「朝起きると何本もの指がこわばって握りにくい」「少し動かすと楽になるけれど、毎朝繰り返す」と気になっていませんか。
朝の指のこわばりは、ばね指でもみられる症状ですが、複数の指に症状がある場合は、指の関節の炎症や変形、神経の圧迫なども含めて確認します。
先に結論
「朝に複数の指がこわばる=関節リウマチ」とは限りません。
指の付け根が痛く引っかかる場合はばね指、複数の関節そのものに腫れや痛みがある場合は関節リウマチなどの炎症性関節疾患、指先側の関節が腫れたり変形したりしている場合は変形性関節症、明け方のしびれが中心の場合は手根管症候群などを確認します。
複数の指のこわばりは受診した方がいい?受診目安を先に確認する →
この記事でわかること
「こわばる」という言葉には、指が曲げにくい、伸ばしにくい、握りにくい、腫れぼったい、しびれて動かしにくいなど、さまざまな感覚が含まれています。
原因を考える際は、こわばりの時間だけではなく、次の4点が重要です。
「朝に何分こわばったか」も診察の参考にはなりますが、時間だけで病名や受診の必要性を判断することはできません。
ばね指では、指を曲げる腱とその通り道である腱鞘の間で腱の動きがスムーズでなくなり、指の付け根に痛み・腫れ・引っかかりなどが生じます。
特に、
といった症状が手掛かりになります。朝方に症状が強く、日中に指を使ううちに軽くなることもあります。ばね指は1本だけとは限らず、複数の指に起こる場合もあります。
関節リウマチでも、朝の手指のこわばりがみられます。
重要なのは、単に複数の指が動かしにくいことではなく、複数の関節そのものに腫れや痛みがあるかです。
次のような症状がある場合は、炎症性関節疾患についても確認します。
「左右対称」「朝○分」だけで判断しません
関節リウマチでは両手の似た関節に症状が出ることがありますが、左右対称でないことだけで否定はできません。また、朝のこわばりの持続時間だけで関節リウマチかどうかを判断することもできません。
関節リウマチでは、実際に関節に滑膜炎があるか、どの関節に症状があるか、血液検査や炎症反応、症状の経過などを組み合わせて評価します。
複数の小さな関節に腫れが続いている場合は、自己判断で長く様子をみず医療機関で評価を受けることが重要です。
関節リウマチについて詳しく見る →
指の関節そのものに変形性関節症が起こり、痛み・腫れ・動かしにくさが出ることがあります。
指先に近い第1関節(DIP関節)に起こる代表的な病気がヘバーデン結節です。第2関節(PIP関節)に似た変化が起こるものはブシャール結節と呼ばれます。
次のような変化がある場合は、関節の変形について確認します。
本人は「指がこわばる」と感じていても、詳しく聞くと関節の硬さではなく、しびれや感覚の鈍さが中心という場合があります。
手根管症候群では、手首で正中神経が圧迫され、親指・人差し指・中指から薬指の親指側にかけて、しびれや痛みが出ることがあります。
明け方に症状が強くなることがあり、手のこわばり感として自覚される場合もあります。「硬い」というより、ビリビリする、感覚が鈍い、夜間や明け方にしびれるという場合は、神経の症状を確認します。
複数の指がこわばると、「ばね指ではなく関節リウマチなのでは」と不安になる方もいます。
しかし、症状がある指の本数だけで病気を区別することはできません。
関節リウマチが疑われる場合には、リウマトイド因子(RF)、抗CCP抗体、CRPや赤沈などの検査が診断の参考になることがあります。
ただし、一つの血液検査が陰性だからといって、関節リウマチを完全に否定できるわけではありません。
実際には、関節の腫れ、症状がある関節の数や場所、血液検査、炎症反応、症状の経過などを総合して評価します。
複数の手指関節に腫れが続いている場合は、検査結果だけで自己判断せず、必要に応じてリウマチを専門とする医療機関での評価につなげることが重要です。
朝に指が動かしにくいと、強く握ったり、反対の手で無理に指を曲げ伸ばしたりして「ほぐしたい」と感じるかもしれません。
痛みを我慢した強い曲げ伸ばしは避けてください
関節や腱に炎症がある場合は、痛みを強く再現する動作が負担になることがあります。受診前に自己テストを繰り返す必要はありません。「どの指が」「どの位置で」「どのように動かしにくいか」を確認しておく程度で十分です。
一時的な軽いこわばりで、その後は普段どおり手を使えており、症状も繰り返していない場合には経過をみられることもあります。
一方、次のような変化がある場合は医療機関で状態を確認することをご検討ください。
