「骨折のギプスが外れたのに、手首がほとんど曲がらない」「骨はついたと言われたのに、手首がガチガチで以前のように使えない」と不安になっていませんか。
手首を一定期間ギプスなどで固定していると、固定が外れた直後に手首の硬さ・動かしにくさ・筋力低下・腫れ・軽い痛みを感じることがあります。
先に結論
ギプスを外した直後に手首が硬くて動かしにくいことは珍しくありません
骨折後は、手首や手指の動き・筋力・日常生活での使いやすさを取り戻すため、状態に応じた運動やリハビリが重要です。
ただし、すべての方が通院リハビリを必要とするわけではありません。骨折の治り方や手術の有無、手首の動き、生活への支障などを確認して判断します。
「硬いから」と無理に手首を曲げないでください
ギプスが外れたことと、強いストレッチや重量物、手をついて体重をかける動作まで許可されたことは同じではありません。動かしてよい範囲や負荷は、骨折の状態によって異なります。
今の状態に近いものを確認してください
医師から動かしてよいと言われ、少しずつ動きが改善している
→ 指示された範囲で自宅での運動や日常生活で手を使いながら経過を見る場合があります。
手首がかなり硬い・生活や仕事で使いにくい
→ 整形外科で状態を確認し、通院リハビリが必要か相談することをおすすめします。
強い痛み・しびれ・指の色の変化・親指が急に伸ばせない
→ 単なる「ギプス後の硬さ」と自己判断せず、早めに整形外科へ再受診してください。
ギプスは、骨折した部分を安定させて治癒を促すために行う固定です。
一方、固定している期間は手首を普段のように動かすことができません。そのため、ギプスを外した直後には関節の動きが狭くなったり、周囲の筋力が低下したりすることがあります。
ギプスを外したあとには、例えば次のような動かしにくさを感じることがあります。
骨折後に特に誤解されやすいポイントです。
レントゲンなどで骨折部の治癒が進み、ギプスを外せる状態になっても、その時点で手首の関節可動域・筋力・握力・細かな手の動きまで骨折前と同じ状態に戻っているとは限りません。
「骨折部を安定させる段階」から「手首の機能を取り戻していく段階」へ移ったと考えると分かりやすいでしょう。
手首の骨折後は、状態に応じた運動やリハビリが重要です。
代表的な手首の骨折である橈骨遠位端骨折では、手術を行った場合・ギプスなどで治療した場合のどちらでも、手首や手指の機能回復を目的としたリハビリを行います。
ただし、ここでいう「リハビリ」には、自宅で行う運動から医療機関で理学療法士などと行う専門的なリハビリまで含まれます。
通院リハビリを相談したいケース
自宅での運動を中心に進めるケース
骨折部が安定し、医師から動かしてよい範囲について説明を受け、手首の動きや日常生活での使いやすさが順調に改善している場合は、自宅での運動を中心に経過を見ることもあります。
必要なリハビリの内容や頻度は、骨折部位、骨のずれ、固定期間、手術の有無、年齢、骨折前の身体機能などによって異なります。
橈骨遠位端骨折そのものについては、 橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折) をご覧ください。
ギプスが外れたのに手首が動かず、不安な方へ
「この硬さは普通なのか」「リハビリへ通った方がよいのか」「どこまで自分で動かしていいのか分からない」という段階でも整形外科で相談できます。
骨折後の手首・リハビリを相談する →※骨折の部位・治癒状況・固定方法・これまでの治療内容などによって、リハビリの適応や内容は異なります。
「ギプスを外した日から手首を動かした方がいい?」と迷う方もいるでしょう。
開始時期は一律ではありません。骨折部の安定性や骨癒合の状態、固定方法、手術方法などを確認し、医師から許可された範囲で段階的に動かすことが基本です。
「手首を動かしてよい」と「強い負荷をかけてよい」は別です
手首の軽い運動を始められても、次の動作まで許可されているとは限りません。
負荷を増やす時期についても主治医へ確認してください。
強く押したり、勢いをつけて手首を曲げたりすれば早く回復するとは限りません。
