることがあり、その影響で骨癒合後も肩の可動域や筋力が十分に戻っていない場合があります。
骨折部が安定し、医師から運動を許可されている場合は、治療経過に応じて肩の動きや機能を段階的に戻していきます。
ただし、痛みが強くなっている、動く範囲が改善しない、腕に明らかに力が入りにくい、鎖骨周辺の強い痛みが続く場合は、「骨はついたから大丈夫」と決めつけず再評価を検討します。
この記事でわかること
腕を上げる動作には、肩関節だけではなく、鎖骨・肩甲骨・上腕骨や、その周囲の筋肉・腱などが関わっています。
そのため、鎖骨の骨癒合が確認されても、肩全体の動きや筋力まで同時に元へ戻るとは限りません。
鎖骨骨折の治療中は、骨折部を保護するため肩を使う量が減ることがあります。その影響で肩の可動域が狭くなり、腕を上げると突っ張る、一定の位置から動かしにくい、動かすと痛むと感じる場合があります。
肩や腕を十分に使えない期間があると、肩周囲の筋力や動作能力が低下することがあります。そのため、腕を高く上げる、上の棚へ物を置く、荷物を持つといった動作で疲れや痛みを感じる場合があります。
腕を上げるときは上腕骨だけではなく、肩甲骨や鎖骨を含めた肩まわりが連動しています。骨折後に肩をかばっていた期間があると、骨がついたあとも、肩全体の動作がすぐ骨折前と同じになるとは限りません。
転倒やスポーツなどで鎖骨を骨折した際には、肩周辺にも力が加わっていることがあります。
骨癒合後も腕を上げる際の痛みや筋力低下が目立つ場合には、肩関節の拘縮や腱板など、骨折部以外の状態についても確認することがあります。
「痛くて上がらない」と「力が入らず上がらない」は確認するポイントが異なります
肩を上げにくい場合は、痛みのため途中で止めてしまうのか、強い痛みはないのに腕を上げる力が入りにくいのかも重要な情報です。無理に何度も試さず、普段の動作で感じている状態を診察時に伝えてください。
痛みよりも「腕に力が入らない」「上げた腕を保ちにくい」ことが気になる方は、 肩に力が入らない・腕が落ちるときの受診目安 も参考にしてください。
プレートなどで鎖骨を固定した場合、骨癒合後も固定材料周辺の突出感や局所的な違和感・圧痛を感じることがあります。
ただし、痛みがあるという理由だけでプレートを抜いた方がよいとは判断できません。骨癒合の状態、痛む場所、固定材料、生活への支障などを踏まえ、まず手術を行った医療機関や整形外科へ相談します。
「レントゲンで骨がついている」だけでは、現在の痛みの原因までは分かりません
骨癒合が確認されていても、肩の可動域、筋力、肩周囲の軟部組織、手術後であれば固定材料周辺などが症状に関係する場合があります。痛む場所と動作を合わせて確認することが重要です。
まだ鎖骨骨折と診断されていない受傷直後の方は、 鎖骨をぶつけて腫れた|腕を動かせても骨折? をご覧ください。
骨癒合後も肩の機能が徐々に回復していくことはあります。そのため、痛みや動かしにくさが少し残っているという一点だけで異常とは判断できません。
一方、次のような場合は「骨折後だから仕方ない」と長期間自己判断で様子を見続けず、現在の肩・鎖骨の状態を確認してください。
通常の外来予約を待たず、速やかな医療対応を考えたい状態
痛みが肩全体ではなく「肩のてっぺん・鎖骨の肩側」に集中している方は、 肩のてっぺんだけ痛い|腕を上げると鎖骨の端が痛む原因 も参考にしてください。
回復しているかどうかは「何週間たったか」だけではなく、痛み・可動域・筋力・日常動作が改善しているかで確認することが重要です。
「骨はついたのに肩が戻らない」と感じている方へ
鎖骨骨折後は、骨の画像だけでなく、肩の可動域・筋力・痛み・日常動作まで含めて現在の回復状況を確認することが重要です。
SBC整形外科クリニックでは、西新宿本院・横浜駅前院で一般整形外科の保険診療を行っています。他院で鎖骨骨折の治療を受けた方も、お持ちの画像や治療資料を持参のうえ受診についてご相談ください。
東京|西新宿本院の整形外科保険診療を予約する 神奈川|横浜駅前院の整形外科保険診療を予約する※手術後の方や、現在の主治医から運動・負荷・再診先について具体的な指示を受けている方は、その内容を優先してください。
肩を動かし始める時期や、筋力トレーニング・重い物を持つ動作を再開できる時期は一律ではありません。
鎖骨のどの部分を骨折したのか、骨折のずれや安定性、保存療法か手術か、現在の治癒経過などによって異なります。
治療経過に応じて肩を動かすことは機能回復のために重要ですが、「骨がついたと言われた」ことだけを理由に、自己判断で強いストレッチや筋力トレーニングを始める必要はありません。
「肩を動かしてよい」と「強い負荷をかけてよい」は別です
肩の可動域運動が許可されていても、重い荷物を持つ、腕立て伏せなどで腕に体重をかける、強い筋力トレーニングを行う、接触スポーツへ復帰するといった負荷まで許可されているとは限りません。
肩の動きを戻す段階と、筋力・強い負荷・スポーツ動作を戻す段階は分けて考えます。
鎖骨骨折後に腕が上がりにくいからといって、すべての方が同じ内容の通院リハビリを必要とするわけではありません。
骨折部が安定し、肩の動きや日常生活での使いやすさが少しずつ改善している場合は、現在受けている指示の範囲で運動を続けながら経過を見る場合もあります。
