「アルギニンサプリは薬と一緒に飲んでも大丈夫?」
「子どもが薬を飲んでいるけれど、身長のためにアルギニンを飲ませてもいい?」
「高血圧の薬や血液をサラサラにする薬とは併用できない?」
アルギニンはアミノ酸の一つで、食品にも含まれています。一方、サプリメントでは食品より集中的に摂取できるため、服用している薬や持病によっては注意が必要です。
先に結論|薬を服用している子どもに、自己判断でアルギニンサプリを追加しないでください
すべての薬と併用できないわけではありません。
ただし、アルギニンサプリは一部の薬の作用へ影響する可能性があります。
食品に含まれるアルギニンとサプリは分けて考えます。
通常の食事から摂る場合と、濃縮されたサプリメントを追加する場合では摂取状況が異なります。
「身長を伸ばすため」に自己判断で追加する必要もありません。
アルギニンサプリによって健康な子どもの最終身長が高くなることは証明されていません。
L-アルギニンは、一部の薬の作用へ影響する可能性があります。
ただし、「薬を飲んでいる人はアルギニンを一切摂ってはいけない」「○○薬とは必ず併用禁止」と一括りに判断することはできません。
服用している薬の種類、アルギニン製品の含有量、年齢、持病などによって判断が異なるため、サプリメントを追加する前に医師・薬剤師へ確認してください。
特に子どもは「成長サプリだから大丈夫」と自己判断しないことが重要です
サプリメントも体内へ入る成分です。処方薬を服用している場合は、商品名や含有量が分かるパッケージを持参し、主治医または薬剤師へ相談しましょう。
L-アルギニンとの相互作用が指摘されている薬には、次のようなものがあります。
血圧を下げる薬
L-アルギニンには血管を拡張する一酸化窒素の産生に関わる作用があり、一部の降圧薬と併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。
硝酸薬
ニトログリセリンなど、血管を広げる作用を持つ薬との併用では、血圧低下が強くなる可能性があります。
抗凝固薬・抗血小板薬
ワルファリンやアスピリンなど、血液が固まる働きへ影響する薬では、出血リスクへの影響が指摘されています。
糖尿病の薬
L-アルギニンが血糖値へ影響する可能性があるため、血糖を下げる薬との併用では注意が必要です。
一部の利尿薬
カリウム保持性利尿薬など、一部の薬では血液中のカリウム値への影響が問題となる可能性があります。
上記は代表例であり、すべての相互作用を網羅した一覧ではありません。
処方薬・市販薬を使用している場合は、「一覧に薬の名前がないから安全」と自己判断せず、医師または薬剤師へ確認してください。
アルギニンは、肉・魚・大豆製品・乳製品・ナッツ類など、日常のさまざまな食品に含まれています。
薬との相互作用を心配して、通常の食事からアルギニンを含む食品を一律に除く必要があるとは限りません。
注意したいのは、一般的な食事とは異なり、特定成分を集中的に摂取できるサプリメントなどを自己判断で追加する場合です。
食事制限が必要かは薬や病気によって異なります
特定の病気や治療によって食事制限を指示されている場合は、その指示を優先してください。自己判断で食品を大幅に制限すると、成長期に必要なエネルギーや栄養まで不足する可能性があります。
アルギニンは身体で利用されるアミノ酸の一つですが、「子どもの身長のためにサプリで追加すべき栄養素」とは言えません。
健康な子どもについて、身長を伸ばす目的で「アルギニンを1日○mg摂るべき」という公的な推奨量も設定されていません。
まずは肉・魚・卵・大豆製品などを含む、年齢に合った食事全体から必要な栄養を摂ることを基本に考えます。
子どもの摂取量や食事からの摂り方については、 子供のアルギニンはどう摂る?食事・サプリ・摂取量の考え方 をご覧ください。
アルギニンについて、「病院でも成長ホルモンの検査に使うのだから、飲めば成長ホルモンが増えて身長が伸びるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、医療機関で行うアルギニン負荷試験と、食事・サプリメントからアルギニンを摂取することは別です。
日本小児内分泌学会が示している違い
成長ホルモン分泌刺激試験:
体重1kg当たり0.5gのアルギニンを、30分かけて静脈内へ投与します。
一般的なアルギニンサプリ:
負荷試験とは投与量・投与方法・血中濃度が大きく異なります。
日本小児内分泌学会は、市販サプリメント程度のアルギニンを服用しても、成長ホルモン分泌が促進するとは考えられないとしています。
「アルギニン→GH増加→背が伸びる」という説明は適切ではありません
