「アルギニンサプリは薬と一緒に飲んでも大丈夫?」「子どもが薬を飲んでいるけれど、身長サプリも使いたい」「時間をずらせば飲み合わせの問題はない?」
アルギニンは、身体のタンパク質を構成するアミノ酸の一つです。肉や魚、大豆製品などの食品に含まれるほか、サプリメントとしても販売されています。
ただし、アルギニンサプリメントは、服用中の薬によっては相互作用が生じる可能性があります。
まず結論|アルギニンと薬の飲み合わせ
薬を服用している方は、アルギニンサプリを追加する前に医師・薬剤師へ確認してください。
特に降圧薬・硝酸薬・抗凝固薬・抗血小板薬・一部の利尿薬・糖尿病治療薬などでは、作用が重なったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。
また、飲む時間を数時間ずらしても、相互作用を避けられるとは限りません。
一方で、注意が必要な薬を服用しているからといって、すべての組み合わせが一律に禁止されるわけではありません。
重要なのは、薬の種類・服用量・持病・サプリメントの含有量などを確認することです。特に子どもでは、成人用サプリメントを自己判断で使用しないよう注意が必要です。
アルギニンには、血管の働きなどに関わる作用があるため、併用する薬によっては相互作用が生じる可能性があります。
米国Mayo Clinicでは、L-アルギニンと相互作用する可能性がある薬として、降圧薬、硝酸薬、抗凝固薬・抗血小板薬、糖尿病治療薬、カリウム保持性利尿薬などを挙げています。
代表的な薬の種類と、注意したい点を確認しましょう。
降圧薬
例:アムロジピン、カンデサルタンなど
アルギニンの血圧を下げる作用が重なり、血圧が下がりすぎる可能性があります。
注意:めまい・ふらつき・低血圧
硝酸薬・一部の心血管系の薬
例:ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど
血管を広げる作用が重なり、血圧が過度に下がる可能性があります。
注意:血圧低下・失神など
抗凝固薬・抗血小板薬
例:ワルファリン、アスピリンなど
血液が固まる働きへの影響が重なり、出血しやすくなる可能性が指摘されています。
注意:出血リスクへの影響
カリウム保持性利尿薬
例:スピロノラクトンなど
血液中のカリウム濃度が高くなるリスクに注意が必要です。
注意:高カリウム血症
糖尿病治療薬
例:インスリンなど
アルギニンが血糖値に影響し、薬の作用との組み合わせによって血糖管理に影響する可能性があります。
注意:血糖値の変動
一部の血管拡張作用を持つ薬
例:シルデナフィルなど
血圧低下作用が重なり、低血圧が生じる可能性があります。
注意:血圧低下・めまいなど
ここで挙げた薬は代表例です。すべての医薬品や相互作用を網羅した一覧ではありません。
また、同じ種類の薬でも、使用目的や服用量、持病などによって対応が異なります。
自己判断で処方薬を中止しないでください
飲み合わせが心配だからといって、処方された薬を中止・減量することは避けましょう。アルギニンサプリの使用可否を、処方医または薬剤師に確認することが優先です。
アルギニンは、一酸化窒素(NO)の産生に関係するアミノ酸です。
一酸化窒素には血管を広げる働きがあり、アルギニンをサプリメントとして摂取すると、条件によって血圧に影響することがあります。
降圧薬を服用している場合、作用が重なることで血圧が下がりすぎる可能性があるため、自己判断での併用は避けてください。
血液を固まりにくくする薬を服用している場合も注意が必要です。
アルギニンとの併用で出血リスクが高まる可能性が指摘されていますが、実際の影響は薬剤や使用状況などによって異なります。
「一度飲んだら必ず出血する」という意味ではありません。ただし、併用の安全性を自己判断することは避けましょう。
アルギニンは血糖調節にも影響する可能性があります。
インスリンなどの糖尿病治療薬を使用している場合、血糖値への影響を考慮する必要があるため、サプリメントの追加前に治療担当医へ相談してください。
特に1型糖尿病などで継続的に血糖管理を行っている子どもでは、サプリメントを追加する目的や必要性を十分に確認することが重要です。
アルギニンは、肉や魚などの食品にも含まれるアミノ酸です。
しかし、通常の食事に含まれるアルギニンと、成分を濃縮したサプリメントを追加摂取することは、分けて考える必要があります。
アルギニンは、体内で一酸化窒素をつくる材料の一つです。
一酸化窒素は血管の平滑筋に作用し、血管を広げる働きがあります。この仕組みが、降圧薬や硝酸薬などとの相互作用を考えるうえで重要です。
アルギニンが関わる血管の仕組み
アルギニン
↓
一酸化窒素(NO)の産生に関与
↓
血管の拡張に関与
※体内の働きを簡略化した概念図です。アルギニンの摂取量に比例して血管が拡張するという意味ではありません。
通常の食生活で、肉・魚・大豆製品などを食べることと、アルギニンの高用量サプリメントを服用することは同じではありません。
薬との飲み合わせが心配だからといって、アルギニンを含むすべての食品を自己判断で制限する必要は通常ありません。
ただし、特定の病気によって食事制限を指示されている場合は、担当医の指示に従いましょう。
