「外くるぶしの後ろから足の外側にかけて、歩くたびに痛い」「長く歩いたり走ったりすると、足首の外側が痛くなる」。
この場所には、長腓骨筋腱・短腓骨筋腱という腱が走っています。そのため、外くるぶしの後ろに沿って痛む場合は、腓骨筋腱の障害も原因の一つとして確認します。
先に結論
外くるぶしの後ろから足外側へ続く歩行時痛では、腓骨筋腱障害を確認します。
特に、歩く・走る・踏ん張ると痛む、外くるぶし後方に腫れや圧痛がある場合は腓骨筋腱が症状に関係している可能性があります。
ただし、第5中足骨などの骨、足関節外側の靱帯、腓腹神経などでも近い場所に症状が出るため、痛む場所だけで「腱の炎症」と決めることはできません。
「弾く・ずれる」感覚がある場合は重要です
外くるぶしの後ろで、痛みとともに「パキッと腱が動く」「何かが乗り越える」ような感覚がある場合は、腓骨筋腱の不安定性・亜脱臼なども確認します。
外くるぶしの後ろ〜下に沿って歩くと痛い
→ 腓骨筋腱障害などを確認
足首を動かすと弾く・ずれる感じがある
→ 腓骨筋腱の不安定性・亜脱臼などを確認
小指側の骨の一点を押すと強く痛い
→ 第5中足骨など骨の異常も確認
しびれ・ピリピリ・灼ける感じが足外側へ広がる
→ 腓腹神経など神経由来の症状も確認
歩くたびに痛みが続いている方は、 整形外科を受診する目安を先に確認する →
外くるぶしの後方には、長腓骨筋腱と短腓骨筋腱という2本の腱が走っています。
どちらも外くるぶしの後ろを通ったあと足部へ向かい、足を外側へ動かす働きや、歩行・スポーツ時に足首を安定させる働きに関係します。
2本の腱はその後、それぞれ異なる方向へ走行します。特に短腓骨筋腱は足の小指側にある第5中足骨基部へ付着します。
そのため、腓骨筋腱周囲に問題があると、外くるぶしの後方だけでなく、その下側から足外側にかけて痛みを感じる場合があります。
外くるぶしの「前」と「後ろ」は分けて考えます
一般的な外側足関節捻挫では、外くるぶし前方にある前距腓靱帯などを傷めることがあります。一方、外くるぶしの後ろ側に沿った痛みでは、腓骨筋腱が重要な確認部位になります。
腓骨筋腱の病気には、繰り返す負荷に伴う腱障害、腱鞘周囲の炎症、腱の部分損傷・断裂、腱の不安定性などがあります。
一般には「腓骨筋腱炎」と呼ばれることもありますが、慢性的な腱の痛みがすべて単純な炎症によるものとは限りません。そのため、ここでは広く「腓骨筋腱障害」として解説します。
腓骨筋腱障害では、次のような症状がみられることがあります。
ただし、こうした症状だけで腱障害・部分断裂・腱の不安定性を区別することはできません。
長時間の歩行、ランニング、ジャンプ、切り返しなどを繰り返すことで、腓骨筋腱へ負荷が集中する場合があります。
急に走行距離を増やした、旅行などで普段より長時間歩いた、坂道・不整地での運動量が増えたなど、最近の負荷量の変化も重要な情報です。
足首を強くひねる外傷では、外側靱帯だけでなく腓骨筋腱や、腱を外くるぶしの後方に保持する組織を同時に傷めることがあります。
「捻挫だと思っていたが、外くるぶしの前ではなく後ろ側の痛みが続いている」という場合は、腱についても確認します。
足首をひねったことがきっかけの方は、 足関節捻挫の症状・診断・治療 も参考にしてください。
強い外傷や繰り返す負荷などに伴って、腓骨筋腱が部分的に傷ついたり、断裂したりする場合があります。
部分損傷では歩けることもあるため、「歩ける=腱に損傷がない」とは判断できません。痛み・腫れ・筋力などを確認し、必要に応じて画像検査を行います。
腓骨筋腱は通常、外くるぶしの後方に沿って走っています。
腱を保持する上腓骨筋支帯などを傷めると、足首を動かした際に腱が本来の位置からずれることがあります。
「痛い」だけでなく「弾く・ずれる」があるか確認
