10代・20代から腰痛が長引く|レントゲンで見つかる「腰仙移行椎」とは? | SBC整形外科クリニック

10代・20代から腰痛が長引く|レントゲンで見つかる「腰仙移行椎」とは?

「10代の頃から腰痛を繰り返している」
「20代なのに、何年も腰の同じ場所が痛い」

若い年代で腰痛が続くと、「姿勢が悪いから」「筋肉が硬いだけ」と考えてしまうことがあります。

しかし、10代・20代の腰痛にもさまざまな原因があります。

そのなかで、画像検査を行った際に見つかることがあるのが、腰椎と仙骨の境目に生まれつきの形態差がある「腰仙移行椎(ようせんいこうつい:LSTV)」です。

先に結論|腰仙移行椎が見つかっても、それだけで腰痛の原因とは判断できません

腰仙移行椎は、腰椎と仙骨の境目にみられる先天的な解剖学的変異です。

レントゲンなどの画像で見つかることがありますが、腰仙移行椎があっても腰痛のない方はいます。

そのため、「骨の形が一般的と違う=腰痛の原因」と画像だけで判断することはできません。

痛みが始まった年齢、スポーツ歴、痛む場所・動作、脚のしびれなどを確認し、腰仙移行椎以外の原因も含めて評価します。

整形外科で一度確認したい目安
  • 3か月以上腰痛が続いている
  • 10代のスポーツ時代から同じ痛みを繰り返す
  • お尻・脚まで症状が広がる
  • 学校・仕事・スポーツに支障がある

若い頃から続く腰痛を一度相談したい方はこちら →

腰仙移行椎とは?腰椎と仙骨の境目にみられる生まれつきの形態差

背骨の腰の部分を構成する腰椎は一般的には5個あり、その下に仙骨があります。

腰椎と仙骨周辺の位置を示した図
腰仙移行椎は、腰椎とその下にある仙骨との境目にみられる形態の違いです。

腰仙移行椎は、この腰椎と仙骨の境界部分が一般的な形とは異なる先天的な解剖学的変異です。

例えば、一番下の腰椎にある「横突起」という骨の部分が通常より大きくなり、仙骨や骨盤側の骨と接したり、関節のようにつながったり、骨性に癒合したりする形があります。

左右両側にみられる場合もあれば、片側だけにみられる場合もあります。

「仙骨化」「腰椎化」とは?

腰仙部の形態差を説明するときには、

  • 一番下の腰椎が仙骨側へ移行したような形になる「仙骨化」
  • 仙骨の一番上の部分が腰椎に近い形態を示す「腰椎化」

という言葉が使われます。

ただし腰仙移行椎にはさまざまな形があり、単純に「腰椎が1個多い・少ない」とだけ説明できるものではありません。

また、腰仙移行椎がある場合は、画像上で「どこを第5腰椎と数えるか」が分かりにくくなるケースがあります。

腰仙移行椎は「病気が見つかった」という意味ではありません

腰仙移行椎は、腰痛がない方にもみられる解剖学的なバリエーションです。

別の理由でレントゲンなどの画像検査を受け、偶然見つかることもあります。

腰仙移行椎とBertolotti症候群は同じではありません

腰仙移行椎について調べると、Bertolotti(ベルトロッティ)症候群という言葉を目にすることがあります。

この2つは同じ意味ではありません。

腰仙移行椎(LSTV)
腰椎と仙骨との境目にみられる形態上の違いです。症状がない方にもみられます。
Bertolotti症候群
腰仙移行椎があり、ほかの腰痛原因も含めて評価したうえで、その形態が腰痛などの症状に関係していると臨床的に考えられる状態を指します。

腰仙移行椎が痛みに関係する場合には、

  • 移行椎と仙骨・骨盤との接続部分
  • 反対側の関節
  • 移行椎より上の椎間板・関節
  • 神経が通る部分

など、複数の場所が症状に関係する可能性があります。

そのため、レントゲンで腰仙移行椎が見つかっただけでBertolotti症候群と判断することはできません。

腰仙移行椎はレントゲンで分かる?

