「転んだりぶつけたりしていないのに、膝が最後まで伸びない」「以前より深く曲げられず、正座やしゃがみ込みが難しくなった」と気になっていませんか。
膝を曲げ伸ばしできる範囲が以前より狭くなることを可動域制限といいます。明らかな外傷がなくても、変形性膝関節症、関節の腫れ、半月板など関節内部の状態、痛みによる動作制限などで起こることがあります。
先に結論
「膝が伸びない・曲がらない」という症状だけでは、原因は決まりません。
徐々に硬くなったのか、膝全体が腫れて動かしにくいのか、痛みのため途中で止めているのか、一定の角度で急に引っかかるのか、自分の力だけでは伸ばしきれないのかによって、確認するポイントが異なります。
※症状の組み合わせは原因を考える手掛かりです。自宅で無理に膝を押して病名を確認する必要はありません。
この記事でわかること
同じ「伸びない」「曲がらない」という訴えでも、実際には何が膝の動きを止めているのかが異なります。
「伸びない」と「自分の力で伸ばせない」は別です
自宅で反対の脚や手を使って強く押したり、家族に力を加えてもらったりして区別する必要はありません。診察では、自分で動かした場合と必要に応じて確認した可動域を分けて評価します。
変形性膝関節症では、痛みや腫れだけでなく、状態が進むと膝の曲げ伸ばしがしにくくなり、可動域が狭くなることがあります。
次のような変化がある場合は、膝関節全体の状態を確認します。
ただし、「膝が伸びない・曲がらない=変形性膝関節症」とは限りません。症状・可動域・腫れ・画像所見などを合わせて評価します。
膝関節内に関節液が多くたまると、膝全体が張ったように感じ、曲げ伸ばしできる範囲が狭くなることがあります。
ただし、「膝に水がたまっている」こと自体が最終的な病名ではありません。
変形性膝関節症、半月板など関節内部の障害、炎症性の関節疾患、結晶誘発性関節炎など、さまざまな背景で関節液が増えることがあります。
「水を抜けば治る」と一律に考えるのではなく、なぜ関節液が増えているのかを確認することが重要です。
それまで動いていた膝が、ある位置から急に止まり、実際に最後まで伸ばせない状態は「ロッキング」と表現されることがあります。
半月板の一部などが関節内で動きを妨げると、機械的に曲げ伸ばししにくくなることがあります。半月板以外の関節内組織が原因になる場合もあります。
「カクッとする」「音が鳴る」だけではロッキングではありません
クリック音や一瞬の引っかかり感だけで、半月板損傷や真のロッキングとは判断できません。実際に膝が一定の位置から伸びなくなるのか、腫れや痛みを伴うのかなどを確認します。
また、中高年ではMRIで半月板の変性や断裂が見つかっても、必ずしもそれが現在の症状の主な原因とは限りません。画像だけではなく、診察所見や症状の経過を合わせて判断します。
膝を動かそうとすると痛いため、本人が途中で動きを止めている場合もあります。
この場合、関節が物理的に完全に止まっているとは限りません。炎症や痛みの原因を確認し、現在の状態に応じて可動域を評価します。
「痛いけれど頑張れば動くから大丈夫」とも、「痛いから関節が固まった」とも自己判断せず、症状が続く・悪化する場合は状態を確認してください。
膝関節そのものには伸びる余地があっても、自分の力では最後まで伸ばしきれない状態があります。
膝の痛みや腫れがあると、大腿四頭筋が十分に働きにくくなることがあります。そのため、関節自体の可動域制限とは分けて確認します。
「筋力が落ちただけ」とは限りません。以前は自力で伸ばせていたのに急に伸ばしにくくなった場合などは、単純な筋トレだけで様子をみず現在の状態を評価します。
原因が分からない状態で、痛みを我慢しながら可動域を広げようとする必要はありません。
一定の角度で急に止まる場合は、無理に押し込まない
手で膝を強く押す、人に体重をかけてもらう、痛みを我慢して深くしゃがむといった方法で可動域を確認しないでください。ロッキングが疑われる場合は、その状態を何度も再現せず医療機関で相談します。
一方で、すべての可動域制限について長期間動かさない方がよいわけでもありません。
変形性膝関節症などでは、状態に応じて関節可動域訓練や筋力訓練を行うことがあります。どこまで動かしてよいかは、原因や現在の痛み・炎症などに応じて判断します。
一時的に軽い張りを感じても、その後普段どおりの動きに戻り、痛み・腫れ・生活への影響もない場合は経過をみられることがあります。
一方、次のような場合は整形外科で状態を確認することをご検討ください。
それまで普通に伸ばせていた膝が急に伸びなくなり、実際に一定の角度から動かせない場合は、慢性的な膝の硬さとは分けて考えます。
痛みを我慢して無理に伸ばそうとせず、早めに整形外科などで評価を受けてください。
速やかな医療評価が必要です