外くるぶしの後ろで、足首を動かした瞬間に腱が乗り越えるような感覚があり、痛みを伴う場合は診察時に伝えてください。動作中にだけ起こる腱の不安定性では、動的エコーが役立つ場合があります。
「外くるぶしから足の外側が痛い」という位置だけで、腓骨筋腱障害と判断することはできません。
第5中足骨など骨の問題
足の小指側にある第5中足骨は、外傷による骨折や繰り返す負荷による疲労骨折を起こすことがあります。腱に沿って広く痛むというより、骨の限られた場所を押したときに強く痛む場合は骨の状態も確認します。
足関節外側の靱帯損傷
捻挫をきっかけに痛くなった場合は、前距腓靱帯・踵腓靱帯など外側靱帯の損傷が症状に関係していることがあります。足首のグラつき・再捻挫を伴う場合は足関節全体の安定性も確認します。
腓腹神経による痛み・しびれ
腓腹神経は外くるぶし付近を通り、足外側の感覚に関係しています。歩行時痛よりも、しびれ・ピリピリ感・灼けるような痛み・感覚低下が目立つ場合は神経由来の症状も確認します。
距骨骨軟骨損傷など足関節内部の問題
捻挫後から足首の奥が痛い、運動後に足関節全体が腫れる、引っかかり感がある場合は、距骨骨軟骨損傷など関節内部の病変も確認します。
足の小指側の骨に痛みが集中している方は、 足の甲(中足骨)の疲労骨折 も参考にしてください。
足首の奥に痛み・腫れがある方は、 距骨骨軟骨損傷 をご覧ください。
軽い違和感だけで、歩いたあとにも症状が悪化せず徐々に改善している場合には、必ずしも完全な安静が必要とは限りません。
一方、歩くほど痛みが強くなる、運動後に腫れる、翌日まで痛みが増えた状態が続く場合は、いったん負荷量を下げてください。
受診までの間は、
「腱が痛い=完全に動かさない」と一律に考えることも適切ではありません。
腱障害では状態に応じて段階的に負荷を戻すことがあります。一方、腱断裂や腱の不安定性では保護や治療方法が異なるため、症状が続く場合は病態を確認してから運動量を調整します。
軽い痛みで、負荷を減らすことで明らかに改善している場合は経過を見ることもあります。
一方、次のような場合は整形外科への相談をご検討ください。
強い外傷後は通常の様子見を続けないでください
腱の強い損傷だけでなく、骨折・脱臼、神経や血流への影響、感染などを確認する必要があります。
受診時に伝えると原因を整理しやすいポイント
「いつから痛いか」「外くるぶしの前・後ろ・足外側のどこが最も痛いか」「捻挫などのきっかけがあったか」「歩行・ランニング・つま先立ちのどれで痛むか」「弾く感覚やしびれがあるか」を伝えてください。
歩くたびに外くるぶしの後ろ〜足外側が痛む方へ
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、足首・足の痛みを一般整形外科の保険診療でご相談いただけます。
「腱を傷めているのか、骨・靱帯など別の部分が原因なのか分からない」という段階でも、痛む場所、腫れ、歩行時の症状、足首の動きなどを確認し、必要な検査を検討します。
西新宿本院|整形外科保険診療を予約する 横浜駅前院|整形外科保険診療を予約する※Web予約では「整形外科保険診療」をお選びください。必要な検査・治療は診察後に医師が判断します。
腓骨筋腱障害は、痛む場所だけで診断することはできません。
症状が出る動作や外傷歴を確認し、身体診察と必要な画像検査を組み合わせて原因を考えます。
診察では、例えば次のような点を確認します。
通常のレントゲンでは、腓骨筋腱そのものを詳しく評価することはできません。
一方、第5中足骨などの骨折や足関節周囲の骨性病変を確認する必要がある場合には、レントゲン検査を行います。
レントゲンで異常がなくても、腱の問題を否定できるわけではありません。
腱・靱帯などの軟部組織は、単純レントゲンだけでは十分に評価できない場合があります。
超音波(エコー)は、腓骨筋腱など皮膚に近い軟部組織を確認するために使用することがあります。
