膝の裏が伸ばすと痛い|腫れやしこりがない場合に考える原因と受診目安 | SBC整形外科クリニック

膝の裏が伸ばすと痛い|腫れやしこりがない場合に考える原因と受診目安

「膝を伸ばしきると裏側が痛い」「普段はそれほど気にならないのに、脚をまっすぐにすると膝裏がつっぱる」と気になっていませんか。

膝の裏には、ハムストリングスや腓腹筋などの筋・腱、膝窩筋、関節包、半月板、血管・神経など複数の組織があります。そのため、「膝裏が痛い」「伸ばすと痛い」という情報だけでは原因は決まりません。

先に結論

腫れやしこりがなくても、「筋肉が硬いだけ」とは限りません。

運動後から症状が出た場合は筋・腱などの軟部組織、関節の内側・外側にも痛みや引っかかりがある場合は半月板など、歩き始め・階段・可動域低下もある場合は変形性膝関節症などを確認します。

また、ベーカー嚢腫は膝裏のふくらみが手掛かりになりますが、明らかなしこりに気付かない場合もあるため、「触れない=ベーカー嚢腫ではない」とは言い切れません。

膝裏に実際のふくらみ・しこりがある方はこちら →

※症状の組み合わせは原因を考える手掛かりです。痛みが出る位置まで何度も膝を伸ばして自己診断する必要はありません。

膝の裏が伸ばすと痛い|まず確認したい4つのこと

膝後方の痛みは原因の幅が広いため、「膝裏」という場所だけではなく、次の4点を整理すると診察の手掛かりになります。

① どこが痛む?
中央・内側寄り・外側寄り・ふくらはぎに近い場所のどこか。
② どの動作で痛む?
伸ばす・曲げる・歩く・走る・階段・しゃがみ込みのどれで痛むか。
③ きっかけは?
ランニング、スポーツ、歩行量の増加、ひねりなどの前後で始まっていないか。
④ ほかの症状は?
引っかかり、可動域低下、膝全体の腫れ、ふくらはぎの腫れ・熱感などがないか。

「伸ばすと痛い」だけでは原因を分けられません

膝を伸ばすと後方の筋・腱や関節周囲の組織にかかる力の条件が変わります。しかし、伸展時痛だけで「筋肉」「半月板」「ベーカー嚢腫」など特定の原因を決めることはできません。

腫れ・しこりがないのに膝裏が痛む主な原因

運動後からつっぱる・使うと痛い|筋・腱など

膝の後ろには、太ももの後面から続くハムストリングス、ふくらはぎの腓腹筋、膝窩筋などがあります。

膝後方の痛みでは、これらの筋・腱に圧痛がないか、運動量が増えていないか、どの動作で痛みが再現するかなどを確認します。

筋・腱などが関係している可能性を考える手掛かりには、

  • ランニングやスポーツ後から始まった
  • 太もも後面・ふくらはぎ方向にもつっぱる
  • 筋肉に力を入れる動作でも痛む
  • 関節全体の腫れや強い引っかかりは目立たない

ただし、「つっぱる=筋肉が硬い」とは限りません。膝関節内部やベーカー嚢腫などでも、膝を伸ばしたときに後方の張りや痛みを感じることがあります。

内側・外側にも痛みや引っかかりがある|半月板など

半月板は、大腿骨と脛骨の間でクッションや膝の安定性に関わる組織です。

半月板損傷では、膝の曲げ伸ばしに伴う痛みや引っかかり、関節液の貯留、状態によっては急に膝が動かなくなるロッキングなどが起こることがあります。

病変の位置などによって後方に近い痛みを感じる場合もありますが、膝裏が痛いという症状だけで半月板損傷とは判断できません。

膝関節内にある半月板の位置を示した図
半月板は大腿骨と脛骨の間にある組織です。膝裏痛だけではなく、関節裂隙の痛み・引っかかり・腫れ・可動域などを合わせて評価します。

半月板など関節内部を確認する手掛かりには、

  • 関節の内側・外側にも痛みがある
  • 曲げ伸ばしで引っかかる
  • 膝が腫れることがある
  • 以前より最後まで伸ばしにくい

半月板損傷の症状・検査・治療について詳しく見る →

膝全体の動かしにくさもある|変形性膝関節症など

変形性膝関節症では、初期には立ち上がりや歩き始めに痛みが出ることがあり、進行すると階段昇降や歩行、膝の曲げ伸ばしがつらくなることがあります。

さらに状態が進むと、膝を十分に伸ばしにくくなることがあります。このような可動域の変化に伴い、膝後方の張りや痛みとして感じる場合もあります。

変形性膝関節症の初期・中期・末期の症状を示した図
変形性膝関節症では、進行に伴って曲げ伸ばしできる範囲が狭くなる場合があります。

膝裏の痛みに加えて、

  • 歩き始め・立ち上がりでも痛む
  • 階段昇降がつらい
  • 以前より最後まで伸ばしにくい
  • 膝全体が腫れることがある

変形性膝関節症の症状・検査・治療について詳しく見る →

しこりがなくてもベーカー嚢腫のことはある?

