若い人の膝のお皿周りが痛い|長時間座ったあと立つと痛む原因と受診目安 | SBC整形外科クリニック

若い人の膝のお皿周りが痛い|長時間座ったあと立つと痛む原因と受診目安

「若いのに膝のお皿周りが痛い」「授業やデスクワーク、映画などで長く座ったあと、立ち上がると膝の前側が痛む」と気になっていませんか。

若い人の膝前面痛では、変形性膝関節症だけでなく、膝蓋大腿部痛、膝蓋腱周囲の障害、成長期のオスグッド病などを症状に応じて確認します。

先に結論

お皿の周囲・奥が痛み、長時間座位・階段・スクワットなどでも症状が出る場合は、膝蓋大腿部痛が鑑別の一つになります。

ただし、「長く座ったあとに痛い」という症状だけでは診断できません。お皿のすぐ下へ局所的に痛みが出る場合は膝蓋腱など、成長期でさらに下の骨の出っ張りが痛む場合はオスグッド病など、痛む位置と症状が出る動作を分けて確認します。

まず、痛む位置に近いものを確認

※痛む位置や動作は原因を考える手掛かりですが、それだけで病名を自己判断することはできません。

「膝のお皿周り」のどこが痛い?

若い人の膝前面痛では、痛みの中心がどこにあるかを整理すると診察の手掛かりになります。

AREA 01
膝蓋骨の周囲・奥

膝蓋大腿部などを確認します。

AREA 02
膝蓋骨の下端〜そのすぐ下

膝蓋腱などを確認します。成長期では膝蓋骨下端の成長部に関係する障害も鑑別します。

AREA 03
さらに下のすね側の骨の出っ張り

成長期ではオスグッド病などを確認します。

若い=放置してよい、ではありません

若い人の膝痛にはスポーツや成長期に関連するものもあります。「若いから問題ない」「成長痛だから仕方ない」と決めつけず、症状を繰り返す、以前より悪化する、学校・仕事・スポーツに影響している場合は整形外科で相談できます。

若い人で長時間座ったあと膝が痛む主な原因

お皿の周囲・奥が痛い|膝蓋大腿部痛

膝蓋大腿部痛は、膝蓋骨、いわゆる「膝のお皿」の周囲や奥に感じる前方膝痛です。思春期から若年成人を含む幅広い年代でみられます。

手掛かりになるのは、長時間座位だけではなく、膝を曲げた状態で負荷が加わる複数の動作でも同じ場所に痛みが出るかという点です。

  • 授業・デスクワーク・映画などで長く膝を曲げていると痛む
  • 座ったあと立つとお皿周辺が痛む
  • 階段で痛む
  • スクワット・しゃがみ込みで痛む
  • ランニング・ジャンプでも前側が痛む
  • 痛む場所を一点では示しにくいことがある

「長く座ったあと痛い」だけでは診断できません

長時間膝を曲げた姿勢で痛むことは膝蓋大腿部痛の特徴の一つですが、痛む位置、階段・スクワットなどでの症状、診察所見を合わせ、ほかの膝前面痛を除外しながら評価します。

また、「座っていたから血流が悪くなった」「若いのに軟骨がすり減った」など、一つの理由だけで症状を説明することもできません。

スクワット・しゃがみ込みでも膝の前側が痛む方はこちら →

お皿のすぐ下がピンポイントで痛い|膝蓋腱障害など

痛みがお皿の周囲全体ではなく、膝蓋骨の下端からその下にある膝蓋腱へ限局している場合には、膝蓋腱周囲の障害を確認します。

膝蓋腱障害では、膝蓋腱に負荷が加わる活動に伴う局所痛が特徴で、ジャンプや着地、ダッシュなどを繰り返すスポーツでみられることがあります。

たとえば、

  • お皿のすぐ下に限局して痛む
  • ジャンプ・着地で痛む
  • ダッシュ・切り返しで痛む
  • スクワットで同じ場所が痛む
  • ジャンプ競技などの運動量が多い

