「身長予測のために、子どもにレントゲンを撮って大丈夫?」
「骨年齢を調べたいけれど、放射線の被ばくが心配」
将来の身長を予測するために手のレントゲンを撮影すると聞くと、検査による身体への影響が気になる保護者の方もいるでしょう。
先に結論|手のレントゲンは一般に低線量ですが、被ばくはゼロではありません
骨年齢の評価で用いる手の単純X線撮影は、一般に非常に低線量の検査です。
一方、X線を使用する以上、被ばくを完全にゼロとは言えません。小児では特に、年齢や体格、撮影部位に応じて必要な画像が得られる範囲で線量を抑えることが重要です。
X線は電離放射線を使用するため、医学的には「放射線による影響が絶対にゼロ」と断定することはできません。
ただし、X線検査の被ばく量は、撮影する部位や検査方法によって大きく異なります。
骨年齢評価に用いられる手の単純X線撮影は、CTや胸部・腹部などを撮影する検査とは異なり、一般に非常に低い放射線量で撮影される部位です。
「レントゲン」という名前だけでリスクを比較することはできません
手の単純X線撮影とCT検査では、撮影範囲や使用する放射線量が大きく異なります。「X線を使う検査はすべて同じくらい被ばくする」と考える必要はありません。
具体的な数字が分からないと、「低線量」と言われても不安が残るかもしれません。
2025年に報告された小児上肢X線撮影の研究では、小児専門病院で使用された撮影条件をもとに、さまざまな上肢X線検査の放射線量が推定されています。
小児上肢X線の研究例
3〜6歳の手・指のX線撮影:実効線量 0.01μSvと推定
研究内の上肢X線撮影の中でも、手・指は特に低い推定値でした。
※これは特定の小児専門病院の撮影条件を用いた研究例です。SBC整形外科クリニックでの実測線量を示す数字ではありません。
実際の被ばく量は、お子様の年齢・体格、装置、撮影範囲、撮影条件などによって変わります。
「手のレントゲンなら必ず○μSv」と固定した数字では案内できません。
一般的な線量の目安と、一人ひとりが実際に受ける線量は分けて考える必要があります。
参考: PubMed「Radiation dose estimation of pediatric upper extremity radiographs」
子どものX線検査では、大人以上に放射線防護を意識する必要があります。
一般に、小児では成長途中の組織があり、その後の人生も長いため、放射線による影響を成人以上に慎重に考えます。
そのため重要なのは、単純に「できるだけ線量をゼロへ近づける」ことではなく、必要な情報が得られる画質を保ちながら、不必要な線量を増やさないことです。
子どもの体格に合わせる
成人と同じ条件をそのまま使用するのではなく、年齢・体格・撮影部位に応じた撮影条件を使用します。
撮影する範囲を限定する
確認する部位に撮影範囲を絞ることで、不必要な照射を避けます。
不要な再撮影を避ける
必要な画像を適切に得ることで、意味のない繰り返し撮影を減らすことも大切です。
身長予測で手のレントゲンを撮影する目的は、骨格が現在どの程度成熟しているかを確認するためです。
その評価に用いられる指標の一つが「骨年齢」です。
骨年齢は、実際に生まれてから経過した実年齢とは異なり、骨格の成熟度を年齢として評価したものです。
同じ年齢でも、骨の成熟状態が同じとは限りません
現在の身長だけでは分からない骨格の成熟状態を確認することで、今後の成長を考えるための情報が増えます。
手には複数の骨があり、成長に伴って形や成熟状態が段階的に変化するため、手のX線画像は骨年齢評価に広く利用されています。
ただし、骨年齢だけを見れば「あと○cm伸びる」と正確に分かるわけではありません。
将来身長を考える際には、現在の身長や過去の成長記録、ご両親の身長なども組み合わせて考えます。
骨年齢や骨端線そのものについて詳しく知りたい方は、 骨端線はどこから閉じる?閉じる順番・年齢と身長の伸びを解説 をご覧ください。
参考: PubMed「Evaluation of Bone Age in Children: A Mini-Review」
身長予測は、「病気の診断のために必ず受けなければならない検査」とは異なります。
そのため、
何を知りたくて検査を受けるのか
レントゲンからどのような情報が得られるのか
被ばくについてどの程度納得できているか
を整理したうえで、ご家庭で判断することが大切です。
被ばくへの不安が強い場合は、検査前に医師・スタッフへご相談ください。
不安を我慢して検査を受ける必要はありません。検査の目的や内容を理解したうえで選択しましょう。
「手のレントゲンが低線量なのは分かった。そのうえで、うちの子の将来身長をもう少し詳しく知りたい」
という方へ、SBC整形外科クリニックでは6歳(小学1年生)〜18歳を対象に身長予測シミュレーションを行っています。
現在の身長だけではなく、これまでの成長記録、ご両親の身長、手のレントゲンで確認する骨の発育状態などから、将来身長の目安を予測します。
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
料金
15,270円(税込)
想定所要時間
約30分
主な確認内容
成長記録・現在の身長・ご両親の身長・手のレントゲンによる骨の発育状態など
予約
完全予約制
「何歳から受けられる?」について詳しく知りたい方は、 身長予測は何歳からできる?子どもの将来身長を調べるタイミングを解説 をご覧ください。
持ち物や当日の流れについては、 小児低身長診療を初めて受ける方へ|持ち物・予約・診察・検査の流れ で解説しています。
被ばくが心配だからこそ、内容を理解してから選びたい方へ
手のレントゲンは一般に低線量ですが、放射線被ばくが完全にゼロではありません。
その点も理解したうえで、お子様自身の成長記録や骨の成熟状態から将来身長の目安を確認したい方は、身長予測シミュレーションをご検討ください。
※身長予測は将来の最終身長を保証するものではありません。また、病的低身長の確定診断を目的とする検査とは異なります。
X線による影響を完全にゼロとは言えません。一方、手の単純X線撮影は非常に低線量で、1回の撮影によって生じる追加的な放射線リスクも小さいと考えられます。不必要な撮影を繰り返さないことは引き続き重要です。
「何回撮ったか」だけでは被ばく量は判断できません。手のX線、胸部X線、CTなどでは放射線量が大きく異なるためです。過去の検査が気になる場合は、いつ・どの部位の検査を受けたかを医師へ伝えて相談してください。
医療用X線検査について「年間○回までなら安全」という一律の回数基準はありません。検査ごとに放射線量が異なるため、回数だけではなく、その都度検査の目的や撮影条件を考えます。
通常のX線撮影で使用するX線が、撮影後も体内に残り続けることはありません。また、撮影を受けたことでお子様自身が放射線を出すようになることもありません。
現在の身長やご両親の身長などから将来身長の大まかな目安を考える方法はあります。ただし、それだけでは骨格の成熟状態という情報は得られません。骨年齢を含めて将来の成長を考えたい場合には、手のレントゲンが広く利用されています。
手の単純X線は一般に非常に低線量
ただし、放射線被ばくが完全にゼロではない
小児では年齢・体格に応じた線量管理が重要
手のX線は骨の成熟状態を確認するために使用
身長予測は任意なので、検査内容を理解して選択する
被ばくへの不安がある場合は、「大丈夫と言われたから」と無理に納得する必要はありません。検査の目的や内容について確認したうえで判断することが大切です。
そのうえで、お子様自身の成長記録や骨の成熟状態から将来身長の目安を知りたい場合は、身長予測シミュレーションという選択肢があります。
Radiation dose estimation of pediatric upper extremity radiographs
Evaluation of Bone Age in Children: A Mini-Review
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