「ドアノブを回すと、手首の小指側が痛い」
「ペットボトルのキャップを開けるとズキッとする」
「手のひらを上・下へ返すようにひねると痛む」
このような手首の小指側の痛みでは、TFCC(三角線維軟骨複合体)、遠位橈尺関節、ECU腱など、複数の組織が症状に関係している可能性があります。
特にドアノブやキャップを回す動作では、手首だけでなく、前腕を内側・外側へひねる回内・回外という動きが起こります。
ただし、「小指側が痛い」「ひねると痛い」だけでTFCC損傷とは判断できません。
TFCCは手首の小指側にあり、手首へ加わる力の分散や、前腕をひねるときの遠位橈尺関節の安定性に関係しています。
そのため、TFCC周辺に障害があると、ドアノブを回す、ペットボトルのキャップを開ける、雑巾を絞るなどの動作で小指側に痛みが出ることがあります。
一方、ECU腱の障害、遠位橈尺関節の不安定性、尺骨突き上げ症候群などでも似た症状が出ます。
転倒・事故など明確な外傷の直後から痛む場合は、TFCCだけでなく骨折・捻挫を含む外傷として評価します。
「この手首痛は受診した方がいい?」整形外科の受診目安を先に確認する →
手首の小指側には、前腕にある2本の骨のうち尺骨があり、その周囲には線維軟骨・靱帯・腱・複数の関節があります。
小指側手首痛で確認する代表的な組織には、
などがあります。
そのため、「小指側」という痛みの位置だけでは原因を一つに絞れません。
前腕をひねる、物を握る、手をつく、手首を小指側へ動かすなど、どの動作で普段の痛みが出るかも確認します。
同じ小指側手首痛でも、症状の組み合わせによって確認するポイントが変わります。
TFCCとは、Triangular Fibrocartilage Complex(三角線維軟骨複合体)の略称です。
一枚の軟骨ではなく、手首の小指側にある線維軟骨や靱帯などから構成される複合的な組織です。
TFCCは、
ことなどに関係しています。
ドアノブを回す、ペットボトルのキャップを開ける、鍵を回すといった動作では、前腕の回内・回外が起こります。
TFCCは遠位橈尺関節の安定性に関係しているため、この周辺に障害がある場合には回旋動作で小指側の痛みが出ることがあります。
ほかにも、
などで症状が出る場合があります。
TFCCの障害は、転倒などをきっかけに突然起こる場合だけではありません。
外傷による損傷のほか、年齢や繰り返す負荷などに伴う変性性の変化が症状に関係する場合もあります。
そのため、
「転んでいないからTFCCではない」
「ひねると痛いからTFCC損傷だ」
のどちらも正確ではありません。
TFCCを評価する身体診察には、小指側の特定部位を押したり、手首へ負荷を加えたりする方法があります。
しかし、小指側手首痛ではTFCC、尺骨突き上げ、ECU腱などの症状・身体所見が重なることがあります。
痛みを確かめるために強く押す、何度もひねる、手をついて体重を繰り返しかける必要はありません。
尺側手根伸筋(ECU)の腱は、手首の背側から小指側を通ります。
スポーツ・仕事などで手首へ反復する負荷が加わると、ECU腱の腱障害によって痛みが出ることがあります。
例えば、
といった症状がみられる場合があります。
ECU腱を支える組織が傷むなどして腱が不安定になると、前腕をひねった際に腱が弾く・ずれるような感覚が生じる場合があります。
痛みを伴うクリック感・スナップ感がある場合には、腱の炎症だけでなく不安定性についても確認します。
遠位橈尺関節は、手首に近い位置で橈骨と尺骨が接する関節です。
手のひらを上へ向ける・下へ向けるという前腕の回旋に関係しています。
この関節に不安定性などがあると、
場合があります。
TFCCはDRUJを安定させる重要な組織の一つですが、DRUJの痛み・不安定性=TFCC損傷とは限りません。
尺骨突き上げ症候群(ulnar impaction syndrome)は、尺骨側から手根骨・TFCC周辺へ繰り返し負荷がかかることで、小指側の手首痛につながる病態です。
尺骨が橈骨より相対的に長い状態は背景の一つですが、骨の長さだけで病気が決まるわけではありません。
前腕の位置や握る動作などによって、動作中の尺骨側への荷重が変化することもあります。
症状として、
ことがあります。
小指側手首痛には、手根骨・靱帯・関節の障害や骨折など、ほかにも複数の原因があります。
そのため、症状の組み合わせだけを使ってご自身で病名を決めることはできません。
転倒して手をついたあとから痛む場合には、TFCCだけでなく骨折・捻挫などの外傷として評価します。
特に、
場合には、以下の記事をご覧ください。
一時的な軽い痛みで、負担となる動作を減らすことで明らかに改善している場合には経過をみられることもあります。
一方、次のような場合には整形外科への相談をご検討ください。
このような場合には通常の経過観察ではなく、救急対応が可能な医療機関を含め速やかな受診を検討してください。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、手首の小指側の痛みを一般整形外科の保険診療で診察しています。
「ドアノブを回すと痛い」「ペットボトルのキャップを開けると小指側が痛む」という段階でもご相談いただけます。
小指側のどこが痛むのか、前腕をひねったときの症状、手首の動き、圧痛、クリック感・不安定感、外傷歴などを確認し、TFCCだけに決めつけず原因となる組織を整理します。