必ずしも大丈夫とはいえません。
相互作用には、薬が体内に吸収される段階で起こるものだけでなく、薬とサプリメントの作用が重なることで起こるものもあります。
そのため、朝に処方薬を飲み、夜にアルギニンを飲むといった方法でも、相互作用が避けられるとは限りません。
飲む時間をずらす前に確認
薬とサプリの併用そのものが適切かを、医師・薬剤師へ確認してください。
薬を飲んでいることを忘れてアルギニンサプリメントを摂取してしまった場合は、まず落ち着いて状況を確認しましょう。
一緒に飲んだからといって、必ず重い副作用が起こるわけではありません。
1.飲んだ薬の名前
お薬手帳や薬袋などから、正確な製品名・成分名を確認します。
2.サプリメントの製品名
アルギニン以外の成分が含まれている場合もあるため、パッケージを確認します。
3.飲んだ量と時刻
何錠・何包・何mLを、いつ飲んだかを記録します。
4.現在の症状
めまい、ふらつき、吐き気、出血などがないかを確認します。
症状がなくても、飲み合わせが気になる場合は、次のサプリメントの摂取をいったん控え、処方医または薬剤師に相談しましょう。
次のような場合は速やかな医療対応が必要です
重い低血圧、アレルギー反応などの可能性があります。重症の場合は119番を検討してください。
比較的軽い吐き気や腹痛などでも、症状が続く場合は医療機関へ相談してください。
処方薬を自己判断で中止したり、アルギニンの追加摂取で体調を調整しようとしたりしないでください。
子どもの身長が気になる保護者の方の中には、アルギニン入りの成長期向けサプリメントを検討している方もいるでしょう。
しかし、子どもに必要な栄養を確保することと、アルギニンをサプリメントで大量に追加することは同じではありません。
アルギニンはタンパク質を構成するアミノ酸の一つで、体内でも合成されます。
一般には非必須アミノ酸、または身体の状態によって必要性が高まる条件付き必須アミノ酸として説明されます。成長期には食事からの摂取も重要です。
ただし、子どもの身長が低いことだけを理由に、アルギニン不足と判断することはできません。
成人用のサプリメントは、子どもの年齢や体格に適した量で設計されていない場合があります。
成人の半分の量なら安全という一律の判断もできません。
また、子ども向けと表示された製品でも、すべての子どもに必要とは限らず、服用中の薬との相互作用がないことまで保証されるわけではありません。
次のような場合は、アルギニンサプリの使用について事前に医師へ相談しましょう。
アルギニンの経口摂取では、吐き気、腹痛、下痢、腹部膨満感、頭痛などが現れる場合があります。
体質や病気によっては、より慎重に使用を検討する必要があります。
アルギニンのサプリメントを摂りすぎることで、子どもが巨人症になるという医学的根拠は確立されていません。
巨人症は、骨端線が閉鎖する前に成長ホルモンが過剰に分泌される病態で、下垂体の異常などが原因となる場合があります。
アルギニンサプリを摂りすぎると、ただちに同じ病態になるというものではありません。
ただし、巨人症にならないことと、大量摂取が安全であることは別です。 腹痛・下痢などの副作用や薬との相互作用には注意が必要です。
アルギニンと子どもの身長について調べると、「成長ホルモンを増やす」という説明を目にすることがあります。
アルギニンは実際に、医療機関で行う成長ホルモン分泌刺激試験に使用されることがあります。
ただし、この検査と、市販サプリメントを飲むことは別です。
成長ホルモン分泌刺激試験は、成長ホルモンを分泌する能力を評価するための検査です。
アルギニンを決められた方法で投与し、その後の成長ホルモン分泌反応を血液検査などで確認します。
この検査は、成長ホルモン分泌不全症などを評価するために行われるもので、身長を伸ばすためにアルギニンを日常的に摂取する方法とは目的が異なります。
負荷試験とサプリメントの違い
医療機関の負荷試験
決められた条件でアルギニンを投与し、成長ホルモンの分泌反応を検査する。
市販のアルギニンサプリメント
食品としてアルギニンを経口摂取する。医療の負荷試験と同じ反応や、最終身長を高くする効果が得られるとは限らない。
アルギニンは身体に必要なアミノ酸ですが、アルギニンを多く摂れば最終身長が高くなるという十分な医学的根拠はありません。
日本小児内分泌学会は、身長を伸ばす効果をうたうサプリメントについて、医療の成長ホルモン分泌刺激試験と一般的なサプリメントの摂取を区別する必要があると説明しています。
身長には遺伝的要因、栄養状態、ホルモンの働き、思春期の進行、骨の成熟状態など、複数の要因が関係します。
そのため、アルギニンサプリに頼るのではなく、成長曲線や年間成長速度などを確認することが大切です。
関連記事:アルギニンで成長ホルモンは増える?負荷試験とサプリの違い →
「アルギニンを飲ませたほうがいいのか」という疑問の背景に、お子様の身長の伸びに対する不安がある方もいるでしょう。
身長の伸び方が気になるときは、特定の栄養素だけでなく、過去の身長記録や思春期の進行状況を確認しましょう。
成長曲線は、年齢ごとの身長や体重の推移を記録するグラフです。
