「一度閉じた骨端線を、もう一度開く方法はある?」「ジャンプやストレッチで骨端線は復活する?」「成長ホルモンを使えば、大人になってからでも身長は伸びる?」
身長の伸びが少なくなり、骨端線が閉じているのではないかと心配になる方もいるでしょう。
結論からいうと、一度完全に閉じた骨端線を再び開き、自然な骨の成長を再開させる方法は、現在の医学では確立されていません。
先に結論|骨端線は復活する?
完全に閉じた骨端線を、元の成長板に戻すことはできません。
ストレッチ・ジャンプ・サプリメント・成長ホルモン注射などで、閉鎖した骨端線を再び開く効果は確立されていません。ただし、「身長が伸びなくなった」「高校生になった」という理由だけでは、骨端線が完全に閉じたとは判断できません。
骨端線の成熟には個人差があり、同じ年齢でも、まだ骨の成長が続いている人と、骨の成熟がかなり進んでいる人がいます。
この記事では、骨端線が閉じる仕組みや再び開く方法の有無、成長ホルモンとの関係、骨端線の状態を調べる方法について解説します。
さらに、中学生・高校生のお子さまの身長が今後どのくらい伸びるのか、成長曲線や骨年齢などから考える方法も紹介します。
骨端線は、成長期の子どもの骨が長く伸びるために重要な組織です。
思春期が進んで骨の成熟が完了すると、骨端線にあった軟骨組織は骨へ置き換わり、長さ方向への成長が終了します。
正常な成長過程で完全に閉じた骨端線が、自然に再び開くことは通常ありません。
骨端線が完全に閉鎖した状態では、成長期に働いていた軟骨性の成長板が骨組織へと置き換わっています。
そのため、成長期と同じ仕組みで、骨が自然に長く伸びることは基本的にありません。
一方、「骨端線が閉じかけている状態」と「完全に閉じている状態」は異なります。
骨の成熟が進んでいても、成長板がまだ残っている場合には、その骨がさらに長く成長する余地が残っている可能性があります。
ただし、骨端線が残っていれば必ず何cmも伸びる、というわけではありません。残りの成長量は、骨の成熟状態や思春期の進行などによって異なります。
また、骨の部位によって成長板が成熟・閉鎖する時期には違いがあります。1か所の状態だけで、全身の骨の成長がすべて同じ段階にあるとは判断できません。
「閉じた」と思い込む前に確認したいこと
高校生になったことや、最近身長があまり伸びていないことだけで、骨端線の完全な閉鎖は判断できません。
今後の成長について考えるには、年齢だけでなく、骨年齢やこれまでの身長の伸び方などを確認することが重要です。
骨端線(こったんせん)とは、成長期の骨に存在する軟骨性の成長部分です。
医学的には「成長板(growth plate)」や「成長軟骨板」とも呼ばれ、主に腕や脚などの長い骨の端付近にあります。
成長期には、骨端線にある軟骨細胞の働きによって、骨が長さ方向に成長していきます。
1.軟骨細胞が増殖する
成長板にある軟骨細胞が増えていきます。
2.軟骨細胞が成熟する
増殖した軟骨細胞が大きくなり、成熟していきます。
3.軟骨が骨組織へ置き換わる
成熟した軟骨が、徐々に骨組織へ置き換わります。
4.骨が長さ方向に成長する
これらの過程によって、大腿骨や脛骨などの骨が長くなります。
骨端線の成熟・閉鎖には、思春期の進行や性ホルモンが深く関係しています。
思春期に入ると、身長の伸びが一時的に大きくなる「成長スパート」が起こります。
一方で、同じ時期に骨の成熟も進み、やがて骨端線が閉鎖して、身長の伸びは少なくなっていきます。
この過程では、男子・女子ともに、エストロゲンの作用が骨端線の成熟・閉鎖に重要な役割を果たします。
成長ホルモンやIGF-1、甲状腺ホルモン、性ホルモンなど、複数の要素が骨の成長に関係しています。
したがって、骨端線が閉じる理由を「年齢とともに成長ホルモンがなくなるから」とだけ説明するのは正確ではありません。成長ホルモンは成人後も分泌され、身体の代謝などに関わっています。
インターネットでは、「骨端線を開く方法」「骨端線を復活させる方法」として、運動や食事、サプリメントなどが紹介されることがあります。
しかし、成長期の健康を支えることと、完全に閉じた骨端線を再び開くことは別です。
ストレッチは筋肉の柔軟性を高めたり、身体を動かしやすくしたりするために役立つ場合があります。
しかし、ストレッチや鉄棒へのぶら下がりで、完全に閉じた骨端線が再び開くという根拠はありません。
姿勢が変わることで見た目の身長や測定値が変化する場合はありますが、骨そのものが長くなったことを意味するわけではありません。
