「親指側が痛いので腱鞘炎だと思ったけれど、手首そのものではなく少し上が痛い」
「親指の付け根ではなく、前腕寄りを押すと痛む」
「手首を反らす・繰り返し使うと、親指側の少し上がズキッとする」
このような場合、よく知られているドケルバン病だけが原因とは限りません。
手首の親指側より少し前腕寄り、特に手の甲側〜親指側の前腕が痛む場合には、インターセクション症候群(交差症候群)など、別の腱周囲の障害も確認します。
手首周辺では、「どの動作で痛いか」だけでなく「一番痛い場所がどこか」が原因を考える重要な手掛かりです。
ドケルバン病では、一般に手首の親指側にある骨の出っ張り付近に痛みや圧痛が出ます。
一方、そこより数cm前腕寄りの背側〜親指側が痛む場合には、インターセクション症候群などを鑑別します。
また、ピリピリ・しびれが目立つ場合は神経、転倒後から痛む場合は骨折など、腱とは別の原因も確認します。
① 手首の親指側そのもの
→ ドケルバン病などを確認
② 手首より数cm上・手の甲側〜親指側
→ インターセクション症候群などを確認
③ 痛みよりピリピリ・しびれが目立つ
→ 橈骨神経浅枝など神経の症状も確認
④ 転倒・衝突後から痛む
→ 舟状骨骨折など外傷を優先して確認
最も痛い場所が「手首の親指側そのもの」という方は、先に ドケルバン病 をご覧ください。
「腱鞘炎だと思って様子を見ていい?」整形外科の受診目安を先に確認する →
親指側の手首から前腕には、複数の腱・腱鞘・関節・神経があります。
そのため「親指側が痛い」という情報だけではなく、最も痛い場所が手首そのものなのか、それより前腕側なのかを確認することが重要です。
つまり、「親指側だから全部ドケルバン病」というわけではありません。
インターセクション症候群は、手首より少し前腕側の背面〜親指側で起こるオーバーユース障害の一つです。
手首の背側には複数の腱が区画ごとに走っています。
一般的なインターセクション症候群では、
からなる第1伸筋区画が、
からなる第2伸筋区画の上を交差する周辺が症状に関係します。
この部分へ反復する摩擦・負荷が加わることで、腱や腱鞘周囲に炎症性の変化が起こると考えられています。
典型的には、手首の背側〜親指側から数cm前腕寄りに痛み・圧痛がみられます。
医学的には、手首背側のLister結節という骨の目印から約4〜6cm前腕側の背橈側に症状がみられることが典型とされています。
ただし、「○cm上だからインターセクション症候群」と距離だけで診断することはできません。
実際に最も痛む場所、腫れ、どの動作でいつもの痛みが出るかなどを合わせて評価します。
インターセクション症候群では、手首の曲げ伸ばしを繰り返す活動が症状に関係することがあります。
スポーツだけでなく、仕事・家事など日常生活の反復動作が症状に関係する場合もあります。
インターセクション症候群では、痛む場所に腫れがみられたり、手首や親指を動かしたときに捻髪音・軋轢音のような「ギシギシする感覚」を伴ったりする場合があります。
これは鑑別の手掛かりの一つですが、すべての方にみられるわけではありません。
また、音がすることだけで病名を判断することはできません。
どちらも親指を動かす腱と関連するため、ご自身では区別しにくいことがあります。
まず確認したいのは、痛み・圧痛の中心がどこにあるかです。
手首の親指側そのものが痛む方は、 ドケルバン病について詳しく見る をご覧ください。
パソコン・スマートフォンなどの使いすぎによる一般的な腱鞘炎について知りたい方は、 デスクワークによる腱鞘炎 も参考にしてください。
ドケルバン病を評価する際には、親指側へ負荷をかける身体診察などが用いられます。
しかし、手首を動かすことで別の腱・関節の痛みが誘発される場合もあります。
ネット上のセルフテストだけで「ドケルバン病」「インターセクション症候群」と判断したり、痛みを確認するために強く何度も動かしたりすることは避けましょう。
長橈側手根伸筋腱・短橈側手根伸筋腱など、手首を反らす働きをする腱自体に負担がかかって痛む場合があります。
どこを押したときに痛むか、どの方向へ力を入れた際に普段の痛みが再現されるかなどを確認します。
親指側の前腕から手の甲側には、橈骨神経の浅い枝が走っています。
この神経が刺激・圧迫されると、
ことがあります。
腱障害では通常、しびれそのものは中心症状ではありません。
痛みよりもしびれ・感覚異常が目立つ場合には神経についても確認します。
手首周辺にはっきりしたしこり・ふくらみがあり、その周囲が痛む場合には、ガングリオンなど別の原因も考えます。
「腱鞘炎だと思っていたけれど、触るとしこりがある」という場合には、診察時にその位置も伝えてください。
転倒して手をついた、スポーツや事故で手首へ強い衝撃を受けたあとから親指側が痛む場合には、腱鞘炎として扱う前に骨折・捻挫などを確認する必要があります。
舟状骨骨折では手首の親指側に痛みが出ます。
初期には症状が比較的軽い場合や、通常のレントゲンで骨折線が分かりにくい場合もあるため、外傷歴があるかどうかは重要な情報です。
転倒して手をついた方は、 転んで手をついて手首が痛い|骨折と捻挫の見分け方 をご覧ください。
一時的な軽い痛みで、原因となる動作を減らすことで明らかに改善している場合には経過をみられることもあります。
一方、次のような場合には整形外科への相談をご検討ください。