腰仙移行椎は、腰椎・骨盤周辺のX線(レントゲン)画像で確認できることがあります。

レントゲンでは主に、

  • 腰仙部の骨の形
  • 横突起の大きさ
  • 仙骨・骨盤との接触や骨性のつながり
  • 脊椎の配列

など、骨の形態を確認する手掛かりになります。

SBC整形外科クリニックのレントゲン検査設備
SBC整形外科クリニックのレントゲン検査設備。画像検査の必要性や撮影部位は、症状・診察結果から医師が判断します。
レントゲンで腰仙移行椎が見つかっても、腰痛の原因が確定したわけではありません

画像で骨の形を確認することと、「その骨の形が現在の痛みを生じさせている」と判断することは別です。

痛む場所、痛みが出る動作、これまでの経過などと画像所見を合わせて評価します。

10代・20代の腰痛すべてでレントゲンを撮るわけではありません

腰痛が長引いているという理由だけで、すべての方に同じ画像検査を行うわけではありません。

診察では、

  • いつから痛むか
  • スポーツ歴があるか
  • どの動作で痛むか
  • 背骨の形や左右差
  • 脚のしびれ・筋力低下がないか
  • 外傷や全身症状がないか

などを確認し、骨の評価が診療方針に役立つと考えられる場合にレントゲンを検討します。

「とりあえずレントゲンだけ撮りたい」という方は、 新宿でレントゲンが撮れる整形外科|レントゲンで分かること・受診方法 も参考にしてください。

CT|骨の形をさらに詳しく確認

腰仙部の骨性形態や接続部分をより詳しく確認する必要がある場合には、CTが役立つことがあります。

ただしCTには放射線被ばくがあるため、腰仙移行椎を確認する目的だけで全員に最初から行う検査ではありません。

MRI|椎間板・神経などを確認

MRIは骨の形だけではなく、

  • 椎間板
  • 神経
  • 脊柱管
  • その他の軟部組織

などを評価する際に役立ちます。

特に、お尻から脚へ痛みやしびれが広がるなど、腰から出る神経への影響が疑われる場合にはMRIなどの追加検査を検討することがあります。

一方で、腰仙移行椎があると椎体番号の判断が難しい場合もあり、画像は必要に応じて総合的に評価します。

10代・20代の長引く腰痛|腰仙移行椎以外に確認したい原因

若い年代で腰痛が続く場合に重要なのは、「若いから筋肉痛」「腰仙移行椎が見つかったからそれが原因」のどちらにも決めつけないことです。

成長期にスポーツをしていた|腰椎分離症

10代から続く腰痛で重要な原因の一つが、腰椎分離症です。

腰椎分離症は、多くの場合、成長期にスポーツなどで腰を繰り返し反らす・ひねることで腰椎後方へ負荷が加わり、疲労骨折が生じる病気です。

腰仙移行椎のような先天的な形態差とは、基本的に異なる病態です。

中学生・高校生の頃に競技スポーツをしていた
腰椎分離症など、成長期の反復負荷に関連する病気も確認します。
腰を反らす・ひねると痛かった
「若い頃から腰痛」という情報だけでなく、どの動作で症状が出ていたかが重要です。

腰椎分離症について詳しくは、 腰椎分離症の主な症状・検査・治療 をご覧ください。

お尻・脚まで痛みやしびれがある|椎間板・神経の問題

腰痛だけでなく、

  • お尻から脚まで痛む
  • 足先までしびれる
  • 脚の感覚が鈍い
  • 脚に力が入りにくい

といった症状がある場合には、腰椎椎間板ヘルニアなど、腰から出る神経への影響についても確認します。

腰椎椎間板ヘルニアと神経への影響を示すイメージ
お尻から脚へ痛み・しびれが広がる場合は、腰から出る神経への影響についても確認します。

腰椎椎間板ヘルニアについては、 腰椎椎間板ヘルニアの症状・検査・治療 をご覧ください。

朝のこわばりが強く、動くと楽になる|炎症性の腰痛

若年者で長期間続く腰痛では、骨の形だけでなく炎症性の腰痛について確認することがあります。

例えば、

  • 若い頃から腰・お尻の痛みを繰り返す
  • 朝のこわばりが強い
  • 安静にするより身体を動かすと楽になる
  • 夜間から明け方に痛む
  • 腰以外の関節にも症状がある