ジャンプや縄跳びなどの運動は、身体活動や骨の健康のために役立ちます。
一方、バスケットボールやバレーボール、縄跳びなどを続けることで、完全に閉じた骨端線が再び開く効果は確認されていません。
運動によって健康な成長を支えることはできますが、特定の競技を続ければ最終身長が必ず高くなるというわけではありません。
カルシウムや亜鉛、タンパク質などは、身体の成長や骨の健康に必要な栄養素です。
栄養不足がある場合、不足している栄養素を適切に補うことは重要です。
しかし、カルシウムや亜鉛、アルギニンなどを多く取ることで、完全に閉じた骨端線が復活するという効果は確立されていません。
日本小児内分泌学会も、身長を伸ばす効果を宣伝するサプリメントなどについて、科学的な根拠を踏まえて判断するよう見解を公表しています。
成長ホルモンは、成長期の骨が長く伸びる仕組みに関わる重要なホルモンです。
成長ホルモン分泌不全性低身長症など、対象となる疾患では、医師の診断や治療基準に基づいて成長ホルモン治療が行われることがあります。
ただし、成長ホルモンは、完全に閉じた骨端線を再び開く薬ではありません。
成長ホルモンが分泌されていることと、骨が長さ方向に成長できる状態にあることは別です。
また、成長ホルモンを必要以上に使用すれば身長が伸びるというものではありません。治療の必要性は、疾患の有無や検査結果、骨の成熟状態などに基づいて医師が判断します。
骨や軟骨の再生に関する研究は進められていますが、正常な成長過程で完全に閉じた骨端線を再び開き、身長の自然な伸びを再開させる治療は、現時点で確立されていません。
研究段階の技術を、すでに一般的に受けられる治療と混同しないよう注意が必要です。
骨端線を復活させる方法について
ストレッチ・ジャンプ・サプリメント・成長ホルモンなどで、完全に閉じた骨端線を再び開く方法は確立されていません。
骨端線が完全に閉じたあとに、骨の長さを変える医療技術として「骨延長術」があります。
骨延長術は、骨を切り、専用の器具などを使用して少しずつ骨の長さを変えていく外科手術です。
ただし、骨延長術は、閉じた骨端線を再び開く手術ではありません。
通常の骨端線による自然な成長とは、仕組みが異なります。
また、骨延長術には感染、神経や血管への影響、関節の拘縮、骨の癒合に関する問題などのリスクがあり、長期的な治療やリハビリテーションが必要になります。
身長を伸ばしたいという理由だけで簡単に選べる方法ではありません。適応については、骨延長術を専門とする医療機関で個別に慎重な評価が必要です。
骨端線が閉じる時期は、性別や思春期の開始時期、骨の部位などによって異なります。
一般的に女子の方が男子より思春期が早く始まる傾向があり、骨の成熟も比較的早く進みます。
しかし、「女子は15歳、男子は17歳で必ず骨端線が閉じる」など、年齢だけで一律に判断することはできません。
中学生は、思春期の進行に個人差が大きい時期です。
成長スパートの最中にいる人もいれば、すでに成長のピークを過ぎ、骨の成熟が進んでいる人もいます。
そのため、同じ中学2年生でも骨端線の状態は異なります。
高校生でも、思春期の開始が比較的遅く、骨の成熟がゆっくり進んでいる場合には、成長板が残っていることがあります。
一方、高校生になる前から骨の成熟が進み、身長の伸びがかなり少なくなっている場合もあります。
女子の初潮や男子の声変わりは、思春期の進行を考えるための手がかりです。
ただし、初潮や声変わりがあった時点で、骨端線が必ず完全に閉鎖するわけではありません。
初潮後や声変わり後にも身長が伸びる場合がありますが、残りの伸び幅には個人差があります。
年齢・初潮・声変わり・靴のサイズだけでは、骨端線が完全に閉じたかどうかを確定できません。
「自分の骨端線が閉じたか知りたい」「まだ身長が伸びる可能性はある?」
そのような場合に参考になるのが、骨の成熟状態を調べる方法です。
成長期の骨端線は、レントゲン画像などで成熟状態を評価できます。
骨の成長が続いている段階では、成長板に軟骨性の部分が存在します。一方、骨の成熟が進むと、成長板の軟骨は徐々に骨へ置き換わっていきます。
ただし、画像に線が見えるかどうかだけを自己判断するのは適切ではありません。骨の成熟状態は、骨の種類や部位、周囲の骨の状態なども踏まえて評価します。
骨年齢とは、骨格がどの程度成熟しているかを、年齢に換算して評価する指標です。
小児の骨年齢の評価では、一般的に左手や手首のレントゲン画像が用いられます。
