「若いのに膝のお皿周りが痛い」「授業やデスクワーク、映画などで長く座ったあと、立ち上がると膝の前側が痛む」と気になっていませんか。
若い人の膝前面痛では、変形性膝関節症だけでなく、膝蓋大腿部痛、膝蓋腱周囲の障害、成長期のオスグッド病などを症状に応じて確認します。
先に結論
お皿の周囲・奥が痛み、長時間座位・階段・スクワットなどでも症状が出る場合は、膝蓋大腿部痛が鑑別の一つになります。
ただし、「長く座ったあとに痛い」という症状だけでは診断できません。お皿のすぐ下へ局所的に痛みが出る場合は膝蓋腱など、成長期でさらに下の骨の出っ張りが痛む場合はオスグッド病など、痛む位置と症状が出る動作を分けて確認します。
まず、痛む位置に近いものを確認
※痛む位置や動作は原因を考える手掛かりですが、それだけで病名を自己判断することはできません。
若い人の膝前面痛では、痛みの中心がどこにあるかを整理すると診察の手掛かりになります。
膝蓋大腿部などを確認します。
膝蓋腱などを確認します。成長期では膝蓋骨下端の成長部に関係する障害も鑑別します。
成長期ではオスグッド病などを確認します。
若い=放置してよい、ではありません
若い人の膝痛にはスポーツや成長期に関連するものもあります。「若いから問題ない」「成長痛だから仕方ない」と決めつけず、症状を繰り返す、以前より悪化する、学校・仕事・スポーツに影響している場合は整形外科で相談できます。
膝蓋大腿部痛は、膝蓋骨、いわゆる「膝のお皿」の周囲や奥に感じる前方膝痛です。思春期から若年成人を含む幅広い年代でみられます。
手掛かりになるのは、長時間座位だけではなく、膝を曲げた状態で負荷が加わる複数の動作でも同じ場所に痛みが出るかという点です。
「長く座ったあと痛い」だけでは診断できません
長時間膝を曲げた姿勢で痛むことは膝蓋大腿部痛の特徴の一つですが、痛む位置、階段・スクワットなどでの症状、診察所見を合わせ、ほかの膝前面痛を除外しながら評価します。
また、「座っていたから血流が悪くなった」「若いのに軟骨がすり減った」など、一つの理由だけで症状を説明することもできません。
痛みがお皿の周囲全体ではなく、膝蓋骨の下端からその下にある膝蓋腱へ限局している場合には、膝蓋腱周囲の障害を確認します。
膝蓋腱障害では、膝蓋腱に負荷が加わる活動に伴う局所痛が特徴で、ジャンプや着地、ダッシュなどを繰り返すスポーツでみられることがあります。
たとえば、
「若くてスポーツをしている=膝蓋腱障害」とは限りません。長時間座位後のお皿周囲痛が中心なのか、運動時のお皿直下の局所痛が中心なのかを分けて確認します。
小学生高学年〜中高生などの成長期では、成人と同じ原因だけではなく、成長部に関係する膝痛も確認します。
オスグッド病では、お皿より下にある脛骨粗面という骨の出っ張りに痛みや圧痛が生じます。
成長期で痛みの中心が脛骨粗面ではなく、膝蓋骨の下端にある場合には、Sinding-Larsen-Johansson病など成長期にみられる膝蓋骨下端の障害も鑑別します。
位置が近いため、「膝蓋腱炎」「オスグッド」と自己判断せず、実際にどこが痛むのかを診察で確認します。
若い人の膝前面痛では、膝蓋骨の不安定性について確認する場合もあります。
一度だけ軽く痛み、その後改善し、学校・仕事・運動に支障がない場合には、症状を誘発する運動量や姿勢を調整しながら経過をみられることがあります。
一方、次のような場合は年齢にかかわらず整形外科で相談できます。
スポーツ中に膝をひねった、着地した直後から急に痛くなったなど明確な外傷がある場合は、慢性的な膝蓋大腿部痛とは分けて考えます。
速やかな医療評価を考えたい症状
「若いから様子見」でなく、繰り返す膝痛は相談できます
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、若い方の膝痛やスポーツによる膝症状も一般整形外科の保険診療で診察しています。
「膝蓋大腿部痛なのか、膝蓋腱なのか分からない」という段階で病名を決める必要はありません。痛む位置、長時間座位・階段・スクワット・スポーツとの関係、腫れや可動域などを確認し、診察結果に応じて必要な検査・治療を検討します。
※18歳未満の方は、受診時に親権者の同伴が必要です。
西新宿本院|膝の痛みをWeb予約 横浜駅前院|膝の痛みをWeb予約一時的な軽い症状で改善傾向にある場合には、痛みを強く誘発する運動量や姿勢を調整します。