過度な負荷によって痛みや腫れが強くなる場合もあります。まずは許可された範囲で動かし、症状を確認しながら少しずつ使用量を増やします。
骨折後のリハビリは、「硬い手首をとにかく曲げる」だけではありません。現在の可動域、筋力、痛み、腫れ、生活上の困りごとを確認しながら段階的に進めます。
1.手首の関節可動域を確認する
手のひら側へ曲げる、手の甲側へ反らすなど、どの方向にどの程度動かしにくさがあるか確認します。
2.前腕をひねる動きを確認する
手のひらを上へ向ける「回外」、下へ向ける「回内」の動きも、手首の骨折後に制限されることがあります。
3.手指・握力の回復を目指す
固定期間中の活動量低下などによって、握る力が弱くなることがあります。骨折部へかけられる負荷を確認しながら、段階的に手指や前腕を使います。
4.日常生活・仕事で必要な動きを練習する
ペットボトルを開ける、料理をする、タオルを絞る、パソコンを使うなど、実際に困っている動作の回復も目標になります。
SBC整形外科クリニックのリハビリについては、 リハビリテーション科 をご覧ください。
ギプス除去直後の硬さ・弱さ・多少の腫れや違和感はみられることがあります。
一方、次のような場合は「固定していたから仕方ない」と決めつけず、整形外科へ相談してください。
橈骨遠位端骨折では、骨折後しばらくしてから、親指を伸ばす長母指伸筋腱が損傷し、親指を伸ばしにくくなることがあります。
「昨日までは親指を伸ばせたのに、急にできなくなった」といった場合は、単なる固定後の硬さとは異なる可能性があるため、整形外科で確認してください。
ギプスを外した直後に、骨折前と同じように手首が動くとは限りません。
固定後の硬さや筋力低下は、許可された範囲で手を使ったりリハビリを続けたりすることで、徐々に改善していくことがあります。
回復にかかる時間は、
などによって異なります。数週間から数か月かけて徐々に動きや使いやすさが改善することもあり、「何週間で必ず元どおりになる」と一律には判断できません。
医師から手首を動かしてよいと説明されている場合は、無理のない範囲で軽い日常動作から少しずつ手を使っていきます。
軽い日常動作から始める
食事、着替え、軽い物を持つなど、許可された範囲の動作から使用量を増やします。
運動後の痛み・腫れを確認する
動かしたあとに痛みや腫れが大きく増える場合は、現在の運動量や負荷が適切か確認します。
重い物・手をつく動作は許可を確認する
可動域の運動を始められても、重量物を持つことや手首へ体重をかけることまで許可されているとは限りません。
骨折を治療した病院が遠く、「ギプスが外れたあとのリハビリは自宅や職場の近くで受けたい」と考える方もいるでしょう。
転院先が骨折後のリハビリに対応しており、医師がリハビリの適応があると判断した場合には、別の整形外科で継続できることがあります。
他院で骨折治療を受けた場合は、可能であれば次の資料を持参してください。
転院先でも現在の骨折部や手首の状態を診察し、リハビリの適応や内容を判断します。
運動器リハビリの期間については、 リハビリ150日ルールとは? もご覧ください。
骨折で手首を一定期間固定していると、ギプスを外した直後に手首が硬い、弱い、動かしにくいと感じることがあります。
ギプスを外せるほど骨折の治癒が進んでいても、手首の可動域や筋力まで同時に骨折前の状態へ戻っているとは限りません。
「この硬さはギプス後として普通なのか」「リハビリへ通った方がよいのか」「どこまで動かしていいのか分からない」という方は、整形外科で現在の骨折部と手首の状態を確認してみてください。
状況に合わせて確認したいページ
SBC整形外科クリニック西新宿本院では、骨折やけがによって身体を動かしにくくなった方のリハビリテーションにも対応しています。
ギプスが外れたあとも手首が硬い、日常生活で手を使いにくいなどの場合は、医師がこれまでの骨折治療や現在の状態を確認し、適応に応じてリハビリテーションを検討します。
他院で骨折の治療を受けた方は、紹介状や過去のレントゲン画像、手術・運動制限に関する資料などをお持ちの場合はご持参ください。