肘の後ろがぷよぷよ腫れた|痛くなくても整形外科へ行くべき? | SBC整形外科クリニック

肘の後ろがぷよぷよ腫れた|痛くなくても整形外科へ行くべき?

「肘の後ろだけ、ぷよぷよした袋のように腫れている」
「痛くないのに、肘の先がぽこっと膨らんできた」
「普通に曲げ伸ばしできるけれど、病院へ行った方がいい?」

このような肘の後ろの腫れでは、肘の先端にある肘頭滑液包(ちゅうとうかつえきほう)に液体がたまっている可能性があります。

いわゆる肘頭滑液包炎でみられることがある症状ですが、見た目や触った感触だけでは診断できません。

外傷後の血腫、感染、痛風などの結晶性疾患、そのほかの皮下の腫れなどを区別する必要がある場合もあります。

先に結論|痛くなくても、肘の後ろだけ「ぷよぷよ」腫れることはあります

肘頭滑液包に液体が増えると、痛みがほとんどないまま肘の後ろだけ柔らかく膨らむことがあります。

特に、机などへ肘をつく習慣による慢性的な圧迫では、痛みよりも腫れが目立つ場合があります。

ただし、「痛くない=感染していない」「放置してよい」とは判断できません。

まず確認したいポイント
  • 痛み・赤み・熱感がほぼない:緊急性が高くない場合もあります
  • 腫れが続く・大きくなる・繰り返す:痛くなくても整形外科で確認
  • 赤い・熱い・痛みが強くなる:感染を含め早めに受診
  • 発熱・体調不良・肘を動かすだけで強く痛む:速やかな医療評価を検討

「痛くないけれど受診した方がいい?」整形外科の受診目安を先に確認する →

肘の後ろがぷよぷよ腫れるのはなぜ?肘頭滑液包とは

肘を曲げたとき、後ろ側に尖って見える骨の部分を肘頭と呼びます。

この肘頭は皮膚のすぐ下にあり、骨と皮膚との間には肘頭滑液包という薄い袋状の組織があります。

皮膚と骨との摩擦を減らす、クッションのような役割をしています。

肘関節の位置を示したSBC整形外科クリニックの部位図
肘関節の位置を示した部位図。肘頭は肘の後方に位置します。

肘頭滑液包に液体が増えると、

  • 肘の後ろだけ丸く膨らむ
  • 触るとぷよぷよ・ぶよぶよする
  • 水風船のような感触がある
  • 腫れていても痛みが少ない
  • 肘の曲げ伸ばしは比較的できる

といった状態になることがあります。

滑液包は肘関節そのものの内部ではなく、肘頭の表面にあります。

そのため、見た目にはかなり腫れているのに、肘の曲げ伸ばしは比較的できるということもあります。

「ぷよぷよしている=肘頭滑液包炎」とは限りません

肘後面の柔らかい腫れは肘頭滑液包に液体がたまった場合によくみられますが、触った感触だけでは確定できません。

外傷後の血腫、皮下の腫瘤など、別の原因について確認が必要になる場合もあります。

肘の後ろが腫れる主な原因

肘をつく習慣・繰り返す圧迫

非感染性の肘頭滑液包の腫れで代表的なのが、肘頭への繰り返す圧迫です。

例えば、

  • 机へ長時間肘をつく
  • 床へ肘をついて作業する
  • 仕事で硬い場所へ肘を当てることが多い
  • スポーツなどで肘への刺激を繰り返す

といった状況があります。

「強くぶつけた」という一度の外傷がなくても、小さな刺激が繰り返されることで滑液包が腫れることがあります。

肘をぶつけた・転倒した

肘を直接ぶつけたり転倒して肘を床についたりすると、滑液包の中に液体や血液がたまり、肘の後ろが腫れる場合があります。

ただし、明確な外傷がある場合には、打撲や肘頭骨折などを含めて考える必要があります。

「ぶつけた直後から腫れた」「転倒して肘から着いた」という方は、以下の記事をご覧ください。

肘をぶつけて腫れた|曲げ伸ばしできても骨折?

