お子様の身長が同級生より低いと、「遺伝だから仕方がないのか」「食事や睡眠を変えれば伸びるのか」「病院へ行くべきなのか」と不安になる保護者の方も少なくありません。
※本記事は一般的な医学情報を提供するものであり、個別の診断や治療方針を示すものではありません。
目次
小学生の身長の成長を支えるために、まず意識したいのは次の4点です。
これらは、遺伝的に決まっている身長を大幅に変える魔法の方法ではありません。しかし、栄養不足や睡眠不足、病気などによって、本来得られるはずの成長が妨げられるのを防ぐために非常に重要です。
身長には遺伝や体質が大きく関係しますが、栄養状態、ホルモン、慢性疾患、骨や染色体の病気、出生時の状態なども成長に影響します。生活習慣を整えるだけでなく、成長の経過に異常がないかを確認することが大切です。
文部科学省が公表した令和7年度学校保健統計調査によると、小学生に該当する年齢の平均身長は次のとおりです。
| 年齢 | 男子の平均身長 | 女子の平均身長 |
|---|---|---|
| 6歳 | 116.6cm | 115.6cm |
| 7歳 | 122.7cm | 121.6cm |
| 8歳 | 128.3cm | 127.5cm |
| 9歳 | 134.0cm | 133.8cm |
| 10歳 | 139.5cm | 140.9cm |
| 11歳 | 146.1cm | 147.4cm |
※年齢は4月1日時点の満年齢です。
※これらは全国の児童を集計した平均値であり、個人の正常・異常を判断する基準ではありません。
子どもの成長を評価する際は、現在の身長だけでなく、これまでどのように伸びてきたか(成長曲線)を見ることが重要です。
例えば、平均より小柄でも、成長曲線に沿って一定のペースで伸びている場合は、遺伝や体質による可能性があります。反対に、現在の身長が平均範囲内でも、以前の成長曲線から徐々に下向きに外れている場合は注意が必要です。
日本小児内分泌学会では、標準身長の-2.0SDから+2.0SDまでに約95%の子どもが含まれ、「-2.0SD以下」を低身長の一つの基準としています。ただし、この数値だけでなく、身長の伸び方も含めて総合的に評価する必要があります。
令和7年度の年齢別平均身長を見ると、小学生の年齢では、隣り合う年齢の平均値におおむね5~7cm程度の差があります。しかし、実際の成長速度は、年齢、性別、思春期の開始時期によって異なります。「年間4cm未満なら必ず異常」など、一つの数値だけで判断するのではなく、年齢・性別に合った成長曲線で評価してください。
身長が伸びる主な理由は、腕や脚などの長い骨が縦方向に成長するためです。
成長期の骨の両端付近には、「骨端線(こったんせん)」または「成長軟骨帯」と呼ばれる軟骨組織があります。
骨端線では軟骨細胞が増殖し、その軟骨が少しずつ骨に置き換わることで、骨が長くなります。成長期が終わって骨端線が閉鎖すると、基本的に骨の長さをさらに伸ばすことはできません。
骨端線の閉鎖時期には個人差があり、暦年齢だけでは判断できません。医療機関では、手や手首などのレントゲン画像から骨の成熟度を調べる「骨年齢評価」が行われることがあります。
成長ホルモンは、脳にある下垂体から分泌されるホルモンです。肝臓などに働きかけてIGF-1という成長因子の産生を促し、骨端線の軟骨細胞の増殖に関係します。
成長ホルモンは睡眠中などに脈動的に分泌されますが、「長く寝れば寝るほど身長が伸びる」という単純な関係ではありません。十分な睡眠は、成長だけでなく、心身の健康や生活リズムを整えるために重要です。
思春期になると性ホルモンの分泌が増え、一時的に身長が急速に伸びる「成長スパート」が起こります。
性ホルモンには骨を成熟させ、骨端線を閉鎖へ向かわせる作用もあります。そのため、思春期が早く始まった子どもは一時的に背が高く見えても、早い時期に身長の伸びが止まることがあります。通常より早い二次性徴が見られる場合は、思春期早発症などの可能性も含めて小児科へご相談ください。
身長が低い原因の多くは、遺伝や体質によるものです。しかし、一部には検査や治療が必要な原因も潜んでいます。
両親や近親者が小柄な場合、子どもも同じような成長パターンになることがあり、家族性低身長と呼ばれます。また、思春期の開始が遅く、遅れて成長スパートが起こる体質の子どももいます。
極端な偏食、少食、無理な減量、スポーツでの消費量に対し食事量が不足している状態が続くと、身長の伸びに影響します。
成長ホルモン分泌不全性低身長症や甲状腺機能低下症など。一般的な血液検査だけでは診断が難しく、詳しい検査が必要になる場合があります。
家庭での取り組みは、身長を確実に高くする魔法ではありません。お子様が本来持っている成長の可能性を、栄養不足や生活習慣の乱れによって妨げないことが最大の目的です。
身長の成長を支えるには、まず必要なエネルギーを不足なく摂ることが重要です。次のような食品を組み合わせてください。
カルシウムなど特定の栄養素だけを摂れば伸びるわけではありません。また、「身長を伸ばす」とうたうサプリメントについても、健康な子どもの最終身長を確実に高くする効果が確認されているわけではありません。
厚生労働省のガイドラインでは、小学生は9~12時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。朝起きる時刻から逆算して就寝時刻を決め、休日も起床時刻を大きくずらさないことがポイントです。寝る前のスマホ使用は見直し、朝は太陽の光を浴びましょう。
