膝の再生医療は怪しい?死亡事故報道の事実・リスク・安全な治療の選び方 | SBC整形外科クリニック

膝の再生医療は怪しい?死亡事故の真相と安全な治療の選び方

「膝の再生医療って、実際は怪しい治療なの?」
「幹細胞治療で死亡事故があったと聞いて不安」
「高額な自費診療だけれど、本当に受けても大丈夫?」

膝の痛みについて再生医療を調べていると、こうした不安を感じる方もいるでしょう。

膝の痛みについて医師へ相談している様子

実際に、厚生労働省は2025年・2026年に、
自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた再生医療を受けた患者が死亡した事案
を公表しています。

ただし、この事実だけを見て
「膝のPRP治療も同じように危険」「再生医療はすべて怪しい」
と判断するのも正確ではありません。

先に結論|膝の再生医療を「怪しい・安全」の二択で考えない
✓ 再生医療に関連する死亡事案は実際に公表されています
✓ ただし、厚生労働省は死亡原因を現時点で断定していません
✓ 公表された死亡事案は、膝へPRPを局所注射した事案ではありません
✓ 治療内容・細胞加工物・投与方法によってリスクは異なります
✓ 膝の関節内注射にも感染・腫れ・痛みなどのリスクがあります
✓ PRPなどの効果には個人差があり「必ず治る」「軟骨が元通りになる」とは言えません
✓ 治療前に診断・代替治療・リスク・費用・提供計画を確認することが重要です

再生医療の死亡事故は本当にあった?厚生労働省の発表を整理

「再生医療で死亡事故があった」という情報自体は、根拠のない噂ではありません。

厚生労働省は、再生医療等安全性確保法に基づき、2025年8月と2026年3月に死亡事案を公表しています。

公表日 治療 厚労省発表
2025年
8月29日
慢性疼痛に対する
自己脂肪由来間葉系幹細胞治療
患者1名が投与中に急変し、急速に心停止。死亡を確認。原因が明らかでないため、治療・類似加工物の提供や製造について一時停止命令。
2026年
3月13日
慢性疼痛に対する
自家脂肪由来間葉系幹細胞治療
患者1名が投与中に急変し、救急車内で心肺停止。搬送先で死亡を確認。原因が明らかでないため緊急命令。
2026年
4月21日
同系統の
慢性疼痛治療
少なくとも5名に悪寒・発熱・嘔気などが発生し、少なくとも1名が入院。必要な報告・原因究明を行わず提供を継続していたことなどが判明し、緊急命令。
重要:2025年8月・2026年3月の死亡事案について、厚生労働省は現在の公表資料で死亡原因を明らかにしていません。
「肺塞栓が死因だった」「アナフィラキシーが原因だった」などと、確認されていない原因を断定するのは適切ではありません。


厚生労働省|2025年8月29日 緊急命令


厚生労働省|2026年3月13日 緊急命令


厚生労働省|2026年4月21日 緊急命令

公表された死亡事案と膝の再生医療は同じ治療?

ここは、今回の記事で最も誤解を避けたいポイントです。

厚生労働省が公表した死亡事案は、
慢性疼痛に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた治療
です。

一方、整形外科で変形性膝関節症などに行われる治療には、
自身の血液から作るPRPを膝関節内へ注射する治療
や、
脂肪から採取・培養した細胞を膝関節へ投与する治療
などがあります。

膝関節内へ局所注射を行う再生医療のイメージ

公表された死亡事案 膝関節のPRP治療
主な材料 培養した自家脂肪由来間葉系幹細胞 自身の血液から調製したPRP
対象 慢性疼痛 変形性関節症など
膝への投与 膝PRP治療の死亡事案ではない PRPを患部の関節内へ局所投与


「同じ再生医療という名前だからリスクも同じ」ではありません。


使用する材料、細胞加工の工程、投与量、投与方法、対象となる病気などによって想定されるリスクは異なります。

膝の再生医療にはどんな治療がある?

