「朝起きると腰が痛くて、すぐに立ち上がれない」
「歩いているとお尻や脚が痛くなり、途中で休みたくなる」
「レントゲンで“腰の骨が変形している”と言われた」
このような症状から、
変形性腰椎症
を心配している方もいるでしょう。

変形性腰椎症は、加齢などに伴って腰椎の椎間板や関節が変性し、骨棘などの変化がみられる状態です。
ただし、
腰椎に変形があるからといって、必ず強い腰痛や歩行障害が出るわけではありません。
痛みやしびれの原因を考えるには、症状・診察所見・画像検査などを合わせて確認する必要があります。

背骨は「椎骨」と、その間にあるクッションのような
椎間板
から構成されています。
年齢を重ねると椎間板や椎間関節に変性が生じ、椎間板の高さが低くなったり、
骨棘(こつきょく)
と呼ばれる骨の突出が形成されたりすることがあります。
一方、変性が進んで慢性的な腰痛や可動域制限が生じたり、神経の通り道が狭くなって脊柱管狭窄症などを伴ったりすると、脚の痛み・しびれ・歩行障害が現れる場合があります。
「朝、ベッドから起き上がるときが一番痛い」という腰痛は珍しくありません。
長時間同じ姿勢で寝た後は、腰回りの関節や筋肉にこわばりを感じ、起き上がる最初の動作で痛みが出ることがあります。
現記事にあった「睡眠中に腰への血流が滞るため、朝に激痛が起こる」という単一の原因説明は避け、症状と診察所見から原因を考える方が適切です。
変形性腰椎症の変化によって神経の通り道である脊柱管が狭くなると、
腰部脊柱管狭窄症
を伴うことがあります。
腰部脊柱管狭窄症で特徴的なのが、
間欠跛行(かんけつはこう)
です。
| 状況 | 症状の例 |
|---|---|
| 立っている・歩く | お尻・太もも・ふくらはぎなどに痛みやしびれが出る |
| 歩き続ける | 症状が強まり、歩き続けることが難しくなる |
| 座る・前かがみで休む | 症状が軽くなり、再び歩けるようになることがある |
ただし、歩くと脚が痛くなり休むと改善する症状は、血管の病気などでも起こることがあります。
「5分しか歩けないから変形性腰椎症が重症」と時間だけで判断するのではなく、症状が出る場所・姿勢との関係・神経所見などを確認することが重要です。
腰痛には、変形性腰椎症以外の病気が隠れていることがあります。
特に排尿障害や急速に進行する筋力低下などがある場合は、神経への重大な障害が起きている可能性があるため、通常の慢性腰痛として様子を見続けないでください。
診断では、まず症状や経過を聞き、腰や脚の動き、痛む場所、感覚、筋力などを確認します。
| 検査 | 主に確認すること |
|---|---|
| 診察 | 痛む場所、動作との関係、感覚、筋力、歩き方など |
| レントゲン | 骨棘、椎間板の高さ、腰椎の配列、骨折など骨の状態 |
| MRI | 脊柱管、神経、椎間板など。神経症状が強い場合や脊柱管狭窄症などを疑う場合に検討 |
| その他 | 症状に応じて血液検査、尿検査、CT、筋電図などを検討 |
必ずしもそうではありません。
加齢に伴う腰椎の変化は、痛みがない人にもみられることがあります。そのため、
画像だけを見るのではなく、痛みの場所や症状と画像所見が一致しているか
を確認します。

MRIは、脊柱管や神経、椎間板などレントゲンでは確認しにくい組織を評価するのに役立ちます。
痛みがある変形性腰椎症では、通常は
薬物療法・装具療法・理学療法・リハビリテーションなどの保存療法
から治療を検討します。
痛みの程度や持病などを確認し、鎮痛薬や外用薬などを使用することがあります。脚の神経痛を伴う場合などでは、症状に応じて使用する薬が異なります。
痛みが強い時期などに、腰への負担を軽減する目的でコルセットを使用する場合があります。必要性や使用期間は症状に応じて判断します。
慢性的な腰痛では、痛い場所だけを見るのではなく、腰・股関節の動き、体幹・下肢の筋力、姿勢、歩行などを確認します。
「電気を当てて血流を良くすれば根本的に治る」というものではなく、痛みを軽減しながら身体機能や日常生活動作を改善していくことが目的です。
痛みの原因や神経症状の状態によっては、局所への注射や神経ブロックなどが検討される場合があります。どの治療が適しているかは、診断された病態によって異なります。
変形性腰椎症だけで直ちに手術が必要になるわけではありません。
脊柱管狭窄症などを伴い、保存療法でも強い歩行障害が続く場合や、筋力低下などの神経症状が進行している場合には、神経の圧迫を取り除く手術などが検討されます。手術が必要と判断された場合は、対応できる専門医療機関へ紹介します。
「根本治療」という言葉から、
すり減った椎間板や骨の変形を完全に元通りにできる治療
をイメージする方もいるかもしれません。
脊柱管狭窄症などで明確な神経圧迫があり、手術によって圧迫を解除する場合もありますが、それも腰椎を完全に「新品の状態へ戻す」治療ではありません。
そのため、
「どの構造が症状に関係しているのかを確認し、その病態に合った治療を選ぶこと」
が重要です。
元の記事では、保存療法の次の選択肢として
「再生医療で自己修復力を高め、根本改善を目指す」
という説明がありました。
腰痛があるからといって、長期間まったく動かない方がよいとは限りません。
一方で、神経症状がある状態で無理な運動や自己流の強いストレッチを行うことも適切ではありません。
どこまで動いてよいか分からない場合は、診察で原因を確認したうえで運動量を調整
しましょう。
変形性腰椎症など、医学的に必要な一般整形外科の診察・検査・処方・リハビリテーションは、内容に応じて健康保険の対象となります。
| 内容 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 整形外科診察 | 保険診療 |
| 必要なレントゲン検査 | 保険診療 |
| 薬の処方 | 保険診療 |
| 運動器リハビリテーション | 適応に応じて保険診療 |
| MRI | 医学的に必要な場合は保険診療。SBCでは連携医療機関で撮影 |
「年齢だから仕方ない」と決めつける必要はありません。一方で、レントゲンに変形があるだけで、その変形がすべての腰痛の原因だと決めることもできません。症状の原因を確認したうえで、ご自身の状態に合った治療を選ぶことが重要です。
西新宿本院・横浜駅前院では、腰痛や脚の痛み・しびれを含む一般整形外科の保険診療と、症状に応じたリハビリテーションに対応しています。

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