「肘の後ろだけ、ぷよぷよした袋のように腫れている」
「痛くないのに、肘の先がぽこっと膨らんできた」
「普通に曲げ伸ばしできるけれど、病院へ行った方がいい?」
このような肘の後ろの腫れでは、肘の先端にある肘頭滑液包(ちゅうとうかつえきほう)に液体がたまっている可能性があります。
いわゆる肘頭滑液包炎でみられることがある症状ですが、見た目や触った感触だけでは診断できません。
外傷後の血腫、感染、痛風などの結晶性疾患、そのほかの皮下の腫れなどを区別する必要がある場合もあります。
肘頭滑液包に液体が増えると、痛みがほとんどないまま肘の後ろだけ柔らかく膨らむことがあります。
特に、机などへ肘をつく習慣による慢性的な圧迫では、痛みよりも腫れが目立つ場合があります。
ただし、「痛くない=感染していない」「放置してよい」とは判断できません。
「痛くないけれど受診した方がいい?」整形外科の受診目安を先に確認する →
肘を曲げたとき、後ろ側に尖って見える骨の部分を肘頭と呼びます。
この肘頭は皮膚のすぐ下にあり、骨と皮膚との間には肘頭滑液包という薄い袋状の組織があります。
皮膚と骨との摩擦を減らす、クッションのような役割をしています。
肘頭滑液包に液体が増えると、
といった状態になることがあります。
滑液包は肘関節そのものの内部ではなく、肘頭の表面にあります。
そのため、見た目にはかなり腫れているのに、肘の曲げ伸ばしは比較的できるということもあります。
肘後面の柔らかい腫れは肘頭滑液包に液体がたまった場合によくみられますが、触った感触だけでは確定できません。
外傷後の血腫、皮下の腫瘤など、別の原因について確認が必要になる場合もあります。
非感染性の肘頭滑液包の腫れで代表的なのが、肘頭への繰り返す圧迫です。
例えば、
といった状況があります。
「強くぶつけた」という一度の外傷がなくても、小さな刺激が繰り返されることで滑液包が腫れることがあります。
肘を直接ぶつけたり転倒して肘を床についたりすると、滑液包の中に液体や血液がたまり、肘の後ろが腫れる場合があります。
ただし、明確な外傷がある場合には、打撲や肘頭骨折などを含めて考える必要があります。
「ぶつけた直後から腫れた」「転倒して肘から着いた」という方は、以下の記事をご覧ください。
肘頭滑液包へ細菌が入り、感染性の滑液包炎を起こすことがあります。
肘頭滑液包は皮膚のすぐ下にあるため、
などが感染のきっかけになる場合があります。
感染性では赤み・熱感・圧痛・痛みなどが目立ちやすくなりますが、すべての症状がそろうとは限りません。
痛風などの結晶性疾患によって、肘頭滑液包に炎症が起こることがあります。
関節リウマチなどの炎症性疾患に伴って滑液包が腫れることもあります。
何度も同じ場所が腫れる、ほかの関節にも腫れ・痛みがある、痛風などの既往がある場合には、単なる「肘のつきすぎ」だけに原因を限定しません。
肘の後ろが腫れている場合に重要なのが、感染性か非感染性かを見極めることです。
ただし、症状だけで完全に見分けることはできません。
感染性肘頭滑液包炎では赤み・熱感・圧痛などが多くみられますが、これらの所見だけで感染の有無を完全に判断することはできません。
皮膚に傷がある、腫れや赤みが急速に悪化する、体調不良を伴う場合には、痛みが軽くても医療機関へ相談してください。
糖尿病がある方や免疫を抑える治療を受けている方なども、感染が心配な場合は早めの相談をご検討ください。
痛み・赤み・熱感がなく、肘を普段どおり動かせており、腫れも改善傾向にある場合には、緊急性が高くないこともあります。
一方、痛みがないだけでは原因を確定できません。
感染性滑液包炎だけでなく、関節そのものの感染など別の病態を確認する必要がある場合があります。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、肘の腫れ・違和感を一般整形外科の保険診療で診察しています。
肘頭滑液包の腫れが考えられるのか、外傷・感染・痛風など別の原因を確認する必要があるのかを、腫れの場所、皮膚の状態、痛み、肘の動きなどから評価します。
必要に応じてレントゲン・超音波(エコー)検査などを検討します。液体を抜く必要があるかどうかも、診察結果から医師が判断します。
西新宿本院の一般整形外科を予約する 横浜駅前院の一般整形外科を予約する「水がたまっているように見えるから、抜いてほしい」と処置を決めてから受診する必要はありません。
まず、腫れが本当に滑液包に由来するのか、感染・外傷・関節内の病変などを疑う所見がないかを確認します。
主に、
などを確認します。
