「子どもの身長のために亜鉛サプリを飲ませたほうがいい?」「普段の食事だけで亜鉛が足りているか心配」「亜鉛を多く摂れば背が伸びやすくなる?」と考える保護者の方もいるでしょう。
亜鉛は、子どもの正常な成長や発育に必要な栄養素の一つです。
結論|亜鉛は成長に必要ですが、「亜鉛サプリを飲めば身長が高くなる」という意味ではありません。
亜鉛が不足している場合には、不足を補うことが重要です。
一方、すでに食事などから必要量を摂れている子どもが、身長を伸ばす目的で亜鉛をさらに追加しても、その分だけ最終身長が高くなるとはいえません。
30秒でわかるポイント
すべての子どもに亜鉛サプリが必要なわけではありません。
肉・魚・卵・乳製品・大豆製品などを含む食事を日常的に摂れており、体重や成長経過にも大きな問題がない場合、身長を伸ばす目的だけで亜鉛サプリを積極的に追加する必要性は一般的に高くありません。
まず確認したいのは、「サプリを飲んでいるか」ではなく、普段の食事量や食事内容、体重の増え方、体調などです。
ただし、これらの症状だけで「亜鉛不足」と診断することはできません。
必要に応じて、食事内容、身体所見、成長経過、血液検査などを組み合わせて評価します。
市販サプリには、「成長期向け」「成長をサポート」などと表示されている商品があります。
しかし、子ども向けの商品であることと、その商品によって最終身長が高くなることは別の話です。
日本小児内分泌学会も、身長を伸ばす効果をうたうサプリメント等について見解を公表しています。
日本小児内分泌学会「身長を伸ばす効果があると宣伝されているサプリメント等に関する学会の見解」
亜鉛は、体内で十分につくることができない必須ミネラルです。
タンパク質やDNAの合成、細胞分裂、免疫機能、味覚、傷の修復など、身体のさまざまな機能に関わっています。
子どもは身体の組織が活発につくられる時期であるため、正常な成長・発育のためにも適切な量の亜鉛が必要です。
亜鉛が不足すると、
などがみられることがあります。
重要なのは「不足を補うこと」と「上乗せして身長を高くすること」を分けること
亜鉛不足がある子どもでは、不足状態を改善することが正常な成長を支えるうえで重要です。しかし、すでに必要量を摂れている子どもへさらに亜鉛を追加すれば、その量に比例して身長が伸びるわけではありません。
「亜鉛を飲めば健康な子どもの最終身長が高くなる」とは言えません。
子どもの身長には、
など、複数の要因が関係します。
「身長が伸びない=亜鉛不足」と一つの栄養素だけに原因を求めないことが重要です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、年齢・性別ごとに亜鉛の推奨量が示されています。
| 年齢 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 1〜2歳 | 3.5mg/日 | 3.0mg/日 |
| 3〜5歳 | 4.0mg/日 | 3.5mg/日 |
| 6〜7歳 | 5.0mg/日 | 4.5mg/日 |
| 8〜9歳 | 5.5mg/日 | 5.5mg/日 |
| 10〜11歳 | 8.0mg/日 | 7.5mg/日 |
| 12〜14歳 | 8.5mg/日 | 8.5mg/日 |
| 15〜17歳 | 10.0mg/日 | 8.0mg/日 |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
この数字は「サプリで追加する量」ではありません
例えば10歳男子の推奨量が8.0mg/日だからといって、食事に加えて亜鉛サプリを毎日8mg飲ませるという意味ではありません。食事・飲料・サプリメントなどを含めた1日全体の摂取量を考えます。
いいえ。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、18歳未満の亜鉛について耐容上限量は設定されていません。
これは「子どもはどれだけ亜鉛を摂っても安全」という意味ではなく、耐容上限量を設定するための十分な科学的根拠がないためです。
特にサプリメントを使用すると、食品だけの場合より短時間で多量の亜鉛を摂取する可能性があるため注意しましょう。
健康な子どもでは、まず普段の食事から必要な栄養を摂ることが基本です。
| 食品群 | 食品例 |
|---|---|
| 肉類 | 牛肉、豚肉、鶏肉、レバーなど |
| 魚介類 | 牡蠣、ホタテ、カニ、魚など |
| 卵・乳製品 | 卵、チーズ、牛乳、ヨーグルトなど |
| 大豆製品 | 納豆、豆腐、高野豆腐、豆乳など |
亜鉛だけを大量に摂るのではなく、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、食事全体で必要なエネルギーと栄養を確保しましょう。
成長期には、亜鉛以外にも十分なエネルギー、タンパク質、カルシウム、鉄、ビタミンDなど、さまざまな栄養素が必要です。
特に小食のお子様や運動量が多いお子様では、一つの栄養素以前に1日に必要なエネルギー量そのものが不足していないかを確認することも重要です。
成人向け製品には、子どもには多すぎる量の亜鉛が含まれていることがあります。
「錠剤を半分にすれば大丈夫」とも限りません。
使用を検討する場合は、対象年齢・1回量・1日量・亜鉛含有量を必ず確認しましょう。
亜鉛は「亜鉛サプリ」だけに含まれているとは限りません。
などにも含まれている場合があります。
複数の商品を使用している場合は、商品ごとの成分表示を確認しましょう。
亜鉛を多量に摂取すると、</