ボールが指先に当たった。
家具や壁に指をぶつけた。
そのあと、
「指がかなり腫れてきた」
「痛くて曲げられない」
「動かせるから骨折ではない?」
「翌日になっても腫れている」
「突き指くらいで病院へ行っていい?」
と迷っている方もいるでしょう。
突き指後の腫れ・内出血・痛み・「指を動かせるか」だけで、骨折かどうかを正確に見分けることはできません。
そもそも「突き指」は一つの病名ではありません。
指先に強い力が加わって起こるけがの総称で、その中には骨折・脱臼・腱損傷・靱帯損傷などが含まれます。
そのため、「突き指だから軽いけが」と自己判断せず、現在どのような症状があるかを確認することが重要です。
突き指には、骨折や腱・靱帯などの損傷が含まれる場合があります。
30秒チェック|今の指はどの状態ですか?
早めの医療機関受診を優先したい
・明らかに指が変形している
・しびれや感覚低下がある
・自分の意思でほとんど動かせない
・大きな傷や出血がある
「ただの突き指」と決めつけず確認したい
・強く腫れている
・指を曲げられない
・指先を自力で伸ばせない
・押すと特定の場所が強く痛む
・翌日になっても痛みや腫れが強い
動かせても骨折を否定できません
「少し曲げられる」「物を持てる」という状態でも、骨折や靱帯損傷などがないとは言い切れません。
突き指と骨折はどう見分ける?腫れや内出血だけでは判断できない
自宅で骨折か捻挫かを完全に見分けることは困難です。
骨折でも捻挫・腱・靱帯などの損傷でも、
・腫れ
・内出血
・押したときの痛み
・動かしたときの痛み
・指の動かしにくさ
などが起こるためです。
骨折と捻挫でみられる症状を比較
腫れ
骨折:起こる
捻挫・腱・靱帯損傷:起こる
→ 腫れだけでは見分けられません
内出血
骨折:起こる
捻挫・腱・靱帯損傷:起こる
→ 内出血だけでは判断できません
押すと痛い
骨折:起こる
捻挫・腱・靱帯損傷:起こる
→ 痛みだけでは判断できません
指を動かせる
骨折:動かせる場合があります
捻挫など:動かせる場合があります
→ 動かせても骨折を否定できません
明らかな変形
骨折:みられる場合があります
その他:脱臼などでもみられます
→ 早めの受診を優先してください
曲げられない
骨折:起こる場合があります
その他:脱臼・屈筋腱損傷などでも起こります
→ 診察・検査での確認が必要です
指先を伸ばせない
骨折:骨性マレットなどで起こる場合があります
その他:伸筋腱損傷でも起こります
→ マレット変形などの確認が必要です
「指が動くから骨折ではない」
「腫れが強いから絶対に骨折」
「内出血しているから骨折」
という判断はできません。
整形外科では、どのようにけがをしたか、腫れ・変形・圧痛・指の動きなどを診察し、必要に応じてX線検査などを行います。
突き指して指が曲げられない|骨折以外に腱損傷の可能性も
突き指後に「指が曲げられない」場合、原因は骨折だけではありません。
・骨折
・脱臼
・強い腫れや痛み
・靱帯損傷
・指を曲げる腱の損傷
などによって、指を曲げにくくなる場合があります。
「曲げられない=骨折」とは限りません。
「少し曲がる=骨折ではない」とも限りません。
けがをする前は普通に動いていた指が、突き指後に明らかに曲げられなくなった場合は、整形外科で確認することを検討してください。
力を入れても曲げられない場合は「屈筋腱損傷」に注意
指を曲げるためには、前腕から指へつながる屈筋腱が働きます。
指へ強い力が加わって屈筋腱が損傷すると、指先の関節や第2関節などを自力で曲げられなくなる場合があります。
「痛いから曲げにくい」のではなく、「力を入れても明らかに曲がらない」場合は、早めに状態を確認してください。
指が曲がらない方へ|指の屈筋腱損傷について詳しく見る
突き指して指先が伸ばせない|マレット変形に注意
反対に、
指先の関節が曲がったまま、自分の力では伸ばせない
場合には、マレット変形(マレットフィンガー・槌指)が考えられます。
マレット変形には、腱の損傷によるものと骨折を伴うものがあります。
腱性マレット
指を伸ばす伸筋腱が損傷した状態
骨性マレット
腱が付着する部分の骨折を伴う状態
骨折を伴っているかどうかで治療方法が異なるため、X線による確認が重要です。
突き指をしてから「指先だけが自力で伸びなくなった」場合は、そのまま様子を見続けないことが大切です。
指先が伸びない方へ|マレット変形について詳しく見る
突き指しても指を動かせるなら骨折ではない?
いいえ。指を動かせることだけでは、骨折を否定できません。
「骨折ならまったく動かせないはず」と考える方もいますが、骨折の状態によっては指を動かせる場合があります。
少し曲げられる、伸ばせる、物を持てるといった状態でも、骨折や靱帯損傷などがないとは言い切れません。
「動くかどうか」だけではなく、腫れ・変形・痛みの場所・動かしにくさが続いていないかも確認してください。
突き指して翌日も腫れている・痛い|病院へ行く目安は?