ベーカー嚢腫(膝窩嚢腫)は、膝裏にある滑液包が関節液によって拡張した状態です。

典型的には、膝裏のふくらみ・張り・圧迫感などが手掛かりになりますが、大きさや位置によって症状の出方は異なります。

膝を最後まで伸ばした際に張りや痛みを感じる場合もあります。

しこりが触れないことだけでは否定できません

本人が明らかなふくらみに気付かない場合もあります。一方で、「伸ばすと痛い」という症状だけでベーカー嚢腫と判断することもできません。

SBC整形外科クリニックで使用する超音波エコー検査機器
必要に応じてエコーを使用し、膝裏の液体を含む病変や関節液、比較的表層の軟部組織などを確認することがあります。

成人のベーカー嚢腫では、変形性膝関節症や半月板病変など、膝関節内の問題を伴っている場合があります。そのため、膝裏だけではなく膝関節全体を確認します。

膝裏のふくらみ・ベーカー嚢腫について詳しく見る →

整形外科のエコー検査で何がわかる? →

膝以外から痛みを感じている場合もあります

膝裏の痛みが、必ず膝関節だけから起こるとは限りません。

太もも・ふくらはぎへ広く症状が続く、しびれを伴う場合などには、神経症状を含めて膝以外との関連も必要に応じて確認します。

膝関節の痛み・障害を症状別に確認する →

膝を伸ばすと裏が痛いときはどうする?

運動量が増えたあとに軽く痛み、その後明らかに改善している場合には、まず痛みを強く誘発する運動量を調整して経過をみる方法があります。

一方で、「膝裏だから筋肉が硬い」と決めつけ、強く伸ばす必要はありません。

痛みを確認するために何度も伸ばさない

手で膝を強く押し込む、痛みが出る位置まで何度もストレッチする、強く揉んで反応を確認するといった方法で症状を再現する必要はありません。

ストレッチや運動療法が役立つ状態もありますが、筋・腱、半月板、変形性膝関節症などでは適切な方法が異なります。症状を繰り返す場合は、原因を確認してから運動内容を決めます。

膝の裏が伸ばすと痛い|整形外科を受診する目安

一度だけ軽く痛み、その後明らかに改善し、普段どおり歩いたり膝を曲げ伸ばししたりできている場合は、負荷を調整しながら経過をみられることがあります。

一方、次のような場合は整形外科で状態を確認することをご検討ください。

  • 膝を伸ばすたびに同じ場所が痛む
  • 症状を繰り返す、または以前より悪化している
  • 以前より最後まで膝を伸ばしにくい
  • 曲げ伸ばしで引っかかりがある
  • 歩行・階段・運動でも痛むようになった
  • 仕事・スポーツ・日常生活に支障が出ている

症状が「ふくらはぎまで急に腫れる」に変わった場合

今回のように腫れがなく、膝を伸ばしたときだけ痛む状態とは分けて考えます。

速やかな医療評価を考えたい症状

  • 片方のふくらはぎ・脚が急に腫れた
  • 脚に強い熱感・赤み・色の変化がある
  • 膝裏からふくらはぎへ急に強い痛みが広がった
  • 突然の息苦しさ・胸痛・呼吸困難がある

ベーカー嚢腫の破裂と深部静脈血栓症(DVT)などで似た症状が出ることがあります。特に呼吸症状を伴う場合は、通常の整形外科外来予約を待たず救急対応を優先してください。

しこりがなくても、繰り返す膝裏の痛みは相談できます

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、膝裏を含む膝の痛みを一般整形外科の保険診療で診察しています。

「筋肉なのか、半月板なのか、関節なのか分からない」という段階で病名を決める必要はありません。痛む場所、曲げ伸ばしによる変化、可動域、腫れ、運動歴などを確認し、診察結果に応じて必要な検査・治療を検討します。

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整形外科では膝裏の痛みをどう調べる?

