子どもの低身長は治せる?原因別の治療法・成長ホルモン治療の効果を解説 | SBC整形外科クリニック

子どもの低身長は治せる?原因別の治療法・成長ホルモン治療の効果を解説

「子どもの身長が低いけれど、治療すれば伸ばせる?」
「低身長症にはどんな治療がある?」
「成長ホルモン注射をすれば、どのくらい伸びる?」

子どもの身長が同年代より低いと、
「治療できるものなのか」
が気になる保護者の方も多いでしょう。

成長期の子どものイメージ

結論からいうと、
低身長は原因によって治療できる場合と、医学的な治療を必要としない場合があります。

「背が低い」という状態そのものが一つの病気なのではなく、遺伝や体質によるものから、ホルモン・染色体・遺伝子・骨・慢性疾患などによるものまで原因はさまざまです。

低身長の治療でまず知っておきたいこと
✓ 低身長の原因によって治療方法は異なります
✓ 背が低いだけで成長ホルモン治療を行うわけではありません
✓ 成長ホルモンが不足していなくてもGH治療の対象となる疾患があります
✓ 甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン補充など原因に応じた治療を行います
✓ 骨端線が閉鎖すると、成長ホルモンで骨を長く伸ばすことはできません
✓ 治療効果を「必ず○cm伸びる」と一律に予測することはできません

子どもの低身長は治せる?まず原因を確認することが重要

日本小児内分泌学会では、低身長の一つの目安として、
同性・同年齢の標準身長より-2SD以下
を示しています。

ただし、-2SD以下だから病気というわけではありません。

子どもの低身長では、
両親の身長など遺伝・体質が関係しているケースが多い
一方で、治療可能な病気が隠れていることがあります。



「低身長を治療する」のではなく「低身長の原因に合った治療をする」


という考え方が基本です。

低身長の原因と治療方法

代表的な原因と治療の考え方を整理すると、次のようになります。

原因 主な治療・対応
遺伝・体質による低身長 成長曲線を確認しながら経過観察。病的な原因がないか確認します
成長ホルモン分泌不全性低身長症 成長ホルモン補充療法
甲状腺機能低下症 不足している甲状腺ホルモンを補充
SGA性低身長症 一定の治療基準を満たす場合は成長ホルモン治療
ターナー症候群 低身長に対する成長ホルモン治療、必要に応じて女性ホルモン治療など
プラダー・ウィリー症候群 条件を確認したうえで成長ホルモン治療など
ヌーナン症候群 低身長に対する成長ホルモン治療
SHOX異常症 基準を満たす場合は成長ホルモン治療
慢性腎不全に伴う低身長 原疾患の治療とあわせて、適応を満たす場合は成長ホルモン治療
軟骨無形成症 成長ホルモン治療やボソリチドなど。必要に応じて専門的な整形外科治療
慢性疾患・栄養上の問題 原因となっている疾患や栄養状態の治療・改善

つまり、
「低身長なら成長ホルモン注射」という単純なものではありません。
まず原因を調べ、それぞれに適した治療を検討します。

成長ホルモン治療とは?

成長ホルモンを投与する注射器のイメージ

成長ホルモン治療は、
ヒト成長ホルモンを皮下注射する治療
です。

成長ホルモンは骨の成長板に作用し、成長期の骨が長くなる過程に関わります。

成長ホルモンが不足していなくても治療対象になることがあります

元記事では、
「成長ホルモン治療は成長ホルモンが不足している場合に限る」
と説明されていました。

現在、この説明は正確ではありません。
成長ホルモンの分泌不全がなくても、SGA性低身長症、ターナー症候群、ヌーナン症候群、SHOX異常症など、一定の疾患と治療基準を満たす場合には成長ホルモン治療が行われます。