突き指では、受傷直後よりも時間が経ってから腫れや内出血が目立ってくる場合があります。
翌日になっても、
・関節周囲が強く腫れている
・曲げ伸ばししにくい
・特定の場所を押すと強く痛い
・物を持つと痛い
・内出血が広がっている
・痛みが改善していない、悪化している
といった状態であれば、整形外科への相談を検討してください。
「翌日になったから大丈夫」ではなく、「症状が改善しているか」で考えることが重要です。
突き指した直後の応急処置|指を引っ張らない
受診までの間は、けがをした指へさらに負担をかけないようにします。
受診までにできること
無理に曲げ伸ばししない
「動くか確認するため」に何度も動かすのは避けます。
指を保護する
可能であれば、けがをした指が大きく動かないように保護します。
手を高い位置に保つ
腫れが強い場合は、できる範囲で手を高い位置に保ちます。
冷やす場合は直接当て続けない
氷や保冷剤はタオルなどで包んで使用します。
傷・出血がある場合
傷は清潔な流水で洗い、出血している場合は清潔な布などで圧迫します。
「突き指したら指を引っ張る」は避ける
「突き指したら指を引っ張れば治る」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
× 指を強く引っ張る
× 痛みを我慢して何度も曲げ伸ばしする
× 自分で脱臼や変形を戻そうとする
× 痛いままスポーツを続ける
骨折や脱臼、腱・靱帯損傷が隠れている可能性もあるため、原因が分からない状態で無理な操作を加えることは避けましょう。
突き指の骨折はレントゲンでわかる?整形外科で行う検査
「突き指くらいでレントゲンを撮ってもらっていい?」
と迷う必要はありません。
骨折が疑われる場合、X線(レントゲン)検査は骨折の有無や骨のずれなどを確認する重要な検査です。
骨折が疑われる場合には、診察結果に応じてX線検査などを行います。
骨だけでなく、腱や靱帯も確認する
突き指には骨折だけでなく、腱や靱帯など軟部組織の損傷が含まれる場合があります。
そのため、症状や診察所見に応じて超音波(エコー)検査などが検討されることもあります。
実際にどの検査を行うかは、けがの状態を確認したうえで医師が判断します。
西新宿本院・横浜駅前院の画像検査設備
レントゲンPACS
西新宿本院:○
横浜駅前院:○
超音波(エコー)検査
西新宿本院:○
横浜駅前院:○
受診したときのイメージ
1.診察
けがをした状況、腫れ、痛む場所、指の動きなどを確認します。
2.必要な画像検査
骨折が疑われる場合はX線検査などを検討します。
3.診断結果に応じた対応
固定などの治療や、必要に応じて専門医療機関への紹介を検討します。
こんな突き指は「様子見」より早めの受診を優先
突き指のすべてが緊急性の高いけがではありません。
ただし、
・明らかに指が変形している
・自分の意思でほとんど動かせない
・指の感覚が低下している、しびれる
・指先の色が明らかに悪い
・大きな傷がある
・出血が止まりにくい
といった場合は、通常の外来予約を待つよりも、早めに受診可能な医療機関への相談を優先してください。
突き指は何科?骨折かわからなくても整形外科で相談できます
まずは整形外科で相談できます。
病名が分かってから受診する必要はありません。
「骨折かわからない」
「捻挫なのか腱を傷めたのかわからない」
「指一本だけなので病院へ行くか迷っている」
という段階から受診して構いません。
診察の結果、より専門的な治療が必要と判断された場合には、手外科など適切な医療機関への紹介を検討します。
突き指・骨折についてよくある質問
質問を押すと回答が開きます。
▼ Q. 突き指して腫れています。骨折ですか?
腫れだけでは骨折かどうか判断できません。骨折・捻挫・脱臼・腱・靱帯などの損傷でも腫れが起こることがあります。骨折の有無は診察やX線検査などから確認します。
▼ Q. 突き指して指が曲げられません
骨折や脱臼のほか、指を曲げる屈筋腱などを傷めている場合があります。けがのあと明らかに曲げられなくなった場合は、無理に動かさず整形外科で確認してください。
▼ Q. 指先が曲がったまま伸ばせません
マレット変形が考えられます。指を伸ばす腱が損傷している場合と骨折を伴う場合があり、治療法が異なるためX線による確認が重要です。
▼ Q. 指を動かせるなら骨折ではありませんか?
いいえ。指を動かせることだけでは骨折を否定できません。腫れ・圧痛・変形・動かしにくさなどを含めて確認し、必要に応じてX線検査などを行います。
▼ Q. 翌日も腫れています。病院へ行った方がいいですか?
翌日になっても腫れや痛みが強い、曲げ伸ばししにくい、特定の場所を押すと強く痛むなどの症状がある場合は、整形外科への相談を検討してください。
▼ Q. 突き指は何日で治りますか?
「突き指」は一つの病名ではないため、回復までの期間は損傷の種類や程度によって異なります。「数日たったから骨折ではない」と日数だけで判断せず、症状が改善しているかを確認してください。
▼ Q. 突き指したら指を引っ張ってもいいですか?
骨折・脱臼・腱・靱帯損傷などが隠れている可能性があるため、原因が分からない状態で指を強く引っ張ることは避けてください。
▼ Q. 突き指は何科に行けばいいですか?
まず整形外科で相談できます。診察の結果、より専門的な治療が必要な場合には、手外科などを専門とする医療機関へ紹介されることがあります。
まとめ|突き指は「動かせるから大丈夫」と自己判断しない
突き指は単なる軽い捻挫の名称ではありません。
などが含まれます。特に、
強く腫れている
指を曲げられない
指先を伸ばせない
明らかな変形がある
しびれ・感覚低下がある
翌日も強い痛みや腫れが続いている
場合は、整形外科で状態を確認することを検討してください。
「曲げられない」場合には骨折や脱臼だけでなく屈筋腱損傷、「指先を伸ばせない」場合にはマレット変形なども考える必要があります。
「指が動くから骨折ではない」
「腫れが少ないから大丈夫」
「一晩たったからもう問題ない」
とは判断できません。病名が分からない段階でも、整形外科へ相談できます。
監修
SBC整形外科クリニック 西新宿本院
院長 沼倉 裕堅 医師
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