母子健康手帳や学校の健康診断結果などに記録された身長を使い、これまでの成長の経過を確認できます。
周囲の子どもとの身長差だけでなく、お子様自身の成長曲線上の位置が継続して下がっていないかを確認することが重要です。
年間成長速度は、おおむね1年間で身長が何cm伸びたかを示す指標です。
年間成長速度の例
1年前の身長:142cm
現在の身長:146cm
1年間に伸びた身長
4cm/年
ただし、年間4cmだから正常・異常と決められるわけではありません。
年齢や思春期の段階によって成長速度は変わるため、成長曲線と合わせて考えることが必要です。
骨年齢は、骨格がどの程度成熟しているかを示す指標です。
一般的に手や手首のレントゲン画像などを参考に評価します。
同じ年齢でも、骨の成熟が進む時期には個人差があります。
成長曲線や年間成長速度、思春期の進行状況などと合わせて、成長の状態を考えることが重要です。
次のような場合は、小児科・小児内分泌科などで医学的な評価を検討しましょう。
アルギニン不足だと自己判断してサプリメントを増やすだけでは、成長の遅れの原因を確認することはできません。
相談する目的によって受診先が異なります
薬とアルギニンの飲み合わせ
処方医または薬剤師へ相談する。
低身長・成長障害などの病気が心配
小児科・小児内分泌科などで医学的な評価を受ける。
将来身長の目安を具体的に知りたい
成長曲線や骨年齢を参考にする身長予測を検討する。
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お子様の現在の身長、過去の成長記録、ご両親の身長、骨年齢などを参考に、将来身長の目安を予測するものです。
当院では、問診や成長記録の確認、レントゲン撮影などから成長の状態を評価します。
予測結果は将来身長の目安であり、最終身長を確定・保証するものではありません。
身長予測シミュレーション
15,270円(税込)
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
想定所要時間
約30分
予約方法
完全予約制
実施院
西新宿本院・横浜駅前院
身長予測シミュレーションは自由診療です。成長障害の確定診断や、服用中の薬とアルギニンの相互作用判定を目的とした検査ではありません。
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決まった時間を空ければすべて安全になる、というものではありません。作用が重なる相互作用は、服用時刻をずらしても生じる可能性があります。処方医または薬剤師に、併用そのものが適切かを確認しましょう。
風邪薬にはさまざまな成分が配合されているため、一律には判断できません。また、アルギニンサプリ側にも複数の成分が含まれている場合があります。両方の製品名と成分を確認し、薬剤師などへ相談してください。
薬の種類、子どもの年齢や体重、持病、サプリメントの含有量などによって異なります。医師・薬剤師に確認せず、新たにサプリメントを追加しないようにしましょう。
一般的なアルギニンサプリの摂取によって巨人症になるという医学的根拠は確立されていません。ただし、大量摂取で腹痛・下痢などが起こる可能性があり、子どもへの自己判断での増量は避ける必要があります。
アルギニンは身体に必要なアミノ酸ですが、サプリメントの摂取によって最終身長が高くなるという十分な医学的根拠はありません。身長が気になる場合は成長曲線や年間成長速度などを確認しましょう。
アルギニンは身体に必要なアミノ酸ですが、サプリメントとして摂取する場合には、薬との相互作用に注意が必要です。
この記事の結論
薬を服用している場合は、アルギニンサプリの併用について処方医・薬剤師に確認することが大切です。
また、お子様の身長が気になる場合は、アルギニンの摂取量だけに注目せず、身長の伸び方や生活全体を確認しましょう。
腹痛・下痢などの副作用が心配な方へ
医療の負荷試験とサプリメントの違いを知りたい方へ
アルギニン以外の栄養素と身長の関係も確認したい方へ
アルギニンの体内合成と食事からの摂取について知りたい方へ
SBCメディカルグループ 整形外科エリア統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
東北大学医学部医学科卒業。救急科・整形外科などでの診療経験を積み、現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、一般整形外科診療や小児低身長に関する診療に携わっています。
日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会、日本小児内分泌学会、日本成長学会などに所属しています。
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なお、薬とアルギニンの飲み合わせは処方医・薬剤師へ、病的な低身長が疑われる場合は小児科・小児内分泌科などへご相談ください。
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