「足首骨折のギプスが外れたのに、まだうまく歩けない」「足首がガチガチに硬く、体重をかけるのが怖い」「リハビリはいつから始めればいい?」と不安になっていませんか。
足首を一定期間固定したあとには、足首の硬さ・筋力低下・腫れ・痛み・かばった歩き方などによって、固定解除後も歩きにくさを感じることがあります。
先に結論
足首骨折のリハビリは「固定が外れた日から一斉にスタート」ではありません
骨折の状態によっては、固定中や手術後早期から、許可された範囲で足趾や周囲の関節を動かす訓練などを行うことがあります。
固定解除後には足首の動きや筋力の回復を目指し、荷重が許可された段階で立つ・歩く練習へ進みます。
つまり、「足首を動かしてよい時期」「体重をかけてよい時期」「松葉杖を外してよい時期」は別々に判断することが重要です。
固定が外れた=普通に歩いてよい、ではありません
ギプスなどの固定が終了していても、荷重制限や装具・松葉杖の使用が続く場合があります。痛くないからと自己判断で体重をかける量を増やしたり、松葉杖を外したりしないでください。
この記事では、主に足関節果部骨折など、足首周囲の骨折でギプス・装具などの固定を受けたあとのリハビリについて解説します。骨折した場所や治療方法によって、リハビリや荷重の進め方は異なります。
ギプスや装具による固定は、骨折部を安定させて治癒を促すために必要な治療です。
一方、足首を一定期間動かしにくい状態が続いたり、骨折した足へ体重をかけない期間が続いたりすると、固定解除後もすぐには受傷前と同じように歩けないことがあります。
足首の動きが硬くなっている
固定期間の影響によって、足首を上へ反らす・下へ伸ばすなどの動きが制限されることがあります。特に足首を上へ反らしにくいと、歩行中に体を前へ進めにくくなることがあります。
足首・ふくらはぎなどの筋力が低下している
固定や免荷によって足を使う量が減ると、足首周囲やふくらはぎなどの筋力が低下することがあります。
腫れや痛みが残っている
固定解除後もしばらく足首や足部に腫れ・違和感が残ることがあります。痛みを避けようとして、無意識に反対側へ体重を逃がすこともあります。
骨折した足へ体重をかける感覚が戻っていない
松葉杖などを使用し、患側へ体重をかけない期間が続くと、荷重を許可されたあとも左右均等に体重をかけにくいことがあります。
固定が外れたあとに歩きにくいからといって、それだけで「骨がまだついていない」と判断することはできません。
骨折部の治癒が進んでいても、関節の硬さ、筋力低下、腫れ、痛み、かばう歩き方などによって歩行しにくくなることがあります。
一方で、骨折部の治り方は診察や画像検査などをもとに判断します。許可された範囲でも強く痛む、経過とともに歩きやすくならない場合などは、再度整形外科で確認しましょう。
「リハビリ=ギプスが外れてから始めるもの」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
リハビリは、骨折部を守りながら治療経過に合わせて段階的に進めます。
固定中・手術後早期
骨折部を守りながら、医師の指示に応じて足趾や膝などを動かしたり、筋力低下を防ぐ運動を行ったりすることがあります。手術後では、骨折の状態によって足関節や足趾の運動を早期から開始する場合もあります。
固定解除後
骨折部の状態を確認しながら、足首の関節可動域や筋力の回復を目指す運動などを進めます。
荷重が許可されたあと
骨折した足へ許可された範囲で体重をかけ、立つ、歩く、バランスを取るといった練習へ進みます。
日本整形外傷学会では、足関節骨折の手術後について、状態に応じて翌日から足関節や足趾を動かす訓練を行い、骨折の状態によっては松葉杖を使用しながら早期に部分的な荷重歩行を始める場合があると説明しています。
つまり、「骨折から○週間たったら全員が同じ運動を始める」という決まりではありません。骨折の種類や固定性、治癒状況などによって時期は異なります。
足首を動かすこととは別に確認したいのが、骨折した足へどの程度体重をかけてよいかという「荷重」です。
診療では、状態に応じて「免荷」「部分荷重」「全荷重」などの言葉が使われます。
免荷
骨折した側へ体重をかけないよう指示されている状態です。移動時は松葉杖などの歩行補助具を使用します。
部分荷重
医師から許可された範囲で、骨折した足へ一部の体重をかける状態です。必要に応じて松葉杖などを使用しながら歩行を練習します。
全荷重
骨折した足へ体重をかけることが許可された状態です。ただし、全荷重が許可されたからといって、直ちに松葉杖なしで正常に歩けるとは限りません。
免荷→部分荷重→全荷重を自己判断で進めないでください
いつ体重をかけ始めるか、どの程度まで荷重量を増やせるかは骨折部の安定性や治癒状況によって異なります。痛みだけを基準に判断しないことが重要です。
足首の骨折そのものの診断・治療については、 足関節果部骨折(脱臼骨折) をご覧ください。
