椅子から立ち上がると腰が痛いのはなぜ?座っている間は平気な腰痛の原因と受診目安 | SBC整形外科クリニック

椅子から立ち上がると腰が痛いのはなぜ?座っている間は平気な腰痛の原因と受診目安

「椅子に座っている間は平気なのに、立ち上がろうとした瞬間だけ腰がズキッと痛む」「立ってしまえば少し楽になる」――このような腰痛に悩んでいませんか。

この場合に重要なのは、座っていることではなく「座位から立位へ移る動作で痛みが出る」という点です。ただし、症状だけから筋肉・関節・椎間板など、痛みの原因となる組織を特定することはできません。

先に結論

座っている間は平気で、椅子から立ち上がる瞬間に腰が痛む場合は、「立ち上がり動作で誘発される腰痛」として症状を整理します。

一度だけ軽く痛み、その後は改善している場合は経過をみられることがあります。

一方、立つたびに繰り返す・以前より悪化している・立ったあとも痛む・お尻や脚まで症状がある場合は、整形外科で状態を確認することを検討してください。

比較的軽い
一時的に痛んだだけで改善している
→ 痛みを無理に再現せず、改善するか経過を確認します
整形外科を検討
立つたびに痛む・悪化・生活へ影響
→ 現在の腰の状態を一度確認することを検討します
速やかな医療評価
急速な脚の脱力・排尿排便異常・会陰部の感覚低下
→ 通常の外来予約を待たず医療機関へ相談してください

30秒で確認|痛むタイミングはどこ?

座っている間:平気

腰を浮かせるとき:ズキッと痛む

立ったあと:比較的楽

このように「動作の一部分だけで痛む」こと自体が、診察時に役立つ情報です。

突然強い腰痛が出た方は、ぎっくり腰は何科?急な腰痛の受診目安も参考になります。

椅子から立ち上がる瞬間に腰が痛むのはなぜ?

椅子から立ち上がるときは、上半身を移動させながら、腰・骨盤・股関節・膝などを使って座位から立位へ移ります。

座って静止している状態では症状がなくても、この動作の途中で腰痛が誘発されることがあります。

腰痛がある人とない人の立ち上がり動作を比較した研究をまとめたシステマティックレビューでは、腰痛がある人で立ち上がり時間や腰椎・股関節の動きなどに違いが報告されています。

「動き方が悪いから腰痛になった」という意味ではありません

これらは主に腰痛がある人とない人を比較した研究です。痛みを避けるために動き方が変化している可能性もあり、動作の違いが腰痛の原因なのか結果なのかは判断できません。

そのため、立ち上がり方だけを見て「筋力不足」「骨盤のゆがみ」などと原因を決めることはできません。

立ち上がると腰が痛い|筋肉・椎間板・関節のどこが原因?

「筋肉を傷めたのか」「椎間板なのか」「腰の関節なのか」と気になる方もいるでしょう。

しかし、椅子から立つと痛いという症状だけでは、痛みの発生源を一つに特定することはできません。

前かがみでも同じ痛みが出るか
腰を反ったときにも痛むか
立ったあと歩くと軽くなるか・悪化するか
腰の中央か、左右どちらかが痛むか
お尻・脚へ痛みやしびれが広がるか
突然始まったか、以前から繰り返しているか

「座っている間は平気」も診察で伝えてください

「30分座っていても痛くない」「腰を浮かせる瞬間だけ痛い」「立って数歩歩くと軽くなる」など、痛くない条件や楽になる条件も症状を整理するうえで重要です。

前かがみ動作でも同じ腰痛が出る方は、前かがみになると腰が痛い場合の原因と受診目安もご覧ください。

突然立ち上がったときに強く痛んだら「ぎっくり腰」?

椅子から立ち上がった瞬間に突然強い腰痛が出ると、「ぎっくり腰では?」と考える方もいるでしょう。

いわゆる「ぎっくり腰」は正式な病名ではなく、急に起こった強い腰痛を表す一般的な呼び方です。

関節、椎間板、筋肉・靱帯などさまざまな組織が関係する可能性がありますが、突然痛くなったという症状だけで原因となる組織を特定することはできません。

「立ち上がると少し痛い」すべてがぎっくり腰ではありません

以前から立ち上がるたびに軽い痛みを繰り返している状態と、ある瞬間から突然強い腰痛が始まった状態は分けて考えます。

突然強く痛み始めた場合は、ぎっくり腰の受診目安と診察内容も参考になります。

腰椎椎間板ヘルニアとの違いは?