特に、複数の手指関節や手首に腫れが続いている場合は、関節リウマチなど炎症性関節疾患について確認する必要があります。
「もう少し様子をみてから」と一律に待つのではなく、症状が続く場合は医療機関への相談をご検討ください。
通常の朝のこわばりとは分けて考えます
指や手が急速に赤く腫れて強く痛む、発熱を伴う、傷の周囲から赤みが広がるなどの場合は、感染症なども含めて速やかな医療評価が必要です。
「ばね指なのか、リウマチなのか分からない」段階でも相談できます
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、手指の痛み・こわばり・動かしにくさを一般整形外科の保険診療で相談できます。まず症状が関節・腱・神経のどこから来ている可能性があるかを確認します。
関節リウマチなど炎症性関節疾患が疑われ、専門的な検査や継続治療が必要と判断した場合には、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
西新宿本院の整形外科保険診療を予約する 横浜駅前院の整形外科保険診療を予約する診察では、「朝にこわばる」という一つの症状だけで病名を決めません。
指の付け根、第2関節、指先側の関節、手首など、症状の中心を確認します。
関節の腫れ・圧痛・熱感・変形、指を動かした際の引っかかりなども確認します。
指を自力で曲げ伸ばしできるか、特定の指だけ引っかからないかなどを確認します。しびれがある場合には、症状がある指の範囲、感覚や筋力なども評価します。
骨や関節の状態、関節の変形などを確認する必要がある場合には、症状や診察所見に応じてX線検査を検討します。
ばね指など腱・腱鞘周囲の状態や、関節周囲の比較的体表に近い軟部組織を確認する必要がある場合には、超音波(エコー)検査を検討することがあります。
複数の関節に腫れがあるなど、関節リウマチを含む炎症性関節疾患が疑われる場合には、血液検査などを含む追加評価が必要になることがあります。
検査内容は診察結果に応じて判断します。院内で対応しない検査や専門的な治療が必要な場合には、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
ばね指、関節リウマチ、手指の変形性関節症、手根管症候群では、症状が起きている場所も治療方法も異なります。
そのため、「朝に硬いからストレッチする」「動かしていれば治る」と一律に対応するのではなく、繰り返す場合には原因を確認することが重要です。
特に複数の関節に腫れや痛みが続く場合は、自己流のケアだけで長く様子をみないようにしてください。
朝のこわばりは関節リウマチでもみられますが、それだけで診断することはできません。実際に関節が腫れているか、どの関節に症状があるか、症状の経過などを確認し、必要に応じて血液検査や画像検査などを組み合わせて評価します。
左右の似た関節に症状が出ることは関節リウマチの特徴の一つですが、対称でないことだけで否定することはできません。関節の腫れや症状の分布などを合わせて評価します。
陰性だけで関節リウマチを完全に否定することはできません。血液検査は重要な手掛かりですが、関節の診察所見や症状の経過、ほかの検査結果と合わせて判断します。
ばね指も複数の指に起こることがあります。指の付け根の痛み・腫れや、曲げ伸ばし時の引っかかりがあるかが重要です。
動かすと軽くなるという特徴だけでは原因を判断できません。毎朝繰り返す、関節が腫れている、症状のある指が増える、日常生活に影響している場合などは状態を確認してください。
こわばりの時間だけで受診の必要性を決めることはできません。持続時間は診察の参考になりますが、関節の腫れ・痛み、症状の広がり、繰り返しや悪化、日常生活への影響などを合わせて判断します。
病名を自分で決めてから受診する必要はありません。 「どの指の、どの場所が、どのように動かしにくいか」を伝えることが原因を考える重要な手掛かりになります。
SBCメディカルグループ 整形外科部門統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本成長学会
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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。朝のこわばりや症状がある指の本数だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査・治療については症状や診察所見などに応じて医師が判断します。