肘をぶつけた、転倒した、骨の一部分を強く痛がるなど、骨折や骨性の異常を確認する必要がある場合にはレントゲン検査を検討します。
肘の後ろが腫れている方全員に、必ずレントゲンを撮るわけではありません。
超音波(エコー)検査では、皮膚の下にある滑液包に液体がたまっているか、周囲の軟部組織がどのような状態かを確認する際に使用することがあります。
肘頭滑液包は皮膚に近い場所にあるため、エコーで観察しやすい部位の一つです。
ただし、エコー画像だけで感染性か非感染性かを完全に確定できるわけではありません。
エコーについて詳しく知りたい方は、 整形外科のエコー検査とは?何がわかる?レントゲン・MRIとの違い をご覧ください。
赤み・熱感・全身症状などから感染が疑われる場合には、必要に応じて血液検査などを検討します。
感染や結晶性疾患の鑑別が必要な場合には、滑液包内の液体を採取し、細菌培養や結晶の確認などを行うことがあります。
一方、明らかな感染徴候がなく、慢性的な圧迫による非感染性の肘頭滑液包炎が考えられる場合には、必ずしも穿刺するわけではありません。
感染が疑われる場合には、液体を採取して検査することが診断に重要になる場合があります。
一方、明らかな非感染性・慢性的な圧迫による滑液包炎では、肘への圧迫を避けるなど保存的に経過を見ることがあります。
必要性の低い穿刺は、皮膚から細菌を持ち込んで感染を起こすリスクにつながるため、穿刺するかどうかは医師が判断します。
机や床など硬い場所へ腫れた肘を繰り返しつくと、滑液包への刺激が続きます。
可能な範囲で肘をつく時間を減らしましょう。
仕事などで避けにくい場合には、クッション性のある肘当てなどで直接的な圧迫を減らす方法もあります。
「本当に水がたまっているのか確認したい」と、何度も強く押したり揉んだりする必要はありません。
皮膚や滑液包への刺激を増やす可能性があるため、必要以上に触らないようにしましょう。
皮膚には細菌が存在するため、自分で針を刺すことで感染を起こす危険があります。
腫れが大きい場合でも、液体を抜く必要があるかどうかは医師が判断します。
最初は痛くなかった場合でも、
などの変化があれば、感染なども含めて医療機関へ相談してください。
あります。慢性的な圧迫などによる非感染性の肘頭滑液包炎では、肘の後ろが袋のように膨らんでいても痛みがほとんどなく、肘の曲げ伸ばしも比較的保たれる場合があります。
いいえ。典型的な見た目の一つですが、触った感触だけでは確定できません。外傷後の血腫や皮下の腫瘤など別の原因について確認することもあります。
小さな腫れで赤み・熱感・痛みがなく、肘への圧迫を減らすことで改善している場合には経過を見ることもあります。ただし、初めて大きく腫れた、原因が分からない、改善しない、大きくなる、繰り返す場合には痛みがなくても整形外科への相談をご検討ください。
必ず穿刺するわけではありません。感染が疑われる場合には検査のため液体を採取することがありますが、明らかな感染徴候がない慢性的な非感染性滑液包炎では、圧迫を避けるなど保存的に経過を見ることがあります。
赤み・熱感・圧痛・発熱は感染を疑う重要な手掛かりですが、すべてがそろうとは限りません。皮膚に傷がある、腫れが急速に悪化する、体調不良を伴う場合には医療機関へ相談してください。
肘の後ろがぷよぷよ膨らんでいても、痛みがなく、赤み・熱感などもない場合には緊急性が高くないことがあります。
一方、痛みの有無や見た目だけでは原因を判断できません。
初めて大きく腫れた、改善しない、大きくなっている、何度も繰り返す場合や、赤み・熱感などが出てきた場合には整形外科で状態を確認しましょう。
肘をぶつけた・転倒した直後から腫れている方は、 肘をぶつけて腫れた|曲げ伸ばしできても骨折? をご覧ください。
肘の外側が痛み、物を持つ・手首を動かすと痛む方は、 テニス肘(上腕骨外側上顆炎) をご覧ください。
肘の内側が痛み、手首を曲げる・ひねる動作で痛む方は、 ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) をご覧ください。
肘の症状を部位別に確認したい方は、 肘関節の痛み・障害 をご覧ください。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、肘の腫れ・違和感を一般整形外科の保険診療で診察しています。
「痛くないけれど肘だけ大きく腫れている」「肘頭滑液包の腫れなのか分からない」という段階でもご相談いただけます。
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