長時間座位で症状が出る場合は、可能な環境であれば痛みが強くなるまで同じ姿勢を続けず、適宜姿勢を変える方法があります。
「筋力不足だから」と急にスクワットを増やさない
膝蓋大腿部痛では運動療法が治療の中心になることがありますが、痛みの強さや現在の運動量に合わせた調整が必要です。原因が分からない状態で、痛みを我慢しながら深いスクワットやジャンプを増やす必要はありません。
また、原因を確認するために膝蓋骨を強く押す、何度も動かす、痛む動作を繰り返すといったセルフテストも必要ありません。
お皿の周囲・奥なのか、お皿の下端なのか、膝蓋腱なのか、脛骨粗面なのかを確認します。
長時間座位だけでなく、階段・スクワット・ランニング・ジャンプ・方向転換などで症状がどう変化するかも重要です。
膝を十分に曲げ伸ばしできるか、関節液がたまっていないか、局所的な圧痛がないか、膝蓋骨の不安定性がないかなどを症状に応じて確認します。
典型的な膝蓋大腿部痛では、症状と診察所見を中心に評価します。すべての方へ最初からX線・MRIを行うわけではありません。
一方、外傷がある、骨の特定部位に強い痛みがある、成長期特有の障害を確認する必要がある、症状や診察所見から別の疾患が疑われる場合などには、診察結果に応じて画像検査を検討します。
さらに詳しい画像評価が必要と医師が判断した場合にはMRIなどを検討し、院内で対応できない検査については必要に応じて対応可能な医療機関への紹介を検討します。
膝蓋大腿部痛では、症状の強さ、現在の運動量、困っている動作などを踏まえて治療を組み立てます。
運動療法では膝周囲だけを一律に鍛えるのではなく、症状に応じて膝や股関節周囲の筋機能、日常動作・スポーツ動作、現在の負荷量などを確認しながら進めます。
膝蓋腱障害やオスグッド病などでは対応が異なるため、痛む位置や運動歴を確認したうえで活動量の調整や治療を検討します。
また、すべての若年者の膝痛にリハビリテーションが必要なわけではありません。
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長時間膝を曲げた姿勢で痛むことは膝蓋大腿部痛の特徴の一つですが、その症状だけでは診断できません。お皿の周囲・奥に痛みがあるか、階段やスクワットなどでも症状が出るか、ほかの膝前面痛を示す所見がないかを確認します。
あります。膝を曲げた姿勢を続けたあと、立ち上がる際には膝へ荷重が加わります。ただし、この症状だけでは原因を特定できないため、階段やスクワットなどほかの動作も確認します。
運動量や筋機能が症状に関係する場合はありますが、運動不足だけで説明できません。反対に、スポーツ量やトレーニング量が急に増えたあとに症状が出る場合もあります。
痛みがお皿の周囲・奥ではなく、膝蓋骨下端や膝蓋腱へ局所的に出ている場合には、膝蓋腱障害など別の原因を確認します。成長期では膝蓋骨下端に生じる障害も鑑別します。
音だけで病気を判断することはできません。痛み、腫れ、引っかかり、可動域低下、不安定感などを伴うかを合わせて確認します。
年齢だけでは予後を判断できません。一時的な軽い症状が改善することもありますが、膝蓋大腿部痛などでは症状が続いたり繰り返したりする場合があります。学校・仕事・スポーツに影響している場合は状態を確認してください。
「若いから問題ない」「筋力不足だから鍛えればよい」と決めつけず、痛む位置と長時間座位・階段・スクワット・スポーツとの関係を整理することが重要です。
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
院長 沼倉 裕堅 医師
所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会
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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。「若い」「膝のお皿周りが痛い」「長時間座ったあとに痛む」という症状だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査・治療は年齢、運動歴、痛む位置、症状の経過、診察所見などに応じて医師が判断します。