成長ホルモン注射は毎日?週1回の製剤もあります

従来は、週6~7回など頻回に皮下注射する成長ホルモン製剤が中心でした。

現在は、
長時間作用型の週1回投与製剤
も使用できる疾患があります。

タイプ 投与方法の例
従来型GH製剤 週6~7回などに分けて皮下注射
長時間作用型GH製剤 対象疾患・製剤によって週1回投与

※使用できる成長ホルモン製剤や投与量・投与回数は、疾患や年齢、体重などによって異なります。

成長ホルモン治療の効果は?何cm伸びるかは一律ではありません

成長ホルモン治療の適応があり、治療に反応する場合には、
治療開始後に年間の成長速度が改善すること
が期待されます。

ただし、
「治療すれば必ず○cm伸びる」という共通の数字はありません。

治療効果に関係する主な要素
・低身長の原因となっている疾患
・治療を開始した年齢
・治療開始時の身長
・骨年齢と骨端線の状態
・思春期の進み具合
・治療前の成長速度
・治療への反応
・投与量や治療継続期間

「1~2年で1.5~2倍伸びる」とは限りません

元記事では、「治療開始後1~2年の身長の伸びが1.5~2倍」「治療後の平均最終身長は男子163.9cm・女子150.9cm」と紹介されていました。

これらを低身長治療全体に共通する効果として示すことはできません。
原因となる疾患ごとに治療への反応や成人身長への影響が異なるため、治療前の状態と経過を個別に評価します。

身長を伸ばす治療では「骨端線」が重要

子どもの骨にある骨端線の位置

成長期の骨には、
骨端線(成長板)
と呼ばれる軟骨組織があります。

成長ホルモンなどの作用によって成長板で骨が作られ、骨が長くなることで身長が伸びていきます。

手のレントゲンから骨の成熟度を確認するイメージ

骨端線が完全に閉鎖した後は、成長ホルモンを投与しても骨を長くして身長を伸ばすことはできません。

ただし、骨端線が閉じる時期には個人差があります。年齢だけで判断するのではなく、必要に応じて骨年齢などを確認します。

甲状腺ホルモンが不足している場合は甲状腺の治療

甲状腺ホルモンも、子どもの成長に重要なホルモンです。

甲状腺機能低下症によって身長の伸びが悪くなっている場合には、
不足している甲状腺ホルモンを内服薬で補充
します。

原因となるホルモン異常を治療することで、成長速度が改善することがあります。

軟骨無形成症の治療は2019年当時から変化しています

元記事では、軟骨無形成症に対する治療として
骨延長術
を中心に紹介していました。

現在、日本では骨端線が閉鎖していない軟骨無形成症に対して、
ボソリチド
という薬剤も承認されています。

治療 概要
成長ホルモン 国内では軟骨無形成症・軟骨低形成症に対して保険適用となる場合があります
ボソリチド 骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症に対して使用される治療薬
整形外科的治療 合併症や身体機能などに応じて専門的な治療を検討。骨延長術を行う場合もあります
骨延長術は、一般的な「背が低い子ども」に行う標準治療ではありません。適応やリスクを含め、専門的な医療機関で慎重に検討する治療です。

低身長の治療を考える前にどんな検査をする?

まず重要なのは、
なぜ身長の伸びが少ないのかを調べること
です。

✓ 出生時の身長・体重・在胎週数
✓ これまでの身長・体重
✓ 成長曲線
✓ 1年間の身長の伸び
✓ 両親の身長
✓ 思春期の進み具合
✓ 骨年齢・骨端線
✓ 血液検査
✓ 必要に応じて成長ホルモン分泌刺激試験
✓ 疾患が疑われる場合は染色体・遺伝子検査など

成長ホルモンは普通の採血1回では診断できません

成長ホルモン分泌不全性低身長症を診断する場合は、原則として
2種類以上の成長ホルモン分泌刺激試験
などを用いて評価します。

身長が気になるとき、受診を考えたい目安

1回の身長測定だけではなく、
成長曲線と身長の伸び方
を確認しましょう。

一度詳しく確認したいケース
✓ 身長が-2SD以下
✓ 成長曲線が徐々に下向きへ外れている
✓ 以前より年間の身長の伸びが少なくなった
✓ 同年代との身長差が年々広がっている
✓ 小さく生まれ、3歳頃になっても十分に追いついていない
✓ 思春期が極端に早い・遅い
✓ 身体のバランスや発達などにも気になる点がある