場合には、強直性脊椎炎などを含む体軸性脊椎関節炎も鑑別になります。

詳しくは、 強直性脊椎炎 をご覧ください。

肩・腰の高さなど左右差がある|側弯症

肩の高さ、肩甲骨の出方、腰の高さなどに左右差がある場合には、脊柱の配列についても確認します。

側弯症があるから必ず腰痛になるわけではありませんが、明らかな左右差や背骨の曲がりが疑われる場合には診察・レントゲン評価を行うことがあります。

詳しくは、 側弯症 をご覧ください。

腰痛全般の原因について確認したい方は、 腰痛の原因と治療・対処法 をご覧ください。

10代・20代から腰痛が長引く|整形外科を受診する目安

若い年代でも、腰痛が長期間続く・何度も繰り返す場合は、年齢だけを理由に放置せず一度整形外科で相談する選択肢があります。

一度整形外科で確認したいケース
  • 腰痛が3か月以上続いている
  • 良くなっても同じ腰痛を繰り返す
  • 10代のスポーツ時代から症状が続いている
  • 特定の動作でいつも同じ場所が痛む
  • お尻・脚まで痛みやしびれが広がる
  • 学校・仕事・スポーツ・睡眠に支障がある
通常の外来予約を待たず、速やかな医療評価を考える症状
  • 脚の力が急速に入りにくくなった
  • 新しく尿が出にくい・尿や便を漏らすなどの変化が出た
  • 股・陰部周辺の感覚が低下している
  • 発熱や強い全身状態の悪化を伴う
  • 大きな事故・転落などのあとから強く痛む

特に強い腰痛・脚症状に、新たな排尿・排便機能の異常や会陰部の感覚異常を伴う場合は、通常の外来予約を待たず救急医療機関などへ速やかに相談してください。

「若い頃から続く腰痛の原因を、一度整理したい」という方へ

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、長引く腰痛を一般整形外科の保険診療で診察しています。

「腰仙移行椎があるか知りたい」「10代の頃から何年も腰が痛い」という段階でも、まず症状・スポーツ歴・身体診察などから状態を確認します。

レントゲンを含む画像検査は、診察結果から必要性を医師が判断します。

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整形外科では何を調べる?診察・検査・治療

整形外科では、「若い頃から腰が痛い」という情報だけで腰仙移行椎を原因と判断するわけではありません。

腰痛について整形外科医の診察を受けている様子
腰痛が始まった年齢、痛む場所、動作との関係、スポーツ歴、脚症状などを確認します。

問診|いつから・どのような腰痛か

主に、

  • 何歳頃から痛みが始まったか
  • 最初に痛くなったきっかけ
  • スポーツ歴
  • どの動作で痛みが強くなるか
  • 朝・夜・安静時で症状が変わるか
  • お尻・脚の痛みやしびれがないか