診察では「膝の裏が痛い」という場所だけでなく、どの組織から症状が出ている可能性があるかを膝全体から確認します。

痛む位置・症状が出る動作を確認

膝裏の中央なのか、内側寄り・外側寄りなのか、太ももやふくらはぎへ続いているのかを確認します。

伸ばしたときだけか、曲げた場合や歩行・階段・スポーツでも痛むか、運動量が増えた時期と一致するかなども重要です。

筋・腱、関節裂隙、可動域などを確認

ハムストリングスや腓腹筋などの筋・腱に圧痛がないか、膝関節の内側・外側に圧痛がないか、最後まで曲げ伸ばしできるか、引っかかりがないかなどを症状に応じて確認します。

必要に応じてX線検査

変形性膝関節症など、骨や関節の状態を確認する必要がある場合には、診察結果に応じてX線検査を検討します。

SBC整形外科クリニックのX線撮影設備
必要に応じてX線検査で膝の骨や関節の状態を確認します。

筋・腱、半月板、ベーカー嚢腫など、膝裏痛の原因すべてが通常のX線で分かるわけではありません。症状・診察所見と合わせて評価します。

膝裏の嚢腫・関節液などはエコーを検討

膝裏の液体を含む病変、関節液の貯留、比較的表層にある筋・腱などを確認する必要がある場合には、超音波(エコー)検査を検討することがあります。

なお、膝の筋骨格系を確認するエコーと、DVTが疑われる際に静脈血栓を評価する超音波検査は目的が異なります。

半月板など膝関節内部についてさらに詳しい画像評価が必要と医師が判断した場合には、MRIなどが検討されます。

SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。より詳しい画像検査や専門的な血管評価が必要と判断した場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。

治療・リハビリは膝裏が痛む原因に合わせます

「膝裏が痛いからハムストリングスを伸ばす」というように、痛む場所だけで治療内容を決めるわけではありません。

原因や症状の程度に応じて、活動量の調整、薬物療法などを検討します。

リハビリテーションの適応がある場合には、膝の可動域や筋力に加えて、股関節・足関節、歩行やスポーツ動作なども必要に応じて確認しながら進めます。

一方で、すべての膝裏痛にリハビリテーションが必要なわけではありません。まず原因と現在の状態を確認します。

膝の裏が伸ばすと痛いときのよくある質問

膝の裏が伸ばすと痛いのは筋肉が硬いからですか?

筋・腱などが関係している場合はありますが、それだけとは限りません。半月板、変形性膝関節症、ベーカー嚢腫などでも曲げ伸ばし時に膝裏の痛みや張りを感じることがあります。

しこりがなければベーカー嚢腫ではありませんか?

いいえ。膝裏のふくらみは重要な手掛かりですが、本人が明らかなしこりに気付かない場合もあります。一方、「伸ばすと痛い」という症状だけでベーカー嚢腫と判断することもできません。

半月板損傷でも膝の裏が痛むことはありますか?

損傷する位置や状態によって後方に近い痛みを感じる場合はあります。ただし、膝裏痛だけでは半月板損傷とは判断できません。関節の内側・外側の痛み、引っかかり、腫れ、可動域などを合わせて評価します。

ストレッチをすれば治りますか?

ストレッチが適している状態はありますが、原因によって対応は異なります。「筋肉が硬いだけ」と自己判断して、痛みを我慢しながら強く伸ばすことは避けてください。

歩けるなら病院へ行かなくても大丈夫ですか?

歩けることだけでは原因や受診の必要性は判断できません。痛みを繰り返す、悪化する、以前より膝を伸ばしにくい、引っかかる、日常生活に支障がある場合などは整形外科への相談をご検討ください。

ふくらはぎまで急に腫れて痛くなった場合はどうすればいいですか?

ベーカー嚢腫の破裂でも膝裏からふくらはぎへ痛み・腫れが広がることがありますが、DVTでも似た症状がみられます。急な片脚の腫れ・強い痛み・熱感などがある場合は自己判断せず速やかな医療評価を受けてください。突然の息苦しさや胸痛を伴う場合は救急対応を優先します。

まとめ|しこりがなくても「膝裏だから筋肉」とは限りません

  • 膝裏には筋・腱、関節包、半月板、血管・神経など複数の組織がある
  • 伸ばすと痛むだけでは筋・腱由来とは判断できない
  • 引っかかり・腫れ・可動域低下があれば関節内部も確認する
  • しこりがなくてもベーカー嚢腫を完全には否定できない
  • 反復・悪化・可動域低下・生活への影響がある場合は整形外科で相談できる

「筋肉が硬いだけ」「しこりがないから嚢腫ではない」と決めつけず、痛む場所・動作・経過を合わせて原因を考えることが重要です。

症状に合わせて確認したいページ

参考情報

監修医師|西新宿本院 院長 沼倉 裕堅

SBC整形外科クリニック西新宿本院 院長 沼倉裕堅医師

SBC整形外科クリニック 西新宿本院
院長 沼倉 裕堅 医師

所属学会:日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会

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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。「膝の裏が伸ばすと痛い」という症状だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査・治療は症状、経過、診察所見などに応じて医師が判断します。

監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
整形外科部門統括医師
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本成長学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院