「成長ホルモンを増やす食べ物はある?」
「たんぱく質や亜鉛を多く摂れば、子どもの身長はもっと伸びる?」
お子様の身長が気になると、毎日の食事でできることを探したくなる保護者の方も多いでしょう。
先に結論|「これを食べれば成長ホルモンが増えて身長が伸びる」という食品はありません
たんぱく質や亜鉛などは、子どもの正常な成長に必要な栄養素です。
しかし、特定の食品や栄養素を多く摂ることで成長ホルモンを増やし、その結果として成人時の最終身長を高くできるとは証明されていません。
健康な子どもについて、「この食品を食べれば成長ホルモンが増え、その分だけ身長が高くなる」と言える食品はありません。
成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、子どもの身体の成長や代謝に関わるホルモンです。
しかし、身長は成長ホルモンだけで決まるものではありません。
現在までの成長経過
全身の栄養状態
成長ホルモンなどのホルモン
思春期の開始時期・進み方
骨の成熟状態や病気の有無など
さまざまな要因が関係します。
「成長ホルモンを増やす」=「最終身長が高くなる」ではありません
成長ホルモンの分泌に何らかの変化が生じることと、実際に子どもの年間成長率や成人時の最終身長が高くなることは分けて考える必要があります。
日本小児内分泌学会も、「身長を伸ばす」「成長ホルモンの分泌を促す」と宣伝される食品やサプリメントについて注意を呼びかけています。
健康な子どもの身長を、本来の成長以上に高くすることが科学的に証明された成分は現在のところありません。
「成長ホルモンによい」として特に名前が挙がりやすいのが、たんぱく質・アルギニン・亜鉛です。
| 栄養素 | 成長期での位置づけ | 身長について |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 身体の組織をつくるために必要 | 多く摂るほど最終身長が高くなるわけではない |
| アルギニン | たんぱく質を構成するアミノ酸の一つ | サプリメントで成長ホルモンを増やし、身長を伸ばす効果は確立していない |
| 亜鉛 | 正常な成長や細胞の働きに必要 | 不足がない子への追加摂取で成長が促進するとは証明されていない |
たんぱく質は、筋肉や骨、臓器など身体を構成するために必要な栄養素です。
そのため、成長期に必要量を確保することは重要です。
しかし、必要量を摂れている子どもがさらにたんぱく質を増やせば、成長ホルモンが増えて最終身長も高くなるという関係ではありません。
アルギニンは、医療機関で成長ホルモンの分泌能力を調べる刺激試験に使用されることがあります。
このため、「アルギニンを食事やサプリで摂れば成長ホルモンがたくさん出るのでは?」と思うかもしれません。
検査で使用するアルギニンと、食品・サプリの摂取は同じではありません
日本小児内分泌学会は、医療で行う成長ホルモン分泌刺激試験ではアルギニンを静脈から一定量投与する一方、市販サプリメントとは量や投与方法が異なると説明しています。
そのため、身長を伸ばすことを目的にアルギニンサプリメントを追加することを、成長ホルモン刺激試験と同じようには考えられません。
亜鉛は、正常な成長や細胞の働きに必要な栄養素です。
栄養不足によって成長が妨げられている場合には、不足している栄養素を適切に補うことで、成長が正常化する可能性があります。
一方、すでに不足していない子どもが亜鉛を追加で多く摂れば、さらに身長が高くなるという科学的な根拠はありません。
具体的に「成長期は何を食べればいい?」を知りたい方へ
この記事では「成長ホルモンを増やす食品があるか」に絞って解説しています。成長期の食事量や栄養素、実際の食品については別の記事で詳しくまとめています。
いいえ。食事は子どもの正常な成長を支える重要な要素です。
ただし、その役割を「成長ホルモンをたくさん出すため」と考えるのは適切ではありません。
食事で目指すのは「成長ホルモンの分泌量アップ」ではありません
成長期に必要なエネルギーと栄養素を不足させず、その子が本来持っている正常な成長を妨げない栄養状態を保つことが基本です。
成長期には骨だけでなく、筋肉や臓器など身体全体が発達します。
そのため、一つの栄養素だけを増量するのではなく、年齢や活動量に応じた食事量を確保し、さまざまな食品から必要な栄養を摂ることが大切です。
年齢・性別ごとの栄養素の基準については、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が参考になります。
以前は「空腹時に成長ホルモンが分泌されるため、間食を減らした方がよい」と説明されることもありました。
しかし、身長を伸ばす目的で意図的に食事や必要な間食を減らし、空腹時間を長くすることをおすすめする根拠にはなりません。
成長期には身体の発育や日常活動のためのエネルギーが必要です。成長ホルモンを増やそうとして食事量まで不足させないようにしましょう。
カルシウム・鉄・ビタミンD・亜鉛などの不足がある場合には、適切な補充が必要になることがあります。
