「骨端線を伸ばすには何を食べればいい?」「カルシウムやたんぱく質を多く摂れば身長が伸びる?」と気になる方もいるでしょう。
結論からいうと、特定の食べ物や栄養素だけで骨端線を伸ばし、最終身長を高くする方法は確立していません。
成長期には、十分なエネルギーを確保したうえで、たんぱく質・カルシウム・ビタミンDなどを含む食事をバランスよく摂ることが大切です。
先に結論
骨端線は「成長板」とも呼ばれ、成長期の骨の端にある軟骨組織です。 骨端線の部分で軟骨細胞が増殖・成熟し、徐々に骨へ置き換わることで骨が長くなっていきます。
ただし、骨端線だけが特定の栄養素を取り込んで伸びるわけではありません。 子どもの成長には、全身の栄養状態のほか、成長ホルモンやIGF-1、甲状腺ホルモン、性ホルモン、思春期の進み方など複数の要因が関係します。
そのため、「牛乳を飲めば骨端線が伸びる」「たんぱく質を増やせば身長が伸びる」といった単純な関係ではありません。
骨端線そのものの仕組みについて詳しく知りたい方は、 骨端線についての解説 も参考にしてください。
成長期の食事では、「骨端線によい栄養素を一つ選ぶ」のではなく、成長に必要なエネルギーと栄養を不足させないことが基本です。
成長期には骨だけでなく、筋肉や臓器など身体全体が発達します。 そのため、まずは年齢や活動量に応じた食事量を確保することが大切です。
極端な食事制限や食事量の不足が続くと、たんぱく質やビタミン、ミネラルなども不足しやすくなります。
たんぱく質は、骨・筋肉・皮膚など身体を構成する材料です。 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などから摂取できます。
ただし、たんぱく質を多く摂れば、その分だけ成長ホルモンが増えて骨端線が伸びるわけではありません。 必要な量を満たしながら、ほかの栄養素も不足させないことが重要です。
カルシウムは骨を構成する主要なミネラルの一つです。 ビタミンDはカルシウムの吸収などに関わり、正常な骨の形成を支えます。
カルシウムは乳製品・小魚・大豆製品・青菜など、ビタミンDは魚類・卵・きのこ類などから摂取できます。 いずれも「多く摂るほど身長が高くなる」というものではありません。
亜鉛などの微量栄養素も、子どもの正常な成長・発達に必要です。 特定の成分だけを意識するのではなく、さまざまな食品を組み合わせて摂ることを基本に考えましょう。
「たんぱく質が一番」「カルシウムを摂れば身長が伸びる」ではありません
成長期には複数の栄養素が必要です。 一つの栄養素だけを大量に摂るのではなく、必要な食事量と栄養バランスを確保することが重要です。
毎回の食事で栄養素を細かく計算するより、主食・主菜・副菜を組み合わせ、食品の種類を偏らせないことから始めましょう。
主食|ご飯・パン・麺など
成長や日々の活動に必要なエネルギー源になります。
主菜|肉・魚・卵・大豆製品など
たんぱく質を摂る中心となる食品です。毎日同じ食品だけに固定する必要はありません。
副菜|野菜・海藻・きのこなど
さまざまなビタミン・ミネラルを摂る食品になります。
乳製品・小魚など
カルシウムを摂る食品の選択肢として取り入れられます。
食が細い子どもに無理に大量の食品を食べさせる必要はありません。 1日の中で食事や間食を組み合わせながら、必要な栄養を摂れるよう工夫しましょう。
年齢別のエネルギーや栄養素の基準については、 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 が参考になります。
アルギニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一つです。 一般的には非必須アミノ酸、または条件付き必須(準必須)アミノ酸と説明されます。
一方、SBC整形外科クリニックでは、成長期の小児では食事から摂取することが重要という観点から、アルギニンを小児では必須アミノ酸として扱います。
アルギニンの分類や体内合成について詳しくは、 アルギニンの分類についての解説 をご覧ください。
身長を伸ばす目的だけで、カルシウム・アルギニン・たんぱく質などのサプリメントを自己判断で追加する必要はありません。
栄養不足がある場合に不足分を補うことは重要ですが、すでに十分な栄養を摂れている子どもが特定の成分を追加すれば、本来の成長以上に最終身長が高くなるとはいえません。
参考: 日本小児内分泌学会「身長を伸ばす効果があると宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」
身長とサプリメントの関係については、 「サプリを飲むと子供の身長が伸びる?」 で詳しく解説しています。
栄養バランスを整えることは大切ですが、低身長や成長速度の低下の原因が食事だけとは限りません。
身長を見るときは、現在何cmあるかだけではなく、これまでの成長曲線と1年間に何cm伸びたかを確認することが重要です。
特に次のような場合は、食事以外の要因も含めて成長状態を確認してみましょう。
骨端線や骨の成熟状態については、画像検査などを用いて評価します。
SBC整形外科クリニックの小児低身長診療では、基本的に両手のレントゲンから骨の発育程度(骨年齢)を確認しています。
骨年齢は、現在の骨の成熟状態や今後の成長余地を考えるうえで参考になる情報の一つです。 ただし、骨年齢だけで将来の最終身長が正確に決まるわけではありません。 成長曲線や年間の成長速度、必要に応じた血液検査などもあわせて評価します。
「1年間の伸びが少ない」「骨年齢や成長状態まで詳しく確認したい」という方は、 小児低身長の検査・診療について もご確認ください。
子どもの身長が伸びない原因や低身長の基準について詳しく知りたい方は、 低身長の原因・基準についての解説 も参考にしてください。
成長期の骨を支えるために、「これだけ食べればよい」という特定の食品はありません。
身長の伸びが気になる場合は、栄養不足だけに原因を求めず、これまでの成長記録も含めて確認することが大切です。
子どもの身長は、食事や特定の栄養素だけで決まるものではありません。
SBC整形外科クリニックでは、これまでの成長記録や成長速度、必要に応じた検査などから、お子様の成長状態を確認しています。
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