「再生医療」とひとまとめにされがちですが、膝に使われる治療には複数の種類があります。

治療 主な材料 概要
PRP 自身の血液 採血した血液から血小板を多く含む部分を調製し、関節内へ注射します。
APS 自身の血液 血液から調製した自己たんぱく質溶液を膝関節内へ投与します。
PDF-FD 自身の血液由来成分 採取した血液を加工し、血小板由来成分などをフリーズドライ加工して使用します。
培養脂肪幹細胞
(ASC)
自身の脂肪組織 脂肪組織を採取し、幹細胞を分離・培養したうえで関節内へ投与します。


PRP治療で採血を行うイメージ

採取した血液からPRPを調製する流れ

PRPを膝関節へ注射するイメージ

膝の再生医療は安全?知っておきたい主なリスク

自分自身の血液や細胞を使用する治療では、他人由来の細胞などを使用する場合と比べ、免疫学的な拒絶反応のリスクを抑えられる可能性があります。

しかし、
「自分の血液・細胞だから副作用がない」という意味ではありません。

PRPなど関節内注射で考えられるリスク

・注射部位の痛み
・熱感、赤み、腫れなどの一時的な反応
・皮下出血・内出血
・採血部位や投与部位の感染
・治療効果が十分に得られない可能性
・患者さんの血液状態などによるPRP品質のばらつき

培養脂肪幹細胞治療では、さらに確認事項が増えます

培養脂肪幹細胞治療では、関節内への注射だけでなく、
脂肪採取・細胞の分離・培養・保管・輸送・品質管理
といった工程があります。

再生医療で細胞加工を行うクリーンルームのイメージ

そのため、治療を選ぶ際には医師の診断だけでなく、
どこで細胞を加工するのか、どのような管理体制で行うのか、健康被害が起きた場合の対応体制があるか
も確認することが重要です。

「厚生労働省へ届出済み」なら効果も安全性も保証されている?

再生医療等安全性確保法では、治療のリスクなどに応じて再生医療等を分類し、認定再生医療等委員会による審査や、国への再生医療等提供計画の提出などが定められています。

「届出済み=厚生労働省が治療効果を承認・保証した」という意味ではありません。
提供計画の確認は重要ですが、それだけで「必ず効く」「副作用が起こらない」と判断することはできません。

厚生労働省は、届出された再生医療等提供計画を
「e-再生医療」
で公開しています。

治療を受ける前に確認できること
・医療機関名
・再生医療等の名称
・認定再生医療等委員会
・説明文書・同意文書
・行政から命令が出ている場合はその内容


厚生労働省「e-再生医療」届出された再生医療等提供計画を確認する

PRPで膝は治る?効果について現在分かっていること

PRPについては、変形性膝関節症の
痛みや関節機能の改善を目的として研究・臨床利用
が進められています。

一方で、PRPの作製方法、血小板や白血球の濃度、投与回数、患者さんの状態などが研究ごとに異なり、結果にもばらつきがあります。

2025年、日本整形外科学会と日本再生医療学会は、
変形性膝関節症に対するPRP療法の臨床的有効性を科学的に評価するため、多施設共同研究を計画
しています。

日本再生医療学会の研究資料でも、膝の再生医療について
有効性に関するエビデンスはまだ限定的で、PRPの臨床的有効性について専門家の評価が分かれている
ことが説明されています。

「PRPを打てばすり減った軟骨が必ず元通りになる」「人工関節を必ず避けられる」と考えないことが大切です。
SBC西新宿本院が現在公開しているPRPの説明・同意文書でも、変形性関節症の根本的な治療として期待するものではないと説明されています。

再生医療だけで考えない|膝の治療には複数の選択肢があります

保存療法・再生医療・手術療法など膝関節治療の選択肢

膝が痛いからといって、最初から再生医療を選ぶ必要があるわけではありません。

まずは診察や必要な画像検査などで、
変形性膝関節症なのか、半月板・靱帯・骨など別の問題なのかを確認すること
が治療選びの出発点です。

選択肢 主な内容
保存療法 運動・体重管理、リハビリテーション、内服・外用薬、ヒアルロン酸注射など
再生医療など PRP、培養脂肪幹細胞など。自由診療として行われる治療
手術療法 病状や年齢などに応じて骨切り術、人工関節置換術などを検討