しかし、不足がない健康な子どもについて、これらをサプリメントで追加すれば本来の成長以上に身長が伸びるという科学的なデータはありません。
「不足しているから補う」と「身長を高くするために追加する」は別です
サプリメントは特定成分を多量に摂取できるため、「多いほど成長に良い」と自己判断せず、必要性を考えて使用することが大切です。
「しっかり食べさせているのに身長が伸びない」という場合、原因を食事だけに求めるのは適切ではありません。
まず確認したいのは、お子様自身の成長曲線と年間の成長速度です。
現在の身長
年齢・性別に対して、どの位置にいるか確認します。
1年間の身長の伸び
現在何cmあるかだけでなく、年間にどの程度伸びているかを確認します。
成長曲線の推移
以前と比べて、成長曲線上の位置が継続して下がっていないかを確認します。
体重や全身状態
体重減少、食欲低下、慢性的な体調不良などがないかも確認します。
年間の身長の伸びについては、 子どもの身長は1年で何cm伸びれば正常?小学生・中学生の成長速度と受診目安 で詳しく解説しています。
成長ホルモンが不足しているかは、食事内容では判断できません
成長曲線が継続して下方向へ外れている、以前より身長の伸びが明らかに低下しているなどの場合は、食生活だけで様子を見続けないことも重要です。
病的低身長や成長ホルモン分泌不全症などの診断が目的の場合は、小児科・小児内分泌科へご相談ください。
「特定の食品で身長が決まらないのは分かった。では、うちの子は今後どのくらい伸びそう?」
という方へ、SBC整形外科クリニックでは6歳(小学1年生)〜18歳のお子様を対象に、身長予測シミュレーションを行っています。
現在の身長だけで判断するのではなく、これまでの成長記録、ご両親の身長、手のレントゲンで確認する骨の発育状態などから、将来身長の目安を予測します。
現行の診療案内では、予測結果の説明後に採血を行い、その結果を踏まえた食生活の見直しや栄養指導も行っています。
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
料金
15,270円(税込)
想定所要時間
約30分
主な確認内容
これまでの成長記録・現在の身長・ご両親の身長・手のレントゲンによる骨の発育状態など
予約
完全予約制
将来身長を考えるには、現在何cmあるかだけでなく、これまでどのように成長してきたかも重要です。
母子手帳や幼稚園・保育園、学校の健康記録など、年齢ごとの身長が分かる資料をご用意ください。
初めて受診する方は、 小児低身長診療を初めて受ける方へ|持ち物・予約・診察・検査の流れ も参考にしてください。
「成長ホルモンを増やす食べ物探し」から一歩進んで確認したい方へ
食事は子どもの正常な成長を支える重要な要素ですが、特定の食品だけで将来身長を決めることはできません。
お子様自身の成長記録や骨の成熟状態などから、将来身長の目安を確認したい方は、身長予測シミュレーションをご検討ください。
※身長予測は将来の最終身長を保証するものではありません。また、病的低身長や成長ホルモン分泌不全症の確定診断を目的とする検査とは異なります。
「これが一番」と言える食品はありません。成長期には十分なエネルギーとさまざまな栄養素が必要ですが、特定の食品を食べることで成長ホルモンを増やし、成人時の最終身長を高くできるとは証明されていません。
たんぱく質は成長期の身体づくりに必要ですが、必要量を超えて多く摂れば、その分だけ成長ホルモンが増えたり最終身長が高くなったりするわけではありません。
医療機関ではアルギニンを成長ホルモン分泌刺激試験に使用することがありますが、食品や市販サプリメントから摂取することとは量や投与方法が異なります。アルギニンサプリで身長が伸びる効果は確立していません。
栄養不足によって正常な成長が妨げられる場合はあります。その場合、不足している栄養素を適切に補うことが重要です。ただし、亜鉛不足がない子どもが追加で摂れば、さらに身長が高くなるというものではありません。
食事だけで判断せず、過去の身長記録から成長曲線や年間の成長速度を確認しましょう。成長曲線が継続して下向きになる、以前より身長の伸びが明らかに低下するなどの場合は、小児科・小児内分泌科への相談を検討してください。
特定の食品で成長ホルモンを増やし、最終身長を高くできるとは証明されていない
たんぱく質・亜鉛などは正常な成長に必要
不足を補うことと、必要以上に追加することは別
身長を伸ばすために意図的な空腹を作る必要はない
実際の伸びが気になるときは成長曲線・年間の成長速度を確認する
成長期の食事では、「何を食べれば成長ホルモンが増えるか」を探すよりも、必要なエネルギーと栄養素を不足させないことが基本です。
そのうえで「今後どのくらい伸びそうか」「うちの子の場合を確認したい」という方は、お子様自身の成長記録や骨の成熟状態などから将来身長の目安を確認する方法があります。
日本小児内分泌学会「『身長を伸ばす効果がある』と宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」
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