「若くてスポーツをしている=膝蓋腱障害」とは限りません。長時間座位後のお皿周囲痛が中心なのか、運動時のお皿直下の局所痛が中心なのかを分けて確認します。

ジャンプ・ランニングなどスポーツによる膝痛について見る →

成長期でお皿の下側が痛い|オスグッド病など

小学生高学年〜中高生などの成長期では、成人と同じ原因だけではなく、成長部に関係する膝痛も確認します。

すね側の骨の出っ張りが痛い|オスグッド病

オスグッド病では、お皿より下にある脛骨粗面という骨の出っ張りに痛みや圧痛が生じます。

  • 成長期でスポーツをしている
  • 脛骨粗面が痛い
  • 走る・跳ぶ・蹴ると痛む
  • その場所を押すと痛い
  • 骨の出っ張りが目立つことがある

オスグッド病の症状・原因・治療について詳しく見る →

膝蓋骨の下端が痛む場合

成長期で痛みの中心が脛骨粗面ではなく、膝蓋骨の下端にある場合には、Sinding-Larsen-Johansson病など成長期にみられる膝蓋骨下端の障害も鑑別します。

位置が近いため、「膝蓋腱炎」「オスグッド」と自己判断せず、実際にどこが痛むのかを診察で確認します。

お皿が外れた・ずれる感じがある|膝蓋骨不安定性など

若い人の膝前面痛では、膝蓋骨の不安定性について確認する場合もあります。

  • 過去に膝のお皿が外れたことがある
  • お皿が外側へずれるように感じる
  • 急な方向転換で不安感がある
  • 膝がガクッとする

膝蓋骨脱臼などを含む膝の疾患一覧を見る →

「長時間座ったあと」以外にどの動作で痛む?

階段でもお皿周辺が痛い
膝蓋大腿部などを確認します。
スクワットでもお皿周辺が痛い
膝蓋大腿部、膝蓋腱などを症状に応じて確認します。
ジャンプ・着地でお皿直下が痛い
膝蓋腱などを確認します。
成長期で脛骨粗面が痛い
オスグッド病などを確認します。
腫れ・引っかかり・可動域低下がある
膝前面の症状だけに限定せず、関節内部なども含めて評価します。

若い人でも整形外科を受診した方がいい?

一度だけ軽く痛み、その後改善し、学校・仕事・運動に支障がない場合には、症状を誘発する運動量や姿勢を調整しながら経過をみられることがあります。

一方、次のような場合は年齢にかかわらず整形外科で相談できます。

長時間座るたびにお皿周辺が痛む
以前より軽い運動でも痛くなった
階段・スクワット・ランニングにも症状が広がった
学校・仕事・部活動などに支障がある
膝が腫れる・引っかかる・曲げ伸ばししにくい
お皿がずれる感じ・不安定感がある

急な強い痛み・腫れがある場合

スポーツ中に膝をひねった、着地した直後から急に痛くなったなど明確な外傷がある場合は、慢性的な膝蓋大腿部痛とは分けて考えます。

速やかな医療評価を考えたい症状

  • 外傷後に膝が急に大きく腫れた
  • 膝蓋骨が外れた・明らかに位置がおかしい
  • 強い痛みでほとんど体重をかけられない
  • 膝が赤く熱をもち、発熱や強い体調不良がある
  • 安静にしていても強い痛みが続く、原因不明の全身症状を伴う

「若いから様子見」でなく、繰り返す膝痛は相談できます

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、若い方の膝痛やスポーツによる膝症状も一般整形外科の保険診療で診察しています。

「膝蓋大腿部痛なのか、膝蓋腱なのか分からない」という段階で病名を決める必要はありません。痛む位置、長時間座位・階段・スクワット・スポーツとの関係、腫れや可動域などを確認し、診察結果に応じて必要な検査・治療を検討します。

一般整形外科・保険診療

※18歳未満の方は、受診時に親権者の同伴が必要です。

西新宿本院|膝の痛みをWeb予約 横浜駅前院|膝の痛みをWeb予約

長時間座ったあと膝が痛いときの対処

一時的な軽い症状で改善傾向にある場合には、痛みを強く誘発する運動量や姿勢を調整します。

長時間座位で症状が出る場合は、可能な環境であれば痛みが強くなるまで同じ姿勢を続けず、適宜姿勢を変える方法があります。

「筋力不足だから」と急にスクワットを増やさない

膝蓋大腿部痛では運動療法が治療の中心になることがありますが、痛みの強さや現在の運動量に合わせた調整が必要です。原因が分からない状態で、痛みを我慢しながら深いスクワットやジャンプを増やす必要はありません。

また、原因を確認するために膝蓋骨を強く押す、何度も動かす、痛む動作を繰り返すといったセルフテストも必要ありません。

整形外科では何を確認する?