などを確認します。

身体診察

腰を曲げる・反らす・ひねるなどの動作、痛む位置、股関節や骨盤周囲の状態などを確認します。

脚に症状がある場合には、必要に応じて筋力・感覚・反射などの神経所見も確認します。

必要に応じてレントゲン

骨の形・配列、腰仙部の構造などを確認する必要がある場合には、レントゲン検査を検討します。

腰仙移行椎などの骨性形態や、症状によっては腰椎分離症・側弯などを評価する手掛かりになります。

ただし、画像検査だけで腰痛の原因が必ず分かるわけではありません。

西新宿本院・横浜駅前院の画像検査について

両院では、必要に応じてレントゲン検査を行います。

院内CT・MRIはありません。CT・MRIなど詳しい画像検査が必要と判断した場合には、撮影可能な医療機関への紹介を検討します。

治療は「骨の形を元に戻す」のではなく、症状に合わせて考えます

腰仙移行椎は生まれつきの骨の形態です。

そのため、画像で腰仙移行椎が見つかったからといって、一律に骨の形そのものを治療するわけではありません。

まず、その形態が本当に現在の症状へ関係しているのか、ほかに腰痛の原因がないかを確認します。

症状や診察結果に応じて、

  • 薬物療法
  • 日常生活・スポーツ動作の調整
  • 運動器リハビリテーション
  • 必要な追加検査
  • 専門的な評価・治療が必要な場合の他院紹介

などを検討します。

理学療法士による腰痛のリハビリテーション
必要に応じて、腰・股関節の動き、体幹機能、仕事やスポーツでの身体の使い方などを確認します。

SBC整形外科クリニックでは、医師がリハビリの適応を判断した場合、理学療法士による運動器リハビリテーションを行っています。

詳しくは、 SBC整形外科クリニックのリハビリテーション をご覧ください。

10代・20代から続く腰痛と腰仙移行椎のよくある質問

Q. 腰仙移行椎は生まれつきですか?

腰仙移行椎は、腰椎と仙骨の境目にみられる先天的な解剖学的変異です。ただし、腰仙移行椎があっても腰痛がない方はいます。

Q. レントゲンで腰仙移行椎が見つかったら、腰痛の原因ですか?

必ずしもそうではありません。痛む場所、症状が出る動作、これまでの経過やほかに考えられる原因などを画像所見と合わせて評価します。

Q. 腰仙移行椎とBertolotti症候群は同じですか?

同じではありません。腰仙移行椎は骨の形態を表す言葉です。腰仙移行椎があり、ほかの腰痛原因も含めて評価したうえで、その形態が症状に関係していると考えられる状態をBertolotti症候群と呼びます。

Q. 10代から腰が痛ければ腰仙移行椎ですか?

そうとは限りません。特に成長期にスポーツをしていた方では腰椎分離症が重要な原因の一つです。椎間板・神経や炎症性疾患など、ほかの原因も確認します。

Q. 腰仙移行椎を調べるためにMRIを撮った方がいいですか?

必ずしもMRIが必要とは限りません。腰仙移行椎の骨性形態はレントゲンで確認できることがあります。CTやMRIが必要かどうかは、症状・診察結果によって異なります。

まとめ|若い頃から続く腰痛では、腰仙移行椎が見つかることもあります

  • 腰仙移行椎は腰椎と仙骨の境目にみられる先天的な形態差
  • レントゲンで確認できることがあるが、全員に画像検査が必要ではない
  • 腰仙移行椎があっても無症状の方はいる
  • 腰仙移行椎が見つかっただけではBertolotti症候群とは診断しない
  • 10代の腰痛では腰椎分離症など別の原因も重要
  • 画像と症状・身体診察を合わせて腰痛の原因を評価する

10代・20代から腰痛が続いているからといって、必ず生まれつきの骨の形が原因とは限りません。

一方で、長引く腰痛を「若いから」「姿勢のせい」とだけ考える必要もありません。

腰痛が長期間続く、繰り返す、学校・仕事・スポーツへ影響している場合には、整形外科で一度状態を確認しましょう。

症状の中心が今回の記事と違う方へ

成長期にスポーツをしていて、腰を反らす・ひねると痛む方は、 腰椎分離症 をご覧ください。

お尻から脚まで痛み・しびれが広がる方は、 腰椎椎間板ヘルニア をご覧ください。

若い頃から朝のこわばりが強く、動くと腰痛が軽くなる方は、 強直性脊椎炎 をご覧ください。

参考情報

若い頃から続く腰痛はSBC整形外科クリニックへご相談ください

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、長引く腰痛を一般整形外科の保険診療で診察しています。

「若いのに何年も腰が痛い」「腰仙移行椎など骨の形が関係していないか気になる」という段階でもご相談いただけます。

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監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本四肢再建・創外固定学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
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  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院