固定が外れたのに歩きにくく、不安な方へ
SBC整形外科クリニック西新宿本院は西新宿駅から徒歩2分です。
「どこまで体重をかけていいか分からない」「足を引きずってしまう」「松葉杖を外してよいか分からない」という場合も、骨折部の状態と歩行についてご相談いただけます。
足首骨折後の歩行・リハビリを相談する →※Web予約では「整形外科保険診療」をお選びください。骨折部位・治癒状況・手術の有無・荷重制限などによって、リハビリの適応や内容は異なります。
足首骨折後のリハビリでは、「硬くなった足首をとにかく曲げる」だけではありません。
歩行を取り戻すために必要な足首の動き・筋力・体重のかけ方・バランス・歩き方などを確認し、骨折部へ許可された負荷の範囲で段階的に進めます。
1.足首の関節可動域
足首を上へ反らす・下へ伸ばすなど、どの方向に動かしにくさがあるか確認し、許可された範囲で動きを回復させます。
2.足首・下腿の筋力
固定や免荷で低下した足首周囲やふくらはぎなどの筋力を確認し、骨折部へかけられる負荷に合わせて運動を行います。
3.体重のかけ方
荷重が許可されたあとも、無意識に反対側へ体重を逃がしていることがあります。立ったときの左右差などを確認します。
4.バランスと歩行
足を引きずる、歩幅が左右で違う、患側へ十分に体重を移せないなど、骨折後に生じた歩き方の変化を確認します。
5.階段・仕事・スポーツへの復帰
歩行が安定してきたら、階段、通勤、長距離歩行、仕事、スポーツなど、患者様が必要とする動作への復帰を段階的に目指します。
SBC整形外科クリニックのリハビリについて詳しく知りたい方は、 リハビリテーション科 をご覧ください。
松葉杖を外す時期は、「骨折してから何週間たったか」だけでは決まりません。
主に、
などを確認して判断します。
例えば全荷重を許可されていても、足を大きく引きずる、患側へ十分に体重を移せない、バランスが不安定といった場合には、歩行補助具を使用しながら練習を続けることがあります。
松葉杖を早く外すこと自体をゴールにせず、安全に歩ける状態へ移行することが重要です。
松葉杖の使用やレンタルについて知りたい方は、 松葉杖は整形外科でレンタルできる?料金・借り方・返却期限 をご覧ください。
固定解除後に足首が硬い、筋力が落ちた、多少腫れているといった変化はみられることがあります。
一方、次のような場合は通常の固定後の経過と自己判断せず、医療機関へ相談してください。
片側のふくらはぎが急に強く腫れる・突然息苦しい場合は速やかに受診を
下肢の骨折や固定後では、血栓症が問題になることがあります。片側のふくらはぎに急な腫れ・痛みが出た場合や、突然の息苦しさ・胸痛などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
固定が外れた直後に、骨折前と同じように歩けるとは限りません。
歩行が戻るまでの期間は、骨折した場所や重症度、骨のずれ、手術の有無、固定期間、荷重を始めた時期、年齢、受傷前の身体機能などによって異なります。
固定後の足首では、動き・筋力・腫れ・歩き方などが段階的に改善していくため、「固定が外れたのにまだ歩きにくい」という一点だけで、回復が遅れているとは判断できません。
一方、時間がたっても歩行が改善しない、むしろ痛みが強くなる、許可された範囲でも体重をかけられないといった場合は、現在の骨折部や足関節の状態を確認しましょう。
「骨折を治療した病院が遠いので、固定が外れたあとのリハビリは自宅や職場の近くで続けたい」という方もいるでしょう。
転院先が足首骨折後のリハビリに対応しており、医師がリハビリの適応があると判断した場合には、別の整形外科でリハビリを継続できることがあります。
他院で治療を受けている場合は、可能であれば、
などを準備すると、これまでの治療経過を共有しやすくなります。
手術後のリハビリについて詳しく知りたい方は、 手術後(オペ後)のリハビリテーション をご覧ください。
足首骨折で一定期間固定していると、固定解除後に足首が硬い、筋力が落ちている、うまく体重をかけられないなどの理由で歩きにくくなることがあります。
重要なのは、リハビリを「固定が外れたら普通に歩くこと」と考えないことです。
「固定は外れたけれど、この歩き方で大丈夫なのか」「どこまで体重をかけてよいのか」「リハビリを始めるタイミングが分からない」という方は、整形外科で現在の骨折部と歩行状態を確認してみてください。
状況に合わせて確認したいページ
SBC整形外科クリニック西新宿本院では、骨折やけがによって身体を動かしにくくなった方のリハビリテーションにも対応しています。
固定が外れたあとも足首が硬い、歩きにくい、どこまで体重をかけてよいのか不安といった場合は、医師がこれまでの治療経過や現在の状態を確認し、適応に応じてリハビリテーションを検討します。
他院で骨折治療を受けた方は、紹介状や過去のレントゲン画像、手術内容、荷重・運動制限に関する資料などをお持ちの場合はご持参ください。