「アルギニンを摂ると成長ホルモンが増える?」「子どもの身長を伸ばすために、アルギニンを多く摂らせたほうがいい?」と気になる方もいるでしょう。
アルギニンはアミノ酸の一つで、医療機関では成長ホルモンの分泌反応を調べる検査にも使用されます。
結論:アルギニンを食品や一般的なサプリメントから多く摂れば、成長ホルモンが増えて子どもの最終身長が高くなる、とはいえません。
医療機関でアルギニンが「成長ホルモン分泌刺激試験」に使用されることと、日常的に食品やサプリメントからアルギニンを摂ることは別です。
また、アルギニンが身体で利用されるアミノ酸であることと、摂取量を増やせば本来より身長が高くなることも同じではありません。
先に知っておきたい4つのポイント
「アルギニンには成長ホルモンを分泌させる作用がある」と聞いたことがある方もいるでしょう。
アルギニンと成長ホルモンには医学的な関係があります。実際に医療機関では、成長ホルモンを分泌する能力を評価するための検査にアルギニンを使用することがあります。
しかし、ここで重要なのが、医療機関で行う検査と、食品・サプリメントから口で摂取することを分けて考えることです。
医療機関の成長ホルモン分泌刺激試験
決められた条件でアルギニンを投与し、その後の成長ホルモンの分泌反応を調べます。
食品・一般的なサプリメント
口から摂取して消化・吸収されます。医療の刺激試験とは、量や身体への入り方などの条件が異なります。
そのため、「医療でアルギニンを使う=アルギニンサプリを飲めば同じように成長ホルモンが増える」ではありません。
日本小児内分泌学会も、一般的なアルギニンサプリメントを摂取することで、医療の負荷試験のような成長ホルモン分泌促進を期待することは適切ではないとの見解を示しています。
日本小児内分泌学会|「身長を伸ばす効果がある」と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解
現在の医学的根拠から、健康な子どもがアルギニンの摂取量を増やすことで、最終身長を本来より高くできるとはいえません。
ただし、「経口アルギニンには身長への影響がまったくない」とまで断定するのも適切ではありません。
2026年の研究ではどうだった?
思春期前の特発性低身長児を対象とした2026年の系統的レビュー・メタ解析では、経口アルギニンを6か月または12か月投与した研究をまとめると、成長速度に小さな差がみられました。
一方、採用された研究はいずれも質が低く、12か月投与だけを解析した場合には統計学的に明確な効果は確認されていません。最終身長を高くできると判断できる根拠でもなく、質の高い研究が必要とされています。
つまり現時点では、子どもの身長を伸ばす目的でアルギニンを積極的に追加摂取することを、一般的な方法として勧められるだけの根拠は確立していません。
「成長ホルモンが一時的に増える」と「最終身長が高くなる」は別です。
身長への効果を考えるときは、一時的なホルモン値だけではなく、長期的な成長速度や最終身長への影響を見る必要があります。
PubMed|思春期前の特発性低身長児に対する経口アルギニンの系統的レビュー・メタ解析(2026年)
成長ホルモンは1日を通して一定の濃度で分泌されているホルモンではありません。
そのため、成長ホルモン分泌不全症などが疑われる場合、通常の採血1回だけで成長ホルモンの分泌能力を判断することはできません。
必要に応じて、成長ホルモンの分泌を刺激し、その反応を見る「成長ホルモン分泌刺激試験」が行われます。
決められた条件でアルギニンを投与
↓
一定時間ごとに採血
↓
成長ホルモンの分泌反応を評価
ここでアルギニンを使う目的は、アルギニンによって身長を伸ばすことではなく、成長ホルモンを分泌する能力を評価することです。
検査の方法や、サプリメントとの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
アルギニンで成長ホルモンは増える?アルギニンは、肉・魚・大豆製品・種実類など、たんぱく質を含むさまざまな食品から摂取できます。
身長を伸ばすために「アルギニンが多い食品だけを集中して食べる」「毎日決まった量のアルギニンを摂る」といった方法を行う必要はありません。
健康な子どもについて、身長を伸ばす目的で「アルギニンを1日○g摂ればよい」という一律の公的な推奨量も設定されていません。
成長期に見るべきなのは食事全体です。