骨折などが疑われる場合には、「腱鞘炎だろう」と長く様子を見ず、救急対応が可能な医療機関を含め速やかな受診をご検討ください。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、手首・前腕周辺の痛みを一般整形外科の保険診療で診察しています。
同じ「親指側の痛み」でも、手首そのものなのか、数cm前腕寄りなのか、しびれを伴うのか、外傷後なのかによって確認する組織が変わります。
痛む場所と動作を確認し、ドケルバン病、インターセクション症候群、神経由来の症状、骨・関節の問題などを原因別に評価します。
「エコーを受けた方がいい?」「レントゲンが必要?」と患者様側で検査を決めてから受診する必要はありません。症状・診察所見から必要な検査を医師が判断します。
西新宿本院の一般整形外科を予約する 横浜駅前院の一般整形外科を予約するこの症状では、画像検査の前に「実際にどこが最も痛いのか」を確認することが重要です。
インターセクション症候群は基本的に病歴と身体診察から判断し、必要な場合に画像検査を補助的に使用します。
主に、
などを確認します。
必要に応じて、手首や親指へ軽く抵抗を加えた際に普段の痛みが再現されるかなども確認します。
インターセクション症候群やドケルバン病など、腱・腱鞘の病変そのものを通常のレントゲンで直接確認することはできません。
一方、
場合にはレントゲン検査を検討します。
超音波(エコー)検査は、皮膚に近い場所を走る腱・腱鞘などを評価する際に使用することがあります。
インターセクション症候群では、腱の交差部周囲の腫れや液体貯留などの変化が確認される場合があります。
また、痛む場所にプローブを当て、必要に応じて腱を動かしながら確認できることもエコーの特徴です。
ただし、「エコーを撮れば必ず原因が分かる」というものではありません。
画像所見だけではなく、痛む位置・症状・身体診察などと合わせて判断します。
エコーについて詳しく知りたい方は、 整形外科のエコー検査とは?何がわかる?レントゲン・MRIとの違い をご覧ください。
診察や初期検査だけでは原因が明確にならず、腱・靱帯などをさらに詳しく確認する必要がある場合にはMRIなどを検討することがあります。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。
詳細な画像検査が必要と医師が判断した場合には、撮影可能な医療機関への紹介を検討します。
親指側が痛いからといって、最初から「腱鞘炎だから注射」と治療方法を決めるわけではありません。
インターセクション症候群を含むオーバーユース障害では、症状に応じて、
などを行います。
治療内容は症状や診断によって異なるため、まずは原因を整理することが重要です。
「まだ痛いかな」と手首を何度も強く反らしたり、親指を繰り返し伸ばしたりする必要はありません。
痛みが出る動作が分かっている場合には、一時的にその負荷を減らします。
「硬いから伸ばせばよい」と考えて、痛みを我慢しながら強くストレッチすることが適切とは限りません。
腫れ・強い動作時痛がある場合には負荷を減らし、症状が続く場合には整形外科で原因を確認しましょう。
ドケルバン病は代表的な原因ですが、典型的には手首の親指側にある橈骨茎状突起付近に痛み・圧痛が出ます。最も痛い場所がそこより数cm前腕側・背側にある場合には、インターセクション症候群など別の原因も確認します。
腱・腱鞘周囲に炎症性の変化が起こるオーバーユース障害で、腱鞘炎の一種として説明されることがあります。ただし、ドケルバン病とは症状が起こる位置と関係する腱の組み合わせが異なります。
典型的には手首より数cm前腕寄りの背橈側に症状が出ますが、距離だけでは診断できません。実際に最も痛い場所、症状が出る動作、腫れや軋轢感などを合わせて評価します。
エコーでは腱の交差部周囲の腫れや液体貯留などを確認できる場合があり、診断の補助になります。ただし、インターセクション症候群は病歴・痛む場所・身体診察を中心に判断し、エコーだけで確定するものではありません。
ピリピリ・しびれ・感覚異常が目立つ場合には、腱だけでなく橈骨神経浅枝など神経の障害についても確認します。しびれをすべて腱鞘炎で説明することはできません。
「腱鞘炎だと思うけれど、ネットで見るドケルバン病より痛む場所が上」という違和感は、原因を考える重要な情報です。
手首周辺では、数cm場所が変わるだけでも関係する腱・神経・骨が変わります。
同じ場所の痛みが続く、手首を使うたびに繰り返す、仕事や家事に支障がある場合には、自己判断でドケルバン病と決めず整形外科で痛みの位置から確認しましょう。
手首の親指側そのものが痛み、親指を動かすと痛む方は、 ドケルバン病 をご覧ください。
パソコン・スマートフォンなど手の使いすぎによる腱鞘炎について知りたい方は、 デスクワークによる腱鞘炎 をご覧ください。
転倒して手をついたあとから痛む方は、 転んで手をついて手首が痛い|骨折と捻挫の見分け方 をご覧ください。
親指側の手首痛が外傷後から続く方は、 舟状骨骨折 をご覧ください。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、手首・前腕周辺の痛みを一般整形外科の保険診療で診察しています。
「腱鞘炎だと思うけれど痛む場所が違う」「手首ではなく少し上が痛い」という段階でもご相談いただけます。
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