同じ14歳でも、骨年齢が実際の年齢に近い人と、骨の成熟が比較的ゆっくり進んでいる人では、今後の成長の見通しが異なる場合があります。
ただし、骨年齢だけで最終身長を確定したり、成長ホルモン治療の必要性を判断したりすることはできません。
手や手首のレントゲンを使った骨年齢の評価は、骨格全体の成熟度を考えるための重要な情報です。
ただし、手の骨年齢から、膝や足首など、全身のすべての骨端線の開閉を直接確認できるわけではありません。
必要な評価は、症状や相談目的に応じて医師が検討します。将来身長については、手の骨年齢だけでなく、成長曲線や思春期の進行状況なども合わせて考えます。
身長の伸びが少なくなったことや、身体つきの変化から、思春期の進行をある程度推測することはできます。
しかし、見た目や声変わり、初潮、靴のサイズなどから、骨端線が完全に閉じたかどうかを確定することはできません。
骨端線の確認で大切なこと
年齢や身体の変化だけで判断せず、必要に応じて成長曲線・骨年齢・骨端線の成熟状態などを合わせて評価することが重要です。
骨端線が残っていると分かると、「あと5cm伸びる?」「あと10cm伸ばせる?」と気になるかもしれません。
しかし、骨端線が開いているという情報だけでは、今後何cm身長が伸びるかは分かりません。
将来身長の目安を考える際には、これまでの成長記録や思春期の進行状況などを組み合わせる必要があります。
成長曲線は、子どもの身長や体重の推移を記録し、同年代の基準と比較するためのグラフです。
母子健康手帳や学校の健康診断結果などを使って、これまでの身長を確認できます。
現在の身長が平均より高いか低いかだけではなく、以前と比べて身長の伸びが鈍くなっていないか、成長曲線にどのような変化があるかを見ることが大切です。
年間成長速度とは、約1年間で身長が何cm伸びたかを示す指標です。
年間成長速度の計算例
1年前の身長:155.0cm
現在の身長:159.0cm
1年間の伸び
4.0cm/年
ただし、年間4cm伸びているから必ず正常、年間1cmだから必ず異常というわけではありません。
思春期前なのか、成長スパートの最中なのか、すでに骨の成熟が進んでいるのかによって意味が異なります。
過去2〜3年間の記録を比較すると、成長のペースがどのように変化しているか確認しやすくなります。
将来身長の目安を考えるためには、骨年齢や思春期の進み方、ご両親の身長なども参考になります。
例えば、同じ現在の身長でも、骨の成熟が比較的ゆっくり進んでいる場合と、成熟がかなり進んでいる場合では、残りの成長量が異なる可能性があります。
ただし、こうした情報を組み合わせても、将来身長はあくまで予測値であり、確定するものではありません。
「まだ伸びる?」を考えるための情報
成長曲線・年間成長速度・骨年齢・思春期の進行状況などを合わせて、お子さま自身の成長状態を確認しましょう。
骨端線が閉じたか気になっている方には、「病気によって身長が伸びていないのでは」という場合と、「今後あと何cm伸びるか知りたい」という場合があります。
相談する目的によって、適した医療機関や検査が異なります。
次のような場合は、小児科・小児内分泌科などで医学的な評価を受けることを検討しましょう。
身長が伸びにくい原因には、体質や遺伝のほか、成長ホルモンや甲状腺ホルモンに関係する病気、栄養状態、慢性疾患などが含まれます。
病気による成長障害が疑われる場合には、骨端線の確認や将来身長の予測だけでなく、原因を調べるための医療評価が優先されます。
一方、「中学生だけどまだ骨端線は残っている?」「高校生になっても伸びる可能性はある?」「骨の成熟状態を確認したい」という方もいるでしょう。
そうした場合には、成長曲線や骨年齢などを使って、今後の身長の目安を予測する方法があります。
相談先を選ぶ目安
成長障害の病気が心配:小児科・小児内分泌科などで診断・検査を相談する
骨年齢や将来身長の目安を知りたい:身長予測シミュレーションなどを検討する
まず当院の検査について相談したい:平日限定の小児低身長無料カウンセリングを利用する
「中学生・高校生でも、まだ身長は伸びる?」「骨端線が閉じているのか気になる」「将来何cmくらいになるか知りたい」
そのような方には、当院の身長予測シミュレーションという選択肢があります。
SBC整形外科クリニックでは、6歳(小学1年生)〜18歳のお子さまを対象に、現在の身長、ご両親の身長、これまでの成長記録、手のレントゲンによる骨年齢などを参考にした身長予測を行っています。