特に変形が進行している場合などは、再生医療だけにこだわらず、
手術を含めた選択肢のメリット・デメリットを比較すること
が重要です。

膝の再生医療で後悔しないための医療機関の選び方

「有名だから」「価格が高いから」「再生医療専門だから」という理由だけでは、安全性や治療の妥当性を判断できません。

1.まず膝の診断をしている
レントゲンなど必要な検査を行い、再生医療ありきではなく原因と重症度を確認している。

2.保険診療・リハビリ・手術も説明する
再生医療以外の選択肢も公平に提示している。

3.「必ず治る」と説明しない
効果の個人差や、治療しても改善しない可能性まで説明している。

4.具体的なリスクを説明する
「自分の細胞だから安全」だけではなく、感染・痛み・腫れなど治療ごとのリスクを説明している。

5.提供計画・同意説明文書を確認できる
再生医療等安全性確保法の対象となる治療では、e-再生医療などから提供計画を確認できる。

6.費用総額が治療前に分かる
1回の料金だけでなく、推奨回数・検査費・追加費用などを確認できる。

7.医師が治療適応を主体的に判断する
患者選択や投与量などを外部業者任せにせず、診療を担当する医師が医学的に判断している。

2026年4月の厚生労働省の緊急命令では、医療機関が患者の適格性や投与する細胞数を主体的に判断せず、第三者が治療を実質的に主導していたことも問題として確認されています。
「誰が治療の適応を判断しているのか」は、安全性を考えるうえで重要な確認事項です。

SBC整形外科クリニックで行っている膝関節治療

SBC整形外科クリニックでは、診察のうえで膝の状態を確認し、保存療法・リハビリテーション・再生医療などから治療方法を検討します。

現在、公式サイトで案内している主な膝関節再生医療・関連治療は次のとおりです。

治療 料金 備考
1DAY膝関節治療
高濃縮PRP
170,000円
1回
現在は西新宿本院のみ
高濃縮PRP
6回コース
750,000円 複数回・複数部位向け
PDF-FD 138,000円 自身の血液由来成分を使用
ジンマーAPS 308,000円 自身の血液由来の治療
培養脂肪幹細胞治療
(ASC)
1,200,000円
3回コース
自身の脂肪から幹細胞を採取・培養

※料金は2026年8月に公式サイトで確認した税込・診察料込みの表示です。治療内容・料金は変更となる場合があります。


膝関節再生医療の最新料金を確認する

膝の再生医療についてよくある質問

▼ Q. 再生医療で死亡事故は本当にありましたか?
はい。厚生労働省は2025年8月と2026年3月に、自家脂肪由来間葉系幹細胞を用いた慢性疼痛治療を受けた患者が投与中に急変し死亡した事案を公表しています。ただし、厚生労働省の公表資料では死亡原因は明らかになっていません。

▼ Q. 死亡したのは膝にPRPを注射した患者ですか?
厚生労働省が公表した死亡事案は、慢性疼痛に対する自家脂肪由来間葉系幹細胞治療であり、膝関節へのPRP注射による死亡事案として公表されたものではありません。

▼ Q. 膝への局所注射なら絶対に安全ですか?
いいえ。治療内容によってリスクは異なりますが、関節内注射でも一時的な痛み・熱感・腫れ・内出血・感染などのリスクがあります。

▼ Q. 厚生労働省へ届出済みなら安全な治療ですか?
提供計画が法令に基づいて提出されているかは重要な確認事項ですが、それだけで副作用が起こらないことや、治療効果を国が保証していることを意味するものではありません。同意説明文書を読み、治療のメリット・リスク・代替治療について医師から説明を受けてください。

▼ Q. PRPで膝の軟骨は元通りになりますか?
PRPを「すり減った軟骨を必ず元通りにする治療」と考えるのは適切ではありません。痛みや関節機能の改善を目的として行われますが、効果には個人差があり、変形性関節症の根本治療とは位置づけられていません。