感染性肘頭滑液包炎

肘頭滑液包へ細菌が入り、感染性の滑液包炎を起こすことがあります。

肘頭滑液包は皮膚のすぐ下にあるため、

  • 擦り傷・切り傷
  • ひっかき傷・かさぶた
  • 肘周囲の皮膚感染
  • 針を刺すなどの処置

などが感染のきっかけになる場合があります。

感染性では赤み・熱感・圧痛・痛みなどが目立ちやすくなりますが、すべての症状がそろうとは限りません。

痛風などの結晶性疾患・炎症性疾患

痛風などの結晶性疾患によって、肘頭滑液包に炎症が起こることがあります。

関節リウマチなどの炎症性疾患に伴って滑液包が腫れることもあります。

何度も同じ場所が腫れる、ほかの関節にも腫れ・痛みがある、痛風などの既往がある場合には、単なる「肘のつきすぎ」だけに原因を限定しません。

感染を疑うサイン|痛くなくても完全には否定できません

肘の後ろが腫れている場合に重要なのが、感染性か非感染性かを見極めることです。

ただし、症状だけで完全に見分けることはできません。

痛み・圧痛

非感染性でみられること
ほとんど痛くない、または肘をついたときだけ違和感がある場合があります。

感染性でみられること
触れたときの痛み・圧痛が目立ちやすくなります。
赤み・熱感

非感染性
目立たない場合があります。

感染性
皮膚が赤い、触ると反対側より熱く感じるといった所見がみられやすくなります。
発熱・体調不良

非感染性
通常は全身症状を伴いません。

感染性
発熱・悪寒・だるさなどを伴うことがあります。ただし、感染していても発熱しない場合があります。
肘の曲げ伸ばし

滑液包だけの腫れでみられること
肘の曲げ伸ばしは比較的保たれることがあります。

注意したい状態
曲げ伸ばしそのものが非常に痛い、可動域が明らかに低下している場合には、関節内の病変や感染性関節炎なども含めて評価する必要があります。
「痛くない」「熱がない」「発熱していない」だけでは感染を完全に否定できません

感染性肘頭滑液包炎では赤み・熱感・圧痛などが多くみられますが、これらの所見だけで感染の有無を完全に判断することはできません。

皮膚に傷がある、腫れや赤みが急速に悪化する、体調不良を伴う場合には、痛みが軽くても医療機関へ相談してください。

糖尿病がある方や免疫を抑える治療を受けている方なども、感染が心配な場合は早めの相談をご検討ください。

肘の後ろがぷよぷよ腫れている|痛くなくても整形外科へ行くべき?

痛み・赤み・熱感がなく、肘を普段どおり動かせており、腫れも改善傾向にある場合には、緊急性が高くないこともあります。

一方、痛みがないだけでは原因を確定できません。

痛くなくても整形外科で一度確認したい状態
  • 初めて肘の後ろが大きく腫れた
  • 原因に心当たりがない
  • 腫れが改善しない・大きくなっている
  • 何度も同じ場所が腫れる
  • 仕事や日常生活の邪魔になっている
  • 痛風など別の原因が心配
早めの医療評価を考えたい状態
  • 腫れた部分が赤い・熱い
  • 痛み・圧痛が強くなっている
  • 肘周囲に傷・膿・皮膚感染がある
  • 腫れや赤みが急速に広がっている
  • 発熱・悪寒・強いだるさがある
  • 肘の曲げ伸ばしそのものが強く痛む

感染性滑液包炎だけでなく、関節そのものの感染など別の病態を確認する必要がある場合があります。

「痛くないけれど、この腫れは何?」という段階でもご相談いただけます

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、肘の腫れ・違和感を一般整形外科の保険診療で診察しています。

肘頭滑液包の腫れが考えられるのか、外傷・感染・痛風など別の原因を確認する必要があるのかを、腫れの場所、皮膚の状態、痛み、肘の動きなどから評価します。

必要に応じてレントゲン・超音波(エコー)検査などを検討します。液体を抜く必要があるかどうかも、診察結果から医師が判断します。

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整形外科では「ぷよぷよした肘の腫れ」をどう調べる?

「水がたまっているように見えるから、抜いてほしい」と処置を決めてから受診する必要はありません。

まず、腫れが本当に滑液包に由来するのか、感染・外傷・関節内の病変などを疑う所見がないかを確認します。

腫れの場所・皮膚・肘の動きを確認

主に、

  • いつから腫れているか
  • 肘をぶつけていないか
  • 日常的に肘をつく習慣があるか
  • 赤み・熱感・痛みがあるか
  • 肘周辺に傷がないか
  • 肘の曲げ伸ばしが保たれているか

などを確認します。

骨折などを確認する必要がある場合はレントゲンを検討

肘をぶつけた、転倒した、骨の一部分を強く痛がるなど、骨折や骨性の異常を確認する必要がある場合にはレントゲン検査を検討します。

肘の後ろが腫れている方全員に、必ずレントゲンを撮るわけではありません。

SBC整形外科クリニックのレントゲンX線検査設備
SBC整形外科クリニックのレントゲンX線検査設備。必要な画像検査は症状・外傷歴・診察所見などから医師が判断します。