十分なエネルギー、たんぱく質、鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンDなど、複数の栄養素を不足させないことを基本に考えます。
アルギニンを含む具体的な食べ物や摂取量の考え方については、 子供のアルギニンはどう摂る?食事・サプリ・摂取量の考え方 で詳しく解説しています。
健康な子どもの身長を高くすることだけを目的に、アルギニンサプリメントを自己判断で追加する必要があるとはいえません。
「成長期向け」「身長サポート」などの製品にアルギニンが含まれていても、飲むことで最終身長が高くなることを保証するものではありません。
身長サプリ全般について詳しく知りたい方は、 サプリを飲むと子供の身長が伸びる? をご覧ください。
子どもの身長は、アルギニンの摂取量だけで決まりません。
遺伝的な要因、思春期が始まる時期、骨の成熟度、栄養状態、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、慢性的な病気など、複数の要因が関係します。
「アルギニンを摂っているのに伸びない」と感じた場合は、摂取量をさらに増やす前に、これまでどのようなペースで身長が伸びてきたかを確認しましょう。
確認したいポイント
以前より年間の身長の伸びが低下している、成長曲線上の位置が継続して下がっている、体重減少や体調不良を伴う場合などは、アルギニンや食事だけの問題と決めつけないことが重要です。
成長ホルモン分泌不全症や甲状腺疾患など、病気による低身長・成長障害の診断や原因精査が必要な場合は、小児科・小児内分泌科など専門医療機関へご相談ください。
年間の身長の伸びについて詳しく知りたい方は、 子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?小学生・中学生の成長速度と受診目安 をご覧ください。
「アルギニンを増やすべき?」より、今のお子様の成長状態を確認したい方へ
「まだ病院へ行くほどなのか分からない」「これまでの伸び方について一度相談したい」という方には、SBC整形外科クリニックの平日限定・小児低身長無料カウンセリングをご案内しています。
※無料カウンセリングではレントゲン・採血は行いません。病気による低身長の診断・原因精査が必要な場合は、小児科・小児内分泌科など専門医療機関での評価が必要です。
平日限定|小児低身長無料カウンセリングを予約する医療機関では、アルギニンを成長ホルモン分泌刺激試験に使用することがあります。ただし、食品や一般的なサプリメントとして口から摂る場合とは、量や投与方法などの条件が異なります。
アルギニンサプリメントによって健康な子どもの最終身長を本来より高くできることは確立していません。2026年の研究でも小規模・低品質な研究しかなく、長期的な効果を判断できる十分な根拠はありません。
健康な子ども全般について、身長を伸ばす目的で「1日○g摂るべき」という一律の公的推奨量はありません。特定の数値を目標にせず、年齢や活動量に合った食事全体を整えることを基本に考えます。
肉、魚、大豆製品、種実類など、たんぱく質を含むさまざまな食品に含まれています。身長のために特定の食品だけを大量に食べる必要はありません。
身長の伸びはアルギニンや食事だけで決まりません。成長曲線、年間成長速度、体重、思春期の進み方などを確認し、伸びの低下や体調変化がある場合は、小児科・小児内分泌科などへの相談を検討してください。
アルギニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一つです。
医療機関では成長ホルモンの分泌能力を評価する刺激試験に使用されることがありますが、食品や一般的なサプリメントから摂取することとは条件が異なります。
現在の医学的根拠から、アルギニンを多く摂ることで健康な子どもの最終身長を高くできるとはいえません。
成長期にはアルギニン一つに注目するのではなく、十分なエネルギーとさまざまな栄養素を食事全体から摂ることを基本に考えましょう。
それでも身長の伸びが気になる場合は、「何を追加して食べさせるか」だけではなく、これまでの成長曲線や年間成長速度を確認することが重要です。
※病気による低身長や成長ホルモン分泌不全症などの診断・原因精査が必要な場合は、小児科・小児内分泌科など専門医療機関での評価が必要です。
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