立ち上がり時の腰痛だけでは、腰椎椎間板ヘルニアとは判断できません。

腰椎椎間板ヘルニアで神経根が影響を受けると、

  • 腰からお尻・脚へ広がる痛み
  • 脚・足のしびれ
  • 感覚の低下
  • 脚・足の筋力低下

などを伴う場合があります。

お尻・脚にも症状がある方は、腰椎椎間板ヘルニアの主な症状・検査・治療も参考になります。

椅子から立ち上がると腰が痛いときにできること

痛みが比較的軽く、全体として改善傾向にあり、脚のしびれや筋力低下などがない場合は、痛みを強く誘発しない範囲で通常の生活を続けます。

痛みを確認するために何度も立ち座りしない

「まだ痛いか」を確認する目的で、何度も立ち上がって同じ痛みを再現する必要はありません。繰り返すほど症状が強くなる場合は中止してください。

立ちにくい場合は安定した支持物を利用する

痛みのため立ち上がりにくい場合は、安定した肘掛けなどを利用して安全に立って構いません。

ただし、脚に力が入らないため立ち上がれない場合は、単なる動作時腰痛とは分けて考える必要があります。

「正しい立ち上がり方」を無理に固定しない

「足はこの位置」「身体はこの角度」など、すべての腰痛患者に共通する一つの正解があるわけではありません。

痛みを強く誘発しない自然な動作で行い、特定のフォームを必要以上に意識しないようにします。

可能な範囲で日常活動を続ける

腰痛があるからといって長期間寝たきりにする必要はありません。強い痛みを無理に我慢する必要はありませんが、可能な範囲で通常の日常活動を続けます。

「長く座ると痛い腰痛」とは違う?

同じ「椅子に関連する腰痛」でも、痛みが出るタイミングによって確認するポイントが異なります。

長く座っているうちに徐々に痛む
座位を続けた時間と症状の関係を確認します。
座っている間は平気で、立つ瞬間だけ痛む
座位から立位へ移る動作との関係を確認します。
立ったあと歩くほどお尻・脚が痛む、しびれる
腰椎の神経症状なども含めて別に評価します。

椅子から立ち上がると腰が痛い|整形外科を受診する目安

「何日続いたら病院へ行く」と期間だけで決める必要はありません。

改善しているか、繰り返しているか、以前より悪化しているか、日常生活へ影響しているかを確認します。

立ち上がるたびに同じ痛みを繰り返す
一度ではなく、毎日のように同じ動作で痛む。
以前より痛みが強くなっている
最初は軽かった症状が徐々に悪化している。
立ったあとにも痛みが残る
以前は一瞬だけだったのに、歩行中などにも続く。
仕事・家事へ影響している
立ち上がりを避ける、動作に時間がかかるなど生活への支障がある。
お尻・脚へ痛みやしびれが広がる
腰だけではなく下肢にも症状がある。

「立ってしまえば平気」というだけで受診不要とは限りません。短時間の痛みでも、繰り返す・悪化する・生活へ影響する場合は整形外科で相談できます。

その痛み、何日続いたら整形外科?受診の目安を見る →

通常の外来予約を待たず、速やかな医療評価を考えたい症状

  • 脚の筋力低下が急速に進んでいる
  • 両脚に急な脱力・強いしびれが出た
  • 尿が出にくい、尿・便を漏らすなど新しい排尿・排便機能の異常
  • 股・陰部・肛門周囲の感覚が鈍い
  • 大きな転倒・事故のあとから強く痛む
  • 発熱や強い体調不良を伴って腰痛が続く

特に強い腰痛・脚痛と、新しい排尿・排便機能の異常や会陰部の感覚低下を伴う場合は、通常の外来予約を待たず速やかに医療機関へ相談してください。

立ち上がるたびに腰痛を繰り返している方へ

何度も同じ動作で痛む、以前より悪化している、立ったあとも症状が残る、仕事や家事に支障がある場合は、一度整形外科で現在の状態を確認できます。

病名をご自身で判断してから受診する必要はありません。

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整形外科では何を調べる?