腱の形態や周囲を確認できるほか、足首を実際に動かしながらリアルタイムで観察できることが特徴です。
「弾く・ずれる」症状では、動的な評価が役立つことがあります
腓骨筋腱の亜脱臼・不安定性は動作中にだけ起こる場合があります。このような場合には、腱を動かしながら観察できるエコーが有用なことがあります。
エコー検査について詳しく知りたい方は、 整形外科のエコー検査とは?何がわかる? をご覧ください。
腱損傷が疑われる場合や、診察・レントゲンなどだけでは原因が十分に分からない場合には、MRIを検討することがあります。
MRIでは腓骨筋腱だけでなく、靱帯・軟骨・骨髄など周囲の組織も評価できます。
エコーとMRIは、それぞれ特徴が異なります
エコーとMRIはいずれも腓骨筋腱の評価に使用されます。動いている腱を確認できることはエコーの利点ですが、腱損傷や周囲組織を含めた評価ではMRIも選択肢になります。症状・診察所見に応じて検査を選びます。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。精密検査が必要と判断された場合は、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
治療は、繰り返す負荷による腱障害なのか、腱の損傷・断裂なのか、腱がずれる不安定性なのかによって異なります。
症状に応じて、
などの保存的治療を検討します。
腱の損傷があっても、損傷の程度や症状によっては保存的治療から検討する場合があります。
一方、損傷範囲が大きい、筋力低下が強い、保存的治療でも症状が続く場合などには、足の外科領域で専門的な治療が検討されることがあります。
腓骨筋腱が外くるぶし後方で繰り返しずれる場合は、一般的な使い過ぎによる腱障害とは治療方針が異なります。
受傷からの時期、腱の不安定性、活動レベルなどに応じて、固定などの保存的治療や手術を含む専門治療が検討されることがあります。
「腱が痛い」という症状だけで治療法は決まりません
使い過ぎによる腱障害、部分損傷、腱の不安定性では必要な保護やリハビリテーションが異なります。まず現在どの病態が症状に関係している可能性があるかを評価します。
足首・足部の機能改善が必要な場合は、 SBC整形外科クリニックのリハビリテーション科 もご覧ください。
腓骨筋腱障害は原因の一つですが、痛む場所だけでは判断できません。足関節外側の靱帯損傷、第5中足骨などの骨性病変、腓腹神経などでも近い場所に症状が出ます。
歩けることだけでは、腱の部分損傷などを否定できません。痛み・腫れ・筋力・外傷歴などを確認し、必要に応じてエコーやMRIなどを検討します。
痛みを伴わない音だけで病気とは判断できません。一方、痛みとともに腱が弾く・ずれる感覚を繰り返す場合は、腓骨筋腱の不安定性などを確認します。
通常のレントゲンでは腱そのものを詳しく評価できません。骨折など骨の異常を確認する際に使用し、腱を評価する場合は診察所見に応じてエコーやMRIなどを検討します。
痛む場所や動作は原因を考える手がかりになりますが、自己判断だけで区別することは困難です。特に骨の一点に強い圧痛がある、外傷後に歩くと強く痛む、症状が改善しない場合は整形外科で確認してください。
外くるぶしの後ろから足外側へ続く痛みは、腓骨筋腱の走行と重なるため、腱障害を考える手がかりになります。ただし、骨・靱帯・神経などでも近い場所に症状が出ます。歩くたびに痛む、負荷を減らしても改善しない、腫れや腱が弾く感覚を伴う場合は、整形外科で原因を確認しましょう。
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参考情報
外くるぶしの後ろから足外側へ続く痛みは、SBC整形外科クリニックの一般整形外科へご相談ください。