一方、骨癒合後も可動域制限や筋力低下が残り、着替え・洗髪・仕事・スポーツなどに支障がある場合は、肩の状態を確認したうえでリハビリテーションの必要性を検討します。
リハビリを検討するときは、例えば次のような点を確認します。
リハビリ=痛みを我慢して無理に腕を上げることではありません
現在の骨折部と肩の状態を確認し、許可された範囲で可動域や筋力、日常動作を段階的に戻していきます。強い痛みを我慢して反動をつけたり、無理に腕を押し上げたりすることは避けてください。
西新宿本院でのリハビリ受診について詳しく知りたい方は、 西新宿でリハビリに通える整形外科|骨折・捻挫後の相談 もご覧ください。
「骨はついているか」だけではなく、現在どこに痛みがあり、肩の機能がどこまで回復しているかを合わせて確認します。
骨折部の癒合状態や骨の位置、手術後であれば固定材料などについて確認が必要な場合は、現在の症状・診察所見・これまでの画像を踏まえてX線撮影を検討することがあります。
そうとは限りません。
X線は骨の位置や骨癒合、固定材料などの確認に有用ですが、腱板などの軟部組織そのものを十分に評価する検査ではありません。
骨癒合が確認されていても、肩の痛み・可動域制限・筋力低下などが残る場合には身体診察を行い、必要に応じて追加の画像検査や専門医療機関への紹介を検討します。
他院で鎖骨骨折の治療を受けた方は、お持ちであれば紹介状、レントゲン・CT・MRIなどの画像データ、画像診断報告書、手術内容や運動制限についての資料などをご持参ください。
他院のレントゲン画像・CD・検査結果を持参するときのポイント →
西新宿本院・横浜駅前院では院内でMRI・CT撮影を行っていません。症状や診察所見から、さらに詳しい画像検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
骨折部が安定し、一般整形外科での経過確認やリハビリが可能な状態であれば、自宅や職場から通いやすい整形外科へ相談できる場合があります。
ただし、次のような場合は元の医療機関での継続診療が重要になることがあります。
現在治療中の方は、自己判断で通院先や運動内容を変更せず、主治医から受けている具体的な指示を優先してください。
骨癒合後も、肩関節の動きや筋力、肩まわりの機能が十分戻っておらず、腕を上げると痛む場合があります。ただし、痛みが悪化している、可動域が改善しない、筋力低下が目立つ場合などは再評価をご検討ください。
骨折部位・治療方法・治癒経過によって、許可される運動や負荷は異なります。骨癒合が確認されたという情報だけで、強いストレッチや筋力トレーニングを自己判断で始めず、現在受けている指示を優先してください。
すべての方が同じ通院リハビリを必要とするわけではありません。肩の可動域・筋力、痛み、生活や仕事への支障、骨折の治療内容などを確認し、必要性を判断します。
回復時期には個人差があります。骨折部位・治療方法・年齢・受傷前の活動性などによっても異なるため、一律に「何週間で元どおり」とは言えません。日数だけではなく、可動域・筋力・痛み・日常動作が改善しているかを確認します。
そうとは限りません。X線は骨の評価に有用ですが、腱板などの軟部組織そのものを十分に評価する検査ではありません。肩の痛みや筋力低下が続く場合は、症状や診察所見に応じて追加評価を検討します。
鎖骨骨折では骨癒合が確認されても、肩の可動域や筋力が回復途中で、腕が上がらない・肩を上げると痛いと感じることがあります。
大切なのは、骨の画像だけではなく「肩をどこまで動かせるか」「痛みは改善しているか」「力が戻っているか」「日常生活でどの程度使えるか」まで見ることです。
「骨はついたのに、なぜ肩が戻らないのだろう」と感じる場合は、骨折部だけでなく肩全体の機能回復を確認することが大切です。
受傷直後で、まだ鎖骨骨折か分からない方
転倒直後から肩が強く痛み、腕を上げにくい方
痛みよりも筋力低下・腕の上げにくさが気になる方
鎖骨の肩側・肩のてっぺんに痛みが集中している方
SBCメディカルグループ 整形外科エリア統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
沼倉 裕堅医師のプロフィールを見る →鎖骨骨折後に「骨はついたと言われたのに肩が上がらない」「腕を上げるとまだ痛い」「リハビリが必要か知りたい」といった場合は、一般整形外科の受診についてご相談ください。
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
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※臨時休診・受付時間変更やリハビリテーションの実施日時・予約枠などが変更になる場合があります。来院前に各院の公式ページ・予約画面で最新情報をご確認ください。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断やリハビリ開始時期を示すものではありません。鎖骨骨折後の運動開始時期・可動域・許容される負荷は、骨折部位、骨折型、骨癒合の状態、保存療法か手術か、治療経過などによって異なります。現在治療中の方は担当医から受けている具体的な指示を優先してください。新しい外傷後の強い痛みや変形、手指の色・温度異常、新しく強いしびれ・感覚低下・筋力低下、息苦しさなどがある場合は、通常外来の予約を待たず速やかな医療対応をご検討ください。