成長曲線・年間成長速度
過去の身長記録から、お子さま自身の成長のペースを確認します。
骨年齢・骨の成熟状態
手のレントゲン画像などを参考に、骨格がどの程度成熟しているかを評価します。
将来身長の予測
現在の身長やご両親の身長、成長曲線、骨年齢などを参考に、将来身長の目安を説明します。
身長予測シミュレーション
料金(税込)
15,270円
対象年齢
6歳(小学1年生)〜18歳
想定所要時間
約30分
予約方法
完全予約制
実施院
西新宿本院・横浜駅前院
母子健康手帳や学校の健康診断結果など、過去の身長の記録が分かるものをご持参ください。
身長予測シミュレーションは自由診療です。骨年齢などから将来身長の目安を予測するものであり、最終身長を保証するものではありません。
また、病的な低身長の確定診断や、成長ホルモン治療の適応判定を目的とした専門的な検査とは異なります。
骨端線はまだ残っている?あと何cm伸びる?
年齢や声変わりだけでは分からない、お子さま自身の成長曲線と骨年齢を確認してみませんか。
6〜18歳対象 / 15,270円(税込) / 完全予約制
「身長予測シミュレーションを受けるか迷っている」「当院で確認できることを、まずは聞いてみたい」という方には、小児低身長の無料カウンセリングもご案内しています。
小児低身長 無料カウンセリング
料金:無料
実施日:平日限定
お子さまの身長の悩みや、当院の身長予測シミュレーションなど、自由診療の内容についてご相談いただけます。
小児低身長の無料カウンセリングを予約する →無料カウンセリングでは、レントゲン・採血などの検査は行いません。成長障害の確定診断を目的とするものではありません。
18歳という年齢だけで、一律に判断することはできません。思春期の開始時期や骨の部位によって成熟状態が異なります。必要に応じて骨年齢などを評価します。
いいえ。成長ホルモンは成長期の骨の成長に関わりますが、完全に閉鎖した骨端線を再び開く薬ではありません。成長ホルモン治療の適否は、病気の有無や検査結果などを踏まえて医師が判断します。
姿勢や測定条件の変化などによって、身長の測定値が変わる場合があります。ストレッチによって、完全に閉鎖した骨端線が再び開いたことを意味するわけではありません。
骨端線が残っていても、残りの成長期間や伸び幅には個人差があります。骨年齢、成長曲線、年間成長速度、思春期の進み方なども参考にする必要があります。
医療機関では、必要に応じてレントゲンなどから骨の成熟状態を評価します。当院の身長予測シミュレーションでは、6歳(小学1年生)〜18歳を対象に、成長曲線や骨年齢などを参考に将来身長の目安を予測しています。
骨端線は、成長期の子どもの骨が長さ方向に成長するための重要な組織です。
骨の成熟が進んで骨端線が完全に閉鎖すると、その骨が自然に長く伸びる成長は基本的に終了します。
「閉じた骨端線をもう一度開く方法」を探す前に、現在の骨の成熟状態や、これまでの身長の伸び方を確認することが重要です。
成長障害の病気が心配な場合には、小児科・小児内分泌科などでの医学的な評価を検討しましょう。
一方、新宿・西新宿や横浜周辺で、お子さまの骨年齢や将来身長の目安を知りたい方は、当院の身長予測シミュレーションも選択肢となります。
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SBCメディカルグループ 整形外科エリア統括
SBC整形外科クリニック 西新宿本院 院長
沼倉 裕堅 医師
東北大学医学部医学科卒業。救急科・整形外科などで診療経験を積み、現在はSBC整形外科クリニック西新宿本院の院長として、一般整形外科や小児低身長に関する診療に携わっています。
日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会、日本小児内分泌学会、日本成長学会などに所属しています。
お子さまの成長曲線や骨年齢、将来身長に関する情報発信にも取り組んでいます。
沼倉 裕堅医師のプロフィールを見る →SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、お子さまの成長記録や骨の成熟状態などを参考に、将来身長の目安を予測する身長予測シミュレーションをご案内しています。
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