「朝起きて、最初の一歩を踏み出したときにかかとが痛い」
「歩き始めると足の裏にズキッと痛みが走る」
「長時間立っていると、かかとの内側が痛くなる」
このような症状がある場合、
足底筋膜炎(足底腱膜炎)
が原因の一つとして考えられます。

足底筋膜炎は、ランニングなどのスポーツをする方だけの病気ではありません。
長時間の立ち仕事、歩きすぎ、体重増加、靴が足に合っていないこと
など、日常生活の中でも足底への負担が重なることで起こります。
ただし、足の裏やかかとの痛みがすべて足底筋膜炎とは限りません。この記事では、特徴的な症状から原因、整形外科での検査、治療、受診の目安までわかりやすく解説します。

足の裏には、かかとの骨から足の指の付け根に向かって広がる
「足底腱膜」
という丈夫な線維性の組織があります。
足底腱膜は足のアーチを支え、歩いたり走ったりするときに足へ加わる力を受け止める重要な役割を担っています。
この足底腱膜と踵骨がつながる部分に繰り返し強い力が加わると、
微小な損傷や組織の変性
が生じ、痛みにつながります。
名前に「炎」と入っているため、単純な炎症の病気と思われがちです。
しかし、現在は繰り返す力学的な負荷によって、
足底腱膜の踵骨付着部に微小外傷や変性が生じる病態
と考えられています。
これらが繰り返されることで、特にかかとの内側前方に痛みが生じやすくなります。

足底筋膜炎は、一つの原因だけで発症するとは限りません。足への負荷や身体の状態など、複数の要因が重なって発症することがあります。
ランニング、サッカー、バスケットボールなど、走る・跳ぶ動きを繰り返すスポーツでは、足底腱膜の付着部へ繰り返し負荷が加わります。
接客業、医療・介護職、工場勤務など長時間立ち続ける仕事や、日常的に歩く距離が長い方でも発症することがあります。
扁平足など足のアーチに特徴がある場合や、足関節・ふくらはぎの柔軟性が低下している場合なども、足底腱膜へ負担が集中する要因になることがあります。
体重が増えると、立位や歩行のたびに足へ加わる負荷も大きくなります。
サイズが合っていない靴、クッション性が乏しい靴なども、足底への負担を増やす要因になります。
痛みが出やすいのは、
かかとの内側から少し前にある足底腱膜の付着部
です。
| タイミング | 痛みの特徴 |
|---|---|
| 朝起きた直後 | 最初の一歩で強く痛むことがある |
| 座った後 | 立ち上がって歩き始めると痛む |
| 歩き始め | 痛みが強く、その後一時的に軽くなることがある |
| 長時間歩いた後 | 再び痛みが強くなることがある |
| 階段・つま先立ち | 足底腱膜へ力が加わり痛みが増すことがある |
足の裏やかかとが痛む病気は足底筋膜炎だけではありません。
特に、けがをした直後から強く痛む、腫れが強い、しびれがある、安静にしていても強く痛むなどの場合は、自己判断せず整形外科で原因を確認しましょう。

足底筋膜炎をはじめ、骨・関節・筋肉・腱・神経など運動器に関係する足の痛みは、
整形外科
が主な受診先です。
「まだ歩けるから大丈夫」とは限りません。痛みの原因が分からない場合も、病名を自分で判断してから受診する必要はありません。
足底筋膜炎の診断では、
痛む場所、痛みが出るタイミング、圧痛などの診察所見
が重要です。
レントゲンでは、かかとの骨に
骨棘(こつきょく)
と呼ばれるトゲのような骨の突出がみられることがあります。

超音波検査では、足底腱膜の厚さや周辺組織の状態などを確認できる場合があります。すべての患者さんに必ず画像検査を行うわけではなく、症状や医師の判断に応じて必要な検査を選択します。
足底筋膜炎では、通常は手術ではなく、
足底への負荷を調整しながら行う保存療法
から検討します。
ランニング量、立ち仕事、長距離歩行など、痛みを強くする負荷を一時的に減らします。完全に動かなくするのではなく、症状に応じて活動量を調整します。
足底腱膜やアキレス腱周囲の柔軟性を保つストレッチは、保存療法の一つです。
※強い痛みを我慢して無理に伸ばす必要はありません。痛みの程度や身体の状態に合わせて行います。