▼ Q. PRPを受ければ人工関節手術を避けられますか?
必ず手術を避けられるわけではありません。変形の程度や痛み、年齢、日常生活への影響などによって適切な治療は異なります。高度に進行した変形性膝関節症では手術が適切な場合もあります。

▼ Q. PRPと培養脂肪幹細胞治療はどちらが優れていますか?
一律にどちらが優れているとは言えません。使用する材料、加工方法、費用、治療までに必要な期間などが異なります。膝の状態や希望を確認したうえで医師と治療方法を検討します。

▼ Q. 膝の再生医療は保険適用ですか?
SBC整形外科クリニックで行うPRP・培養脂肪幹細胞治療などの膝関節再生医療は自由診療で、健康保険は適用されません。

▼ Q. 再生医療等提供計画は自分でも確認できますか?
はい。厚生労働省の「e-再生医療」で、届出された再生医療等提供機関、治療名、認定再生医療等委員会、同意説明文書などを確認できます。

まとめ|「怪しいか」ではなく、治療内容と医療機関を具体的に確認

✓ 再生医療に関連する死亡事案は実際に公表されている
✓ ただし、厚生労働省は死亡原因を現在の公表資料で断定していない
✓ 死亡事案は膝関節へのPRP注射として公表されたものではない
✓ 治療ごとに材料・加工方法・投与経路・リスクが異なる
✓ 膝のPRPにも痛み・腫れ・感染などのリスクがある
✓ 提供計画の届出は「効果を国が保証した」という意味ではない
✓ PRPの効果については現在も科学的検証が続いている
✓ 再生医療以外の治療も説明する医療機関を選ぶことが重要

再生医療について不安を感じたとき、
「危険だから全部避ける」「新しい治療だから安心」と極端に判断する必要はありません。

自分の膝がどのような状態なのかを診断したうえで、保存療法・再生医療・手術などを比較し、治療効果の限界やリスクまで理解して選ぶことが大切です。

膝の痛み・再生医療はSBC整形外科クリニックへご相談ください

西新宿本院・横浜駅前院では、膝の診察からリハビリテーション、膝関節再生医療までご相談いただけます。再生医療を受けるか決めていない段階でも、まず現在の膝の状態についてご相談ください。

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最終受付:平日・土曜日17:00/日曜日・祝日16:00
予約 平日:予約優先制
土日祝:完全予約制
膝関節治療 一般整形外科・リハビリテーション・膝関節再生医療など
高濃縮PRPは現在、西新宿本院のみ
アクセス 西新宿駅 徒歩2分
新宿駅 徒歩7分
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電話受付 9:15~18:00


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アクセス 横浜駅 徒歩3分
横浜駅西口ジョイナス地下街直結
南8番出口・横浜天理ビル11階
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※膝関節再生医療は自由診療です。治療効果には個人差があり、すべての方に同じ効果を保証するものではありません。
※診療内容・治療料金・提供している治療・診療時間・予約枠などは変更となる場合があります。臨時休診や受付時間変更が行われる場合もあるため、受診前に各院の公式ページ・予約画面で最新情報をご確認ください。

監修医情報

SBC整形外科クリニック
西新宿本院院長

沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
SBC整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック SBC整形外科クリニック 西新宿本院
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師
医師紹介
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
沼倉 裕堅 院長
Hirokata Numakura
【所属学会】
  • 日本整形外科学会
  • 日本再生医療学会
  • 日本四肢再建・創外固定学会
【経歴】
  • 2017年
    Mahidol University Faculty of Medicine Ramathibodi Hospital 整形外科 留学
  • 2018年
    東北大学医学部医学科 卒業
  • -
    湘南藤沢徳洲会病院 救急科・内科・整形外科
  • -
    スカイ整形外科クリニック
  • 2020年
    いわき市医療センター 整形外科
  • 2021年
    竹田綜合病院 整形外科
  • 2022年
    山形市立病院済生館 整形外科
    いしがみ整形外科クリニック
    西新宿整形外科クリニック
  • 2025年
    SBC整形外科クリニック 西新宿本院