子どもは中強度以上の身体活動を1日60分以上行うことが目安です。特定のスポーツに限定せず、走る、跳ぶ、遊ぶなど、無理なく継続できる活動を取り入れましょう。ただし、休養や食事が不足した状態での激しい運動は逆効果になるため注意が必要です。
毎日測る必要はありません。3~6か月程度の間隔で、できるだけ同じ条件で測定し、学校健診の記録も含めて成長曲線へ記入してください。数mmの変化に一喜一憂せず、中長期的な推移(カーブに沿って伸びているか)を見ることが重要です。
次のような場合は、一度医療機関へ相談することを検討してください。
原因を総合的に調べる場合は「小児科(小児内分泌)」が中心となります。
一方で、骨年齢や骨端線、骨格の状態をしっかり確認したい場合には、当院のような整形外科(低身長外来)で検査を受けるのも一つの選択肢です。※詳しい治療が必要と判断された場合は専門の小児内分泌科へ連携します。
身長の数値だけでなく、これまでの成長経過や出生時の状態などを総合的に確認します。
母子健康手帳や学校健診の記録をもとに、出生時の状態、これまでの成長記録、両親の身長、生活習慣、二次性徴の時期などを確認します。受診時は記録を持参するとスムーズです。
手や手首のレントゲンを撮影し、骨の成熟度(骨年齢)を評価します。骨年齢が若ければ成長余地が残っている可能性があり、骨端線が閉鎖に近づいていれば身長が伸びる期間は限られていると考えられます。
貧血、肝・腎機能、甲状腺ホルモン、IGF-1(成長因子)、栄養状態などを調べます。
成長ホルモン分泌不全が疑われる場合に行う、より詳しい検査です。専門的な医療機関で実施されます。
原因によって治療法は異なります。すべての低身長に成長ホルモン治療が必要なわけではありません。甲状腺機能低下症や栄養不足が原因の場合は、その治療や栄養管理が優先されます。
成長ホルモン治療は、「身長が低い」という理由だけで保険適用になるわけではありません。
| 保険診療になる可能性があるケース | 自費診療になるケース |
|---|---|
※厳格な診断・治療基準を満たす必要があります。現在の身長、成長速度、検査結果から判断されます。 |
保険適用の基準に該当しない場合、自費診療として検査や治療が行われることがあります。
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成長ホルモン治療は長期間にわたり、副作用のリスク(頭痛、関節痛、血糖値変化など)もあるため、担当医とよく相談し、納得した上で選択することが重要です。
SBC整形外科クリニックでは、お子様の身長に関する相談に対して、自費診療による検査・評価と小児低身長プランを行っています。
当院で行う主な内容
※当院の小児低身長治療は自費診療です。
検査の結果、保険診療での対応や小児内分泌による専門的な診断が必要と考えられる場合には、適切な医療機関へご案内いたします。
| 目安体重 | 1か月の平均本数 | 1か月の費用目安 |
|---|---|---|
| 21kgまで | 2本 | 109,600円 |
| 28kgまで | 3本 | 164,400円 |
| 43kgまで | 4本 | 219,200円 |
| 57kgまで | 5本 | 274,000円 |
※2026年7月時点の公式サイト掲載費用です。
※成長ホルモン製剤は1本10mgで、半年分をまとめて購入する場合の価格は1本54,800円(税込)です。初回限定1か月体験プランは1本38,000円(税込)。
※初回はペン型注射器の購入費用6,800円(税込)がかかります。診察・検査費用などが別途必要になる場合があります。価格は変更される可能性があるため、受診前に最新情報をご確認ください。
牛乳だけで身長が伸びるわけではありません。飲みすぎて食事量が減ると栄養バランスが偏るため、肉・魚・野菜など多様な食品を組み合わせることが重要です。
適切な指導下での筋トレが悪影響を与える根拠はありません。ただし、無理な高重量や誤ったフォームはけがの原因になります。小学生は遊びや自重運動を中心に正しい動作を身につけましょう。
両親の身長は関係しますが、それだけで決まるわけではありません。遺伝だけで判断せず、成長曲線に沿って伸びているかを確認することが大切です。
特定のサプリメントを摂るだけで健康な子どもの最終身長が高くなるという根拠はありません。「飲むだけで伸びる」といった広告を鵜呑みにせず、まずは食事を見直しましょう。
骨年齢は成長余地を評価するのに役立ちますが、算出される予測身長はあくまで推定値であり、実際の最終身長とは差が生じることがあります。
効果には個人差があります。骨端線が閉じている場合などは十分な効果が期待できないこともあります。治療前に限界やリスクをよく確認してください。
お子様の身長について不安がある場合は、まずこれまでの記録を成長曲線に記入してみてください。当院ではレントゲンによる骨年齢の評価などを客観的に行います。
検査を受けたからといって、必ず治療を開始する必要はありません。しっかり説明を受けた上で、ご家庭でご検討いただけます。受診時は母子健康手帳、学校健診の記録などをぜひご持参ください。
参考・出典
| 【所在地】 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7丁目-21-3 西新宿大京ビル7階 |
|---|---|
| 【電話番号】 | 0120-962-992 (電話受付時間 9:15~18:00) |
| 【最寄り駅】 | 西新宿駅より徒歩2分 新宿駅より徒歩7分 都庁前駅より徒歩7分 |
| 【診療日】 | 土日祝日も全日診療 ※18歳未満の方が受診する場合は、親権者の同伴が必要です。 |