検査でアルギニンを利用することと、健康な子どもがサプリメントを摂取して最終身長が高くなることを同一視しないようにしましょう。
負荷試験との違いについて詳しく知りたい方は、 アルギニンで成長ホルモンは増える?負荷試験とサプリの違いを解説 をご覧ください。
L-アルギニンの経口摂取では、次のような症状が報告されています。
吐き気
腹痛
下痢
腹部膨満感など
また、喘息・アレルギー・腎疾患など、健康状態によって注意が必要になる場合があります。
「天然のアミノ酸だから副作用はない」と考えず、特に子どもへサプリメントを使用する場合は事前に医療者へ相談してください。
アルギニンの過剰摂取で「巨人症になる」という説明は適切ではありません
巨人症は、成長期に成長ホルモンが病的に過剰分泌されることなどによって生じる疾患です。通常の食品やアルギニンサプリの摂り過ぎを単純に「巨人症の原因」と説明することはできません。
「薬との飲み合わせ」が気になっている理由が、お子様の身長を伸ばすためにアルギニンサプリを飲ませたいからという場合は、サプリメントを追加する前に確認してほしいことがあります。
日本小児内分泌学会は、健康な子どもの本来の成長以上に身長を伸ばすことが科学的に証明されたサプリメントはないという見解を示しています。
身長そのものが気になっている場合は、アルギニンの摂取量よりも、
現在の身長
年齢・性別に対してどの位置にいるか確認します。
年間の成長速度
以前と比べて身長の伸びが低下していないか確認します。
成長曲線
その子自身の成長軌道から継続して下方向へずれていないか確認します。
身長の伸びが気になる場合は、 子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?小学生・中学生の成長速度と受診目安 も参考にしてください。
低身長の原因となる病気がないか調べたい
小児科・小児内分泌科などで医学的な評価をご検討ください。
「大人になったら何cmくらい?」という目安を知りたい
成長記録や骨の成熟状態などから将来身長の目安を予測する方法があります。
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳のお子様を対象に身長予測シミュレーションを行っています。
これまでの成長記録、現在の身長、ご両親の身長、手のレントゲンで確認する骨の成熟状態などを参考に、将来身長の目安を予測します。
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
料金
15,270円(税込)
想定所要時間
約30分
予約
完全予約制
「アルギニンを追加する?」より、お子様自身の成長を確認したい方へ
成長記録や骨の成熟状態などから将来身長の目安を確認したい方は、身長予測シミュレーションをご検討ください。
※身長予測は現在得られる情報から将来身長を考えるための目安であり、成人時の身長を保証するものではありません。病的低身長の確定診断を目的とする検査とも異なります。
薬によっては相互作用の可能性があります。自己判断で開始せず、服用している薬とサプリメントの商品名・成分量を医師または薬剤師へ伝えて確認してください。
L-アルギニンには血圧へ影響する作用があり、一部の降圧薬と併用すると血圧が下がりすぎる可能性があります。ただし、すべての降圧薬について一律に「併用禁止」という意味ではありません。医師・薬剤師へ確認してください。
通常の食品から摂取するアルギニンと、濃縮されたサプリメントを追加することは分けて考えます。医師から食事制限を受けていない場合、自己判断で肉・魚・大豆製品などを一律に避ける必要はありません。
医療機関の成長ホルモン分泌刺激試験ではアルギニンを使用しますが、投与量・方法が一般的なサプリメントとは大きく異なります。日本小児内分泌学会は、市販サプリ程度のアルギニン摂取で成長ホルモン分泌が促進するとは考えられないとしています。
アルギニンの摂取量を増やせば、その分だけ健康な子どもの最終身長が高くなるという根拠はありません。身長が気になる場合は、成長曲線や年間の成長速度を確認することが重要です。
アルギニンサプリは一部の薬と相互作用する可能性がある
「血圧の薬なら全部禁止」など、一律には判断しない
通常の食品と濃縮サプリは分けて考える
薬を服用する子どもへ自己判断でサプリを追加しない
アルギニンサプリで最終身長が高くなることは証明されていない
日本小児内分泌学会「『身長を伸ばす効果がある』と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」