膝が急に強く痛み、赤く腫れて熱をもち、発熱・悪寒・強い体調不良などを伴う場合は、感染性関節炎なども含めて速やかな評価が必要です。
以前より膝が動かしにくい段階でも相談できます
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院では、膝の痛みや動かしにくさを一般整形外科の保険診療で診察しています。
「変形性膝関節症なのか、半月板なのか分からない」という段階で病名を決める必要はありません。膝の可動域、腫れ、痛む場所、引っかかり、自分の力で動かした場合の状態などを確認し、診察結果に応じて必要な検査・治療を検討します。
西新宿本院の整形外科保険診療を予約する 横浜駅前院の整形外科保険診療を予約する診察では、単に「何度まで曲がるか」だけではなく、なぜその位置で止まるのかを確認します。
左右差をみながら、膝をどこまで曲げ伸ばしできるかを確認します。
関節自体が硬く止まるのか、痛みのため途中で止めているのか、引っかかるのか、自分で動かす場合と診察で確認した場合に違いがあるのかなども重要です。
関節液がたまっていないか、特定の場所に圧痛がないか、赤み・熱感・変形がないかなどを確認します。
変形性膝関節症など、骨や関節の状態を確認する必要がある場合には、診察結果に応じてX線検査を検討します。
半月板は通常のX線では直接確認できません。X線で大きな異常がみられない場合でも、膝が動かしにくい原因がすべて否定されるわけではありません。
膝関節内の液体貯留や、膝周囲の比較的表層にある軟部組織を確認する必要がある場合には、超音波(エコー)検査を検討することがあります。
半月板や靱帯など関節内部についてさらに詳しい画像評価が必要と医師が判断した場合には、MRIなどが検討されます。
SBC整形外科クリニック西新宿本院・横浜駅前院には院内MRI・CTはありません。必要な場合には、対応可能な医療機関への紹介を検討します。
膝が伸びないから一律にストレッチをする、曲がらないから強く曲げる、という治療にはなりません。
原因や症状の程度に応じて、活動量の調整、薬物療法などを検討します。
リハビリテーションの適応がある場合には、関節可動域訓練、筋力トレーニング、歩行・階段などの動作練習を、現在の状態に合わせて行います。
一方、ロッキングなど機械的に関節の動きが妨げられている可能性がある場合には、単純にストレッチを続けるのではなく、まず原因を評価します。
あります。変形性膝関節症による可動域制限、膝の腫れ、関節内部の問題、痛みによる動作制限などによって、明らかな打撲や転倒がなくても膝を十分に伸ばしにくくなることがあります。
変形性膝関節症では、状態が進むと膝が十分に伸びなくなることがあります。ただし、「伸びない」という症状だけでは診断できません。痛み・腫れ・可動域・画像所見などを合わせて評価します。
関節液が多くたまって膝が腫れると、張りや痛みとともに曲げ伸ばしできる範囲が狭くなることがあります。ただし、重要なのは関節液が増えた原因を確認することです。
半月板が関節の動きを妨げてロッキングを起こすことはありますが、原因は半月板だけではありません。急に実際の伸展が制限された場合は、症状だけで自己判断せず整形外科で評価を受けてください。
可動域訓練が役立つ状態はありますが、原因によって対応は異なります。特に一定の位置で急に止まる、強い痛みや腫れがある場合は、痛みを我慢して無理に伸ばさないでください。
あります。X線は骨や関節の状態を確認する重要な検査ですが、半月板などX線では直接確認できない組織もあります。症状や診察所見に応じて、追加の検査が必要かを判断します。
「年齢のせいで硬くなっただけ」と決めつけず、以前より膝の可動域が狭くなっている場合は、何が動きを制限しているのか確認することが重要です。
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
院長 沼倉 裕堅 医師
日本整形外科学会、日本再生医療学会、日本四肢再建・創外固定学会に所属。
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| 所在地 | 東京都新宿区西新宿7-21-3 西新宿大京ビル7階 |
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| アクセス | 横浜駅徒歩3分 横浜駅西口ジョイナス地下街直結 |
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本記事は一般的な医学情報の提供を目的としています。「膝が伸びない・曲がらない」という症状だけで特定の疾患を診断することはできません。必要な検査・治療は症状、経過、診察所見などに応じて医師が判断します。