病気による低身長の診断や保険診療での治療適応を詳しく確認したい場合は、
小児科・小児内分泌科への相談が基本
です。

SBCで子どもの成長状態を確認したい場合

SBC整形外科クリニックでは、
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SBC整形外科クリニックの小児低身長に関する診療・検査・治療は自由診療です。
病気による低身長の診断や、公的医療保険による成長ホルモン治療を希望する場合は、小児科・小児内分泌科などへご相談ください。

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子どもの低身長治療についてよくある質問

▼ Q. 低身長は治せますか?
原因によって異なります。成長ホルモン分泌不全、甲状腺機能低下症、SGA性低身長症など、適切な治療によって成長速度の改善が期待できる低身長があります。一方、遺伝・体質による低身長では医学的治療が必要ない場合もあります。

▼ Q. 身長が-2SD以下なら治療が必要ですか?
必ずしも治療が必要とは限りません。-2SDは低身長の目安の一つです。成長速度や成長曲線、出生歴、家族歴などを確認し、病気が疑われる場合には詳しく検査します。

▼ Q. 成長ホルモンが正常ならGH治療はできませんか?
いいえ。SGA性低身長症、ターナー症候群、ヌーナン症候群、SHOX異常症など、成長ホルモン分泌不全ではなくてもGH治療の適応となる疾患があります。

▼ Q. 成長ホルモン注射をすれば何cm伸びますか?
一律には予測できません。原因疾患、治療開始年齢、骨年齢、思春期の状態、治療前の身長や成長速度などによって効果は異なります。

▼ Q. 成長ホルモン注射は毎日必要ですか?
使用する製剤や疾患によって異なります。従来型には週6~7回投与する製剤があり、現在は対象疾患によって週1回投与する長時間作用型製剤も使用されています。

▼ Q. 骨端線が閉じた後でも治療で身長を伸ばせますか?
骨端線が完全に閉鎖した後は、成長ホルモンを投与しても骨を長くすることで身長を伸ばすことはできません。

▼ Q. 低身長の治療は早い方がいいですか?
治療が必要な疾患の場合、成長できる期間が残っていることは重要です。ただし、低身長だからすぐ治療を始めるのではなく、まず原因・骨年齢・成長速度を確認します。

▼ Q. 低身長は何科で相談しますか?
病気による低身長の診断や保険診療による治療を希望する場合は、小児科・小児内分泌科への相談が基本です。

▼ Q. SBCの低身長治療は保険診療ですか?
SBC整形外科クリニックの小児低身長に関する診療・検査・治療は自由診療です。公的医療保険による成長ホルモン治療とは取り扱いが異なります。

まとめ|低身長は「原因を見つけること」が治療の第一歩

✓ 低身長には遺伝・体質から病気までさまざまな原因がある
✓ 治療方法は原因によって異なる
✓ GH不足以外にも成長ホルモン治療の対象疾患がある
✓ 現在は週1回型のGH製剤も一部疾患で使用できる
✓ 甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンなど原因に合った治療を行う
✓ 軟骨無形成症にはボソリチドという治療選択肢もある
✓ 成長ホルモン治療の効果を「必ず○cm」と一律には示せない
✓ 骨端線・骨年齢・成長速度の確認が重要

大切なのは、同級生との身長差だけを見て「治療が必要」と決めることではありません。

母子健康手帳や学校健診の記録から
成長曲線と年間の身長の伸びを確認し、必要に応じて原因を詳しく調べること
が、適切な治療を選ぶ第一歩です。

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監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本四肢再建・創外固定学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院