足に合った靴を選び、必要に応じて
足底挿板(インソール)
を使用することがあります。
インソールは足の状態に応じてアーチを支えたり、かかとへの負荷を分散したりする目的で使用します。すべての人に同じ形のインソールが適しているわけではありません。
痛みの程度や身体の状態に応じて、NSAIDsなどの内服薬、外用薬、湿布などを使用することがあります。薬は症状を和らげる目的で用いられます。
症状によってはステロイドの局所注射が検討されることがあります。
保存療法を続けても痛みが改善しにくい難治例では、状態に応じて体外衝撃波治療などが検討される場合があります。
治療機器の種類、保険適用の条件、取り扱いは医療機関によって異なります。非常に重症で保存療法で改善しないケースでは手術が検討されることもありますが、一般的にはまず保存療法を行います。
「痛いけれど歩けるから」と負荷をかけ続けるより、痛みが出ている原因と足の状態を確認したうえで、生活や運動量を調整することが重要です。
整形外科で医学的に必要と判断される診察・検査・処方・リハビリテーションなどは、内容に応じて健康保険の対象になります。
| 内容 | 費用の考え方 |
|---|---|
| 診察 | 保険診療 |
| 必要な画像検査 | 保険診療 |
| 内服・外用薬 | 保険診療で行う場合あり |
| リハビリテーション | 適応に応じて保険診療 |
| 足底装具 | 医師が治療上必要と判断した装具では療養費制度の対象となる場合あり |
| 特殊な治療 | 治療法・適応・医療機関によって保険/自費が異なる |
※診察内容や検査内容、保険の自己負担割合によって費用は異なります。そのため「初診なら一律○円」と固定して示すことはできません。
朝起きた最初の一歩でかかと周辺が痛むのは、足底筋膜炎でよくみられる症状です。ただし、症状だけで確定診断はできません。繰り返す場合は整形外科で確認しましょう。
必ずしも歩行を完全に中止する必要があるとは限りません。痛みが悪化する活動量を減らし、症状に応じて負荷を調整します。歩行が困難なほど痛い場合は受診してください。
足底腱膜やふくらはぎの柔軟性を保つストレッチは治療の一つですが、痛む踵の付着部を強く揉み続けることはおすすめできません。痛みを悪化させない範囲で行います。
負荷の調整などで症状が軽くなる場合もありますが、症状が長引く場合があります。痛みが続く、悪化している、歩行に支障がある場合は原因を確認してください。
骨棘があるだけで手術が必要になるわけではありません。骨棘の存在だけでは足底筋膜炎の診断も決まりません。症状や診察所見を確認し、通常はまず保存療法を検討します。
市販品で負担が軽くなる場合もありますが、足の形や痛みの原因は人によって異なります。症状が続く場合は、足の状態に合った靴やインソールについて医師やリハビリスタッフへ相談しましょう。
足底筋膜炎や、骨・関節・筋肉・腱・神経などに関係する足の痛みは整形外科が主な受診先です。
足底筋膜炎はレントゲンだけで診断する病気ではありません。必要に応じて骨折など別の原因を確認するためにレントゲンを行い、症状や圧痛などの診察所見と合わせて判断します。
足の裏の痛みは毎日の歩行に影響するため、我慢しながら負荷をかけ続けるより、原因を確認し、その人の状態に合った治療や負荷調整を行うことが大切です。
参考情報
西新宿本院・横浜駅前院では、足の裏・かかとの痛みを含む一般整形外科の保険診療を行っています。両院ともWebから整形外科保険診療を予約できます。

| 所在地 |
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| 予約 |
平日:予約優先制 土日祝:完全予約制 整形外科保険診療をWeb予約可能 |
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