「成長ホルモンは22時〜2時に多く出る」「子どもの身長を伸ばすには、その時間に寝ていないといけない」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、成長ホルモンの分泌が22時〜2時という時計の時刻に固定されているわけではありません。 成長ホルモンの大きな分泌は、睡眠開始後にみられる深いノンレム睡眠(徐波睡眠)と強く関連しています。
この記事の結論
① 成長ホルモンは、骨や身体の成長・代謝に関わります。
② メラトニンは、主に体内時計や睡眠・覚醒リズムに関わります。
③ 「22時〜2時に寝ないと身長が伸びない」という考え方は正確ではありません。
つまり、 「メラトニンが成長ホルモンを増やし、その結果として直接身長が伸びる」 と単純に考えるのではなく、それぞれの役割を分けて理解することが大切です。
成長ホルモンとメラトニンは、どちらも睡眠と関連して語られることが多いホルモンですが、身体の中で担う役割は異なります。
成長ホルモン
骨や身体の成長、たんぱく質の合成、糖質・脂質などの代謝に関わります。
メラトニン
光や暗さの影響を受けながら、体内時計や睡眠・覚醒のタイミングに関わります。
成長ホルモンは、脳の下垂体から分泌されるホルモンです。 肝臓などでIGF-1と呼ばれる成長因子の産生を促すなどして、子どもの骨や身体の成長に関わります。
また、たんぱく質の合成や、糖質・脂質などの代謝にも関与しています。
メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンです。 夜になり周囲が暗くなると分泌が増え、身体に夜の時間帯であることを伝えながら、睡眠・覚醒リズムの調整に関わります。
成長ホルモンについてよく知られているのが、「22時〜2時が睡眠のゴールデンタイム」という説です。
しかし、成長ホルモンの分泌は、22時・0時・2時といった時計の時刻そのものに固定されているわけではありません。
「22時〜2時に寝ないと成長ホルモンが出ない」は正確ではありません
成長ホルモンの大きな分泌は、睡眠開始後に訪れる深いノンレム睡眠(徐波睡眠)と時間的に関連しています。
そのため、夜22時を少し過ぎてしまったからといって、その日の成長ホルモンが出なくなるわけではありません。
ただし、「何時に寝ても睡眠時間さえ確保できれば同じ」という意味でもありません。 学校などで朝の起床時間が決まっている子どもが夜更かしをすると、結果として睡眠時間が不足しやすくなるためです。
結論からいうと、メラトニンを「身長を直接伸ばすホルモン」と考えるのは適切ではありません。
メラトニンの代表的な役割は、体内時計や睡眠・覚醒リズムの調整です。 夜になり周囲が暗くなると分泌が増え、身体が夜の時間帯に適応するための働きを担います。
次のような単純な因果関係ではありません
メラトニンが増える
↓
成長ホルモンが増える
↓
身長が高くなる
メラトニンは、規則的な睡眠・覚醒リズムを支えるホルモンとして理解するとよいでしょう。
メラトニンの分泌には光が関係しています。 夜間に明るい光を浴びると、メラトニンの分泌や体内時計に影響することがあります。
ただし、「ブルーライトだけが問題」と考える必要はありません。 スマートフォンやタブレットの使用によって就寝時刻そのものが遅くなることも含め、就寝前は強い光や刺激を減らすことが大切です。
子どもの睡眠では、特定の就寝時刻だけにこだわるのではなく、年齢に応じた睡眠時間を確保することが重要です。
年齢別の睡眠時間の目安
1〜2歳:11〜14時間
3〜5歳:10〜13時間
小学生:9〜12時間
中学生・高校生:8〜10時間
例えば、小学生だから「絶対に21時に寝なければならない」と時刻だけを固定するのではなく、朝起きる時刻から逆算して必要な睡眠時間を確保する方が実践的です。
「身長を伸ばすために22時までに絶対寝かせなければ」と過度に考えるのではなく、十分な睡眠時間と規則的な生活リズムを継続することを意識しましょう。
睡眠は子どもの健やかな成長にとって重要ですが、睡眠だけで最終身長が決まるわけではありません。
身長には遺伝、栄養状態、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、思春期の時期、骨の成熟状態など、さまざまな要因が関係しています。
睡眠以外の原因も確認したい目安
このような変化がある場合は、「睡眠が足りないのでは?」と生活習慣だけで考えず、一度成長の経過を確認することが大切です。
身長の伸びが気になる方はこちら
子どもの身長が伸びない原因は?低身長の基準・受診目安・対策を解説成長ホルモンは、子どもの骨や身体の成長に関わる重要なホルモンです。 その大きな分泌は、特定の時計時刻ではなく、睡眠開始後の深いノンレム睡眠と関連しています。
一方、メラトニンは主に体内時計や睡眠・覚醒リズムを調整するホルモンです。 「メラトニンが成長ホルモンを増やし、直接身長を伸ばす」と単純化しないことが大切です。
覚えておきたい4つのポイント
「22時までに寝られなかった」と過度に心配するより、年齢に合った睡眠時間を確保し、規則的な生活リズムを続けることが大切です。
参考情報
睡眠だけでなく、成長曲線や骨の成熟状態なども確認したい場合は、SBC整形外科クリニックの小児低身長診療をご利用いただけます。
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