痛む場所と症状が出る動作

お皿の周囲・奥なのか、お皿の下端なのか、膝蓋腱なのか、脛骨粗面なのかを確認します。

長時間座位だけでなく、階段・スクワット・ランニング・ジャンプ・方向転換などで症状がどう変化するかも重要です。

可動域・腫れ・膝蓋骨の安定性など

膝を十分に曲げ伸ばしできるか、関節液がたまっていないか、局所的な圧痛がないか、膝蓋骨の不安定性がないかなどを症状に応じて確認します。

画像検査は全員に必要とは限りません

典型的な膝蓋大腿部痛では、症状と診察所見を中心に評価します。すべての方へ最初からX線・MRIを行うわけではありません。

一方、外傷がある、骨の特定部位に強い痛みがある、成長期特有の障害を確認する必要がある、症状や診察所見から別の疾患が疑われる場合などには、診察結果に応じて画像検査を検討します。

SBC整形外科クリニックのX線撮影設備
必要性がある場合には、X線検査で膝蓋骨や膝関節、成長期では痛む骨の状態などを確認します。

さらに詳しい画像評価が必要と医師が判断した場合にはMRIなどを検討し、院内で対応できない検査については必要に応じて対応可能な医療機関への紹介を検討します。

治療・リハビリは「とにかく筋トレ」ではありません

膝蓋大腿部痛では、症状の強さ、現在の運動量、困っている動作などを踏まえて治療を組み立てます。

運動療法では膝周囲だけを一律に鍛えるのではなく、症状に応じて膝や股関節周囲の筋機能、日常動作・スポーツ動作、現在の負荷量などを確認しながら進めます。

膝蓋腱障害やオスグッド病などでは対応が異なるため、痛む位置や運動歴を確認したうえで活動量の調整や治療を検討します。

また、すべての若年者の膝痛にリハビリテーションが必要なわけではありません。

SBC整形外科クリニックのリハビリテーションについて見る →

若い人のお皿周りの膝痛|よくある質問

長時間座ったあと膝が痛ければ膝蓋大腿部痛ですか?

長時間膝を曲げた姿勢で痛むことは膝蓋大腿部痛の特徴の一つですが、その症状だけでは診断できません。お皿の周囲・奥に痛みがあるか、階段やスクワットなどでも症状が出るか、ほかの膝前面痛を示す所見がないかを確認します。

座っている間より立ち上がった瞬間の方が痛いことはありますか?

あります。膝を曲げた姿勢を続けたあと、立ち上がる際には膝へ荷重が加わります。ただし、この症状だけでは原因を特定できないため、階段やスクワットなどほかの動作も確認します。

若いのに膝が痛いのは運動不足ですか?

運動量や筋機能が症状に関係する場合はありますが、運動不足だけで説明できません。反対に、スポーツ量やトレーニング量が急に増えたあとに症状が出る場合もあります。

お皿のすぐ下が痛い場合も膝蓋大腿部痛ですか?

痛みがお皿の周囲・奥ではなく、膝蓋骨下端や膝蓋腱へ局所的に出ている場合には、膝蓋腱障害など別の原因を確認します。成長期では膝蓋骨下端に生じる障害も鑑別します。

膝がポキポキ鳴るのは問題ですか?

音だけで病気を判断することはできません。痛み、腫れ、引っかかり、可動域低下、不安定感などを伴うかを合わせて確認します。

若ければ自然に治りますか?

年齢だけでは予後を判断できません。一時的な軽い症状が改善することもありますが、膝蓋大腿部痛などでは症状が続いたり繰り返したりする場合があります。学校・仕事・スポーツに影響している場合は状態を確認してください。

まとめ|若い人のお皿周りの痛みは「場所+動作」で考える

  • お皿の周囲・奥+長時間座位・階段・スクワット痛では膝蓋大腿部などを確認する
  • お皿のすぐ下の局所痛では膝蓋腱などを確認する
  • 成長期ではオスグッド病など成長部に関係する障害も確認する
  • 長時間座ったあと痛むという症状だけでは病名は決まらない
  • 反復・悪化・学校やスポーツへの影響がある場合は整形外科で相談できる

「若いから問題ない」「筋力不足だから鍛えればよい」と決めつけず、痛む位置と長時間座位・階段・スクワット・スポーツとの関係を整理することが重要です。

参考情報

監修医師|沼倉 裕堅 医師

SBC整形外科クリニック 西新宿本院
院長 沼倉 裕堅 医師

所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会

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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。「若い」「膝のお皿周りが痛い」「長時間座ったあとに痛む」という症状だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査・治療は年齢、運動歴、痛む位置、症状の経過、診察所見などに応じて医師が判断します。

監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
整形外科部門統括医師
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本成長学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院