整形外科では、「立ち上がると痛い」という症状だけで病名を決めず、症状の経過・痛みが出る動作・身体所見などを合わせて評価します。

腰痛について整形外科医の診察を受けている様子
腰痛の診察では、痛む場所だけでなく、症状が出る動作や脚の神経症状なども確認します。

① 立ち上がりのどの場面で痛むか

身体を前へ移動させるとき
椅子から身体を持ち上げる途中
身体を伸ばして立位になるとき
立ったあと歩くとき
腰だけか、お尻・脚にも症状があるか

② 腰だけでなく股関節・脚の状態も必要に応じて確認

症状に応じて腰や股関節の動き、脚・足の筋力、感覚、腱反射などを確認します。

お尻・脚への痛みやしびれ、感覚低下、筋力低下がある場合は、腰椎から出る神経への影響も評価します。

③ X線・MRIは全員に行うわけではありません

「立ち上がると腰が痛い」という理由だけで、すべての方へ画像検査を行うわけではありません。

症状・身体所見・外傷の有無などを確認し、検査結果が診療方針に影響すると考えられる場合などに検討します。

SBC整形外科クリニック西新宿本院のX線撮影設備
X線検査では主に骨の状態などを確認します。腰痛があるすべての方に撮影するわけではありません。
X線
骨折、骨の配列や変形などを確認する必要がある場合に用います。
MRI
椎間板や神経などの詳細な評価が診療上必要な場合に検討します。

SBC整形外科クリニックには院内MRI・CT設備がない院があります。詳細な画像評価が必要と判断された場合は、対応可能な医療機関への紹介などを検討します。

腰痛全般については、腰痛の原因・治療・対処法もご覧ください。

椅子から立ち上がると腰が痛む場合によくある質問

椅子から立つときだけ腰が痛いのはなぜですか?

座って静止している間ではなく、座位から立位へ移る動作で腰痛が誘発されています。ただし、その症状だけで筋肉・関節・椎間板など原因となる組織を特定することはできません。

立ち上がるときの腰痛はぎっくり腰ですか?

突然起こった強い腰痛は一般に「ぎっくり腰」と呼ばれることがありますが、ぎっくり腰は病名ではありません。以前から立ち上がるたびに軽く痛む状態をすべてぎっくり腰と呼ぶわけではありません。

立ってしまえば痛くないなら様子を見て大丈夫ですか?

一度だけ軽く痛み、その後改善している場合は経過をみられることもあります。一方、立つたびに繰り返す、以前より悪化する、仕事や家事へ影響する場合は整形外科への相談を検討してください。

腰椎椎間板ヘルニアの可能性はありますか?

立ち上がると腰が痛むという症状だけでは判断できません。腰椎椎間板ヘルニアでは、お尻・脚への痛みやしびれ、感覚低下、筋力低下などを伴う場合があります。

立つときに手を使ってもいいですか?

痛みで立ち上がりにくい場合は、安定した肘掛けなどを利用して安全に立って構いません。ただし、脚に力が入らないため立てない場合や、筋力低下が進んでいる場合は医療機関へ相談してください。

腰だけが痛くても整形外科へ行っていいですか?

受診できます。立ち上がるたびに繰り返す、以前より悪化する、仕事や家事へ支障がある場合などは、脚症状がなくても整形外科で相談できます。

レントゲンやMRIは必ず撮りますか?

必ず行うわけではありません。症状・診察所見・外傷の有無などを確認し、画像検査の結果が診療方針に影響すると考えられる場合などに検討します。

まとめ|「立つ瞬間だけ痛い」こと自体が診察で重要な情報

椅子に座っている間は平気で、立ち上がる瞬間だけ腰が痛む場合は、座っていることそのものではなく、座位から立位へ移る動作で症状が誘発されています。

  • 腰痛がある人では立ち上がり動作に違いがみられる研究がある
  • ただし、その違いが腰痛の原因なのか結果なのかは分からない
  • 立ち上がり時痛だけで筋肉・椎間板・関節などを特定できない
  • 「立ち上がると痛い=ぎっくり腰・椎間板ヘルニア」ではない
  • 軽く一度だけ痛み、その後改善している場合は経過をみられるケースもある
  • 繰り返す・悪化する・生活へ影響する場合は整形外科へ相談できる
  • 急速な筋力低下、排尿・排便機能の異常、会陰部の感覚低下などは通常外来と分けて対応する

「立ってしまえば平気だから」と繰り返す腰痛を放置せず、以前より痛みが強い、立ったあとにも残る、仕事や家事へ影響している場合は、一度現在の状態を確認することが大切です。

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院長 沼倉 裕堅 医師

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監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
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整形外科部門統括医師
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本成長学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
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