「椅子から立って歩き始めると脚の付け根が痛い」「最初の数歩だけ痛むのに、歩いているうちに少し楽になる」と気になっていませんか。
歩き始めの股関節痛は、変形性股関節症などでみられる症状の一つです。ただし、「数歩で軽くなる」という特徴だけで原因や重症度を判断することはできません。
先に結論
立ち上がり・歩き始めに脚の付け根が痛む症状を繰り返す場合は、股関節の状態を確認する手掛かりになります。
特に、以前より痛みが強くなっている、股関節を動かしにくい、靴下を履きにくい、階段や車の乗り降りにも支障が出てきた場合は、変形性股関節症なども含めて整形外科で評価します。
数歩で軽くなるから「大丈夫」とは判断できません
重要なのは、歩き続けられるかだけではなく、毎回同じ場所が痛むか、以前より悪化していないか、歩き始め以外の動作にも症状が広がっていないかです。
この記事で確認すること
※歩き始めの痛み方だけで特定の疾患を自己診断することはできません。
椅子から立った直後や、しばらく休んだあとに歩き始めると、股関節は座っていた状態から立位・歩行へ切り替わります。
股関節に症状がある場合、この動き始めのタイミングで痛みを感じることがあります。
一方、歩いているうちに症状が軽くなる場合もあります。しかし、その理由を「関節が温まったから」「筋肉がほぐれたから」と症状だけから決めることはできません。
「何歩で軽くなるか」より、ほかの変化が重要です
何歩程度で痛みが軽くなるかを厳密に数える必要はありません。立ち上がりでも痛むか、長く歩くと再び痛むか、股関節を以前より動かしにくくなっていないかなどを確認します。
変形性股関節症では、初期に立ち上がりや歩き始めで鼠径部、つまり脚の付け根に痛みを感じることがあります。
状態が進むと歩き始めだけではなく、長時間の立位・歩行でも痛みが出たり、股関節を動かせる範囲が狭くなったりする場合があります。
日常生活では、
といった変化がみられることがあります。
「歩き始めが痛い=変形性股関節症」ではありません
立ち上がり・歩き始めの痛みは変形性股関節症でみられる症状の一つですが、それだけで診断はできません。痛む場所、股関節の可動域、診察所見、必要な画像所見などを合わせて評価します。
歩き始めの痛みだけでは原因を絞れないため、ほかの動作でも同じ場所へ痛みが出るかを確認します。
深く曲げたときの痛みが中心なら
深くしゃがむと股関節の前が詰まる場合はこちら →車の乗り降りで痛みが目立つなら
車の乗り降りで股関節が痛む場合はこちら →一度だけ軽い違和感があり、その後は痛みなく普段どおり歩けている場合には、痛みを強く誘発する動きを避けながら経過をみられることがあります。
一方、次のような場合は整形外科で相談することをご検討ください。
数歩で軽くなっても、毎回繰り返すなら相談できます
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、股関節・脚の付け根の痛みについて一般整形外科の保険診療で相談できます。
「変形性股関節症なのか、別の原因なのか分からない」という段階で病名を決めてから受診する必要はありません。痛む場所、立ち上がり・歩き始めとの関係、股関節の可動域などを確認し、必要な検査・治療を検討します。
痛みの有無を確認するために、何度も立ったり歩き始めたりする必要はありません。
一時的には、
「歩けば楽になるから、たくさん歩けば治る」とは限りません
原因や股関節の状態によって適切な活動量は異なります。痛みが強くなるまで歩いたり、症状を我慢して運動を続けたりする必要はありません。
鼠径部・股関節前方・外側・お尻など、痛みの中心を確認します。
立ち上がった瞬間、歩き始め、長距離歩行など、どの場面で症状が出るかも確認します。
股関節を曲げる・伸ばす・開く・回す動きや左右差、歩行時の状態などを症状に応じて確認します。
変形性股関節症や股関節の骨形態などを確認する必要がある場合には、診察結果に応じてX線検査を検討します。
X線だけでは評価できない軟部組織などについて、さらに詳しい評価が必要と判断した場合には、MRIなどの追加画像検査を検討することがあります。
すべての股関節痛で最初からMRIを行うわけではありません。必要な検査は症状・診察所見を踏まえて判断し、院内で対応できない検査が必要な場合には、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
「歩き始めが痛い」という一つの症状だけで治療方法が決まるわけではありません。
状態に応じて、日常生活や活動量の調整、薬物療法、運動療法・リハビリテーションなどを検討します。
リハビリテーションの適応がある場合には、股関節の可動域や筋力だけではなく、立ち上がりや歩行など、実際に症状が出る動作も確認しながら進めます。
一方、すべての股関節痛をリハビリテーションだけで治療するわけではありません。股関節の状態や生活への影響によって、治療方針は異なります。
SBC整形外科クリニックのリハビリテーションについて見る →
変形性股関節症では立ち上がり・歩き始めに脚の付け根が痛むことがありますが、この症状だけでは診断できません。痛む場所、可動域、診察所見、必要な画像所見などを合わせて評価します。
数歩で軽くなることだけでは原因や重症度を判断できません。毎回繰り返す、悪化している、股関節を動かしにくい、ほかの日常動作にも支障がある場合は整形外科で相談してください。
あります。長く座ったあとなど、休んでいた状態から動き始める際に痛みを感じる場合があります。ただし、この特徴だけで原因を判断することはできません。
原因や股関節の状態によって適切な運動量は異なります。痛みを我慢して長く歩けば改善するとは限らないため、症状が強くなる運動を無理に続ける必要はありません。
はい。毎回繰り返す、悪化している、股関節を動かしにくくなった、階段・靴下履き・車の乗り降りなどにも影響が出ている場合は整形外科で相談できます。
「歩けば軽くなるから大丈夫」と決めつけず、以前と比べて症状が増えていないか、ほかの日常動作にも広がっていないかを確認することが重要です。
SBCメディカルグループ 整形外科エリア統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会、日本小児内分泌学会、日本成長学会
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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。「歩き始めだけ股関節が痛い」「数歩歩くと軽くなる」という症状だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査・治療は年齢、痛む場所、可動域、症状の経過、診察所見などに応じて医師が判断します。