エコーで滑液包の液体や周囲を確認することがあります

超音波(エコー)検査では、皮膚の下にある滑液包に液体がたまっているか、周囲の軟部組織がどのような状態かを確認する際に使用することがあります。

肘頭滑液包は皮膚に近い場所にあるため、エコーで観察しやすい部位の一つです。

ただし、エコー画像だけで感染性か非感染性かを完全に確定できるわけではありません。

SBC整形外科クリニックで使用する超音波エコー診断装置
エコーは、滑液包にたまった液体など表在性の軟部組織を確認する際に使用することがあります。

エコーについて詳しく知りたい方は、 整形外科のエコー検査とは?何がわかる?レントゲン・MRIとの違い をご覧ください。

感染・痛風などが疑われる場合は追加検査を検討

赤み・熱感・全身症状などから感染が疑われる場合には、必要に応じて血液検査などを検討します。

感染や結晶性疾患の鑑別が必要な場合には、滑液包内の液体を採取し、細菌培養や結晶の確認などを行うことがあります。

一方、明らかな感染徴候がなく、慢性的な圧迫による非感染性の肘頭滑液包炎が考えられる場合には、必ずしも穿刺するわけではありません。

「水がたまっている=必ず抜く」ではありません

感染が疑われる場合には、液体を採取して検査することが診断に重要になる場合があります。

一方、明らかな非感染性・慢性的な圧迫による滑液包炎では、肘への圧迫を避けるなど保存的に経過を見ることがあります。

必要性の低い穿刺は、皮膚から細菌を持ち込んで感染を起こすリスクにつながるため、穿刺するかどうかは医師が判断します。

肘が痛くないまま腫れたとき|自宅で気をつけること

肘をつく動作を減らす

机や床など硬い場所へ腫れた肘を繰り返しつくと、滑液包への刺激が続きます。

可能な範囲で肘をつく時間を減らしましょう。

仕事などで避けにくい場合には、クッション性のある肘当てなどで直接的な圧迫を減らす方法もあります。

腫れた部分を何度も強く押さない

「本当に水がたまっているのか確認したい」と、何度も強く押したり揉んだりする必要はありません。

皮膚や滑液包への刺激を増やす可能性があるため、必要以上に触らないようにしましょう。

自分で針を刺す・潰すのは避ける

自宅で滑液包に針を刺して液体を抜かないでください

皮膚には細菌が存在するため、自分で針を刺すことで感染を起こす危険があります。

腫れが大きい場合でも、液体を抜く必要があるかどうかは医師が判断します。

途中から赤み・熱感・痛みが出てきたら様子を見続けない

最初は痛くなかった場合でも、

  • 赤くなってきた
  • 熱を持つようになった
  • 痛みが強くなった
  • 腫れが急に大きくなった
  • 発熱・体調不良が出てきた

などの変化があれば、感染なども含めて医療機関へ相談してください。

肘の後ろがぷよぷよ腫れたときのよくある質問

Q. 痛くないのに肘が大きく腫れることはありますか?

あります。慢性的な圧迫などによる非感染性の肘頭滑液包炎では、肘の後ろが袋のように膨らんでいても痛みがほとんどなく、肘の曲げ伸ばしも比較的保たれる場合があります。

Q. ぷよぷよしていれば肘頭滑液包炎で間違いありませんか?

いいえ。典型的な見た目の一つですが、触った感触だけでは確定できません。外傷後の血腫や皮下の腫瘤など別の原因について確認することもあります。

Q. 痛くなければ放置してもいいですか?

小さな腫れで赤み・熱感・痛みがなく、肘への圧迫を減らすことで改善している場合には経過を見ることもあります。ただし、初めて大きく腫れた、原因が分からない、改善しない、大きくなる、繰り返す場合には痛みがなくても整形外科への相談をご検討ください。

Q. 病院へ行ったら必ず水を抜かれますか?

必ず穿刺するわけではありません。感染が疑われる場合には検査のため液体を採取することがありますが、明らかな感染徴候がない慢性的な非感染性滑液包炎では、圧迫を避けるなど保存的に経過を見ることがあります。

Q. 赤くなくて熱もなければ感染ではありませんか?

赤み・熱感・圧痛・発熱は感染を疑う重要な手掛かりですが、すべてがそろうとは限りません。皮膚に傷がある、腫れが急速に悪化する、体調不良を伴う場合には医療機関へ相談してください。

まとめ|痛くない「ぷよぷよした肘の腫れ」でも原因を確認した方がよい場合があります

  • 肘後面の柔らかい腫れでは肘頭滑液包の腫れが考えられる
  • 非感染性では痛みがほとんどない場合もある
  • 繰り返す圧迫・外傷・感染・痛風など原因は複数ある
  • 赤み・熱感・強い圧痛・発熱は感染を疑う手掛かりになる
  • 強い可動時痛がある場合は関節内の病変も含めて確認する
  • 液体がたまっていても必ず穿刺するわけではない

肘の後ろがぷよぷよ膨らんでいても、痛みがなく、赤み・熱感などもない場合には緊急性が高くないことがあります。

一方、痛みの有無や見た目だけでは原因を判断できません。

初めて大きく腫れた、改善しない、大きくなっている、何度も繰り返す場合や、赤み・熱感などが出てきた場合には整形外科で状態を確認しましょう。

症状の中心が今回の記事と違う方へ

肘をぶつけた・転倒した直後から腫れている方は、 肘をぶつけて腫れた|曲げ伸ばしできても骨折? をご覧ください。

肘の外側が痛み、物を持つ・手首を動かすと痛む方は、 テニス肘(上腕骨外側上顆炎) をご覧ください。

肘の内側が痛み、手首を曲げる・ひねる動作で痛む方は、 ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) をご覧ください。

肘の症状を部位別に確認したい方は、 肘関節の痛み・障害 をご覧ください。

参考情報

肘の後ろの腫れが気になる方はSBC整形外科クリニックへご相談ください

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、肘の腫れ・違和感を一般整形外科の保険診療で診察しています。

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監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本四肢再建・創外固定学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院