必要に応じて院内のレントゲン・超音波(エコー)検査などを検討し、さらに詳細な画像評価が必要な場合には撮影可能な医療機関への紹介を検討します。
西新宿本院の一般整形外科を予約する 横浜駅前院の一般整形外科を予約する「ひねると小指側が痛い」という一つの症状だけでTFCC損傷とは診断しません。
小指側には複数の組織があるため、痛む場所と症状が出る動作を順番に確認します。
主に、
などを確認します。
手首の曲げ伸ばし、前腕の回内・回外などを確認し、必要に応じて握力や関節の安定性も評価します。
TFCC周囲、遠位橈尺関節、ECU腱などに負荷が加わる身体診察を組み合わせることもあります。
ただし、一つの身体テストが陽性という理由だけで病名を確定することはできません。
慢性的な手首痛や外傷後の痛みでは、骨・関節の状態を確認する目的でレントゲン検査を検討します。
骨折、関節の変化、橈骨と尺骨の位置関係などを確認する手掛かりになります。
一方、TFCCそのものを通常のレントゲンで直接確認することはできません。
超音波(エコー)検査は、ECU腱など比較的皮膚に近い腱を評価する際に使用することがあります。
前腕を動かしながら腱の位置・動きをリアルタイムに観察できるため、ECU腱の不安定性などを評価する際に役立つ場合があります。
一方、TFCCは関節内にある複雑な構造であり、TFCCのすべての病変をエコーだけで確定・否定できるわけではありません。
エコーについて詳しく知りたい方は、 整形外科のエコー検査とは?何がわかる?レントゲン・MRIとの違い をご覧ください。
診察やレントゲンだけでは原因が明確にならず、TFCC・靱帯などの関節内構造をさらに詳しく確認する必要がある場合には、MRIやMR関節造影などの追加画像検査を検討することがあります。
必要な検査は、疑われる病態によって異なります。
TFCCの変性や断裂様の所見は、手首に症状がない方のMRIでもみられることがあります。
そのため、MRIでTFCCの異常を指摘された場合でも、実際に痛む場所、症状が出る動作、身体診察などとの一致を確認することが重要です。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。詳細な画像検査が必要と医師が判断した場合には、撮影可能な医療機関への紹介を検討します。
小指側が痛むからといって、すべての方を「TFCC損傷」として治療するわけではありません。
原因・症状に応じて、
などを検討します。
「まだ痛いかな」とドアノブを何度も回す、手首を強くひねる、手をついて体重を繰り返しかける必要はありません。
どの動作で症状が出るか分かっている場合には、まずその負荷を減らします。
手首の固定が治療の一つとして用いられることはありますが、原因によって固定する範囲や期間は異なります。
長期間自己判断で強く固定し続けるのではなく、症状が続く場合には原因と適切な対応を確認しましょう。
TFCC障害では前腕をひねる動作で小指側が痛むことがありますが、それだけでは判断できません。遠位橈尺関節、ECU腱、尺骨突き上げ症候群などでも似た症状が起こります。
一時的な軽い痛みで改善傾向にある場合には経過をみられることもあります。一方、同じ動作で繰り返す、改善しない、握る・物を持つ動作にも支障がある場合には整形外科への相談をご検討ください。
TFCCそのものを通常のレントゲンで直接確認することはできません。レントゲンでは骨折や骨・関節の状態などを確認します。TFCCなどの軟部組織をさらに詳しく確認する必要がある場合にはMRIなどを検討します。
必ずしもそうとは限りません。TFCCの変化は、手首に症状がない方のMRIでもみられることがあります。画像だけではなく、実際に痛む位置、症状が出る動作、身体診察などとの一致を確認します。
小指・薬指のしびれを伴う場合には、尺骨神経など神経系の障害についても確認します。TFCCは主に手首の疼痛や安定性に関係する組織であり、しびれをTFCCだけで説明することはできません。
ドアノブやペットボトルのキャップを回すたびに手首の小指側が痛む場合、TFCCを含む小指側の組織が症状に関係している可能性があります。
ただし、小指側手首痛は原因となる組織が多く、症状だけでは原因を特定しにくい部位です。
痛みを繰り返す、改善しない、握る・持つ動作にも支障がある場合には、自分でTFCC損傷と決めず整形外科で原因を確認しましょう。
転倒して手をついたあとから痛む方は、 転んで手をついて手首が痛い|骨折と捻挫の見分け方 をご覧ください。
手首の親指側が痛み、親指を動かすと痛い方は、 ドケルバン病 をご覧ください。
転倒後、親指側の手首痛が続く方は、 舟状骨骨折 をご覧ください。
小指・薬指のしびれが主症状の方は、 上肢のしびれ をご覧ください。
手首の症状を部位別に確認したい方は、 手関節の痛み・障害 をご覧ください。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、手首の小指側の痛みを一般整形外科の保険診療で診察しています。
「TFCCなのか分からない」「ドアノブを回すと小指側だけ痛む」という段階でもご相談いただけます。
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